Mon 140728 ムカつくほどムカつく暑さ 群馬県前橋でお仕事 大好きな前橋の「喫茶店」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 140728 ムカつくほどムカつく暑さ 群馬県前橋でお仕事 大好きな前橋の「喫茶店」

 昨日は、群馬県前橋でお仕事。6月上旬以来、ホントに長かった今井君の「夏シリーズ」がようやく完結した。せっかくオランダ旅行記が佳境に入ってきたところでマコトに申し訳ないが、今日は旅行記をお休みにして、真夏の太陽に焼かれてジュージュー煙をあげていた群馬での1日を記録しておこうと思う。
 お昼過ぎ、クマどんは暢気にネグラを出て、まず東京駅を目指した。東京もジュージューよく焼けていたことでは群馬にヒケをとらない。空気はすでに焦げ臭く、フライパンを日なたに30分も放置すれば、それだけで十分にステーキが焼けそうなほどである。
 この熱さのせいだろうか。夏の虫の世界にも、今井君は2つの異常を感じるのである。まず、セミどんたちが異常に元気であって、いつもの夏よりセミの声に弾力性を感じる。一昨日の夕暮れ、今年初めてツクツクホウシの声を聞いたが、まだまだミンミンゼミ♨ミンタロウ一族の天下。ミンミン&ミンミン、クマのネグラは朝から晩まで毎日騒がしい。
前橋
(群馬県前橋で「夏シリーズ」を締めくくる。今夜も満席だった)

 2つ目の異常は「蚊が少なかったこと」。別に「蚊に刺されることが趣味」「蚊に刺されたいなぁー」「刺されたくてたまらない」「気持ちいいだろうな」みたいな、そういう変なクマではないから、「ほら、チャンと刺さなきゃダメっしょ?」という親身の指導を蚊君たちに施そうとは思わない。
 しかし蚊君たちだってやっぱり短い命。水溜りや沼や池で浮かんだり沈んだり、幼い頃から「オトナになったらビシビシ刺すぞ」と、その日を夢見てきたはずだ。オトナになった瞬間からもう完全に「日々是決戦」であって、某巨大予備校に負けないぐらい、日々是決戦の毎日を過ごさなきゃイケナイ。
 ところが、今年の蚊君たちは、ちっとも日々是決戦じゃない。いるんだか、いないんだか。少なくともボクチンはこの夏1度も刺されていない。今井君は特殊な体質であって、「何でもかんでも『ムヒ』で治る」のであるが、せっかくスタンバイした2本の「ムヒ」も、今年は全く出番がない。
 仕方なく、伊丹空港で転んだ時にひどくケガした右手の甲にムヒを塗り、よーくナデナデして内出血を治したけれども、うーん、どうも「腹痛にパブロン」というか「カゼに正露丸」というか「英語教師の微積分」というか、ムヒの出番が何となくミスマッチだ。
 今井君が10年前まで勤務したウルトラ巨大予備校では、お正月になると「ぼく達の正月は3月だ!!」という貼紙をそこいら中にベタベタ貼り出したものだが、まさか蚊君たちは「ぼく達の活躍は来年だ!!」と頷きあっているんじゃなかろうね。活躍や正月は先延ばしにせず、今のうちに常識的にやっといてくんなまし。
37℃
(高崎駅前の温度計は「37℃」を示していた)

 さて午後3時、妙に混雑した上越新幹線を高崎で降り、「ホテルメトロポリタン高崎」にチェックイン。今井君の口から「おー、スゲー」という一言が漏れた。駅前設置の温度計が示していた「37℃」という数字を見たまえ。さすが群馬。館林なんか、38.6℃だか38.9℃だかまで上昇したんだそうな。そこまで行けば、それこそ小さな蚊君たちなんか、あっという間に「ジュッ!!」であるね。
 高崎からは、クルマ。30分ほどで前橋に到着し、仕事の打ち合わせを兼ね、スタッフの皆さんと喫茶店「RT(仮名)」に入った。ここは今年3月に偶然入ったお店であって、あの時1回きりで大ファンになった。何しろ何もかもが面白すぎて、笑いをこらえながらみんなの口が歪むほどである。
 まず、クーラーの温度設定がたまらない。「ほとんど効いていない」というか「ムカつくほどムカつく」であって、あまりに蒸し蒸しする生温い空気の中、お客はたちまち「意地でもアイスコーヒー」という気分になる。
 そこで我々5人は、躊躇なく「アイスコーヒーとケーキ」を注文した。お客が突然5人も訪れたことで、マスターはキツネにつままれたような表情。「何をどこから始めていいか見当もつかない」という彼の風情は、苦手科目の試験開始直後、焦りまくってワナワナしている受験生とソックリである。
予習
(生徒用のブースを借りて、今井君は予習に励んだ)

 何もしないまま、5分が経過。この段階で「そうだ、コーヒー豆をひかなきゃ!!」と気づいたらしい。アイスコーヒーなら、「業務用のものを冷蔵庫から出してグラスにドボドボ」で別に構わないのだが、さすが本格コーヒー店だから、意地でも「豆からひいてお出しします」という姿勢を崩さない。
 こうして「遠い将来のことになるかもしれないが、きっといつかは美味しいアイスコーヒーが味わえそうだ」という期待に胸が膨らんだ。10分経過。20分経過。コーヒーは来ない。もちろん「ケーキ」なんか来るはずがない。こういう店で贅沢を言っちゃダメだ。ひたすら待つこと。これは修行なのだ。
 3月に来たときには、何故かコーヒーに薄切りリンゴがついてきた。クッキーとかクラッカーとかじゃなくて、厚さ3mm程度の薄切りリンゴが1人に3切れずつ。外を冷たい群馬の風が吹き抜けるのを眺めながら、熱いコーヒーに薄切りリンゴが心を優しく温めてくれた。
 しかし諸君、今日はお外が37℃。クーラーはムカつくほどムカついて、ほとんどサボタージュ状態。この後のお仕事さえなかったら、5人全員が「生ビール!!」と叫びたいけれども、未来のアイスコーヒーはいまだにポタポタ熱い滴を滴らせている。
「せめてケーキだけでも!!」
「冷たいフルーツ、ジュレとババロアがあったら!!」
と、天に祈り&地に伏して夢の実現を思うのだが、マスターは何だか生暖かい生クリームのようなシロモノを、いつまでもいつまでも慎重にかき混ぜている。
ケーキセット
(ついに、コーヒーとケーキが来た)

 ついに、40分が経過。お、何だか大きな動きがあった。マスターがカウンターにお盆を5枚のっけて、グラスに氷を入れはじめた。おお、やっと来る。やっと来るのだ。店を埋め尽くした中年5名は、「実験、成功しましたよ!!」の報告を待ち受けるマスコミの記者たちよろしく、思わず中腰になってカウンターに熱い視線を走らせたのである。
 そして、ついにその時は来た。前回は、リンゴ。今回は、モモ。前回同様3mmの厚さに切りそろえられたモモ君たちがケーキの主役で、真四角なスポンジケーキの間からも、モモ君たちが可愛く顔を覗かせている。おお、40分待ちわびたかいがあった。こういう邂逅があるからこそ、人生は素晴らしいのだ。
 アイスコーヒーは? 氷がほとんど融けてしまって、小さな豆粒みたいなのが5個ほど浮かんでいる。あんまり冷たくない。アイスコーヒーというより、ヌルヌルコーヒーである。
 しかし諸君、ここで文句なんか言っちゃいけない。そもそも「5人」などという大人数で押し寄せるからイケナイのであって、小さなお店の冷蔵庫の中に、5人のアイスコーヒーを冷やしきれるほどの氷が準備されていると思うほうにムリがある。
拡大図
(ケーキ、拡大図)

 ただ、「ヌルい」にプラスして「薄い」という特徴も併存ということになると、さすがに「おいしいですね」と頷きあうわけにはいかない。「なぜ薄いか」というに、普通にホットで飲む濃さのコーヒーを淹れ、それを氷の上にドボドボやって作ったからである。
 融けた氷のぶん、コーヒーが薄くなるのが当然で、ほとんど麦茶の味しかしない。それでも諸君、ここで「マズい」などと呻き声を漏らすのは、贅沢に慣れた贅沢な日本人の、あまりに贅沢な贅沢なのである。
 そういう贅沢4連発をガマンして、「これは麦茶だ」「ヌルい麦茶なんだ」と自分に言い聞かせてみたまえ。あら不思議、ヌルくてマズいアイスコーヒーは、あっという間にヌルくてマズい麦茶に変身する。
 要するにマズいのであるが、だから何だというのだ。ケーキを飲み込むのには、どうしても水分が必要。麦茶もどきのアイスコーヒーは、その水分補給のためにそこにある。
 そして何よりもこの店が提供してくれるのは、①笑いと、②話題である。ワライ&ワダイ、発音もソックリの2大要素がしっかりギュッと詰まった午後のコーヒー。群馬県の県都が提供してくれる、素晴らしいエンタテインメントなのであった。
 おやおや、もう3枚半も書いちゃった。どうしよう、「今井の夏シリーズ」を締めくくる前橋でのお仕事だったのに、肝腎の中身をまだ1つも書いてない。ま、いいか。それはまた明日の記事のお楽しみだ。
 「は?」「明日もオランダの旅はお休み?」であるが、諸君、そんなこといちいち気にしてないで、冷蔵庫からスイカでも出して、サクサク食べてみたまえ。きっと爽快アイスコーヒーも、飲みたくなったっしょ?

1E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.3
2E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.4
3E(Cd) Solti & Wiener:MOZART/GROßE MESSE
4E(Cd) Rilling:MOZART/REQUIEM
5E(Cd) Jochum & Bavarian Radio:MOZART/THE CORONATION MASS
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