Mon 131230 焼肉パーティーの件 パリでサーカスをみる 綿菓子の小悲劇(マタパリ24) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 131230 焼肉パーティーの件 パリでサーカスをみる 綿菓子の小悲劇(マタパリ24)

 1月22日は、代々木上原で新年会を兼ねた焼き肉パーティーに参加。古文のウルトラ&スーパー有名講師といっしょだったが、その模様についてはそのウルトラ&スーパー講師のブログに写真入りで紹介されているから、サト助ブログでは写真掲載を省略することにする。
 今日はこれから、神奈川県あざみ野のお仕事。今日あたりから2014年の仕事が本格化して、ヒコーキや新幹線での遠出も目白押しになる。スケジュール欄に掲載したお仕事以外に、吉祥寺での収録が5回もあって、「おお忙しい&忙しい」という感じでござる。
サーカス1
(パリのサーカス、シルク・ディヴェール)

 12月26日、マコトに短いパリ滞在は、残り2日を残すばかりになった。ここまでパリはずっと雨降りだったが、26日のボクシングデーはカラリと気持ちよく晴れて、ほっとするほど暖かい1日になった。
 ホントならこういう日にはお外をブラブラするほうがよくて、例えばリュクサンブール公園とか、モンマルトルなりモンパルナスあたりを散策したら、きっと気持ちいい午後になるだろう。
 ちょっと遠出してベルサイユやシャルトルもいい。ベルサイユは宮殿に入ろうとするからメンドクサイのであって、宮殿を眺めながら驚くべき広大な庭園をブラブラすれば、それでいいのである。「フォンテーヌブロー」という手もある。
 ところが諸君、何と今井君は26日の午後をサーカスを見て過ごすことになっていた。日本を出る前にチケットを買っちゃったんだから仕方がない。去年の冬のパリではオペラ座に入り浸ったが、今年のパリはオペラもバレエもめぼしいのが見つからなかったので、思い切ってサーカスにしてみた。
オステルリッツ
(パリ地下鉄、オーステルリッツ駅)

 サーカスの名は「シルク・ディヴェール」。「シルク」のスペルは、cirque。これを英語にすればサーカス、イタリア語ならチルコである。ローマを訪れたヒトは、コロッセオやフォロロマーノのそばに「チルコ・マッシモ」という古代の大競技場跡があるのを記憶しているはず。もちろんその場合のチルコは、映画「ベン・ハー」のクライマックスに登場する4頭だての戦車競走のことである。
 「何でサーカスなの?」という疑問はあるだろうが、きっかけはANAの機内誌「翼の王国」。11月、今井君はお仕事で連日のようにヒコーキに乗ったが、そのたびに手にする「翼の王国」に、パリのサーカスの大特集があった。美しい白馬やトラの写真を眺めるうち、「こりゃどうしてもサーカスに行かなきゃ」と心を決めた。
 冬のパリでは、ブーローニュの森にもサーカスの巨大テントが出るらしいが、サト助が選んだのは、150年も続いているというシルク・ディヴェール。Hiverは「冬」だから、名前からして「冬のサーカス」であり、秋から冬限定の公演なのである。
ドアノブ1
(パリ地下鉄、ノブを回して開けるドア)

 地下鉄に乗って、まずオーステルリッツ駅に向かう。明日の朝、ブロワ城を訪ねるので、ブロワまでのキップを買っておきたかったのである。サト助はロワール河沿いに点在する古城群もまだ「見残し」にしてあるが、ブロワならパリから電車で気軽に行けるから、明日を古城めぐりの第一歩としたい。
 オーステルリッツに向かうメトロ10号線で、懐かしいドアノブを発見。昔のパリのメトロのドアは、みんなこの取っ手をグルリと回して開ける方式だった。今はボタンを押して開ける方式の新しい車両がどんどん普及して、取っ手をグルリと回す式のドアには余りお目にかかれない。うーん、懐かしかった。
 ついでに、オーステルリッツのお隣の「ジュソー」という駅名にも感激。「じゅそー」と聞けば、大阪のヒトならみんな阪急梅田の次の次、「十三」の駅を思い描くだろうが、諸君、パリにもジュソーが存在するのである。
 もちろんMac君みたいなオモロいヤツは「じゅそー」と打ち込まれて「呪詛ー」と驚くべき変換をしてみせるが、それはMac君の頭の中がどうかしているからであって、「ロワジー」を「露湧出」と変換するのと(一昨日の記事参照)レベルは大して変わらない。
ドアノブ2
(くるりんノブ、拡大図)

 さて、サーカスであるが、メトロ8号線 Filles du Calvaire駅で降りるとビックリするぐらい立派な建物がすぐに見つかった。写真は下の真っ赤なヤツ1枚だけである。公演中は「写真撮影禁止」「ビデオ撮影はもってのほか」。そのへんはオペラと同じことであって、日本でもパリでも、世界中どこでも撮影は御法度だ。
 しかし「禁止」「御法度」に対するヒトビトの態度は、東京とパリじゃ全然違う。今井君の前の席のオジサンなんか、最初から最後までずっとカメラを構えてビデオ撮影に興じていたし、そこいら中でフラッシュがパシャパシャ光った。それでも誰にも注意されないし、係員がカンカンになって駆けつけることもなかった。
 今井君が買ったのは、2階のずっと奥のほうの席である。何しろサーカスだ。油断していると、指名されて舞台に連れて行かれ、手品のアシスタントをやらされたり、ペンギンたちの合唱の指揮をさせられたり、トラの餌食になったり、そういう危険な目に遭いかねない。
 2階席は、遠足でやってきた小学生たちでいっぱいだ。どうもサーカスというのは、小学校低学年のコドモたちが来るものらしくて、ジーチャン&バーチャンが2割、オジサマ&オバサマが3割、あとの5割はコドモ連。他に東洋のクマが1頭まぎれ込んでいたが、それは何を隠そうこの今井君である。
サーカス2
(開演30分前のシルク・ディヴェール)

 こんなふうにコドモだらけだから、オモチャやお菓子もたくさん売っている。赤・青・緑の3色に光る無意味な棒切れが一番よく売れていて、照明が消された客席の闇の中、そこいら中で3色の光がキラメイている。
 お菓子は、綿菓子である。バーチャンもジーチャンも、マゴの喜ぶ顔が見たくてサーカスに連れてきたんだから、意地でも綿菓子を買い与える。
 マゴとしては、もっと現代的なお菓子のほうが断然いいんだけれども、バーチャンとかジーチャンというものは、世界中どこでもガンコで強引な人が多いから、綿菓子と決めたら意地でも綿菓子なのである。
 しかし諸君、小さなコドモにとって、綿菓子ほどメンドーなものはない。そりゃ最初の1口2口は美味しい。経験したことがないぐらい美味しい。ところが、あんなデカいものをキチンと食べきれるコドモはいないから、3分の1も食べないうちにもう飽き飽きして持て余してしまう。
 すると綿菓子は、マコトに厄介なシロモノに変化する。どんどん下に垂れてきて衿や袖はベトベトだ。口の回りのベトベトやネバネバは拭きとっても拭きとってもキレイにならず、やがてコドモはベソをかき、ママは怒り狂い、バーチャンはムクれ、ジーチャンはこそこそどこかに逃げ出す。
 広いサーカス小屋のそこいら中で、家族のそういう小悲劇を巻き起こしながら、サーカスは3時間近くにわたって繰り広げられる。演目は、定番どおり。トラとウマの大活躍。トランポリンにシーソーに、ピエロたちの寸劇。ダンサーたちのダンスが平凡すぎるのと、クマさんもゾウさんも登場しないのが不満だったが、払ったオカネの分は十分に楽しめる3時間だった。

1E(Cd) Shiff:BACH/GOLDBERG VARIATIONS
2E(Cd) Shiff:BACH/GOLDBERG VARIATIONS
3E(Cd) Carmina Quartet:HAYDN/THE SEVEN LAST WORDS OF OUR SAVIOUR ON THE CROSS
4E(Cd) Alban Berg Quartett:HAYDN/STREICHQUARTETTE Op. 76, Nr. 2-4
5E(Cd) Bernstein:HAYDN/PAUKENMESSE
total m150 y2330 d12525