Tue 140225 朝の京都散策 「ぶっかけ」はワイルド過ぎる 本郷「ホテル機山館」でお仕事 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 140225 朝の京都散策 「ぶっかけ」はワイルド過ぎる 本郷「ホテル機山館」でお仕事

 3月14日、サト助は京都からいったん東京に戻らなければならない。
 朝8時に目が覚めたのは京都のホテル。明後日は長崎でお仕事だから、普通に考えれば東京に戻るのはstrange。このまま真っすぐ長崎に向かうのが普通だろう。しかし午後7時から東京・本郷でお仕事があるのだから、strangeだと言ってムクれているわけにもいかない。
 しかしサト助は「ホントにもったいないな」と思うのである。京都から長崎に直行できるなら、今日は早めに京都を出て、久しぶりの長崎を丸1日歩き回れるじゃないか。坂本龍馬の夢の跡を辿るのもいいし、軍艦島まで足を伸ばすのも悪くない。
 ま、諸君、サト助が日本中を走り回っているのは決して物見遊山ではないのだから、その辺のもったいなさには目をつぶるしかない。何事も仕事優先、京都→東京→長崎とビュンビュン飛び回るチョー忙しい週末を、せいぜい満喫しようと思う。
赤門
(夕暮れの東京大学・赤門。3月14日のサト助は、ここから3分のホテルでお仕事であった)

 それでもやっぱり、せっかくの京都の春だ。せめて梅のカホリだけでも楽しんできたい。朝9時、ウェスティンホテルからブラブラ散歩に出て、知恩院→青蓮院→粟田神社のルートで歩いてくることにした。
 卒業式や謝恩会の時期である。ウェスティンでは朝からどこかの専門学校の卒業式があるらしくて、激しく着飾ったオネーサマたちでごった返している。朝9時にここまでカンペキに着飾って、アタマもお顔も100%メークで現れるということは、いったい何時に起きたんだ? マコトにマコトにご苦労なことでござるね。
 散策に出てみると、今朝の京都は天気雨であった。お空はキレイに晴れているのに、霧のような細かい雨粒が冷たい風に吹かれて顔にぶつかってくる。おそらく昨日の豪雨の名残であるが、晴れ着のオネーサマたちが何となく可哀そうになるお天気であった。
 11時にホテルをチェックアウトして、伊丹空港に向かう。今日もまたMKタクシーの定額を利用したから、伊丹までの料金は「ホントですか?」と尋ねたくなるほどの格安。こんなに安くしちゃって、タクシー会社に儲けはあるんだろうかね?
粟田の馬
(京都散策で立ち寄った粟田神社。こんな勇ましい馬さんがいた)

 昼食時だったので、空港の馴染みのお蕎麦屋に入る。思えば3年前の同じ3月14日、大震災直後のクマ蔵はやっぱりこの店にいて、辛味大根おろしのタップリ入ったお蕎麦をすすっていた。
 大地震と大津波の衝撃に加え、原子力発電所の取り返しのつかない大事故が、いったいどんなふうに終息するのか、絶望的な思いで見守るしかなかった。一部には「東京脱出」の動きさえあったが、あの時のクマ蔵は、仕事のついでに大阪・堂島の米屋で米1kgを購入して東京に戻る途中。その米を抱えて、宮城県仙台に向かおうと考えていた。
 さすがにああいう状況では「辛味大根おろし蕎麦」が限度。それ以上の贅沢はとても考えられなかった。しかしあれから3年、すっかり心の余裕ができて、今日の注文は「ぶっかけ天おろし蕎麦」。この店で一番高いメニューのうちの1つである。
 どうもサト助は「ぶっかけ」という呼び方が気に入らない。いつから始まったのか、日本中どこのお蕎麦屋のメニューにも「ぶっかけ」というのが存在するが、何でそんなにワイルドなタイトルにしたんだろう。少なくとも、お蕎麦に麺つゆをかける時「ぶっかけ」みたいなチョー・ワイルドなかけかたをする人はいない。
 呼び方が気に入らないので、サト助は滅多に「ぶっかけ」というタイトルのついたお蕎麦を注文することはない。だってイヤじゃないか、「ぶっかけ」だなんて。少なくとも食べ物に対して、そういう侮辱的な言語は慎むべきだと思うのだ。
 ま、いいか。このメニューはなかなか贅沢だ。写真でみてくれればわかるが、余りの贅沢さにお蕎麦が見えないぐらいである。海老天にタマゴにタップリの辛味大根おろし。竹輪もまるまる1本を天ぷらにしてのっけてくれる。その上から麺つゆを「ぶっかけ」るのだが、うーん、やっぱり最後の「ぶっかけ」がイヤでござるね。
蕎麦
(伊丹空港「関亭」の「ぶっかけ天おろし蕎麦」。やっぱり「ぶっかけ」はワイルド過ぎる)

 こういうふうで、伊丹からビューンと飛んだのが14時、羽田到着が15時。本郷三丁目でのお仕事は19時からだから、どこかで時間をタップリつぶさなければならない。いったん代々木上原のオウチに帰ってもいいが、そうなるとオウチで過ごせるのは1時間足らず。何とも中途半端な感じでござるよ。
 そこでサト助は致し方なく羽田空港のコーヒーショップに入る。Mac君を相手にブログ原稿でもカタカタやって、中途半端な1時間ちょいを潰す努力をすることにした。
 羽田から新宿まではリムジンバス。首都高速のたいへんな渋滞があって、新宿から地下鉄丸ノ内線で本郷三丁目にたどり着いてみたら、もう18時を過ぎていた。無理に時間なんか潰す努力をしなくても、東京というところはマコトに上手に時間を浪費してくれる街である。
機山館
(東京・本郷の「ホテル機山館」でお仕事)

 本郷のお仕事の場所は、「ホテル機山館」の結婚式場。本来なら本郷三丁目の校舎の一室で行うところであるが、予想以上に参加者数が増えてしまったために、校舎の近くに会場を借りることになった。
 「機山」とは武田信玄の法名。本郷のホテルと武田信玄との間の関係はわからないが、都心の校舎として120名を超える参加者を集めきったのは素晴らしい。スタッフの努力に感謝♡感謝、また感謝である。
 普段は修学旅行生でいっぱいのホテル。その他、様々なスポーツイベントに参加する選手たちなどで、なかなか繁盛しているようだ。しかしおそらく何と言っても、このホテルのクライマックスは東京大学の入学試験。何しろ東大赤門まで徒歩3分だ。東大受験には絶好のロケーションである。
 諸君、東大入試の朝のこのホテルを想像してみたまえ。全国から集まった秀才たちが、いよいよ目前に迫った試験に立ち向かおうと、朝食会場に集まってくる。玉子焼き、焼き魚、納豆、梅干に焼き海苔。この日一日の彼ら彼女らを支える食材が並び、ゴハンからも味噌汁からも、温かい湯気が上がる。
 和やかな中にもピリッと緊張感が漂い、使い込んだ参考書をめくる音、仲間どうし問題を出しあう声、ここで初めて出会った九州の受験生と東北の受験生が語りあう遠慮がちな話し声。いやはや、様々な東大受験生が、このホテルのドアから赤門に向かって旅立っていったのだ。
本郷
(本郷三丁目も超満員だった)

 仕事が始まる30分前、コーヒーを運んできてくれたホテルの人に、その辺のことを尋ねてみた。30歳代に入るか入らないかぐらいの若い男子だったが、「確かに今年も、東大入試の日は超満員でした」とニコニコ笑いながら話してくれたものだった。
 この夜のサト助は、参加した120名強の生徒たちに、まずそういうことを語りかけた。もちろんそれを「単なる雑談」「チョー、ウゼー」と感じる生徒だって存在するのである。
 しかし諸君、今いるこのホテルは、そのぐらい由緒正しい場所なのだ。この数十年、たくさんの秀才たちがここで夢を紡ぎ、勇ましく旅立っていった。そういう場所で、わずか100分であるにしても過ごせることの幸せを、サト助は彼ら彼女らにも感じてほしかったのである。

1E(Cd) Maggini String Quartet:ELGAR/STRING QUARTET in E MINOR & PIANO QUINTET in A MINOR
2E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION③
3E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION①
4E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION②
5E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION③
total m141 y296 d13216