Mon 141013 高野山に小旅行 朝御飯は大切だ コロッケそば 初冬のヒョーロクグマ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 141013 高野山に小旅行 朝御飯は大切だ コロッケそば 初冬のヒョーロクグマ

 出張で連泊している場合、何しろお仕事のほとんどは午後7時ごろからであるから、「それまで何して過ごしますかね」が常に問題になる。もちろんカッコよく
「新刊の執筆を進めています!!」
「出版担当者との打ち合わせ!!」
「ああ、忙しい忙しい♨」
「もうすぐ出版にこぎつけます。楽しみに待っててくれ」
みたいなことを書いてもいいが、今井君は前代未聞&空前絶後の怠けグマであって、なかなかそんなシュッとした話にはならないのである。

 では、いったい何をしてればいいんだ? 朝は8時か9時には起きている。怠けグマは朝御飯を食べないから、スタッフと待ち合わせの17時まで、9時間もの時間が巨大な裂け目のようにポッカリ横たわることになる。
紅葉1
(高野山の紅葉は見頃を迎えていた 1)

 この場合、模範的な人間なら「朝御飯は大切です」という行動に出るはずである。かつて隂山英男先生は「早寝早起き朝御飯」を提唱。「朝御飯をキチンと食べていれば立派なコドモが育つ」≒「朝御飯ヌキだと立派な子は育たない」と繰り返し繰り返しおっしゃっていた。

 羽田空港には去年、浅田真央選手の大きなポスターが掲示されていた。どこかの食品メーカーの広告であるが「真央は食べてる。みんなは食べてる?」と、例の笑顔でニッコリ笑っているのである。

 おお、マコトに残念なことに、クマどんは立派な子に育たず、「ボクは食べてません」であり、出張連泊のたびに「時間の裂け目が9時間も横たわる」というハメに陥ることになる。
紅葉2
(高野山の紅葉は見頃を迎えていた 2)

 そこで諸君、大阪連泊真っただ中の11月4日、クマ蔵は「高野山に行ってこよう」と決意したのである。これが神戸なら「六甲山!!」だし、京都なら「嵐山!!」「大原!!」「栂尾&槙尾でモミジ!!」、札幌なら「北海道大学でイチョウ!!」とビックリマーク満載になるところ。大阪から高野山なら、9時間で行ってこられるだろう。

 この年になるまでクマ蔵は、高野山に登ったことがない。小4か小5の社会の時間に「空海(弘法大師)と最澄(伝教大師)が中国に渡り、仏教を深く学んで日本に帰ってきました」と習って以来、長い長い弘法大師との付き合いなのに、高野山も金剛峰寺も訪ねていない。

 こりゃやっぱり怠けグマだ。きっと朝御飯を食べないせいである。ならばとりあえず今日だけ一念発起して、「立派な人間もすなる朝御飯といふものを、怠けグマもしてみんとてするなり」と心を決めた。
こうや
(難波発 ☞ 高野山極楽橋ゆき、特急こうや)

 梅田から地下鉄で難波へ。南海難波の改札口近くに「南海そば」という立ち食い蕎麦屋があって、今井君はここのファンである。代ゼミ講師のころ、大阪の宿泊は南海サウスタワーホテル(今のスイスホテル)だったから、昼飯はいつもこの蕎麦屋だった。

 蕎麦屋だけれども、オムスビも各種揃っていて便利。「お蕎麦とお稲荷さん」など、炭水化物山盛りの昼飯はダイエットの大敵なのかもしれないが、あの頃の今井君はマコトに自堕落な生活を続けていて、今よりウェストが5cmも太かった。

 その懐かしい「南海そば」で、今朝のクマ貫之が買った食券は何と「コロッケそば」。お蕎麦の上にコロッケがのっかっている珍種である。さすがのクマ貫之も初体験だ。

 諸君、驚いたことにのっかったコロッケはちっとも温かくない。冷蔵庫から取り出したヤツを、そのまま熱い蕎麦の上にのっけて「はいおまちどうさま」なのである。

 熱い蕎麦をフーフーやりながら、冷たいコロッケを口に運ぶ。その温度差はなかなかのものである。これは面白い。お蕎麦はどんどんヌルくなり、コロッケはどんどん生ヌルくなる。マコトに面白い。しかし「面白い」と「オススメ」とは全く別のことであって、マジメな朝御飯派の人にはこの食品はちょっとオススメできない。
コロッケ
(コロッケそば)

 さて、熱く冷たく生ヌルいコロッケ蕎麦を3分で豪快にススりあげた今井君は、高野山行き特急「こうや」のホームに走った。車内放送で厳しく叱られる「発車間際の駆け込み乗車」であるが、おお、ほとんど満席だ。指定券があるからいいが、信心深いヒトビトがこんなにたくさんいるだなんて、さすが関西は違いますな。

 高野山はユネスコの世界遺産に登録されていて、そのせいか外国人観光客も多い。車内に中国の人はちっとも見かけないが、きっと彼ら彼女らは大型バスでのツアーが優先。電車での個人旅行はしないのだ。

 難波発10時、深い山や谷を縫って、終点・極楽橋まで1時間半。極楽橋でケーブルカーに乗り換えて5分ほど、ほぼ高野山頂に到着すると、おお、こりゃ寒いや。ダウンジャケットで武装しているヒトビトでさえ、寒い寒いを連発している。

 何しろ今朝の日本列島は厳しい冷え込み。北海道では雪が降っているし、東北は大荒れ、近畿地方もグッと気温が下がった。梅田の忙しそうなサラリーマン諸君も、分厚いコートを着込んで道を急いでいた。
奥の院
(高野山、奥の院。まさに深山幽谷であるね)

 ところが諸君、この日のクマ君のスタイルは「ワイシャツとベスト」。完全にヒョーロク玉であるが、何しろ出張のさなかなのだ。小さなカバン1個で大阪に来たんだから、コートなんか持ってるはずがない。

 小旅行に備えてカバンに詰めこんできたのは、普段着のズンボ1つと、ベスト1枚だけ。11月の厳しく冷え込む高野山で、「ワイシャツとベスト」のお散歩スタイルはマコトによく目立っていた。

 それでも、お腹の中にさっきの「コロッケそば」が湯たんぽみたいにタポタポ言っている。湯たんぽさえあれば、コートもダウンジャケットも必要ないじゃないか。朝御飯の大切さを再認識した初冬のクマなのであった。

 しかし、ケーブルカーで山頂に到着しても、ここからまだバスに乗らなきゃいけない。そんなことは全く予期していなかった。高野山駅にたどり着きさえすれば、もう目の前に大っきなお寺がどーんと居座っているものと思い込んでいたのに、金剛峰寺はここからバスで330円分も先なのである。

 行き当たりばったりの小旅行だから、ちっとも下調べなんかしていない。「山頂で2時間もあれば十分に見て回れるだろう」とタカをくくってきたけれども、どうやらそれは明らかに無理な話のようである。

1E(Cd) Mehta&London:BERLIOZ/SYMPHONIE FANTASTIQUE
2E(Cd) SCHUBERT:ERLKONIG SUNG BY 18 FAMOUS SINGERS
3E(Cd) TOSHIYUKI KAMIOKA&WUPPERTAL:SCHUMANN/SINFONIE Nr.4
4E(Cd) Sinopoli & New York:RESPIGHI/FONTANE・PINI・FESTE DI ROMA
5E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE Nos.2 & 3
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