Thu 140904 「呼び出し」になりたかった 豪風、大活躍の日々 三役そろいぶみを目撃せよ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 140904 「呼び出し」になりたかった 豪風、大活躍の日々 三役そろいぶみを目撃せよ

 せっかく日本人に生まれたんだから、天ぷらや寿司の通にもなりたいし、文楽や能や狂言は徹底的に見尽くしたいし、もちろん歌舞伎座にも入り浸って、日本文化にドップリ首までつかって生きていきたい。
 するとその中に「お相撲」が入り込まないはずはなくて、コドモの頃からお相撲ファンであることは、当然クマ蔵の誇りである。だって、幼稚園児のころの夢は
 ①「お相撲の呼び出しさんになること」
 ②「もしそれがダメなら、行司さんでも仕方がない」
 ③「うーん、駅の駅弁売りでもいいかな」
という順番。ナマイキに「医師」だの「作家」だの「大学教授」だのと言いはじめたのは、小学6年になってやっとだったのである。
 だからいまでも、お相撲の呼び出しや行司さんのマネは今井君の十八番。駅弁売りのマネも上手いが、残念ながら本家本元の駅弁売りが日本から消滅してしまった。
 「べんとー、べんとー。べんとべんとー」。長距離列車が大きな駅に到着すると、窓を開けて弁当とお茶と、赤い網に入った数個のミカンを買う。駅弁を売っているぐらいの町なら、国公立大学も1つぐらい存在する。それを揶揄して昔は「駅弁大学」などと言ったが、それもまた死語になっちゃった。
満員御礼
(連日の満員御礼。マコトにおめでたい)

 お相撲を見る目だって、なかなかのものだと自負している。今井君がミーハーになることは余り多くないので、数十年前、初代・大関貴ノ花や横綱輪島に日本中がキャーキャー言っていた時だって、今井君だけは依怙地に黙って北の湖ファンを続けていた。
 関脇とか小結までで終わった力士でも、長谷川とか先代・栃東とか明武谷とか、今でも顔や取り口を記憶している力士は少なくない。高鉄山とか二子岳とか、ハッキリした特徴がないのに粘り強く勝ち星を残し、どういうわけか幕内上位に定着しているお相撲さんたちも好きだった。
 今年に入ってすでに3回もブログで取り上げたが、いま注目すべき力士は、豪風と宝富士の2人である。Tue 140429の記事では宝富士のたゆまぬ努力について、Sat 140628とSun 140629の記事では、豪風のあまりにも地味な活躍について、ふざけ半分ながらも分かりやすく説明しておいた。
土俵入り
(幕内力士土俵入り。華やかである)

 ウルトラ新鋭・逸ノ城の活躍ばかりが報道された9月場所であったが、諸君、そういう誰でも分かる類いのことはテレビや新聞に任せておけばいい。さすがの今井ブログでは「宝富士と豪風の地味すぎる活躍」について、どうしてももう1度コメントしておきたい。
 千秋楽を前にして、宝富士は8勝6敗。昨日は新大関・豪栄道を見事に真っ向から撃破した。豪風は7勝7敗。千秋楽に勝ち越しをかけて豪栄道と対決する。豪風自身の思いを綴ったブログ「豪風がんばるぞ」もある。
 小さな身体でワチャワチャッと暴れるワチャワチャ相撲。決してマスメディアの注目するところとはならないが、地道にワチャワチャやっているうちにいつの間にか7勝8勝してしまう不思議さが彼の魅力だ。データを見ると、通算成績:517勝516敗。驚くなかれ、通算勝率.500ピッタリである。
白鵬
(横綱・白鵬土俵入り)

 7月、「35歳で初金星」。9月、「35歳で新関脇」。この老獪なベテランぶりがホンのちょっと話題になりかけたが、確かにこんなワチャワチャ落ち着きのない相撲で関脇まで昇りつめるとは、我々一般人も学ぶべきことが多い力士じゃあるまいか。
 「幕内と十両を行ったり来たり」ぐらいの力士かと勘違いしそうだが、立ち会いから何だかワチャワチャッとして、何も目立ったことをしていないのに、どういうわけか相手がバッタリと土俵に這ってくれる。マコトにフシギな取り口だ。
 怪物♨逸ノ城と比べると身長は25cm低く、体重は60kgも軽い。この体格でシブトク勝ち残り、秋場所の番付は上位から数えて8番目。ありゃりゃ、今日の千秋楽では、クライマックス「三役そろいぶみ」にも顔を出す。
呼び出しさん
(館内レストラン「雷電」にて。呼び出しのオニーサンたちもいっしょにメシを食べる)

 「今井君がブログで取り上げたから」というわけでもないだろうが、このところのワチャワチャ相撲全開のおかげで、だいぶファンも増えたみたいだ。なにしろ今や相撲界No.8の実力者。絶叫のような声援も少なくない。
 テレビ中継では、声援なんかほとんどないみたい聞こえるが、実際に両国国技館に足を運ぶと、若い女性の声で「たけかぜー!!」「タケカゼー!!」「たーけーかーぜーっ!!」と、意外なほど盛んに絶叫が交錯する。
 諸君、「努力は報われる」であり、「努力は実る」のである。体格に恵まれなくても、才能がイマイチであっても、努力次第でここまで来ることは可能なのだ。本日9月28日午後5時ごろ、豪風の晴れ舞台「三役そろいぶみ」を、今井ブログの読者はみんなテレビの前に集まって目撃してほしい。
櫓太鼓
(花やかな両国国技館前)

 ただし、昨日までの成績は7勝7敗。8勝7敗かで勝ち越せるか、それとも7勝8敗で負け越しになるか、それはマコトに心もとない。千秋楽の相手は、新大関♨豪栄道。ファンの数は圧倒的に新大関が多い、国技館はまさにアウェイの状況になるはずだ。
 しかも悪いことに、新大関もまた7勝7敗の成績で今日の一番に勝ち越しをかける。必死の形相で来ることは間違いない。下位の力士にはめっぽう強いワチャワチャ相撲だが、上位力士にはほとんど片手でポイ捨てされることも多い。うーん、やっとつかんだ関脇の地位は、どうも風前のトモシビであるように思える。
 だからこそ諸君、まず「三役そろいぶみ」の晴れ舞台に喝采をおくってほしい。そしてもし彼が勝ち越すような事態になったら、絶叫しながら天に向かってコブシをつきあげてほしいのだ。それこそが「努力は決して裏切らない」の決定的な証左になるはずなのである。

1E(Cd) Cluytens & Conservatoire:RAVEL/DAPHNIS ET CHLOÉ
2E(Cd) Miolin:RAVEL/WORKS TRANSCRIBED FOR 10-STRINGED & ALTO GUITAR
3E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
4E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
5E(Cd) Martinon:IBERT/ESCALES
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