Tue 141028 大雪の北海道 驚くべきカムイ 旭川の大前夜祭 医学部生に囲まれて熱く語る | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 141028 大雪の北海道 驚くべきカムイ 旭川の大前夜祭 医学部生に囲まれて熱く語る

 11月15日、マトモな世間は七五三であって、千歳飴をぶらさけたコドモがパパ&ママの間にはさまり、マゴに高額のお小遣いをあげてしまったダラしないジーチャンが、バーチャンと娘に「甘やかさないでよ♨」メッタヤタラに叱られる1日である。

 ジーチャンにとってマゴを甘やかすのが一番の楽しみなので、可愛いジーチャンをそんなに叱らないでほしい。今井君もダラしないジーチャン候補の筆頭。あと数百年も長生きすれば、大広間を埋め尽くしてズラリと並んだマゴ1人1人に分厚いお小遣い袋を手渡し、家族という家族から天下の極悪人みたいに叱られている可能性もなくはない。

 まあさすがに徳川家斉じゃないんだから、「マゴが百人、ヤシャゴが千人、ヤシャゴで江戸が満杯に」ということにはならないだろうが、とにかくダラしないことでは天下一品のクマどんだ。ネコにさえ遺産をあげそうでコワいから、できる限り遺産なんか残らないようにと、日々の努力に励むことになる。

 遺産を残さない一番の方法は、「稼がないこと」であって、ノンベンダラリと仕事を何もしないで過ごすか、仕事とカンケーネー外国旅行にバンバン出かけて、見る物&聞く物すべてに夢中になるか、そのどちらかである。
お刺身
(旭川の前夜祭で。新鮮なお刺身、おいしゅーございました)

 「何もしないでノンベンダラリ」も大好きだが、そんな努力が長続きするはずはない。そもそも「努力してノンベンダラリ」という矛盾した行動にムリがあって、「ネコに遺産を残してヒトビトの指弾を受けるのがコワいから、ノンベンダラリと生活するように努力しています」なんてのは、ムリのし過ぎで肩が凝りそうだ。

 そこで、「せっかく努力するなら、タップリ世界を見てこよう」と方針を転換する。冷静にこの6年半のブログを読み返してみるに、今井君の忙しい日々はちょっと異様に見えるほどであって、国内でも外国でも、とにかくありとあらゆる機会をとらえ、「あっちだ」「いや、こっちだ」と飛び歩いてばかりいる。

 11月15日のクマどんは、雪の北海道に現れた。仲間のクマたちはさすがにそろそろ冬眠した頃で、あったかい穴の中でスヤスヤ♡スヤーッと寝息をたてているはずである。東京都渋谷区のツキノワさんは羽田からヒコーキに乗って、北海道の親戚・ヒグマさんたちの冬眠の進捗状況を視察にやってきたわけである。
サントリー
(サントリー「天然水の森プロジェクト」のポスターより。このツキノワさん、エラく可愛いじゃないか)

 もっとも視察の必要は全くなかったので、新千歳空港に降りてみると「もう山はすっかり雪だんべい」という寒さ。新千歳から特急「スーパー♡カムイ」に乗って札幌 ☞ 旭川と北上するに従って、雪は人里でもしんしんと降り積もり、これじゃさすがのヒグマさんたちもオウチからノコノコ出かけられる状況ではない。

 「スーパー♡カムイ」とは、「すっげーカムイ」「ものすごくカムイ」ということであって、昔から今井君はこの名称に納得がいかないのだが、諸君、今やこの類いの電車が日本中を蹂躙しているありさま。鳥取方面には「スッゲー♨はくと」、常磐線には「ものすごく♨ひたち」、中央線には「驚くべき♨あずさ」が日々ひた走っている。

 そこで初冬のツキノワさんも、おとなしく黙って「驚くべきカムイ」で北上する。千歳あたりでは雪は浅かったが、恵庭 ☞ 新札幌と進むうちに、積雪は5cmから10cmとドンドン深くなり、札幌から岩見沢に向かう頃には、車窓はすっかり真冬の景色になった。

 「驚くべきカムイ」が旭川に到着したのは、もう午後5時のことである。駅からはタクシーで旭川グランドホテルへ。ここのフロントで、昔の生徒が働いている。旭川で一番の老舗ホテルである。
うたげ
(旭川の前夜祭、宴もすっかり乱れた頃)

 困ってしまうのは、駅からホテルまでの距離が中途半端なこと。歩いていける距離ではあるが、もしホントに歩けば、おそらく20分はかかる。この日の旭川は積雪40cmであって、革靴なんか履いてたんじゃマトモに歩ける状況ではない。

 もちろん雪国出身のツキノワ今井は、キチンと雪道対応のクツを履いては来た。しかしそれでも「雪道を徒歩20分」はツラいし、11月の北海道の午後5時は、もうとっぷり日も暮れて心細い。ナマイキな今井君が思わず駅前からタクシーに乗り込んでしまっても、きっと許してもらえるだろうと信じる。

 ところが諸君、タクシー運転手さんは「旭川グランドホテル」と聞いて、即座に激しく舌打ちをなさったのである。舌打ちは、普通「ちっ」という程度であるが、彼の舌打ちには「ブチッ」とどこかで筋でも千切れたような、不吉な重い響きがあった。

 すると、今井君はそそっかしいから、思わず「大丈夫ですか?」と尋ねてしまった。運転手さんは完璧に無言。その後も「機嫌をとろう」「とりなそう」と粘り強く努力を続けたが、いやはや諸君、もともと機嫌の悪そうなオジサマの機嫌をもうヒトヒネリひねってしまった以上、もう取りなしも何もあったものではない。
大雪の夜の旭川
(大雪の夜の街)

 結局、ホテルまでの数分間は無言の行。ホテルに着いても、料金さえ言ってくれない。「おいくらでしょうか?」と尋ねるクマの声も震えがちであって、「2時間も駅前で順番を待って、たった540円」という彼の気持ちが痛いほどよく分かる。

 しかも「スミマセン、レシートください」も言わなきゃいけない。今のシチュエーションでそのヒトコトを発するにはなかなかの勇気がいるが、クマどんは森の梢に立ってガオーッと仲間を呼ぶようなつもりで、ひとこと「領収書くださーい!!」と叫んでみたのである。

 こういう心のキズを癒すには、
① 部屋のテレビでお相撲でも見る.
② 明日の仕事の「大前夜祭」に出席、若い先生方と歓談する。
という2つの道があって、がめつい今井君はその両者を選択した。新鋭の関脇・逸ノ城が横綱・鶴竜に大善戦した日であって、いろいろ意地悪な批判を浴びながら唇を噛みしめて前進する彼の姿に、思わずマブタが熱くなるのだった。

 明日の旭川でのお仕事は、午前10時から。12時で仕事が終わったら、すぐに新潟に飛ばなければならない。そこで「いつもなら仕事の後の『祝勝会』ですが、今回は前もって勝利を誓い合う『前夜祭』にしましょう」ということになった。

 旭川にはもう何度もおジャマしているので、先生方やアルバイトの諸君とも、もうすっかりお馴染みである。はるか苫小牧から電車で4時間近くかけて駆けつけてくれたエラい先生もいらっしゃる。
らーめん
(〆の煮込みラーメン。もちろんこれは4~5人分である)

 旭川医科大の諸君もズラリと並んだ。「愛媛県松山で授業を受けていて、あえて旭川医大を選んだ」という顔なじみの学生は今年は参加できないが、そのぶんというか何というか、初対面の学生4名が新しく加わって、今井君は合計6名の旭川医大生に囲まれた。

 ラグビー部でプロップをやっていた彼も、「小児科に決めました」という世田谷区奥沢出身の彼も、早いものでもう5年生である。卒業まであと1年とちょっと、確かに医師らしい落ち着きと自信と風格が加わったような気がする。頼もしいかぎりである。

 北海道の新鮮なお刺身、おいしゅーございました。エゾシカ肉のステーキ、たいへんおいしゅーございました。居酒屋の奥、囲炉裏が似合いそう小さな部屋に20人近くが身体を小さくして集まり、囲炉裏はなかったが歓談は熱く燃え上がって、最後の〆の煮込みラーメンも、マコトにおいしゅーございました。

 ただし諸君、名残は尽きないが、気がつけばもう午後11時だ。このへんでキリをつけておかないと、明日の集合はホテルのロビーで朝9時。万が一「ネボーしちゃいました」なんてことになったら一大事である。「最後にもう1杯」と思うダラしない心を抑え、深く雪の積もった真冬の道を、キチンとホテルに戻った感心な今井君なのであった。

1E(Cd) Bill Evans:GETTING SENTIMENTAL
2E(Cd) George Duke:COOL
3E(Cd) Joe Sample:RAINBOW SEEKER
4E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
5E(Cd) Marc Antoine:MADRID
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