Fri 141010 ウォーターフロントは超バブリー 速攻アジアを企画 (速攻シンガポール12) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 141010 ウォーターフロントは超バブリー 速攻アジアを企画 (速攻シンガポール12)

 こうして10月9日も夜がやってきた。自ら「速攻」と名付けた旅であったが、あとは最終日のディナーが待っているだけ。怒濤の速攻であって、シュトルム・ウント・ドランクというか疾風怒濤というか、ホンマに激しい3泊4日であった。

 今井君の外国旅行と言えば、欧米2週間がスタンダード。この2~3年はブラジルやアルゼンチンやウルグアイにも足を運ぶようになったが、アジア速攻の旅は今回がテストケースであった。

 もしシンガポールが楽しかったら、欧米の旅のスキをついて3泊とか4泊のアジア旅行もだんだんスタンダードに加えていこうと考えていた。最終日に至って、ほぼ決意は固まった。結論は「Go!!」である。

 まず最初に、ホーチミンとハノイに行かなきゃいけないだろう。今井君の世代にとって、ベトナムには長い長いベトナム戦争の悲しい記憶が染み込んでいて、いまだに「ランボー 怒りの脱出」のスタローンのイメージ。21世紀ベトナムのイメージを実感として把握するためにも、まずどうしてもベトナムだ。
ベイサンズ
(バブルな香り満開、夜のマリーナ・ベイ・サンズ)

 続いて候補に上がるのは、うーん、ムンバイでござるね。別に「沸騰するアジア経済を体感しなきゃ」というわけではない。インド洋に沈む夕陽が驚くべき美しさだという噂だから、ギリシャ・サントリーニ島の夕陽とどっちがキレイか、どうしても見極めておきたい。

 大王アレクサンダーはマケドニアの人であるから、コドモのころはギリシャの夕陽に慣れ親しんで育ったはず。ダレイオスのペルシャを破って遥かに東進し、やがてインドに至った時、美しいインド洋の夕陽に眺め入り、さすがの大王も望郷の念に取り憑かれたんじゃないか。

 今井君は単なるそのへんのクマ蔵であって、偉大な大王とは全く違うが、3年前の夏に見たサントリーニの夕陽は決して忘れられるものではない。いやはや、熱かった。シンガポールは「暑い」だが、サントリーニは「熱い」である。

 夕陽を眺めるために陣取ったレストランのテーブルは、ウェイターのオニーサンが「very sunny」と心配してくれるほど。2時間たっぷりギリシャの夏の太陽に照らされ、すっかり焦げ上がって真っ黒コゲの黒クマさんになっていくのが自分でも分かった。

 水をかければたちまちジュッと蒸発してしまいそうなほど焦げ焦げになった頃、お日さまはやっと真紅に染まって、ブドウ色のエーゲ海にゆっくりと沈んでいった。
夜景
(カッと目を見開いた勇壮なマーライオン殿)

 ムンバイでは、その舞台がエーゲ海からインド洋にかわるわけである。うぉ、こりゃエキゾチックじゃないか。今井君の世代にとって、ムンバイはあくまで「ボンベイ」であって、「ボンベイ・サファイア」も有名。キレイな色のボトルに入ったジンである。うぉ、早く行きたいもんですな。

 ついでにムンバイで有名な通勤列車も見てみたい。そのウルトラでスーパーでミラクルなほどの混雑ぶりはYouTubeでも見られるが、どうしても冗談にしか思えない。ウソかホントか冗談か、ホントに車両の屋根に乗ったり窓からぶらさがったりしているのか、この目で実際に目撃するまでは信じがたいのである。

 あとはもちろんバンコクにマニラ、プノンペンにビエンチャン。観光となると「ジャカルタ」という選択肢はなかなか浮上しないだろうが、インドネシアと言ふ国も、やっぱり見届けなくちゃいけないだろう。おっと、当然ミャンマーにマレーシアも忘れることはできませんな。
マーライオン
(本物マーライオンに背を向けた小型バージョン。孤独に陸側を見つめる姿が印象的)

 さて、最終日のディナーはマリーナ・ベイ・サンズのフードコートと決めていたので、今井君はまず夜のマーライオン君にしばし別れの挨拶をした。夜景の中のマーどんは、昼間よりもいっそう凛々しく猛々しく、カッとお目目を見開いたままお水のゲロを吐き出し続けている。素晴らしい、全く素晴らしい。

 ところで今井君がたびたび使う「素晴らしい、全く素晴らしい」というフレーズは、いったい何なんだろうか。何を隠そう、1964年10月10日、東京オリンピック開会式の実況中継の中で、NHKの名物アナ・鈴木文弥がガーナ選手団の入場に感激して叫んだヒトコトなのである。

 諸君も、市川崑の名作映画「東京オリンピック」を借りてきてみたまえ。6年後に迫った新・東京オリンピックにいまだに反対している人もいるようだが、鈴木文弥の迫力ある実況に耳を傾けているうちに、「よーし、絶対に成功させてみせるぞ」という闘志がフツフツと沸き上がり、思わず目には熱い涙が浮かんでくるはずだ。
おでん
(ディナーは、フードコートの中華風おでん)

 マーライオンからマリーナ・ベイ・サンズまでは、シンガポールの誇る超バブリーなウォーターフロントをグルリと回っていかなければならない。いやはや、夜になってますますバブリー。世界中のバブルというバブルを全部ここに詰め込んで、それでもまだ足りずに「光のショー」などというウルトラバブルも演出してくれる。

 こんなにコテコテのバブリーなのに、「なんでフードコートなの?」であるが、要するにこれはシンガポール独特の「ホーカーズ」をぐっと清潔&小ギレイにして、例の激しいニオイも控えめに、慣れない外国人でも近づきやすいバージョンに仕立てたものであるらしい。

 屋台風のカウンターがズラリと並び、アジア中の食べ物が何でもそろう中から、クマ君が選択したのは「中華風おでん」とでも呼ぶべきドンブリものである。

 棚の上に並んだ具材は揚げ物が中心。野菜類もある。これを数種類、自分で選んでドンブリにとり、店のオジサマに手わたすと、オジサマが店の奥で一気に蒸し上げてくれる。

 返してもらったドンブリには、具材の上から熱いスープが注がれ、おでんの出来上がり。麺も3種類あって、自分で指差して選ぶしくみになっている。味は薄めだがなかなかの美味であって、バブルの嵐の中を30分もかけて歩いてきただけのことはある。
具材
(おでんの具材)

 しかし諸君、せっかくの美味ではあるが、あっという間にお腹がいっぱいになっちゃった。最終日のディナーなんだし、せっかく何でも揃うフードコートでよりどりみどりを楽しもうと思ってきたのに、「ポンポンがいっぱい」「はちきれそう」になったんじゃ、もうそれ以上の楽しみようがない。

 若干しょんぼりした気分で、クマどんはホテルへの帰路についた。マリーナ・ベイ・サンズから直通の地下鉄でブギスまで2駅。この路線は最近なって新開通したものらしく、「近未来的」と呼びたくなる最新車両。東京メトロどんも、負けないようにしっかり頑張ってくれたまえ。

1E(Cd) Chicago:CHICAGO
2E(Cd) Take 6:BEAUTIFUL WORLD
3E(Cd) Kazuhiko Komatsu & Saint Petersburg:貴志康一/SYMPHONY ”BUDDHA”
4E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 3/3
5E(Cd) Sinopoli & New York:RESPIGHI/FONTANE・PINI・FESTE DI ROMA
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