Mon 140623 金沢で「もっと旅がしたい」 埼玉県川越でお仕事 キョトン君と無表情さん | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 140623 金沢で「もっと旅がしたい」 埼玉県川越でお仕事 キョトン君と無表情さん

 7月15日、金沢にはものすごく名残おしいけれども、やっぱり午前10時の電車で帰ることにした。9時48分発の特急「しらさぎ」で小松まで。小松空港11時のヒコーキで「羽田にビューン」、そういうマジメな今井君を今日も実践する。
 本来なら、「せっかく金沢まで来たんだ」「今日は仕事がないんだから、金沢で丸1日遊んでいってもいいんだ」とウキウキするところである。今井君がウキウキすれば、当然のように金沢グルメの旅を敢行することになって、能登のほうまで足を伸ばしてお魚を堪能してくるのもいい。
 金沢と言えば普通なら兼六園に東茶屋街だけれども、何もそう決めてかかることはない。JRの特急に1時間も乗れば、そこには蜃気楼で有名な富山湾も控えている。夏の白山だって遠くないし、バスをうまくつかえば白川郷や五箇山や越中庄川の村も回れる。
 つまり、15日朝の今井君の前には、ありとあらゆる可能性が横たわっていたわけだ。富山の白海老、能登の新鮮なお魚。合掌造りの立ち並ぶ白川郷の風景。残雪の白山とか、夏姿の雷鳥が駆け回る立山連峰をトロリーバスで縦走することだって、不可能ではなかったのだ。
 しかしクマ蔵は「羽田へビューン」というマコトにつまらない選択肢を選んだ。理由は「忙しい」「疲れている」「非常識と思われる」。おお、今井君もすっかり年をとった。ホンの3~4年前なら、忙しさも疲労も常識もみんなクズカゴにポイッと捨てて、さっさと海や山に向かっていただろう。
まつしま
(金沢で、昭和の急行「まつしま」に出会う)

 「疲れた」という思いにさらに疲れ果て、「忙しい」というツブヤキのせいで切羽詰まった思いをもっと嵩じさせながら、金沢駅のプラットホームで特急「しらさぎ」をボンヤリと待っていた。
 すぐ近くに、上品な英語を話すアメリカ人家族3人がいて、1人1個ずつ大きなスーツケースを引きずっている。どうやらクマどんと同じ電車で琵琶湖方面を目指すらしい。
 おお、素晴らしい。今井君も、こんなに仕事ばっかりしていたらイカン。金沢まできたのに、「忙しいから」「疲れたから」を口実にサッサと次の仕事に逃げ込もうとしているようじゃ、生活に奥行きも広がりもないじゃないか。
 この欧米人家族のように、早くまた旅に出たい。8月から9月にかけて、フランス・マルセイユに滞在2週間を予定しているが、だからといって7月下旬から8月中旬にかけての1ヶ月を、怠惰に過ごしていいということにはならない。「短い旅でいいから、とにかく行くぞ」と、この朝の今井君の決意はますます固くなった。
金沢
(ANAクラウンプラザホテル1717号室からの金沢の風景。はるかかなた、日本海が光っている)

 その目の前のホームに、懐かしの電車が入線してきた。今日の1枚目の写真がそれである。30年も昔の昭和のさなか、このタイプの車両は上野から仙台や盛岡方面への急行列車として大活躍していた。
 あくまで「急行」に過ぎないから、表舞台での大活躍ではない。あくまで華やかな特急列車の裏方である。仙台行きはL特急「ひばり」が1時間に1本、上野-仙台間を4時間チョイでつないだ。1日15往復だったか16往復だったか、秋田なんかからみると羨ましいかぎりであった。
 しかし、当時の今井君をはじめ、「特急料金を払いたくない」というヒトだってたくさん存在する。急行「まつしま」は1日5往復、上野-仙台間を5時間チョイで快走した。確かに停車駅が多くてウンザリするが、特急とたった1時間しか違わない。その車両が、21世紀の今は金沢あたりで、地道に各駅停車の役割を演じていたのだ。素晴らしい、全く素晴らしい。
 上野—盛岡間は、東北本線経由の特急「やまびこ」で6時間半。しかし諸君、常磐線経由の急行「もりおか」という伏兵が潜んでいて、当時の貧乏学生・今井クマ之進は盛岡往復にコイツを利用した。延々8時間。それがまたこの写真の車両であった。
 見よ、このアズキ色。見よ、この古くさいデザイン。学生時代の今井君は、いったいこの車両とどれほどの長時間を過ごしたことだろう。あの頃は、「特急なんか、意地でも乗ってやるか」という気概に満ちていた。
 いやはや、やせ我慢にもホドがあるが、考えてみれば今だって欧米の旅で似たようなことをやっている。何事も、若い時代に基礎がシッカリと築かれるのであるね。
川越1
(埼玉県川越でお仕事。2014年の東進CMがどれほど素晴らしかったか、今井君はそこから語りだした)

 7月16日は、夕暮れから埼玉県川越でお仕事。「20時から」という遅い時間設定だったので、オウチを17時に出れば十分に間に合う。21日から始まる河口湖合宿の荷物をつくって、これから10日間の厳しい日々に備えつつ、ゆったりと午後を過ごした。
 川越へは、西武新宿線を利用する。この路線をつかうことは滅多になくて、1年に1度か2度、川越や所沢でのお仕事の時だけである。上石神井に新井薬師、野方に小平に花小金井、学部生時代に友人たちが下宿していた街がズラリと並ぶから懐かしいが、西武の誇る特急「小江戸号」は、そういう駅はマコトに冷たくすっとばしてしまう。
 「夕立が来るかもしれません」と予報の出ていた川越であるが、午後6時過ぎの空にはキレイな夕焼けが広がって、どうやら夕立の恐れはなさそうだ。フルーツとジュレとババロア、クマどんの大好きな「三種の神器」が揃ったおいしいマンゴーケーキもいただいて、すっかり上機嫌でお仕事の時間を待った。
ケーキ
(フルーツとジュレとババロアのケーキ。サイコーにおいしゅーございました)

 20時スタート、21時40分に終了。出席者は約125名。今回は完全に高1生と高2生にしぼり、高3生の出席は認めなかった。しかも諸君、「初めて東進に来てみました」という外部生が7割を占める。
 これは講師にとって非常にやりがいがある状況であって、「顔見知りの生徒たちとデレデレじゃれあってゴマかす」というダラしない展開は不可能だ。初めての生徒、今井君のことなんかちっとも知らない生徒、むしろ敵対心とか敵愾心を隠そうとしない生徒たちを相手に、一気に「やるぞ!!」とコブシを固めさせるところまで持っていく。
 まさに今井君の得意中の得意なシチュエーションであって、冒頭30秒で最初の大爆笑に引き込んでしまう。話が始まって5分、ほぼ90%の参加者たちがカンペキに今井君のペースに巻き込まれている。
 しかしそれでも「キョトン君」「キョトンさん」が10名ほど残っていて、彼ら彼女らは完全に無表情のままである。
「予備校講師の話なんかが、そんなに面白いはずがない」
「みんな、要するに雑談で盛り上がっているだけなんだ」
「こんな雑談なんかにダマされてはならない。ご用心」
と、耳の扉を固く閉ざし、余りにも熱く面白い今井君の言葉が脳に侵入してくるのを、無表情の砦で懸命にこらえている様子である。
川越2
(埼玉県川越でお仕事 2)

 ここで今井君が用いる兵器は「どんどんメモをとってくださいね」のヒトコトである。そのヒトコトで、彼も彼女も様子が一変する。夢中でメモをとりながら話を聞き続けるうちに、キョトン君も無表情さんも、ふと耳の扉や閉ざすことを忘れ、砦を封鎖し続けることが出来なくなる。
 一気になだれ込んだクマ軍は、むしろ彼ら彼女らに熱い友好の握手を求め、カタクナに砦を守っていたキョトン軍の兵たちも、マコトに呆気なくクマの友軍として加わってくれるのである。
 ま、そういうふうで、今夜の川越もまたウルトラ&スーパー大成功。ただし、お馴染み「首都圏に正式祝勝会ナシ」の原則は守らざるを得ない。川越から大人しく「特急・小江戸」に乗って西武新宿を目指した。驚くなかれ、7両編成の特急には、最初から最後まで乗客は今井君一人。マコトに贅沢な貸し切り列車で、23時20分ごろ新宿に到着した。
 この時刻では、すでに「単独祝勝会」の開催も無理である。歌舞伎町の真っただ中にある西武新宿駅は、終電間近のヨッパライで大混雑であったが、今井君はマコトにマジメにタクシーをひろい、ネグラにスタコラ帰還したのであった。

1E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 1/3
2E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 2/3
3E(Cd) Zagrosek & Berin:SCHREKER/DIE GEZEICHNETEN 3/3
4E(Cd) Sequentia:AQUITANIA
5E(Cd) Nevel & Huelgas Ensemble:Canções, Vilancicos e Motetes Portugueses
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