Sun 140518 大阪で「えもいわれぬ」思考停止 土浦に移動 大熱演☞思いがけぬ再会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 140518 大阪で「えもいわれぬ」思考停止 土浦に移動 大熱演☞思いがけぬ再会

 6月10日、昨夜の900名の感激が冷めやらぬ中、ホテルで目を覚ましたのが8時前である。今日はこれから茨城県土浦にはるばる移動して、昨日と同じお仕事をこなす予定。伊丹からのヒコーキは14時発だから、おやおや、12時ちょうどのチェックアウトまで、まだ4時間もたっぷり残っている。
 普段の今井君なら、遊ぶためのいろいろな選択肢を考える。しかし諸君、「4時間」とはマコトに中途半端な時間であって、奈良にも京都にも出かけることはできない。
 せいぜい「新世界」に出かけて通天閣にのぼるぐらいであるが、電車賃やタクシー代を払って「新世界」まで出かけても、夕方からお仕事があるんじゃ、串揚げ屋でビールを飲むわけにもいかない。
 昼前から酔っぱらっている「新世界」のウルトラ濃厚なヒトビトに囲まれ、目の前には旨い串揚げがズラリと並び、「2度づけ禁止」のソースはえも言われぬニオイを漂わせる。何日前から置いてあるのか、すっかり生気を失ったキャベツ君だって「私を食べてくれませんか?」と、ヨレヨレになりながら懸命に誘いをかけてくる。
ポスター
(茨城県土浦で貼り出してくれたポスター)

 それなのにビールも日本酒も飲めないんじゃ、いったい何しに来たのか、自分で自分に厳しく問いかけるハメになりかねない。そもそもたった今「えも言われぬニオイ」と書いたけれども、「えも言われぬ」ってのは、いったいどういう表現なんだ? そういうつまらないことばかり気になってくるじゃないか。
 諸君、「え」とは、漢字で書けば「得」であって、元来は「…できる」の意。打ち消しの助動詞「ず」や、その連体形「ぬ」とセットでつかって、「え…ず」「え…ぬ」と、動詞を間に挟み込み、要するにcan’t …の意味になる。「え言わず」「え行かず」なら「言うことができません」「行くことができません」。関西コトバの「よう言わんわ」と同じ構造であるね。
 その「え」と「言わず」の間に入った「も」は、強調や感嘆を示す助詞。いやはや、日本語はコムズカシイですな。「えも言われぬニオイ」とは、こうして「何とも説明することのできないニオイ」といふことになる。繰り返すが、「ぬ」は「ず」の連体形である。
 フランス語の否定表現も同じように、
「ne … pas」: … ない
「ne … jamais」:決して … ない
「ne … plus」:もはや … ない
と、動詞を2語の間に挟み込んで作る。かけ離れて見える日本語とフランス語でも、やっぱり同じ人間の考えだすことだから、似たような発想は存在するのでござるね。
土浦1
(土浦の大盛況 1)

 しかしコムズカシイ人間といふものは、もっとずっとコムズカシイことを考えるので、「えも言われぬ旨さ」とか「説明しようのないオイシサ」とか「とにかく旨い」みたいな表現に、実に攻撃的に噛みついてくる御仁もいらっしゃる。「精細に思考することを放棄した思考停止言語だ」とおっしゃるのである。
 今井君はアホなクマだから、そんなにしょっちゅう精細な思考ばかりに夢中になることができない。酒を楽しみ、メシや肉や魚を頬張るときには、むしろ精細な思考を放棄することが正しい姿勢だと信じる。慎重に一口ぶん口に運んでは、たった一口で3分も5分もその味を精細に説明しなきゃいけないんじゃ、メシも酒もちっとも旨くないんじゃないかと愚考するのである。
 こうして全てがメンドーになったクマどんは、ホテルのお部屋で完全思考停止な午前を過ごすことにした。何しろ大っきなお風呂があるから、これを味方にしてしまえば思考停止はカンタンだ。
 入浴剤もお風呂のアメニティも、4人で3日生活してもなくならないほどタップリ備えつけてあるから、今朝もまた1時間半入浴を満喫してポカポカなクマに変身。思考といふものも使いすぎると金属疲労しかねないから、タマには思考停止を楽しんで、シャキシャキにリフレッシュさせたほうがいいのである。
土浦2
(土浦の大盛況 2)

 14時、すっかりリフレッシュしたポカグマ君は、伊丹空港から羽田便に乗り込んだ。ヒコーキは初夏の分厚い雲を突っ切るように飛び、経験豊富なクマどんでさえ思わず「大丈夫か?」と身体を縮めるほどに、何度も大きく揺れた。
 それでも定刻で無事に羽田に到着。羽田から茨城県土浦への移動は、モノレールで浜松町(20分)☞山手線で上野(10分)☞特急「フレッシュひたち」で土浦(40分)。乗り換え時間も含めて2時間弱の旅である。
 特急の中でお弁当を食べてもいいが、「40分でお弁当」というのはどうだろう。時間が短すぎて、せっかくのメシを落ち着いて楽しめないんじゃないか。しかも諸君、ここでもまた飲み物の問題がある。お仕事直前じゃ、ウーロン茶がせいぜい。ここは我慢に我慢を重ね、お仕事後の個人祝勝会まで爆発を待つことに決めた。
ケーキ
(土浦でもケーキをいただく)

 土浦でのお仕事は、19時半に開始、21時に終了。出席者約85名。昨日が900、今日が85となると、規模は10分の1ということになるが、今井君はホントに偉いクマなので、規模が大きかろうと小さかろうと、こだわらずに全力を尽くすまでである。手を抜くのは手を抜かないのよりずっと困難であり、はるかに惨めな結果にしかなり得ない。
 実際にクマ蔵が全力で語り尽くせば、85名でも900名に負けないほどの熱い反応を返してくれる。初めてアムステルダムの話から入った今井君は、2分も経過しないうちに燃えに燃え、ボンボン燃えたぎり、大爆笑の頻度はスタンダードを上回る「15秒に1回」。余りの楽しさに、思わず10分延長してしまうほどであった。
土浦3
(マコトにふざけたクマであるね)

 帰りがけ、ビックリするような出会いがあった。20年近くも前のモト生徒が、講師室を訪ねてきたのである。突然のことだったので目を疑ったが、彼は駿台時代の生徒。神奈川の名門・桐蔭学園3年生の時に、駿台お茶の水や横浜校で、まだ若き今井君の授業を熱心に受講していた。
 クマどんが代ゼミに移籍した後も、大学生として何度も代ゼミに訪ねてきていたが、東進に移った後は音信が途絶えた。東進の場合、「何曜日にどこに行けば今井が講師室でデカい顔をしている」という情報が一切ないはずだから、訪ねてこようにも訪ねようがなかったのである。
 それがマコトに偶然に、所用があって訪れた土浦の書店で今井君のポスターを発見(今日の1枚目の写真のヤツである)、思い切って校舎にやってきてくれた。彼はすでに35歳、差し出された名刺には、驚くなかれ「弁護士」の文字がある。神奈川県の弁護士事務所に所属して、忙しい日々を送っているとのことであった。
 これ以上プライベートなことを書かないのが、一貫した当ブログの方針。ホントなら、若き弁護士に成長したモト生徒とともに、土浦での個人祝勝会になだれ込みたかったのだが、21時56分発の「スーパーひたち」に乗らなければオウチに帰れない。モト生徒君は「土浦に宿泊」ということなので、近い将来の再会を約し、今夜のところは涙を飲んで「また今度」ということに決まった。

1E(Cd) Take 6:BEAUTIFUL WORLD
2E(Cd) Kazuhiko Komatsu & Saint Petersburg:貴志康一/SYMPHONY ”BUDDHA”
3E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT
4E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT
5E(Rc) Solti & Chicago:BRUCKNER/交響曲No.6
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