Tue 140708 閉講式 サンダルともお別れか ただ一人、ふじやまビールで締めくくる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 140708 閉講式 サンダルともお別れか ただ一人、ふじやまビールで締めくくる

 7月30日、朝5時に気を失い8時に目覚める。この10年欠かさず河口湖合宿に参加して、7月30日朝は必ずこのスケジュールを厳守してきた。8時、目が覚めたらすぐにお風呂。そのあたりもすでに儀式として定着して、何も考えなくても自然に身体が動く。習慣とはマコトに恐ろしいものである。

 この10日間で、持参したバスジェルもシャンプーもちょうどカラッポになった。世界中のホテルのアメニティから、特にお気に入りのものを取り揃えて河口湖に持参したわけだが、抜群のバランス感覚で使い続けて、最終日の朝、ものの見事に最後の一滴まで使い果たした。

 カラッポになったのは、マウスウォッシュやシェービングクリームも同様である。入浴剤もキチンと残らず使用した。歯ブラシは「デンターシステマ」であるが、こんなに軟らかい歯ブラシで力任せにゴシゴシやるんだから、たった10日でもうすっかりヨレヨレになっちゃった。

 今井君は、こういうのが大好き。石鹸でも歯ブラシでも入浴剤でも、旅の終わりに全部スッキリ片づけて、「お世話になりました」と一礼してから帰京する。パリでもミュンヘンでも、ロンドンでもサンパウロでも、イスタンブールでもアテネでも河口湖でも、旅の終わりはこういうふうでなければならない。

 ただし諸君、この時クマどんはサンダルが壊れかけているのにも気がついた。この5年、「合宿と言えばこのサンダル」というぐらい馴染みになったサンダルであるが、どうやらサンダル君の寿命が来たらしい。一応は東京につれて帰るけれども、心から「ご苦労さま」と言ってあげたい。
サンダル
(5年間、合宿の定番だったサンダル。どうやら寿命がきたか)

 10時、すっかりスッキリしたクマどんは「クラス閉講式」に出席。第2期の生徒約100名+スタッフ6名に別れを告げ、じっくり名残を惜しむことにする。10年前にはクラス単位の閉講式よりも、同じ釜のメシを分け合った300~400名の「全体閉講式」がメインだったが、この6~7年は各クラスのまとまりのほうを重視するようになった。

 クラス閉講式には、3つのステージに分かれていて、
① 優秀者の表彰
② 担当講師=今井君の挨拶
③ スタッフ6名の挨拶
の順である。

 表彰も3部門に分かれ、
① 確認テスト合計得点
② 成績の伸び率
③ 修了判定テスト高得点
の3部門で、それぞれ上位5名ずつに表彰状を手渡すことになっている。

 ただし今井君は「表彰」みたいな晴れがましい雰囲気は苦手だから、表彰の全てはスタッフに任せて、ひたすら写真をとりまくる。そりゃそうだ。「以下、同文」だなんて、教育の世界で立身出世を果たした校長センセや教頭センセの専売特許。ダラしないクマ君なんかが「以下、同文」だなんて、おこがましいもいいところだ。
クラス閉講式
(第2期、クラス閉講式)

 そのぶん、クマどんからは特別賞を手渡すことにしている。今年はサンパウロのボールペン。受賞対象は、確認テスト合計得点のトップ獲得者であり、2014年第2期は奇しくもクマどんと同じ名字の「今井君」が受賞した。15回だか16回だかの確認テストで、失点はわずかに6点。特別賞ぐらい当然の優秀者ぶりであった。

 昨年はブエノスアイレスのボールペン。一昨年はアテネのボールペン。一貫して特別賞は、クマどんが前年夏に旅した街のボールペンと決めている。ペンを贈るのは、「あなたの知性の強靭さに感服しました」というシンボル。映画「A BEAUTIFUL MIND」の中で、尊敬する人にペンを贈るシーンがあるから、諸君もぜひ見てみてくれたまえ。

 クラスの生徒100名を前に閉講式で今井君が語るのは、まず「校舎に帰るまでが合宿だ」という、小学校の遠足みたいなコンセプトの確認である。

 5日間も宿舎にカンヅメにされた後、合宿が終わって外に出れば、どう考えたって一気に気が緩む。外に出た生徒諸君に典型的な絶叫は、「外だ!!」「富士山だ!!」「河口湖だ!!」であり、バスに乗り込んだ途端に「終わったー!!」「ネミー!!」「疲れたー!!」「さあ寝るぞー!!」であって、そんなことじゃ合宿の熱気は一気に冷めてしまう。
部屋
(10日間お世話になった412号室。クマどんのネグラである)

 しかし諸君、それでは余りにもったいないじゃないか。今井君は、帰りのバスの中でもひたすら音読に励んでほしいのだ。そもそも合宿の初日に彼ら彼女らが誓ったのは、①テキスト本文30回の音読、または②テキストを見ないで全文を暗唱できるレベルの達成である。

 もしもまだ①も②も達成していないなら、ちっとも「終わったー!!」じゃないのだ。バスの中でもひたすら音読、校舎に帰ってからも音読ルームでひたすら音読を続けるべきなのである。

 校舎に帰り着いたら、すぐに校舎長はじめ校舎スタッフに合宿の感激を語り尽くすべし。その場には友人も後輩もズラリと居並んで、合宿の感動を共有してくれるだろうし、後輩の高2生諸君は「よし、それなら来年は自分も合宿に参加し、もっともっと大きな感激をこの手につかんでやろう」と決意するはずだ。

 そういうことを語って講師の挨拶とする。その後はスタッフ6人がそれぞれ持ち時間5分ぐらいで、彼ら&彼女らの思いのたけを語り尽くす。多くの場合、涙♡涙のウルトラ感激の大波に教室が満たされる。

 もちろん「そうでもねーんじゃね?」という冷静な空気になってしまうこともあるが、それはそれで素晴らしいことである。100人の生徒諸君は英語力を決定的に伸ばしにきたのであって、別に感激の涙にグショグショになることが目的だったのではないはずだ。
全体閉講式
(懐かしの大広間、全体閉講式)

 こうして11時、クラス閉講式が終了。昔ならここから「大サイン会」になって、100人が100人、3つでも5つでもサインをもらおうと、恐るべき長い列が出来たものだった。

 生徒の欲望には果てがないので、「合宿に来られなかった友人の分もお願いします」という生徒もいたし、「先生の大ファンです」と言って、今まで受講したテキスト10冊に「全部サインお願いします」などというのも珍しくなかった。

 しかし諸君、そんなことになると何しろキリがないし、その後のスケジュールに支障が出始める。そもそも合宿に参加した意義も何も見失って、「サインをもらって嬉しかった」というだけのことになりかねない。この2~3年、「この場でのサインは原則として禁止」という不文律ができあがった。

 昼食後、12時半から大広間で「全体閉講式」。この5日間、メシの時間には必ず300人が集まった思い出の大広間、昨夜は我がクラスの代表2名が英語スピーチに挑んだ懐かしい場所で、講師3名がお別れの挨拶をする。

 しかし「美富士園」を担当した講師3名は、挨拶の短さでは群を抜いている。1人30秒、3人いても2分もかからない。何しろトップバッターの今井君が圧倒的に速い。開講式の時と同じであるが、「ポンッ!!!」「ポンッ!!!」「タアーッ!!!」と絶叫し、生徒もそれに合わせて絶叫するだけである。そりゃ瞬間的に終わって当然であるね。
富士山ビール
(河口湖駅で「ふじやまビール」3杯を満喫)

 終了後、講師はみんな逃げるように宿舎を去る。とにかく、いつまでもデレデレしていてはイカンのだ。講師がデレデレしていれば、当然のように生徒もデレデレしてしまう。「終わったら☞すぐに次のこと」というコンセプトも忘れがち。ここは我々が率先して、さっさと次のステップに進んでみせるべきだろう。

 ただし河口湖駅に戻った今井君は、帰京するバスの出発まで1時間、ゆっくりビールを飲んで過ごす。「ふじやまビール」中ジョッキを3杯はカラッポにしなければ気が済まない。この10日間、目いっぱい奮闘して、特に昨日は椅子にへたりこむ寸前まで頑張った。せめてそのご褒美に旨い地ビールの3杯ぐらい、じっくり味わわせてくれまたえ。

1E(Cd) Holliger:BACH/3 OBOENKONZERTE
2E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 1/4
3E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 2/4
13G(δ) 中村善也:ギリシャ悲劇入門:岩波新書
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