Sun 140601 ミラクル君とホラミロおじさん 山形で「お蕎麦おいしゅーございました」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 140601 ミラクル君とホラミロおじさん 山形で「お蕎麦おいしゅーございました」

 諸君、今朝の今井君は香川県高松の「ホテルクレメント」にいる。昨夜のお仕事がウルトラ大成功だったので、祝勝会もまた日付が変わるまで続き、「まだまだこのまま語り合いたいな」と熱望しながらも、高松のスタッフの皆さんに「また近いうち」と名残を惜しんで手を振った。
 高松のウルトラ大成功については、3~4日後の記事に詳細を書くとして、手を振った時点の今井君は、その7時間後に日本を覆い尽くす大歓声と、6月25日夕方から街に溢れる大祝勝会の波を予想していたのだ。うにゃにゃ、日本代表、残念な結果になりはしたが、ホントによく戦った。まずは彼らの健闘を讃えたい。
 今夜の日本を覆い尽くすのは、祝勝会ではなくて残念会になってしまった。 昨日は奇跡を期待する「ミラクル君」が大量発生したが、今日は「ホラミロおじさん」「だから言っただろオジサン」が日本中の巷にウンザリするほど発生するはず。うーん、このあたり、日本の国民性なのかねぇ。
蕎麦屋
(山形県天童の「大久保」。お蕎麦おいしゅーございました)

 ミラクル君については、「模試の結果が悪かった時に大量発生するヒトビト」として、今井君の授業中のトークにたびたび登場する。模試の結果が返ってきた時、そのあまりのヒドさに頭の中が真っ白になり、「オレは奇跡を起こすんだ」「ボクはミラクルを起こしてみせる」と絶叫するタイプ。受験生の定番と言っていい。
 しかしいったんミラクル君になってしまうと、その後チャンと結果を出せるヒトはマコトに少ない。ミラクル君の多くは、まず「計画表の練り直し」に入る。「自分がうまくいかないのは計画表がよくないからだ」と勘違いし、最もありがちなパターンは「朝型に変えよう!!」とビックリマークで絶叫するヒトである。
 しかし諸君、「朝型に変えよう!!」などという決意が、長続きするはずなんかないのである。というか、うまく起きられるのは初日ぐらい。2日目からは、「朝型なのは目覚まし時計だけ」というテイタラクになる。目覚まし時計は4時にリンリン鳴るけれども、「持ち主が 起きてくるのは 10時すぎ」。出来損ないの川柳みたいなアリサマになる。
 で、ミラクル君は次から次へと計画表を作り替える。まるで計画表作成マシーンみたいに、ほぼ3日に1回の割合で計画表の修正版が現れる。それを机の前に貼って「これでOK」「明日からやろう」「今日はそれに備えて睡眠だ」というわけである。
水車
(天童のウルトラ有名店「水車」の水車。ウルトラ満員で、入店をあきらめた)

 これが極めて危険なのは言うまでもない。本人はマジメなつもりだし、周囲のオトナも勘違いして「きっとミラクルが起こる」「奇跡は必ず起こる」と激励したりする。そして「計画表を作っている間は実際の勉強を怠けている」という事実に誰も気づかない。
 そして本人も周囲のオトナも、甘い夢に浸っていられるのだ。「この計画表の通りやり遂げれば、きっと数学の成績は驚異的に上がるし、突然マホウのように英語でしゃべりはじめるだろう」と、実際には訪れるはずのないミラクルに深くウットリ酔っていられるのである。
 だから今井君ぐらいのウルトラ♡ベテランになると、「模試の結果にガッカリして、ミラクル君になっちゃダメだぞ」と授業の合間合間に生徒たちに語りかける。
「ミラクルなんか起こさなくっていいから、まず今日のノルマを達成することをまず考えたまえ」
「単語に文法に音読に、まず今日のノルマを達成すること。時間が余ったら、+αを考えること。そうやって地味に地味に努力を蓄積すること」
「ミラクルは その先にしか 起こらない」
 どうだい、またまた川柳みたいになったが、ウルトラ♡ベテランのアドバイスのこの落ち着きぶりは。あくまで悠然と、泰然自若として一歩一歩、確実な勝利への道を歩み続けたまえ。おお、自分が自分で出来なかったことって、他人にアドバイスしやすいものでござるね。
板蕎麦
(天童「大久保」の板蕎麦(大)。おいしゅーございました。ポンポンもいっぱいになりました)

 「ほらみろオジサン」「だから言っただろオジサン」の大量発生も、今夜の日本では確率100%に近い。野球でもサッカーでも、結果が出た直後に「ほらみろ!!」「オレが言った通りだろ!!」と得意げに語るオヤジは日本の定番だ。
 むかしゴルフの解説に「戸張さん」というヒトがいた。その解説ぶりは「だったらアナタがプレーしたほうがいいんじゃないの?」「ホントにプレイヤーたちより上手なんじゃないか?」と思うほど。自信に満ちあふれた低音の解説が魅力的だった。
 彼の素晴らしさは「ほらみろ」「だから言っただろ」という後追いの結果論から無縁であること。失敗や敗北については語らずに、常に先を見て解説を進めることであった。
 どうだい諸君、ツマラン「戦犯探し」みたいなことは外国に任せて、日本はどんどん先に進まないか? 気がつけば、イングランドもイタリアもスペインも1次リーグ敗退だ。「世界のプレーに心震えろ」とか、妙竹林なコトバが飛び交ったけれども、うーん、何だか地味になっちゃったでござるね。
 サッカー少年諸君、2018年に向けて今日から着々と努力を始めればいい。ラグビー少年諸君には2019年のW杯日本開催がある。ラグビーのほうは、サモア→カナダ→アメリカ→イタリアを連覇して、「対外試合10連勝」という輝かしい成績を打ち立てている。今夜のオジサンたちも、「ほらみろ」とか言ってないで、潔く前を向こうじゃないか。
さくらんぼ
(さすが山形。サクランボは蕎麦屋の店先で「ご自由にお召し上がりください」といふ世界である)

 と言うわけで、マコトに潔いサムライ・今井クマ之進は、潔く山形県天童温泉に到着。「負けた試合の反省も大切」と粘っこくつきまとう後悔はあるが、諸君、「反省と落胆は別物だ」が、今井クマ之進の信条。落胆と後悔からオジサンたちが戦犯探しに夢中になるようでは、若者にいい影響はありえない。
 そこでクマ之進は、潔く冷たいお蕎麦をすすりに行くことにした。山形はお蕎麦でも有名。天童温泉のウルトラ有名店は、店先で水車の回る「水車」であるが、ここがウルトラ満員だったので、クマ之進は早速その潔さをいかんなく発揮、第2の有名店「大久保」を目指した。
 諸君、「大久保」ということになると、再び「反省・落胆・後悔」がムクムク頭をもたげそうになるが、とにかく潔く前を向こう。注文したのは、板蕎麦(大)2つ、鶏蕎麦1つ、ゲソの天ぷら2皿、ニシンの煮物1皿、ビール4本、日本酒5合である。
 諸君、ビックリしなさんな。今回の「湯けむり♨オジサマ温泉紀行」は、卑弥呼の時代の友人たち4人連れである。1人は関西から、クマ之進を含む2人は東京から、残る1人は地元・山形からの参加。これ以上の詳細は書かないが、オジサマ4人でこのぐらいなら、ま、ごく常識的でござるよ。
山寺
(芭蕉にならい、山寺へ。ただしオジサマたちは1000段の石段を登るのを回避。平穏な午後を選択した)

 もっとも、「昼間から酒を飲む」ということについては、従業員のオバサマも、周囲のお客さんも、それなりにビックリしていたようである。山形県民は、マジメさと勤勉さと粘り強さで有名。「昼間から酒」なんてのは、許しがたい怠惰または暴挙に映るのかもしれない。
 一方、今井君の生まれ育った秋田県は、お隣の山形県とは正反対の県民性。派手好きで享楽的、むしろ「昼間だろうが朝だろうが、オジサン4人集まったのに酒を飲まないとすれば、身体の具合でも悪いのかもしれない」と心配されるのが普通である。
 だから、まあいいじゃないか。今井君は「郷に入っても郷なんかに意地でも従わない」というガンコなクマ之進。20年ぶりに集まった友人4人の会話に、ビールや日本酒はやっぱり欠かせないのである。
 お蕎麦、おいしゅーございました。「ご自由にお召し上がりください」のサクランボも、マコトにおいしゅーございました。こんなにおいしいものばかり並べば、久しぶりの友人どうしの会話が弾まないわけはない。いやはや、たのしゅーございました。

1E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE Nos.2&3
2E(Rc) Walter & Columbia:HAYDN/SYMPHONY No.88 & 100
3E(Rc) Walter & Columbia:HAYDN/SYMPHONY No.88 & 100
4E(Rc) Sonny Rollins:SAXPHONE COLOSSUS
5E(Rc) Solti & Chicago:DEBUSSY「LA MER」RAVEL「BOLÉRO」
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