Sun 141026 大阪まで文楽を見に行く 猟奇バーチャン大活躍 観劇マナー 裏なんば探訪 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 141026 大阪まで文楽を見に行く 猟奇バーチャン大活躍 観劇マナー 裏なんば探訪

 ちょっと大阪までヒコーキに乗って、人形浄瑠璃を見に出かけることにした。18日朝のヒコーキで大阪に向かい、梅田のホテルでちょっと休んでから、ウルトラ大昔の友人と待ち合わせた。国立文楽劇場で5時間、演目は「奥州安達原」。猟奇バーチャンの大活躍に血も湧き、肉踊り、骨までバキバキ言いそうな勢いだった。

 「ヒコーキで大阪まで文楽を見に行く」「それだけのために高級ホテルに1泊する」という行動は、おそらく読者の評判が悪いので、秘密にしておくかどうかかなり迷った挙句であるが、ブログ記事が毎日同じような「収録」「大盛況」「祝勝会」ばかりつづいては、読者だって退屈するだろう。

 大盛況☞祝勝会の日々についても、ホントは早く詳細を書きたくてウズウズしているのだ。13日は東京・国立、15日は北海道旭川、16日は新潟県新発田で「大盛況」をやってきた。

 医師のタマゴが5人も参加してくれた大雪の旭川前夜祭、うぉ、早く詳しく書きたい。新潟・月岡温泉の旅館での大祝勝会は、何故かソックリさん大会で、中村吉右衛門(鬼平犯科帳の鬼平どん)ソックリの人、ルパン3世ソックリの人、指揮者の大友直人と瓜2つのオカタ、ズラリと並んだソックリさんを前に、今井君もマコトに楽しかった。
ミックスモダン
(伊丹空港内「たこぼん」のミックスモダン)

 しかし諸君、やはりブログもバランスだ。外国旅行の話ばかり並ぶのも避けたいし(マック君は「さけたいし」☞「酒田医師」と判断)、大成功 ☞ 大爆笑 ☞大祝勝会の写真ばかり並ぶのも、やっぱり避けた方がいい。そこで迷いに迷った挙句「ヒコーキで大阪に文楽を見るためだけに行ってきました」と告白することに決めた。

「ジンギスカンを貪るためだけに札幌へ」
「お相撲を見るためだけに福岡に」
「ヤシガニを味わうためだけに沖縄へ」
みたいな非常識な行動をとったとしたら、間違いなく周囲の評判は最悪だろう。

 今井君はマコトに臆病なクマであって、手近なドングリ1つをつまんでお口に運ぶだけで、周囲の評判が恐ろしい。批判する人がいたらどうしよう、非難が集中してボーッと燃え上がる大惨事になったらどうしよう。そんなのは絶対にイヤである。

 しかし諸君、幸いなことに大阪への1泊旅行の目的は、文化のカホリ高い「人形浄瑠璃」だ。ヤシガニやお相撲やジンギスカンよりは、やっぱり人の見る目が優しくなるだろう。
文楽
(大阪11月文楽公演。「奥州安達原」、いやはや面白かった)

 しかもこの贅沢な行動には、オカネもほとんどかかっていない。まず、ヒコーキ代はロハ。ロハとは「只」という漢字を縦に分解して「タダ」を示すギョーカイ用語。貯まったマイルをつかってヒコーキでビューンと大阪に飛んだ。

 ホテル代も、やっぱりロハ。今井君はインターコンチネンタルホテルが大好きで、サンパウロやマルセイユで14泊、シカゴやNYやボストンやワシントンで4泊、乗り継ぎのたびにパリにフランクフルトで3泊、いつの間にか塵も積もってポイントは30万ポイントを超えている。これをつかって宿泊もロハなら、そんなに批判は浴びないだろう。

 つかったオカネは、電車賃だけである。今井君はマコトに控えめなクマどんなので、こういう旅にタクシーは使わない。羽田までは千代田線 ☞ 山手線 ☞ 東京モノレール。伊丹空港からも、空港バス ☞ 地下鉄御堂筋線 ☞ 地下鉄千日前線。帰りも全く同じルートで、まさに品行方正である。

 ここまで倹約のしっかり身についた品行方正グマならば、寛政の改革に乗り出した直後の松平定信だって、「これぞ品行方正の見本」として絵姿を描かせ、田沼時代の贅沢や奢侈に慣れきった江戸市民や、京&大坂のヒトビトの戒めとしたかもしれない。カゴなんかに乗って、いい気持ちでエッホエッホ揺られて行くのは言語道断でござる。
あじと
(終演後「裏なんば」を探訪。「あじと」と言ふ店に入ってみた)

 奥州安達原の鬼バーチャンの5時間にわたる大活躍は、今の今井君の精神&肉体状態にはテキメンに効いたので、「よっしゃ、また明日からオレも大活躍しよう」とコブシを天に突き上げる思いだった。「よっしゃ」「よっしゃ」であって、マコトによっしゃ&よっしゃである。

 台本に放送禁止用語が多すぎるのと、論理的に辻褄が合わないコネタが頻発するのと、その2つが気にならないことはない。今井君は舞台となった奥州の、そのまた外れの出身であって、奥州の人間を「花の名も分からぬ、猪や猿にも劣る輩」と言われてしまっては、思わず苦笑だって漏れるというものだ。

 しかしこの豪快なバーチャンはどうだ。旅人の腕を1本スポンと抜いちゃったり、のど笛に噛みついて即死させたり、臨月の女の腹を裂いて赤児を奪ったり。まさにやりたい放題の化け物であるが、実は安倍頼時の妻。息子である安倍貞任&宗任兄弟の、八幡太郎義家に対する復讐戦を援護せんがための、獅子奮迅の戦いなのだ。

 しかしやっぱり、うひょ、こりゃ恐ろしい。これをもしホンモノの人間が演じたり、実写版の映画になんかしようもんなら、恐ろしすぎて目も当てられない。ここはやっぱりお人形の出番なので、スプラッター系のホラーにも館内は笑い声に包まれていた。
ふくろう
(箸置きもお皿もみんなフクロウのマーク入り)

 ただし、竹本住大夫の引退後、文楽の人気はグッと翳ってしまったようである。切れ語りだった竹本源大夫も引退。客席は5~6割の入りで、後方は空席が目立つし、上演中に絶え間なく話し声が聞こえるぐらいで、観客のマナーも今一つである。

 劇場側も、マナーについて懇切丁寧に放送を繰り返す。
① 録音・録画・写真撮影は固くお断りすること。
② 帽子をかぶったままでの観劇は、後ろのお客様の迷惑になること。
③ 前に乗り出してのご観劇も、お客様どうしのトラブルになりやすいこと。
④ 客席でのご飲食はお断りすること。
など、微に入り細を穿って放送を繰り返し、一度などは係の人がナマで肉声を張り上げながら通路を巡って歩いた。

 もちろん、あんまりしつこく放送するのも考えものであって、このままでは
「観劇中のゲップ、鼻すすり、クシャミ、貧乏ユスリはご遠慮ください」
「腸内にたまったガスをこっそり放出する行動は、他のお客様の呼吸の妨げになります」
「オヒゲを撫で回すシャラシャラ音が、周囲のお客様のご迷惑になります」
とか、そういうポスターまで貼り出されそうな勢いである。

 今井君としては、特に③「前のめり観劇の害」を強調していただきたい。この10年ぐらい「前に乗り出してのご観劇」が目立つようになったし、野球や相撲やラグビーで「前に乗り出してのご観戦」については、万が一注意でもしようものなら「激しい逆ギレ」の恐怖さえ感じるほどである。
らーめん
(〆のラーメン、おいしゅーございました)

 20時40分、猟奇バーチャンの大活躍は終演を迎え、今井君は太古の昔からの友人と大阪ミナミの街に出た。ANAの機内誌「翼の王国」で紹介されていた「裏なんば」の飲屋街を探険してみたかったのである。

 入ったのは「あじと」。ANA機内誌にお寿司の「富久佳」と一緒に紹介されていたお店であるが、別にこの店を探して行ったわけじゃなくて、友人がそれとは知らずに予約してくれていたのだ。

 お酒もワインも焼酎も種類が豊富であって、お店の人もお酒のことをよく知っている。気さくな応対も気持ちいい。猟奇的な場面を見続けて、ちょっと落ち着かなくなっていたクマ君も、ここですっかり安心して、いやはやたくさん飲みました。

 気がつくと、道頓堀からちょっと奥に入ったあたりのラーメン屋。お昼にお好み焼き屋で「ミックスモダン」を貪り、あんなにお腹いっぱいになっていたはずなのに、ここのラーメンならスープまで残さず完食できる。残念なことに店の名前を覚えていないが、是非また行きたい店である。

1E(Cd) Santana:AS YEARS GO BY
2E(Cd) Gregory Hines:GREGORY HINES
3E(Cd) Holly Cole Trio:BLAME IT ON MY YOUTH
4E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE AND PIANO
5E(Cd) Holliger & Brendel:SCHUMANN/WORKS FOR OBOE AND PIANO
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