Sun 140209 いったん東京に帰る 前橋の純喫茶 キツネにつままれる 前橋でお仕事 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 140209 いったん東京に帰る 前橋の純喫茶 キツネにつままれる 前橋でお仕事

 3月2日のクマ蔵は、昨夜のお酒をものともせずに朝6時半に起床。まあ、そうは言っても少しは2日酔いの症状があるけれども、熱いお風呂にザブンとつかれば、その類いのダラダラした気持ちもあっという間にどこかに飛んでいく。
 これから9時半のヒコーキで福岡から羽田へ、羽田からいったん渋谷区のオウチに戻ってカバンの中身を入れ替え、午後2時には東京駅へ。東京発3時の新幹線で高崎に向かい、ホテルにチェックインした後は5時にスタッフと待ち合わせ、クルマで前橋に移動して、19時からお仕事である。
 さらに21時半から祝勝会。いつもと同じように0時ごろまで盛り上がって、翌朝は6時起き。8時の新幹線で東京→浜松町→羽田空港。11時のヒコーキで札幌を目指す。諸君どうだい、このスケジュール。超ベテラン・クマ蔵も、なかなか元気に頑張っとるじゃないか。
にゃご
(福岡から東京へ、いったんオウチに帰ってニャゴと語り合う)

 福岡からのヒコーキの中で、生まれて初めて「どなたかお医者さまがご搭乗でいらっしゃいましたらお知らせください」というCAの緊迫したアナウンスを聞いた。しかも驚くなかれ、今井君のすぐ斜め後ろのヒトがその「ご搭乗のお医者さま」だったのだ。
 今井君の席が最前列の1A。お医者様は2D。さっと手が上がり、すぐにベルトを外して、CAに導かれて急病患者のモトに向かった。うぉ、何とカッコいい。優秀な頭脳に生まれついた諸君、ぜひとも医師になりたまえ。予備校講師なんか、こんな時には全く役に立たない。医師になって、そこいら中でタップリ役に立ってくれたまえ。
前橋1
(群馬県前橋でお仕事)

 さて、「何でいったんオウチにもどるの?」であるが、さすがに7日間も出張でオウチを留守にするとなると、着替えも7日分持ち歩かなければならない。そうなると、デカいスーツケースをゴロゴロ転がして飛び回ることになる。
 ヒコーキに預けたり、預けたスーツケースが出てくるのを待ったり、新幹線で荷物置き場が見つからなくて右往左往したり、荷物をヒトにぶつけて睨まれたり罵声を浴びせられたり、そういうのは精神的に大きな負担がかかる。
 だから、スーツケース♨ゴロゴロの出張旅行は絶対に御免であって、連続出張は最大で3日が限度。3日分なら、例の「何でも入る医者の往診カバン」に何とか詰め込むことができる。だから出張のスケジュールが4日以上になると、サト助は何とか1度オウチに帰るチャンスを見つけ、カバンの中身を入れ替えて、それから再び旅に出る。
 高崎のホテルにチェックインした時のクマ蔵は、カバンの中身もリフレッシュして、再び充実感たっぷりである。この3日間は西日本シリーズだったが、ここからの3日間は北日本シリーズ。前橋→室蘭→函館と回って、まだまだニャゴやナデシコとゆっくり語り合うヒマはない。
前橋2
(前橋で語るクマ)

 高崎から前橋まではクルマで移動。普段は渋滞がひどくて、前橋までのわずかな距離に1時間半もかかるのだが、今日は地元の大学生が「人間ナビ」として同乗し、裏道から裏道へと上手に案内してくれたおかげで、1時間もかからずに前橋に到着してしまった。
 到着「してしまった」という書き方をするのにはワケがある。前橋会場はたいへんコジンマリした会場なので、講師控え室を用意できない。控え室がないところにヤタラに早く到着、クマのデカい身体を隠しておく場所がないのだから、やっぱり「してしまった」と後悔半分に書くしかないわけだ。
 そこで、「コーヒーショップにでも行きますか」と衆議一決して、前橋駅前の喫茶店に入って時間をつぶすことになった。諸君、「喫茶店」というレトロな存在を忘れてはならない。昔は「純喫茶」といふ奥ゆかしいコトバもあった。
 明治期に普及した「カフェー」には、100年前の知識人がこぞって集まり、談論風発する知的な場であったが、やがて酒も出し女給がサービスする特殊なカフェーが登場。風紀も乱れて、大正から昭和初期の小説には「カフェーの女給にでも身を落とす」という表現が頻出するほどになった。
 そういう特殊なカフェーに対して、「酒は出しません」「風紀の乱れやいわゆる『女給』は存在しません」「知的にコーヒーを楽しんでいただきます」という品行方正なお店を「純喫茶」と呼ぶようになった。
 サト助の大学生時代は、戦後隆盛を極めた「純喫茶」の末期。コーヒーを「キリマンジャロ」「モカ」「マンデリン」とストレートで注文する難しいヒトたちが次第に去り、インベーダーゲームに長時間夢中になる場所に姿を変えつつあった。
前橋3
(前橋、ラストに花束をもらう)

 今やスタバにタリーズにエクセルシオールの全盛で、昔からあるレトロな喫茶店なんか街の隅に追いやられてしまったけれども、オジサマ4人が1時間もマッタリするには、やっぱりスタバより喫茶店である。前橋駅前の街角に、あの懐かしい純喫茶を発見。オジサマ4人組は昔懐かしい思いの中、店のドアを押した。
 中には中年の店長が一人。テレビでサッカーを眺めていた。4人掛けのテーブルが2つ、あとはカウンター席。赤熱したストーブなんかも置いてあって、まさに昭和レトロなお店である。
 しかし諸君、店主は、オドロキの目で我々4人も見つめている。「客が来た」「しかも一度に4人」といふこと自体を信じられない様子。おそらく何かのセールスで、観葉植物とか入口マットとかコピー機とか、その類いのものの営業に回ってきた男たちだと思ったらしい。まさかとは思うが、「借金の取り立て」と勘違いした可能性だってなくはない。
 我々も戸惑いながらテーブル席につくと、やっと店主も「客なのかもしれない」と気づいたのだろう。サッカー中継のスイッチを切り、ジャズのCDを1枚選んでプレーヤーに突っ込むと、メニューを片手に恐る恐る近づいてきた。
 オジサマ4人組が「モカ」「キリマンジャロ」「マンデリン」と、こちらも久しぶりにストレートで注文すると、店主もやっと納得してお湯を沸かしはじめた。
祝勝会
(前橋、楽しい祝勝会)

 コーヒーが出てくるまでに、15分。たいへんヌルいコーヒーに、何故かリンゴ2切れと、グリコ・アーモンドチョコが1個ずつ。リンゴは微妙に皮の残ったむき方であって、芸術的なのか、それともただ単に下手なだけなのか。よく分からないが、とにかくジャズのほうはSonny ClarkのCOOL STRUTTIN’。趣味はなかなか悪くない。
 こういうシュールなお店で40分ほど過ごし、何だかキツネにつままれたような思いでお仕事の会場に戻った。いやはや、昭和な前橋のキツネにつままれるとは、神ならぬサト助の知る由もない。オドロキから覚めきらぬまま、お仕事は19時スタート、出席者約100名。
 こういうコジンマリな感じの仕事も悪くない。椅子にのっけて高く固定したホワイトボードの脚に、何度も膝をしたたかぶつけながら、100分間の大奮闘をつづけた。
 今日もまた今井スタンダードは変わらないので、連日の同じような描写は避けるけれども、奮闘に熱が入りすぎて、90分のものが思わず100分になり、105分に延長する傾向が続いていることは、少し反省の必要がありそうだ。
 終了後、会場近くの居酒屋で大祝勝会。なぜか何度でも鍋物が沸騰して噴き出してしまう、これまたフシギな雰囲気の店だったが、今夜もまた日付が変わる頃まで歓談の花が咲いた。
 0時、タクシーを呼んでもらって、高崎のホテルまで帰る。明日は朝早く起きなきゃいけないから、そのまま大人しく就寝ということにした。

1E(Cd) Karajan:BACH/MATTHÄUS PASSION①
2E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
3E(Cd) Bobby Coldwell:BLUE CONDITION
4E(Cd) Boz Scaggs:BOZ THE BALLADE
5E(Cd) The Doobie Brothers:MINUTE BY MINUTE
total m45 y200 d13120