2014年08月29日(金)

Tue 140805 ワシワシ カフェ・ルーチェ ステーキのオカワリ(おらんだサトン事件帖17)

テーマ:ブログ
 4月18日、アルクマールのチーズ市から帰ったクマ蔵どんは、アムステルダムの街を東へ西へ縦横無尽に歩き回り、ついに午後5時、夕食に予定していた「カフェ・ルーチェ」にたどり着いた。
 「カフェ」という名前はついているが、お客は誰一人として「カフェ」という認識はない。何が何でも「ステーキの有名店」であり、「ステーキを貪りに来たんじゃなければ、サッサと帰ってくれ」と客同士が視線で戦っている。
 ステーキは、アブラの少ないフィレ肉。「アブラがあまーい!!」のデロデロ肉なんか出したら、きっと暴動が起こる。そのぐらいオランダ人は肉質にうるさいので、日本にオランダ人がやってきて「最高級A5ランク和牛」なんてのを出されたら、そのデロデロぶりに茫然とするばかりか、店長や経営者をテーブルに呼び出して、
「ワタシは『肉』を注文したんですよ」
「アブラなんか出してどうするんですか?」
「このアブラのカタマリみたいなのは、何かの間違いですね?」
「不快です。すぐに引っ込めてください」
「チャンとしたお肉をすぐに持ってきてください」
と、思わず血相をかえるんじゃないだろうか。
断面
(このタイプの肉が大好物だ)

 今井君もまさにそういう意見に大賛成なので、日本の高級焼肉店とかステーキ屋なんかで、いかにも自慢気にシェフまで顔を出し、
「キレイなサシが入ってますでしょう」
「甘いですよー♡」
「トロリと舌の上で融けちゃいますよ♡」
みたいなことになると、その段階でもうアタマが痛くなる。
 ついでに、ホントにその会話だけで幸福な空腹感が消滅。さっきまでお腹の空きが100あったとすれば、100はたちまち5ぐらいになって、
「すいませーん、ウーロン茶ください」
「すいませーん、スイカとかナシとか、サクサクしたフルーツが何かありませんか」
など、そういうサクサク趣味&サクサク対応なクマ蔵に早変わりする。
 そういう趣味&方針のクマ蔵にとって、外国旅行は絶好のチャンス。赤身の肉を貪って貪って貪りまくる。ワシワシのワッシワシ、ワシワシのワッシワシ。ワッシワッシ&ワッシッシ、ワッシリ♡ワッシリ♡ワッシリシ。アゴが筋肉痛になるぐらい、咀嚼天国 ☞ 嚥下天国をやりまくる。
 というわけで、今回のオランダ滞在でも一番のお楽しみはその咀嚼&嚥下天国。肉&肉&肉、人が何と言おうが、クマ仲間が何と批判しようが、オランダ中のウシというウシを咀嚼し尽くして、ひたすら良質のタンパク質摂取に努める所存。心の底からウキウキしながら風車とチューリップの国にやってきた。
ステーキ1
(焦がし醤油ステーキ、1枚目)

 「ええっ、オランダ料理って、ニシンの酢漬けぐらいしか有名なものはないんじゃないの?」というアナタ。それはアナタ、「名古屋人はウイローとキシメンしか食べない」「広島の人は牡蠣とお好み焼きしか食べない」「大阪人は粉モンしか食べない」という発想。オランダ人だって、肉もワシワシやれば、寿司だってラーメンだって召し上がるのである。
 ましてや「男子の平均身長190cm」というお国柄だ。デロデロお肉より、ワシワシお肉が好きなのは当たり前。アムステルダムの繁華街には「アルゼンチンステーキ」の看板を掲げたお店がズラリと並び、東京の蕎麦屋や香川県のうどん屋より多いぐらいである。
 2年前のブエノスアイレス滞在以来、クマ蔵どんのアルゼンチンステーキ好きは決定的なものになって、「もう引き返せない」「どこまでも一緒」「繋いだその手を離さないで」というアリサマである。
 アルゼンチンの「アルゼ」まで目に入れば、もう「あるぜ」「あるぜ」「アルゼがあるぜ」と心は逸り立つばかり。自分で自分が制止できず、気がつくともう一番デカい300グラムのステーキを注文してしまっている。
 ホントは300グラムじゃ足りないのだ。ブエノスアイレスの名店「エスタンシア」では常に500グラムのステーキを運んできてくれたから、「うーん、たった300か」が正直なところ。しかしお店のほうではむしろ「日本人なのに、300も食べられるの?」と心配してくれる。
カフェルーチェ
(カフェ・ルーチェ、店内風景)

 この日の「カフェ・ルーチェ」も状況は全く同じである。こちらは心も踊り、気持ちも逸り立ち、「早くお肉が来ないかな?」と爪先立って調理場をうかがう勢いであるが、ウェイトレスのお姉さんはニコニコ笑いつつ「大丈夫なんですか?」「ホントに食べきれますか?」と首を傾げる様子である。
 やがて運ばれてきたステーキは、な・な・な・な何と「焦がし醤油ソース」である。カホリも味も、誰がどう見ても絶妙な焦がし醤油そのものであって、それ以外のものではあり得ない。おお、香ばしい、日本が懐かしい。というか、この香ばしさは日本以上の出来映えである。
 付け合わせに注文したリンゴのコンポートがまた絶品。「は?」「ステーキの付け合わせにリンゴ?」とニタニタしている諸君。その辺がシロートと呼ばれるゆえんである。
 甘みを一切省略したリンゴのコンポートこそ、苦みばしったこのソースにピッタリ。グルメ番組だったら、ゲストが全員カエルみたいに目をむいて「合う!!」「合う!!」「合う合う合う合う!!」と盛り上がる場面である。まるでアザラシかオットセイの集団みたいであるが、いやはや、まさに「合う合う合う合う!!」の絶叫にピッタリのオドロキであった。
 というわけで、今井君がステーキ300グラムを平らげるのに要した時間は、約10分。「ワシワシ、ワシワシ、も1つついでにワッシワシ」と、ますます調子が出始めたころ、ウシの肉片300グラムは残らず焦がし醤油ソースにまみれて残酷なクマの胃袋に流れ込んだ。
ワイン
(この日のワイン)

 しかし赤ワインはまだボトルに半分以上残っている。付け合わせとしてマコトに優秀なリンゴのコンポート(写真は後日掲載の予定)も、まだまだタップリお皿に残っている。果たしてこの時、クマ蔵君として「ステーキ、オカワリ」以外のどんな選択肢が残っていたであろうか。
 もちろん、躊躇はあったのだ。そんなことをすれば、おそらく明らかに「日本人初」。「世界初」である可能性だって少なくない。だってクマ蔵君は、サラダすら注文しなかったのだ。「サラダはいらないのか?」「パスタとかもいらないのか?」と念を押され、それでもハッキリ「ステーキだけでOK」と爽やかに言いきった。
 それなのに勇を鼓して、「すみませーん、ステーキをもう1枚ください」と叫ばなければならない。さっきまで「小食な日本人なのに大丈夫?」とニコニコしていたウェイトレスのお姉さんは、300グラムをあっという間に完食したクマどんに驚いた顔である。
「デザートでも?」と声をかけてきたところに「ステーキ、もう1枚」または「オカワリ!!」と返すのに、どれほど躊躇したことだろう。一升瓶の日本酒をカラッポにした後、ヨダレを拭いながら「もう1本!!」とヌカしたことはあるが、まああれは一種のパフォーマンス。「300グラム、もう1枚」と要求したのは、躊躇に躊躇を重ね、遠慮に遠慮を3階建てにした後のことであった。
ステーキ2
(オカワリ!! 2枚目のステーキが来た)

 そして諸君、やがて2枚目のステーキは来た。同じように焦がし醤油ソースに浸り、さっきの1枚目より若干大きめ。きっと調理場でヒソヒソ囁きあったに違いない。
「化け物みたいな日本人が来てるらしいよ」
「ホンキで『もう1枚!!』とヌカしたらしいよ」
「なら、デカいの1枚焼いてやるか」
「食えなかったら、笑ってやろうぜ」
みたいな陰口である。
 しかし、うーん、お生憎サマだ。このぐらいのことでヘコタレるクマどんじゃない。2枚目もまた10分でワシワシ完食。ワインが進むに連れてワシワシにはますます拍車がかかった。
 思わず「もう1枚?」「3枚目?」とも思い、ウェイトレスをも目があったけれども、諸君、ここは自重だ。「こんなに気に入ったんだから、明日も明後日もくればいい。アムステルダム滞在はまだまだ長いんだし、慌てなさんな、クマおじさん」。そう自らに言い聞かせつつ、ホテルへの道を急ぐことにした。

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