Wed 140226 長崎出張のついでに九十九島に行ってみる 急行「西海」と「西海ブルース」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 140226 長崎出張のついでに九十九島に行ってみる 急行「西海」と「西海ブルース」

 3月15日、連日のお仕事と大熱演で疲れ果ててしまい、「もうヨレヨレのヨレ五郎」「ヘトヘトのヘト次郎」な感じの中年サトイモであるが、今日はこれから長崎に飛ばなければならない。
 会社からもらったチケットは、なぜか福岡経由。ヒコーキで福岡に飛び、それから地下鉄に乗って博多駅へ。JRに乗り換え、「白いかもめ」に揺られて延々2時間、ほうほうのていで長崎に到着、そういう行程である。
 しかし今井君はマコトに賢いから、羽田からチャンと長崎行きのヒコーキに乗る。というか、この時期の長崎行きは修学旅行生で大混雑するのが分かっていたので、12月下旬、「3月の長崎出張」が決まった瞬間に、ヒコーキのチケットを自ら手配しておいた。
 「手配」も何も、ANAのHPに「長崎」「3月15日」と打ち込んで1クリックか2クリックしただけのことである。そういう作業を12月末のパリのホテルで朝早くからやっていたことを思えば、マコトに涙ぐましいクマどんであるが、ま、そのおかげで直通の長崎便をゲットできたわけだ。
海1
(長崎、九十九島の海 1)

 こうして3月15日午後1時半、サト助は無事に長崎空港に降り立った。ビックリするぐらい暖かい日で、気温は20℃を超えている。真冬の分厚いコートを着ていること自体が何となくヒョーロク玉な感じ。「Tシャツ1枚でOK」という恐るべき暖かさである。
 長崎県諫早でお仕事があったのはつい先週のことであるが、たった1週間で長崎は一気に初夏の風情に変わった。空港周辺に植えられたヤシの樹々が、先週はまだ何だか寒々しい感じだったが、今日はすっかり南国の雰囲気を醸し出している。
 タクシーに乗り込んだクマ蔵は、思い切って「九十九島」と運転手さんに目的地を告げた。もっと詳しく言えば、「佐世保の先、九十九島の遊覧船乗り場まで」である。運転手さんも嬉しそうに「じゃ、高速で行きますか?」と即座に応じてくれた。
 諸君、長崎空港から見て、長崎は真南の方向。九十九島は真北の方向。空港でタクシーに乗り込む人は、普通なら真南の長崎市を目指す。ところがこの日のクマ蔵は、どうしても正反対の真北の方角・九十九島を訪れたかった。
 高速道路を使っても、九十九島までは1時間以上の道のり。タクシー代は高速料金を追加して2万円近くかかる。いやはや、マコトにマコトに贅沢なクマ蔵どんでござるね。
海2
(長崎、九十九島の海 2)

 しかし、そのぐらいいいじゃないか。お仕事で長崎までやってきて、お仕事だけしてサッサと東京に帰ってしまうんじゃ、それはまさに「All work and no play makes Jack a dull boy」の世界。お仕事は明日のお昼からであって、今日はとりあえず仕事はないんだから、ちょっと九十九島を探検してこようというのである。
 サト助は、常識から考えればホントにおかしなヤツである。このブログ自体、ウルトラ常識的なウルトラ常識人からみたら、「オマエはいったい何をやってんだ?」というウルトラ叱責の対象だ。「そんなに文章力があるなら、どんどん本でも書いたらいいじゃないか」と言ってくれる人も少なくない。
 しかし諸君、常識的なんてのは、クダランのだよ。常識的な行動なら、そこいら中の人がこぞってやってくれている。せっかくこの世の中に生まれてきたのに、そこいら中の人がみんなでこぞってやっていることを、おんなじようになぞってみたって、何の醍醐味もないじゃないか。
海3
(長崎、九十九島の海 3)

 だからサト助は、周囲の人がみんな首を傾げても、本ではなくてブログに集中する。本屋に行けばいくらでも同じような参考書が並んでいるのに、そこへまた今井君が同じような参考書を書いたって、あんまり世の中が変わるような気はしない。
 こんな生き方をしているから、世の中の常識的なヒトビトからは「strange」と見られ「funny」と評されて「crazy」とさえ言われかねない。しかしそれはそのまま「interesting」に直結するので、だからこそブログのアクセス数もこのところ1日平均7000に迫る勢いだ。
 サト助として絶対にイヤなのは、「dull」である。話を聞いても授業に出ても、普段の行動を眺めていても、「dull」と評されるようなニンゲンになったんじゃ、生まれてきたカイがちっともないじゃないか。
竹輪
(遊覧船に乗って、すぐにビアと竹輪を購入。いやはや、「エソ」の竹輪がホントに旨い)

 旅先でも同じこと、せっかく長崎までヒコーキで飛んできて、お仕事だけやってトンボ返りするようなdullなヤツにはなりたくない。今回のサト助はどうしても九十九島を訪ねておきたかった。
 九十九島を知ったのは、小学生のころ。切手収集がブームになって、今井君も例にもれず、夢中で切手を集めて回った。国宝シリーズ、浮世絵シリーズ、国立公園シリーズに国定公園シリーズ。今でも書棚の奥に大昔の記念切手がたくさん眠っている。
 中でも大切にしてきたのが国立公園シリーズ。その中に「西海国立公園」があって、展望台から九十九島を俯瞰した褐色の15円切手が印象的だった。当時の今井君は秋田の小学生。長崎はニューヨークやパリにも負けないほどはるかな異国の街に思われ、自分の一生で訪ねることがあるのかどうかさえ分からないぐらいだった。
 当時は東京発佐世保行きの夜行急行「西海」なんてのも走っていた。諸君、まるまる24時間かけて、東海道本線→山陽本線→長崎本線を走り抜くのである。
 朝7時に東京を出て、佐世保着が翌朝6時過ぎ。電車もたいへんだが、乗っている人々もマコトにご苦労であって、佐世保につく頃にはみんなヘートヘトのヨーレヨレ。古井由吉の小説に急行・西海で長崎に旅する話があったはずだから、諸君、是非グーグル先生を活用して読んでみてくれたまえ。
あおさ鯛
(あんまり竹輪が旨いので、「あおさ鯛」の蒲鉾も買ってみた)

 内山田洋とクールファイブ「西海ブルース」というのもあった。作詞:永田貴子。当時のクールファイブはまだ全く無名で、長崎のナイトクラブに出演する程度だったが、1968年ごろから長崎の地元ラジオ局で「西海ブルース」が大ブームになり、この曲をキッカケに全国に雄飛することになる。
 今井君の恐るべき記憶力は、その「西海ブルース」の2ndコーラスをキチンと思い出せるのである。
    恋の悲しみ 耐えられなくて
    呼んでみたんだ 君の名を
    九十九島の磯辺にも
    真珠色した 雨が降る
    静かに流れる あの歌は
    君と歌った 西海ブルース
 こんなに思い出のある西海国立公園を、2014年3月15日のクマ蔵はついに訪れることになった。切手収集に夢中になっていた小学生の昔から、すでに700年が経過しようとしている。
 ホントに人生は春の夜の夢の如し。春の長崎は今日もまた好天で、「長崎は今日も雨だった」のはずが、暖かい春の日差しを浴び、Tシャツ姿の欧米人の一行がジョギングで汗を流している。
 では、実際に訪れた九十九島はどうだっだのだろう? 普通ならここからが旅行記の本番になるはずだが、そこはそれ、strangeでかつfunnyなヘトヘト・サト助のことだ。今日もまた長く書きすぎたから、旅行記の本編は明日に譲ることにしたい。

1E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 4/4
2E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 1/2
3E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 2/2
4E(Cd) Kazune Shimizu:LISZT/PIANO SONATA IN B MINOR & BRAHMS/HÄNDEL VARIATIONS
5E(Cd) Barenboim & Berliner:LISZT/DANTE SYMPHONY・DANTE SONATA
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