Mon 140609 クマどん京都をめざすの記 懐かしい弾丸旅行 松尾大社のオニヤンマ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 140609 クマどん京都をめざすの記 懐かしい弾丸旅行 松尾大社のオニヤンマ

 7月1日のクマ之進は、大阪・梅田に滞在中。朝8時にノコノコ起きだして、9時過ぎの阪急電車で京都に向かった。
 おお、たいへん勤勉である。もちろん「原稿を書きます」「校正がんばります」「今日もこれから収録でーす」みたいなチャンとした勤勉とは大差があるが、勤勉に観光に励むのもまた、クマ之進としては大事な大事なお仕事の一部分なのである。
 しかも諸君、クマ蔵は重たい荷物を全部ホテルに置いたままで出かけられる。「あれれ、今日中に東京に戻るんじゃないんですか?」であるが、今井君はインターコンチのプレミアムメンバーだ。午後4時まで部屋を占領して「レイトチェックアウト、お願いします」などといふチョー贅沢も無料。旅とは、すればするほどお得になっていくものでござるよ。
 梅田始発の阪急電車で目指したのは、お酒の神様♡松尾大社。特急を「桂」駅で下車、本来ならここで嵐山行きに乗り換える。ところが、阪急電車はマコトにスバシコイ。乗り換え口が分からなくて右往左往しているうちに、ノロマな田舎のクマどんを置き去りにして、チョコレート色の電車はサッサと出発してしまった。
 次の電車は、15分も待たなければ来ない。途方に暮れたトホホなクマどんは、「いまこそマホーのジュータンの出番でござるね♡」と判断。雑居ビルの多くが塾&予備校で満たされた賑やかな駅前からタクシーに乗り込み、10分で快晴の松尾大社に到着した。
松尾大社
(京都・桂の松尾大社。七夕が近づいて、2本の見事な竹が本殿前にスックと立っていた)

 いったい何年ぶりだろう。前回ここに来たのは、予備校講師になる直前であった。まだ20歳代だったが、どういうわけか人生の先が短いように勘違いし、「今のうちに出来る限りのことをしないとイカン♨」と、焦りに焦っていた頃である。
 焦燥に追い立てられて、休みの日には必ず弾丸♨日帰り旅行を企てた。「夜行で出かけて夜行で帰る」というのだから、弾丸中の弾丸である。旅先は、春から秋にかけては京都か奈良を選び、冬は蔵王か越後湯沢にスキーに出かけた。
 夜9時過ぎ発のバスに乗り込んで、目的地には朝6時前に着く。京都ならすぐに北に向かって上り坂を歩き出す。冬の場合、何しろ当時はスキーブームだから「早朝ナイター」というマコトにおかしなネーミングのものが営業中。到着してすぐに着替えたクマどんは、まだ薄暗い雪の斜面に勇ましく躍りだしたものである。
樽うらない
(松尾大社名物、樽うらない)

 何であんなに焦っていたのか、今では不思議でならない。スキーだって、「体育会系」などというレベルのものじゃない。朝食はおろか昼食さえマトモにとらず、売店で購入したオムスビやミカンをフトコロに入れ、リフトの上やゴンドラの中でそれを貪り、喉が渇けば缶ビールをグビグビやった。
 そういうアリサマだから、自分でもこのスキーの旅を「軍隊スキー」と呼んで苦笑いした。体育会系の厳しさをはるかに上回る、軍隊並みの難行苦行であった。缶ビールを雪の中に埋めて、ゴンドラのコースを1本滑ってくると、ビールはちょうどよく冷えていた。
 いやはや、ホンマモンのアホでござるね。そのレベルのアホのまま、日中いっぱいガンガン滑りまくると、いつのまにか夕闇が深まってナイターが始まる。今度こそホンモノのナイターであって、「早朝ナイター」などというバッタものではない。
 夜9時半までカクテル光線の中を悪戦苦闘した後は、駅前の飲み屋で夜行列車を待つ。まだJRの「シュプール号」が全盛の時代で、若きクマ蔵と同じように「夜行で行って夜行で帰る」という弾丸グループが他にいくらでも存在した。
神楽面
(松尾大神の面。何となく今井君っぽい気もするでござる)

 京都の旅の場合も丸1日歩きに歩いて、夜9時の帰りのバスが出発するギリギリまで粘ったものである。歩くスピードはやはりローマ帝国軍の行軍並みで、速すぎるせいかしょっちゅう道に迷った。目的地が見つからないと、ヤケになってますますスピードが上がり、いつのまにか目的地以外の穴場スポットにたどり着いたりした。
 そういう発見もまた素晴らしいので、クリック→クリック→クリックの必然的&直線的連続しか知らない21世紀の若者諸君には、なかなか味わえないであろう人生の妙味である。
 ある秋の雨の1日、松尾大社が見つからなくて困り果てた末、思いがけずたどり着いたのが「月読神社」。大きな神社ではないが、冷たい雨に濡れた神々しい雰囲気は、今も記憶にしっかりと残っている。
あじさい
(カマキリがアジサイの花に埋もれていた)

 今になってみると、「おお、いろいろ懐かしい」である以上に、また同じような弾丸の旅を始めたくなってくる。あの頃に比較すれば時間もタップリあるし、タップリではないにせよオカネにもいくらか余裕がある。アジア弾丸旅行なら、2ヶ月に1回ぐらいずつ企画してもいい。
 行先は、マニラ・ジャカルタ・シンガポール。ハノイ・ホーチミン・バンコク・クアラルンプール。さすがに弾丸海外に「乗り継ぎ」はイヤだから、羽田から直行便が出ていれば文句なし。成田発着でも、まあいいじゃないか。
 もちろん「年3回・合計6週間の欧米の旅はゆずれない」だが、それに加えて今まで手薄だったアジア方面にも、3泊5日ぐらいの弾丸で、これからどんどん攻勢に出ますかね。
オニヤンマ
(勇ましいオニヤンマ)

 7月1日、阪急電車から降りたクマどんは、そういうことを考えてウキウキし始めていた。ウキウキな時には、何でもかんでも楽しくてたまらない。ウキウキグマは自分でも手が付けられないウキウキなので、お酒の神様・松尾大社に到着したころには、もう神社そのものはもうどうでもよくなってしまった。何しろお休みの1日だ、早くお酒が飲みたいじゃないか。
 それでも諸君、お酒の博物館☞樽うらない☞本殿☞曲水の庭と、見るべきところはチャンと回って、アジサイの花に埋もれたカマキリも発見。目の前にとまった夢のように大きなオニヤンマにそっと近づき、スマホで写真に収めた。さすがオニヤンマ。ちっともクマを怖がらない、マコトに勇ましいヤツであった。
 さて、7月1日の「クマどん京都へ行くの記」はまだまだ続くのであるが、今日はもう長く書きすぎた。そろそろ「後半に続く」にしなきゃいけない。ここから旅はどんどん乱れ、ほうほうのていで梅田のホテルに戻ることになるのだが、まあその顛末は明日に譲ることにしたい。

1E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE Nos.2&3
2E(Cd) Holly Cole Trio:BLAME IT ON MY YOUTH
3E(Cd) Earl Klugh:FINGER PAINTINGS
4E(Cd) Brian Bromberg:PORTRAIT OF JAKO
5E(Cd) John Coltrane:IMPRESSION
total m45 y1012 d13942