Thu 140508 ネコたちのこと 蕎麦屋でランチ ニャゴをお腹に載せて早慶戦 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 140508 ネコたちのこと 蕎麦屋でランチ ニャゴをお腹に載せて早慶戦

 アメリカ・フロリダ州では、クマさんがハンモックでくつろぐ姿が写真に収められ、CNNで話題になっているそうな。写真を眺めてみるに、薄闇の中で輝く瞳は少し不気味であるが、モコモコ具合といい、フワフワ具合といい、どんな人間と比較しても少なくとも10倍は可愛らしい。クマはいいねえ。そよ風の中で震える丸いお耳以上に暢気なものが、この世の中で考えられるだろうか。
 そういうことを思いながらソファでダラしなく本を読んでいたら、ニャゴロワどんがノコノコ近づいてきて、「じゃ、こんなのは可愛くありませんか?」と言いながらソファに横たわった。
 「ソファに横たわった」と言えば聞こえはいいが、正確には「横たわる行為によって、邪魔な飼い主を押しのけた」のである。ニャゴどんがその気になれば、今井君なんかは物の数ではない。ハンモックのクマさんでも、ニャゴにはきっとかなわないに違いない。
 夏のお空に浮かぶ巨大な入道雲の形に丸くなって、やがてニャゴはスヤーッと寝息を立てはじめる。「腎不全で余命100日」と宣言されて以来、すでに1300日が経過する。獣医さんの判断の13倍をすでに生き延び、しかも寝息は「スヤーッ」であって、まだ当分は飼い主を押しのけながら生きていけそうである。
入道雲
(入道雲)

 一方のナデシコは、彼女もまた1年半前、獣医さんに「生きているのが不思議です」という恐るべき反応をされ、腎臓の病変を示すクレアチニンの数値も「驚異的」「致死的」という判定がくだったのだが、あれから450日、野性的な身のこなしで軽々と美しくジャンプしてみせる。
 姉妹のはずだが、性格はほぼ正反対。8年前に姉妹でいっしょに出演したDVD「キャットシッター・なんりの猫暮らしマニュアル」(アルバトロス株式会社)では、ニャゴが「フレンドリーな性格の猫」の代表、ナデシコは「シャイな猫」の代表として活躍した。フレンドリーとシャイの対極ぶりは、ブログの写真でもよく理解してもらえていると思う。
 しかしさすがに病気になると、フレンドリーなニャゴはまだいいとして、シャイなナデシコの扱いはたいへんだ。2日に1回、どうしても125mlの点滴をしなければならないのだが、ニャゴはアクビしながら点滴を受け入れるのに、ナデシコは激しく逃げ回り、瞳を真っ黒にして怯えてみせる。その背中に点滴の針を刺すんだから、「心を鬼に」を連日続けることになる。
 5月31日、朝のうちにナデシコの点滴を終えてしまえば、あとは丸1日、気がかりなことは1つもない。昨日は「よおし、久しぶりに参考書をどんどん書くぞ!!」と燃え上がり、夜はサントリーホールでスクリャービンとラヴェルに感激したから、今日は昼から旨いランチを満喫して、早くも真夏日となった東京の酷暑をしのごうと思う。
ジャケット
(猫暮らしマニュアルのDVDジャケットより。ニャゴはまだこんなにスリムだった)

 ということになれば、出かけるのは三軒茶屋のお蕎麦屋「くら嶋」である。三軒茶屋というか、正確には太子堂であるが、もう10年来のお馴染みであって、ブログにもしょっちゅう登場している。「私は予備校講師です」と身分を打ち明けたわけでも何でもないのに、いつのまにか「先生」「先生」と呼ばれることになってしまった。
 土曜日の昼下がり、「今日は仕事も何にもありません」という気軽さの中で蕎麦屋に入れば、もちろんまず注文するのはウーロンハイ。つい4~5日前までは、「意地でもビール」な今井君であったが、何しろ人類の歴史に残るほどの凝り性なニンゲンだ。いったん「オレはウーロン茶割りで通すぞ」と決めたら、意地でもあとにはひかない。
 しかもまず最初に「ウーロン茶割、2杯」と高らかに宣言する。1杯ずつチマチマ注文してたんじゃ、クマのスピードに追いつけないじゃないか。最初に2杯注文して、そのうちの1杯を飲み干したら、次の1杯を注文する。こうして常に目の前のテーブルには2つのグラスが並ぶ。マコトにシステマティックなクマなのだ。
焼き魚
(つぼ鯛だったか、えぼ鯛だったか)

 お通しで巻貝の「しったか」が登場。うぉ、「しったか」、これは懐かしい。このブログを開始した2008年6月、神奈川県三崎を訪れた今井君は港近くの「カネア」という飲食店でランチ。日本酒をチビチビやりながら、生まれて初めての「しったか」を食した。記念すべき貝でござる。
 興味のあるヒトは、右の「アーカイブ」から「Wed 080625 三崎 しったか」を参照のこと。うぉうぉうぉ、6年前のクマ蔵は、今みたいにコマメに改行なんかしなかった。19世紀フランス文学か、20世紀半ばの日本文学のカホリをプンプン漂わせ、1人称も「私」。容赦のないコムズカシイ文体で読者諸君を攻めたてていたのである。
 その懐かしい「しったか」を一口で平らげ、ついでに出てきたお通しのキンピラも1口で飲み込んだ。「お腹の減った大型犬にビタワンを与えた瞬間みたいだな」と、自分自身で苦笑が止まらない。
 お通しのあとは、「つぼ鯛の一夜干し」「うなぎの串焼き」などを満喫。実は、「つぼ鯛」だったか「えぼ鯛」だったか正確な記憶はないのであるが、どちらにしてもマコトに可愛らしい鯛君である。30分もかけて丁寧に焼いてくれたのを、鬼オロシに醤油をかけて食してみたまえ。2~3日はその感激だけでメシが食えるぐらいに旨い。
鴨南蕎麦
(〆は、鴨南蛮そば)

 こういう旨いものを食べた後の〆は、鴨南蛮のお蕎麦。分厚い鴨肉が4~5枚と、鴨のツクネが1個、たくさんのネギにからまりながら浮き沈みする様子は、お蕎麦大好きグマが感涙に咽ぶほどのシロモノであった。
 おかげで、このあとの半日は完全に無為。破裂しそうになったポンポンを抱え、フレンドリーなニャゴロワがクマの丸いポンポンに白い両手を載せて熟睡を始め、そのニャゴを撫でながらしばし文庫本をめくるうちに、クマ蔵自身もスヤーッと心地よい眠りに落ちてしまった。
 こうして5月が終わり、6月になった。6月1日、東京は33℃を超える凶悪な猛暑。このまま暑さがつのっていったら、7月と8月はいったいどんなありさまになってしまうんだ。去年みたいに残暑が長引くとすれば、9月だって心配でざんしょ。
ニャゴ
(入道雲、拡大図)

 テレビでは東京六大学野球を中継していた。今年の早稲田vs慶応戦は、リーグ優勝のかかった大一番であるが、35℃近い炎暑の中の早慶戦って、何だか学生たちが可哀そうであるね。
 結果は、8—6で慶応の優勝が決まった。慶応・加藤君の力量感あふれるピッチングに昨日も今日も完全に抑え込まれ、甲子園のスターを集めた早稲田なのに、「手も足も出ない」という残念な負け方になった。
 70連敗だったか75連敗だったか、無責任なマスメディアの人々から「不名誉な記録」と揶揄されている東大野球部の諸君も、加藤君のピッチングから学ぶ所があるんじゃないか。
 シロートっぽい荒れ玉で、あくまで荒々しく、テンポよく投げ込んでくるのだが、あの荒々しさを東大のピッチャー諸君も学んでほしい。秋のリーグ戦には、きっとトンネルから脱出する糸口がつかめるはずだ。
 早慶戦の視聴率、どのぐらいあったんですかね。戦前から戦後にかけて日本中を沸かせた早慶戦であるが、今日の中継はNHK教育テレビ。いわゆる「Eテレ」であるが、神宮球場があれほど盛り上がっているのが不思議なほどで、世間の話題にはちっとものぼらない。
 マスコミの話題は、もはやサッカーW杯一辺倒。ラグビー日本代表が、世界ランク8位のサモア代表に33-14で快勝しても、テレビのスポーツニュースはほぼ完全に無視。または黙殺。国際マッチでダブルスコア以上の勝利なんてのは、5年後にワールドカップを開催する国として、もっと熱く報道すべきだと思うのだが、これほど冷たく無視されては、ラグビーも野球の早慶戦も、何だか哀れでならない。

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