Thu 141016 深夜の大阪をトボトボ 状況は改善されそうだ 2日連続で天ぷら&鯛めし | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 141016 深夜の大阪をトボトボ 状況は改善されそうだ 2日連続で天ぷら&鯛めし

 11月6日は、19時から大阪なんば駅前でお仕事の予定。10年前までの古巣・代ゼミの大阪南校のすぐそばであって、何となく「申し訳ない」という気持ちもあるけれども、そんな武士の情けなんか発揮するのは返って失礼と言ふもの。こういうところで遠慮する必要は皆無である。

 ホテルで目を覚ましたのは午前9時。昨夜は加古川から帰ってきたのが午前0時40分、その後もいろいろあって、やっとベッドに入ったのは早朝3時。起床もこんなに遅くなった。

 一昨日と昨夜の今井君はホテルに閉め出しをくうハメになり、部屋になかなか入れなかった。ホテルの謳い文句は「大阪駅直結」であるが、その「直結」は実際には午前0時半まで。その時刻を過ぎると、マコトに冷酷にほとんどの入口が施錠されてしまい、いつもの入口からは入れなくなるのである。

 警備員さんに「宿泊している者ですが♨」と事情を言うと、
「ああ、午前0時半でドアに自動でカギがかかります」
「ここからは入れません」
「正面玄関に回ってください」
とのこと。明石や加古川での大活躍で疲れ果てた今井君は、慣れない夜の大阪の街をトボトボ歩いて、「正面玄関」なるものを捜しあぐねたのであった。
与太呂
(楽しい大阪散策1 2日連続「与太呂」で昼めし)

 梅田では8月22日には飛び降り自殺事件があり、11月5日には東梅田で殺人未遂事件も発生している。「治安が悪い」というわけではないにしても、人通りの絶えた深夜の大都会を冷たい風が吹き荒れ、右上腕部に痛みをかかえた中年男が、疲れた足を引きずってトボトボやっていれば、まあそれなりに悪い人のターゲットにもなるだろう。

 それ以上に困り果てたのが「トイレ」でござるよ。5日は明石で、6日は加古川で、祝勝会のビール・ウーロン茶割・日本酒をシコタマ飲んで帰ってきた。新快速電車に40分も50分も揺られて帰れば、ポンポンから膀胱にかけて水分が容赦なく行き渡り、排泄の欲望は頂点に達している。

 もちろん駅で用を足して帰るべきだったのかもしれない。しかし、同じ「用を足す」であっても、駅のいろいろ生臭いトイレと、新築ホテルの豪華トイレを比較した時、もしも「駅直結」ということなら、「ホンの5分のガマンだ。ホテルの部屋に帰ってからにしよう」と思うのが普通じゃないだろうか。

 というわけで諸君、午前0時40分の今井君は
① 右上腕部の引きつれるような痛み
② 治安への不安
③ 仕事の疲労
④ 膨らみつづける排泄への欲望
⑤ 吹きつける北風
⑥ 冷酷な自動施錠への苛立ち
など、ありとあらゆる問題が山積する中、夜更けの梅田をトボトボ歩いていたのである。これほどミジメな中年グマがこの世に存在するであろうか。
かき広
(楽しい大阪散策2 かき広。市庁脇の水辺に浮かぶお船である)

 こんな状況を放置するクマどんではないから、すぐにホテル側に申し入れることにした。ちゃんと申し入れておかないと、同様の窮地に立たされる人が次々と現れるだろう。それが外国人観光客だったら、あまりに可哀そうである。

 「大阪駅直結」と宣伝していても、「それは午前0時半まで。その時刻を過ぎると『自動』で冷酷にドアを施錠します」という文言はどこにもない。「徒歩でトボトボ」を余儀なくされる場合にも、どこをどう通っていけばいいのか、掲示も案内もない。

 そのあたりに改善すべき余地があるんじゃないか。そもそも、JRも阪急も地下鉄も平気でまだ走り回っている時間帯に、一流ホテルのドアが「自動で施錠」だなんてのは、いくら何でも早すぎるんじゃないか。そういう申し入れをナイトマネージャーに理解してもらうまで、何と40分も粘り強く話さなければならなかった。

 その後の対応はさすが一流ホテルであって、「さっそく改善いたします」とのこと。若干の時間はかかるだろうが、おそらく近い将来「大阪駅直結」の時間帯は午前1時半ぐらいまで延長されそうだし、それでも閉め出されてしまった場合の案内板も、きっと設置されることだろうと思う。
三井住友
(楽しい大阪散策3 高麗橋、三井住友銀行大阪中央支店。外観以上に建物内部が壮観だった)

 こうして11月6日、ホッとして午前9時まで惰眠を貪ることとなった。お仕事は午後7時から、スタッフとの待ち合わせは夕方5時であるから、今日はのんびり大阪散策を楽しむことにした。

 まず、何と言っても腹が減った。昨夜のトボトボ街歩きが肉体にも心にも決定的に効いたのか、この空腹感はタダゴトではない。問題解決の達成感も大きいから、一種の祝勝会の意味も込めて、やっぱりここは天ぷらと行きたいじゃないか。

 そこで今井君は
「昨日と同じ『与太呂』に行こう」
「昨日と全く同じメニューで行こう」
「2日連続で『与太呂』に行ったろ」
と決意。さっそく電話で予約をとった。

 うーん、こういう非常識な行動が、クマ君はどうしてもヤメられない。同じ店に2日連続で出かけ、天ぷらに鯛めし、全く同じものを同じ順番で召し上がる。店の人も呆れて「おやおや」という苦笑を浮かべながらカウンター席に迎え入れてくれた。
モリタ
(楽しい大阪散策4 高麗橋「モリタ万年筆」。しばらくウィンドーに貼りついて、高級万年筆を鑑賞した)

 天ぷらの順番は、海老 ☞ ぎんなん ☞ むかご ☞ ウニ大葉巻き ☞ パプリカ ☞ さつまいも ☞ かぶら ☞ キス ☞ 小たまねぎ ☞ 海老 ☞ また海老 ☞ かきあげ。「大葉巻き」と入力して「大場真紀」と出てくると、ますますMac君が大好きになる。

 順番を記憶しているクマどんも大したものだが、大阪の天ぷらもまた素晴らしい。キスの揚げ方が東京と違って、例の平べったいヤツを2つに折りたたみ、まるでメゴチのように見えるスタイルで揚げるのである。平べったいままのキスの華やかさはなくなるが、食べやすさということになれば2つ折りたたみのキスがいい。

 ガンコそうな店の大将も、さすが2日連続のクマ来襲にはビックリした様子。昨日は「お好みで」と言ってみた今井君に対して「それはやってません♨」「コースだけです♨」と突慳貪に返してよこしたが、今日は最後に「続けて来てくれたお礼です」と、小海老のたっぷり入ったかき揚げをサービスしてくれた。
鯛飯
(楽しい大阪散策5 再びの「与太呂」で、再びの鯛めし)

 鯛めしをよそってくれるオバサマのほうも、優しい微笑とともに「2日続けて天ぷら、大丈夫ですか?」といろいろ話しかけてくれた。
「大丈夫でごぜーます」
「天ぷらなら、5日連続でも大丈夫でごぜーます」
慌てた今井君はすっかり語尾がおかしくなってしまったが、これで「深夜トボトボ」のショックはすっかり解消された。

 残った鯛めしは「おみやげ」「お持ち帰り」ということになって、昨日と全く同じヤツをブラブラぶらさげ、淀屋橋から北浜の周辺を散策した。さすが大阪、高麗橋あたりで覗いてみる一軒一軒がマコトに味わい深い。

 三井住友銀行の大阪中央支店、その近くの「モリタ万年筆」、大阪市役所、市役所脇の水辺に佇む「かき広」など、掲載したい写真が目白押し。現在滞在中の新潟のホテルの一室で、選択に困り果てる初冬のクマなのである。

1E(Cd) Ashkenazy(p) Maazel & London:SCRIABIN/PROMETHEUS + PIANO CONCERTO
2E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 1/3
3E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 2/3
4E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE Nos.2 & 3
5E(Cd) Oortmerssen:HISTORICAL ORGAN AT THE WAALSE KERK IN AMSTERDAM
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