Mon 140721 16両編成の上越新幹線 フライパンに突入 テルミドール10日のクマ小籠包 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 140721 16両編成の上越新幹線 フライパンに突入 テルミドール10日のクマ小籠包

 8月10日の今井君は、午後2時の上越新幹線で埼玉県熊谷を目指した。お盆休みが始まろうとしていたあの日、台風11号が四国から近畿を直撃して、テレビの交通情報も加速度的に緊迫のレベルを上げていた。
 これから四国に向かう乗客が、「岡山まではたどり着けたんですが、結局は岡山の駅で一晩を過ごすことになりました」とか、ホントに疲れきった表情で話していた。
 羽田空港も大混雑。泣き叫ぶ赤ちゃん・ムクれ放題にムクれるコドモたち・怒り心頭に発したママ、なだめることにも疲れたパパ、テレビ画面を通して眺めているだけでも可哀そうでならない光景が、次から次へと映し出された。
 かく言う今井君だって、「この後どうなるか分かったものではない」という緊張感があった。台風から離れた場所で大きな被害が出るのが21世紀の台風。温暖化が進んで日本の気候が亜熱帯化したせいか、首都圏の近くでも「竜巻注意情報」がほぼ全域にわたって出されていた。
熊谷1
(埼玉県熊谷の大盛況 1)

 しかもクマどんがこれから向かうのは、日本で最も熱く燃えさかる「真夏の埼玉&群馬」方面。熊谷・館林・伊勢崎、「今日は気温が上昇します」「熱中症に注意してください」という日には必ず登場する地名が並ぶ。油断すると一瞬でジュッと焦げちゃうあたりである。
 これはもう「日本のフライパン地帯」の別名ぐらい進呈してもいいんじゃないか。太陽で熱した鉄板だけでも、目玉焼きぐらいなら作れそうだし、ステーキだって「very rare」なら十分だろう。この熱をどこかに貯めておけば、小さな街の1年分の暖房費はまかなえそうな気がする。
 こんな嵐の日に、フライパンのど真ん中に突入しようというのだ。いつどこで竜巻の被害が出て、新幹線が「運転見合わせ」「運転再開のメドは立っていません」と言いだすかも分からない。諸君、埼玉から群馬にかけての熱さはそのぐらい激烈なものなのである。
切符
(おや、珍しい。普段は8両編成の上越新幹線なのに、チケットは15号車である)

 今井君のチケットは「上越新幹線15号車」というマコトに珍しいシロモノである。普段の上越新幹線は「8両編成」、長くても「12両編成」がリミット。まあ確かに、沿線の大都市と言えば大宮・高崎・長岡・新潟しかない。東海道新幹線みたいに16両もある巨大ニシキヘビも顔負けのシロモノを、5分おきに走らせるわけにはいかないだろう。
 しかしさすがに今日はお盆の入口の日だ。8両編成の電車を2本つないで、タップリの車両を確保したのかもしれない。もっとも、この台風のせいで乗客のほうで外出を控えたせいか、実際に乗り込んでみるとガラガラのガーラガラ。クマ君の車両は、クマ君以外に運んでいたのはホントに「空気だけ」というアリサマであった。
ケーキ
(控え室で、マコトに爽やかなケーキをいただく)

 そういえば、越後湯沢のお隣に「ガーラ湯沢」という駅があって、駅前には同名の広大なスキー場が広がっている。25年前、まさにスキーブームの真っただ中に開設されたスキー場であって、あの頃なら「いくらスキー場を作っても焼け石に水」というぐらいのスキー客が殺到したものだが、今はどうなんだろう。
 当時は予備校の世界もバブルに沸いたものだった。誰がどこにどんな大きなハコモノ校舎を作っても、殺到する受験生のほうが遥かに多くて「焼け石に水」であった。
 今はなき両国予備校の新聞広告に「殺到する受験生たち」「 寮の増設も焼け石に水」というセリフがあったが、今や多くの予備校が「ツワモノどもが夢の跡」。地方のターミナル駅至近の地に、いかにも夢の跡な感じの巨大ハコモノが残されることになった。
 もしかするとこの「ガーラ湯沢」というネーミングあたりに、何となく悪い予感が漂っていたのかも知れへんね。もちろんガーラガラのガーラのつもりなんか誰にもなかったはずだが、バブルの終わる微かな予感が漂いつつあったことは間違いないように思う。
熊谷2
(埼玉県熊谷の大盛況 2)

 さて熊谷であるが、駅前を吹く風は拍子抜けするほどに涼しい。ありゃりゃ、今日は台風の生暖かい風にペロペロされて、さぞかし蒸し暑いものと予測していた。「今日はフライパンというより、むしろセイロ蒸しだぜ!!」と、このブログにも強烈な熱さ報告を書きたかったのに、何となく残念である。
 諸君、むかしむかし大革命直後のフランスに「革命暦」と言ふものがござったのぉ。「世界史なんか大キライ」「期末テストの前に徹夜で丸暗記した」というヒトビトにとっては、思い出すだに吐き気がするかもしれないが、
① ロベスピエールどんが失脚しちゃったのは、「テルミドール9日のクーデター」
② ナポレオン・ボナパルトどんが鎮圧したのは、「ヴァンデミエール13日の反乱」
③ ナポレオン1世ちゃんが総裁政府を倒し、ついに権力を我が物にしちゃったのが「ブリュメール18日のクーデター」
いやはや、余りにも懐かしいでござる。
 次に一覧を掲げるが、この一覧で「8月」とは、正式には「7月19日ごろから8月20日ごろまで」であって、以下すべて同様である。
  8月 熱月:Thermidor テルミドール
  9月 果実月:Fructidor フリュクティドール
  10月 葡萄月:Vendémiaire ヴァンデミエール
  11月 霧月:Brumaire ブリュメール
  12月 霜月:Frimaire フリメール
  1月 雪月:Nivôse ニヴォーズ
  2月 雨月:Pluviôse プリュヴィオーズ
  3月 風月:Ventôse ヴァントーズ
  4月 芽月:Germinal ジェルミナール
  5月 花月:Floréal フロレアル
  6月 牧草月:Prairial プレリアル
  7月 収穫月:Messidor メスィドール
ウーロン割り
(今年の夏の祝勝会は爽やかな「お茶割り」にこだわった。夏シリーズも大詰め。20日の群馬県前橋を残すだけになった)

 おお、何だか奥ゆかしいでござるね。日本も「1月☞2月☞3月」という無味乾燥な月の名前をヤメにして、「睦月☞如月☞弥生☞卯月」を復活させたらいいんじゃないか。
 中でも、熊谷の今井君が感激するのは、7月から8月にかけての「熱月」という名称。まるで日本の亜熱帯化を予告するような「熱月」の文字には、フライパンやセイロ蒸しやピザ釜のような、強烈な熱さを実感させる響きがあって大好きだ。
 熊谷には、1年に2回か3回のペースでお邪魔しているが、これだけしょっちゅうやってくるクマどんを見に、今日もまたたくさんの受講生が集まってくれた。19時半開始、21時終了、約160名が出席。
 外は時ならぬ涼風が吹き荒れていたが、生徒諸君はいつも同様に熱く燃え上がって、実際にフライパンなりセイロ蒸しなりを実現していたのは、まさに教室の内部である。90分が過ぎたころ、余りの熱さにクマ君自身が小籠包となり、クマの目玉焼き、クマのマルゲリータみたいになって、いつも通り「No Side」での大祝勝会に臨むことになった。

1E(Cd) Bobby Coldwell:CARRY ON
2E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
3E(Cd) Bobby Coldwell:BLUE CONDITION
4E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPOHONY No.2
5E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPOHONY No.1
total m121 y1241 d14171