Tue 140218 今日も激しいスケジュール 四角いサトイモについての考察 旅の〆はカレー味 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 140218 今日も激しいスケジュール 四角いサトイモについての考察 旅の〆はカレー味

 3月14日、いまサト助は大阪にいる。昨日は京都でお仕事。350人も集まってくれて大感激した後、歌舞練場あたりでの祝勝会がまたまた激しく盛り上がって、いやはや、楽しい一夜であった。
 その詳細はまた1週間後ぐらいに徹底詳述するとして、とりあえず今日のクマ蔵は京都から大阪まで移動してきた。たどり着いた大阪・伊丹空港で、お昼のお蕎麦を食べ過ぎてポンポンが破裂しそうであるが、これからヒコーキで東京に戻らなければならない。
 14時のヒコーキで、羽田には15時着の予定。そのあと本郷3丁目で19時からお仕事。諸君、この異様な中途半端さは何なんだ? 15時に羽田、19時から本郷。そのスケジュールの間に形成される4時間の空白を、クマ蔵はどんなふうにして埋めていけばいいんだろう。
 しかも、明日は長崎に飛ばなきゃいけない。今夜のお仕事が終わって21時。オウチに戻って22時。明日のヒコーキが午前11時だから、オウチは朝9時に出る。この多忙さはいったい何なんだ? そもそもこんなたいへんなスケジュールの中で、意地でもこれほど膨大なブログを更新し続けている精神力は、いったいサトイモのどこから湧き上がってくるんだ?
北斗星1
(北斗星のエンブレム。到着した上野駅にて。まだたくさんの雪がこびりついている)

 ま、とにかくまず3月6日の「北斗星の旅」について、最後まで書いてしまわなければならない。早いもので、あれからもう1週間が経過している。3月6日の深夜、例の「3月10日の吉報」が舞い込む5日も前に、サト助の乗った寝台特急「北斗星」はいよいよ青函トンネルに進入しようとしていた。
 ちょうどそのころ、サト助は激しい睡魔に襲われた。そりゃそうだろう。札幌から乗り込んですでに7時間近く、丸いカラダを四角く変えてしまいそうな窮屈な個室に閉じ込められたままだ。外は暗闇、窓に映ったサト助の不気味な顔が、確かにそう思ってみれば四角く変化した気がする。
 諸君、これはホントにたいへんなことである。「四角いサトイモ」などというものが、この世に誕生したり存在したりしていいものだろうか。21世紀の日本農業は、ついに「四角いスイカ」を生み出したけれども、じゃあその四角いスイカを好んで食べるヒトがいるかというと、それは甚だ疑わしい。
 お盆にジーチャン&バーチャンのオウチに集まって、「さあスイカでも切ろうじゃないか」という瞬間は、大家族のクライマックスである。その時バーチャンが冷蔵庫から自慢げに出してきたのが「四角いスイカ」であってみたまえ、ジーチャンは怒りだす。ジーチャンの息子であり&マゴたちのパパである40歳代のカズヒコorヒロシorコータローだって、やっぱり黙ってはいない。
 何と言っても、マゴたちが暴れだす。
「オバーチャンなんかキライだ」
「四角いスイカなんかスイカじゃない」
「丸いスイカがいいよ」
「丸いスイカじゃなきゃイヤだよぉ」
正統派なハナコやタローも、キラキラネームの無頼庵(ブライアン)や武稀(ブレア)や目有庵(メアリアン)も、バーチャンと四角いスイカに激しい敵意と闘志を燃やすだろう。
北斗星2
(北斗星を上野まで牽引した機関車。たくさんの撮り鉄サンたちが取り巻いていた)

 では、話がスイカからサトイモに平行移動したとして、状況はどう変わるだろうか。けんちん汁に入ったサトイモが、キューブタイプのチーズみたいに立方体にカットされているとする。キミはそのけんちん汁を信頼できるかね? 「サトイモの煮っころがし」がキューブタイプだとしたら、アナタはそれを煮っころがしとして認知できるかね?
 このころ、四角いサト助は激しい睡魔に襲われた。デスクの下に設置された古色騒然とした暖房機から、乾燥しきった熱風が吹き上げてきて、四角いサトイモの顔に吹きつけると、「四角い乾燥サトイモ」という言語道断な新製品が出来あがりそうだ。
 諸君、どうだね? ある時どこかのコンビニが、悪い業者にダマされて「乾燥サトイモ・キューブタイプ」を商品棚に並べたとする。場所は、チーズコーナーか、お惣菜コーナーか。納豆の横? ザーサイの隣? うーん、なかなかオゾましいでござるね。
 ところが諸君、そうとばかりは言えないのだ。ANAのヒコーキに乗って、「ANAマイチョイス」という機内販売パンフを広げてみたまえ。驚くなかれ、「サトイモスナック・ポリポーリ」という新製品が掲載されている。
 「スティックスナック界に、ついにサトイモが登場」。うにゃにゃ、サト助もなかなか活躍しているじゃないか。「ポリポーリ」なのか「ポーリポリ」なのか、ハッキリしなくなってしまうのが難点だが、「信じがたい」とおっしゃるカタは、早速「ポリポーリ」をグーグル先生で確かめてくれたまえ。
カニ
(上野駅に到着した「北斗星」。「カニ」なんて車両もあるんですカニ?)

 以上のことをあれこれコネクリ回しているうちに、今井サト助はとうとう睡魔に降参した。列車はまもなく青函トンネルに入り、長い長い海底の闇を抜け、やがて北海道から青森県側に入った。
 ただし、睡魔との激戦を戦い抜いて、ついに睡魔軍に屈服したクマどんは、激戦の疲労に耐えきれず、そのまま延々と眠り続けた。青森駅で再び機関車を付け替え、そのとき進行方向も変わったはずなのだが、サト助の記憶には何一つ残っていない。
 目が覚めると、外はまだ青森か岩手の白い雪の大地。しかし夜はもう明けそめて、明け方の光に白い雪が薄青く光っている。川端康成どんなら、「夜の底が青い海の色に染まった」としっとり描写するはずだ。
通路
(朝の関東平野を南下する「北斗星」の通路。「ぬるくゆるびもていく」の真っ最中である)

 しかし、そこから先の北斗星の旅は「ぬるくゆるびもてゆく」の感を免れない。思うに寝台列車・北斗星は、上野から札幌に向かう下り列車を利用すべきであって、札幌行きの下り列車と、上野行きの上り列車では、感激の大きさがまるきり違うのである。
 札幌行きなら、ワクワクしながら上野を出て、ひたすら北を目指す列車の揺れに身を任せながら、食堂車グランシャリオの食事を満喫。やがて北国の町の遠い灯りが、深い闇の中をポツンポツンと通り過ぎていく。真夜中を過ぎた頃に青函トンネルをくぐって、目が覚めれば外は一面の雪の大地。「おお、とうとう北海道に来たんだ」と、思わず涙ぐむヒトだっているだろう。
 一方の上り列車は、感動のタネが旅の前半に尽きてしまう。郡山を朝6時ごろに出た後は、もう「プロ野球の消化試合的」と言っていい。延々と徐行運転が続いて、郡山→宇都宮→大宮→上野では、クライマックスも感激もほとんどゼロ。春の明るい日差しの中、すっかり「ぬるくゆるびもていき」、上野に着く頃は、清少納言どんに「わろし」と断定されても致し方ない状況になっている。
カレーうどん
(古奈屋の「キーマカレーうどん」と「バナナの天ぷら」で、この長旅を〆ることにした)

 もちろんクマ蔵としては、そういう旅の終わり方はイヤだから、上野到着後は「カレーうどんで〆」と決めた。上野駅2階だったか3階だったかの「古奈屋」。キーマカレーうどんに、「バナナの天ぷら」というケッタイなものまでプラスして、感激の旅の〆を演出した。
 その演出は、バナナの天ぷらを除けばほぼカンペキに功を奏して、「ぬるくゆるびもていき」「わろし」の寸前だった北斗星の旅に、キチンとピリ辛な締めくくりがついた。ただし、この旅の最後がカレー風味になってしまったことについて、「後悔ナシ」とは言えない気もするのだった。

1E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION②
2E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION③
3E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION①
4E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION②
5E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION③
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