Sat 141115 花咲ガニを貪りつつ考える ウニ&イクラ丼 お話クツ君を断捨離する | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 141115 花咲ガニを貪りつつ考える ウニ&イクラ丼 お話クツ君を断捨離する

 12月7日、釧路での祝勝会は、ホテルからクルマで3分の「ふく亭」で。ずっと以前から気になっているおでんの店「万年青」のお隣である。今井君としては「万年青」みたいな普通のおでん屋でいいのだが、高級店「ふく亭」は、この5年で3回目の訪問。生け簀の中で毛ガニがウヨウヨ、クマ君に食べられるのを待ち受けている。

 しかし諸君、やがて料理されて出てきたのは、普通の毛ガニではない。釧路から根室にかけての冷たい冷たい海で大きく育った「花咲ガニ」である。おお、こりゃデカい。毛ガニの2倍ぐらいの大きさである。デカいばかりではなくて、トゲトゲの先っちょまでビッシリ身が詰まっている。受験生の勉強も、このぐらいビッシリ&ミッチリ身が詰まっていたら、どれほど素晴らしいだろう。

 カニを食べながらそういうことを思うのは不謹慎かもしれないが、さすがに北海道の冷たい海の底でジックリ時間をかけて育ったカニさんだ。ジックリ育てば、中身も濃密にミッチリ&ネットリ充実するものであって、「なるほど、勉強の極意もそこにあるんじゃないか」と変に感心する。やっぱり、チャラチャラやってちゃダメなのだ。

 根室まで行くと、こういう見事な花咲ガニが安く手に入るのだという。おお、根室。地図で見ると、釧路から根室は地図で見ると目と鼻の先に思えるが、実際にJR根室本線で根室を目指せば、約3時間の道のり。1日8往復しかない。
13459 花咲かに
(釧路の祝勝会で、大きな花咲ガニをいただく)

 根室には、加盟校として長年マコトに誠実に努力されてきた先生がいらっしゃる。仮にK先生としておくが、K先生のご兄弟も山口県長門市で塾を経営されていて、今井君は代ゼミ時代に長門に招かれて講演会を行った。

 思い起こせば10年以上以前のこと、あの時はまだ代ゼミにも勢いがあって、長門の講演会に集まった受験生は300名を超えた。あんまり嬉しかったので、300名全員にサインを書きまくった。彼ら彼女らも、もう30歳になるはずだ。

 「長門で300名」とは、まさに驚くべき数字であって、K先生のご兄弟は今もなお代ゼミのサテラインで誠実な努力を続けていらっしゃるはず。やがて今井君は東進に移籍して、たびたび根室のK先生の評判をうかがった。

 長門、根室、どちらも少子化が激しくて、塾の立地条件としては恵まれているとは言えないが、その誠実な奮闘と努力は尊敬に値する。教育の機会均等を考えれば、少子化の不利の中で不屈の努力を続ける先生方は、今の日本にどうしても必要な存在である。

 「いつか長門と根室には挨拶に行かなきゃな」と思って暮らしてきた。長門は確かまだサテラインだから、ノコノコ出かけていくわけにはいかない。しかし根室なら、何かの機会にお邪魔することはできそうである。

 今回の釧路訪問は大チャンスであったが、「片道3時間、往復6時間、しかも1日たった8本」という遠い道のりを、仕事のスキマを縫って往復するのはやっぱり無理。呼ばれてもいないのに突然押し掛けるのも、失礼な話かもしれない。
13460 ふく亭
(釧路「ふく亭」。全ておいしゅーございました)

 ミッチリ身の詰まった花咲ガニを遠慮なく食しながら、クマどんはそんなことを考えていた。そういえば、長門での講演会から帰った翌々日、驚くほどたくさんのカニを送ってもらった記憶がある。いやはや、懐かしい限りでござるね。

 こうして、何となくシンミリしながらお酒が進んだ。ついさっき釧路の諸君の前で「北海道大学を釧路の人間で占拠しちゃうぐらい勉強しようぜ」と激しく檄を飛ばしていたのだが、花咲ガニをムシャムシャ貪ったぶん、かえって寂しくなってきた。

 ついこの間の旭川でも「北大を旭川の人間で占拠しちゃおうぜ」だったし、函館でも「北大を函館の人間で占拠しちゃおうぜ」と檄を飛ばした。北海道は札幌への一極集中で、北海道の憧れである北大に、地方都市から現役合格することは困難になっている。

 それどころか、その札幌からでさえ、北大に入るのはなかなか容易なことではないらしい。今井君はマコトに暢気な人間だから、北大は北海道のヒトビトの天下なんだろうと思っていたが、このところ首都圏や関西圏からの受験生が、怒濤のように押し寄せているらしい。

 北海道の大自然の中でノンビリ高校生活をエンジョイするタイプの受験生は、子供の頃から厳しい受験の世界を生きてきた大都会の彼ら彼女らに対抗しにくい。網走や稚内や根室の高校生が現役で北大に合格するのは、今後ますます困難になるかもしれない。
13461 うにイクラ丼
(釧路空港「北斗」のウニ&イクラ丼)

 今井君の闘志に火がつくのは、こういう時である。地方都市の諸君、立ち上がらなければならない。北大は北海道の諸君でいっぱいにしたまえ。九州大も、もちろん九州の諸君で占拠しちゃいたまえ。バリバリ勉強を進めて、現役で北大も九大もバシバシ合格して、合格したらさっそく海外留学を考えるぐらいにやりたまえ。

 いやはや、闘志に火がつきすぎて、この夜の祝勝会だけでは物足りなくなってしまった。翌12月8日、タクシーで釧路の空港に到着したところで、
「この際ここで単独祝勝会をやっちゃおう」
「積極的にBuy Hokkaidoをやって、ホンの少しでもいいから北海道を元気づけよう」
と考えたわけである。

 そこで奮発して、思い切って「ウニ&イクラ丼」を注文。お店は空港に2軒あるレストランのうちの1つ「北斗」。他のお客が「醤油ラーメン」「塩ラーメン」「盛り蕎麦」でつつましくツルツルやっている中、豪勢にウニ&イクラ丼は気が引けるけれども、諸君、あくまでBuy Hokkaidoの一環だ。今日は仕事がないから、北海道の冷酒も1本お願いすることにした。
13462 お話靴1
(旅行用のクツを、ついに断捨離する)

 さて、ここで「断捨離」の記録を1つ付け加えておく。釧路からはるばる帰京したのは午後5時であったが、「もうチャンと断捨離しなきゃ」「今度こそ思い切って」と悩み続けてきた旅行用のクツを一足、「今日はいよいよ」と決意。冬の夕暮れの玄関に立ち尽くして、コブシをワナワナ震わせた。

 今井君は「良い品物を買って、長く大事に使う」主義。鞄は20年目、革靴は8年目、冬のコートは、驚くなかれ25年目である。だから写真のクツをたった5年目で断捨離するのは、ほとんど「断腸の思い」であるが、新宿伊勢丹で購入して5年、底が剥がれてパックリと口を開けてしまったクツを、これ以上酷使するのは可哀想である。

 口を開けてお話を始めたのは、昨年の9月、シカゴの街を散歩の途中であった。東京 ☞ シカゴ ☞ サンパウロ ☞ リオデジャネイロ ☞ パリ ☞ 東京と、地球をグルリと1周する旅の、まさに出発点でおハナシを始めちゃったわけである。
13463 お話靴2
(パックリ大きく口を開けて、楽しそうにお話をするクツ君)

 あの時すぐに断捨離を決めてもよかったのだ。しかし諸君、すぐにスーパーで強力接着剤を買ってきた。その後、サンパウロで3回、パリでも1回、パックリお口を開けるたびに、接着剤でしっかりそのお口を閉じさせた。

 だからこのクツは、共に世界を一周した言わば戦友であって、カンタンに断捨離する気持ちにはとてもなれなかった。しかし今年の冬になって、事態はいよいよ悪化。もう接着剤ではゴマかせないほど、クツ君のおハナシは激しくなってしまった。

 12月8日、「クツ君♨最後のオツトメ」に近所までちょっと出かけた後、涙をこらえつつ、こうして写真に収めた。クツ君は、瀕死の重傷を負いながらも、ホントによく頑張ってクマに付き合ってくれたのである。

1E(Cd) Krause:BACH/DIE LAUTENWERKE・PRELUDES&FUGEN 2/2
2E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 1/3
3E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 2/3
4E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 3/3
5E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM 1/2
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