Mon 131223 センター直前のチチンプイプイ ストラスブール再訪を誓う(マタパリ19) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 131223 センター直前のチチンプイプイ ストラスブール再訪を誓う(マタパリ19)

 そうは言っても(スミマセン、昨日の続きです)「明後日がセンター試験」「いや、いよいよ明日がセンター試験」という受験生を目の前に置いて、完全に無視して放置するのもどうかと思う。
 確かに昨日の記事に書いた通り、「頑張れよ」「緊張するなよ」「全力を尽くせ」「悔いのないようにな」というアドバイスには、「かたはらいたし」の側面がないではないが、少なくとも中世のオマジナイぐらいの効果はある。ここはサト助ブログにも、オマジナイのチチンプイプイぐらいは書いておいたほうがいいのかもしれない。

(ストラスブールで、クリスマスのヴァンショーを楽しむクマどんの自分撮り。ま、クマ版の直前アドバイスを聞きたまえ)

 そこで、マコトに怪しいチチンプイプイ的オマジナイをしようと思うが、諸君、マジナイって、漢字でどう書くか知ってます? 驚くなかれ「呪い」であって、もともと「ノロイ」と「マジナイ」の根っこは同じだったのである。
 大昔は、お医者さんによる医療行為と、祈祷師の怪しい祈祷とには密接な接点があって、ワラにもすがるヒトビトの目から見ると、両者はほとんど区別がつかない。ノロイだろうがマジナイだろうが、おどろおどろしい薄暗闇で、見るからに怪しいヒトビトがワケの分からない呪文を唱えるんだから、一般人の目に同じものに映るのは当たり前である。
 「アブラカダブラ」でも「チチンプイプイ」でも、そのコトバの意味がよく分からないところにこそアリガタミがあって、意味が明瞭すぎるようでは、ノロイとしてもオマジナイとしても長続きしない。
 その点で「チチンプイプイ」はまさに秀逸であって、まさかその語源が「智仁武勇(ちぢんぶゆう)」だとは、滅多なヒトには分からない。そりゃ、グーグル先生が八面六臂の大活躍をしてくれる世の中だからいいが、いちいち広辞苑をめくらなきゃいけない時代だったら、誰もこんなことは教えてくれない。
 ただし、予備校界の長老・今井サトイモ里次郎は、まさに「広辞苑」全盛時代の生き物である。躊躇なく広辞苑を紐解いてみると、チチンプイプイとは「智仁武勇は御世のお宝」→「チチンプイプイ御世のお宝」と発音が変化したので、幼児が身体を痛めた時になだめすかす呪文のようなものだったとある。

(12月24日夕暮れ、ストラスブール大聖堂前で500年つづくレストランにも、オレンジ色の灯がともった)

 そこで、2013年の今井クマ蔵も、センター試験を間近に控えた受験生諸君のために「チチンプイプイ」をやってみることにする。諸君、センター前日の1日、キミはどうやって過ごす予定かね? もう受験会場の下見も済んだし、受験会場までの足の確認もカンペキ。万が一交通機関が乱れた時、代替手段として何をどう使うか、その検討も終わっているはずだ。
 そこで直前の1日は、
  ① 集中力を高めること
  ② 適度に疲労して、健やかな睡眠を確保すること
以上2点が最大の目標になるはずだ。夜10時には眠り、朝5時には起床したいじゃないか。
 すると、最も理想的なのは「英語の音読」である。今年1年受講してきた英語長文のテキスト1年分を、通しで2度でも3度でも音読する。夏期講習や冬期講習のテキストまで併せて音読すれば、長文読解問題30問以上をズンズン音読することになる。
 やがてアタマの中がみんな英語になって、明日の夜にみる夢は英語かも知れない。そうやって英語でグイグイ集中力を高め、ついでに肉体的にもタップリ英語で疲労して、健やかな睡眠を確保できる。クマどんが何よりオススメするのは、大好きな先生の英語テキストを繰り返し集中して音読することである。

(ストラスブールのトラム)

 日本史や世界史、地理や地学や生物の「1問1答式問題集」を最後にもう1回、最初から最後まで猛スピードでやってみるのもいい。集中してやれば、1冊5時間もかからない。
 17日の朝5時に起きて、まず日本史なり地理なりを11時までで完了、昼飯を食べて、ちょっと散歩して、午後1時から6時までで生物や地学を完了。「うぉ、疲れたあ!!」と絶叫しながらお風呂に入れば、そりゃ確実に眠りの天使が鼻先に現れて踊りはじめる。
 「最後まで、よく頑張ったね」「もう、眠っていいんだよ」と優しい天使に囁かれれば、「眠れないよぉ!!」と夜遅くまで嘆くことはなさそうだ。ぜひ昼間のうちに、「疲れたぁ」と絶叫しそうなほどに集中したまえ。
 ということは、例えば英語第2問に限定して21世紀の13年分を一気に解き直してもいい。数学の過去問10年分を猛スピードでやってもいい。とにかく、タップリ疲れるほど集中することである。
 センター用の集中力なんか、別にヨガや座禅にチャレンジしたり、四国八十八箇所をお遍路で回らなくても、たった1日で十分に養成できる。ただし、早朝ジョギングとか早朝バドミントンとか、体調を崩す危険のあるものは避けること。むしろお風呂にゆっくりつかって、肉体をジックリ温めてからベッドに入りたまえ。

(ストラスブール名物のコウノトリさんが、ホットなシャンパーニュを宣伝してくれる)

 以上、今井クマ蔵なりのオマジナイ&チチンプイプイをやってみた。お断りした通りオマジナイはもともとノロイと同系統のものであるから、「怪しい」「マユツバだ」「ご用心」と言われても致し方ないが、目指すのは適度な疲労と集中力の確保。もしもっといい直前の過ごし方を指示していらっしゃるセンセがいたら、是非そちらのアドバイスに従ってくれたまえ。
 さてと、旅行記「マタパリ」のほうがこのごろ疎かになっているが、何しろセンター試験の直前だ。写真だけの提示でガマンしてくれたまえ。12月24日夕暮れ、ストラスブール大聖堂の鐘の音とクリスマスミサに涙をこらえきれないほど感激したサト助は、ホントに呆然としながら大聖堂の外に出た。
 すると大聖堂の外では、教会の中のミサもクリスマス劇もどこ吹く風、クリスマス市のホットワインに、ますます酔っぱらっていくヒトビトが渦巻いていた。まさかとは思うが、イヌたちの笑顔まで何だか酔っぱらって怪しくニヤニヤしている。
 一昔前はホットワイン(フランス語でヴァンショー)と言えば赤ワインだけだったが、最近は「赤だけじゃねぇ…」というヒトが増えたのか、白のヴァンショーもあれば、シャンパーニュのヴァンショーもある。ストラスブール名物のコウノトリを看板につかって、シュワシュワ泡のたつ温かいシャンパーニュを宣伝している店もあった。

(TGVのビュッフェ車両。心細くなるほどガラガラである)

 中世から500年も続くレストランの窓にもオレンジ色の明かりが灯って、この雰囲気が大好きなクマ蔵どんとしては、どうしてもこの街を離れがたい。手頃なお店で赤のヴァンショーを買って、そこいら中をウロウロしているイヌたちを眺めるうちに、「1泊していきたい」という思いはますます強くなっていった。
 ここに泊まって、たっぷりヴァンショーを楽しんで、パリに帰るのは明日でいいんじゃないか。明日の朝クリスマスの鐘で目覚めて、大聖堂にもう1回お参りしてから帰る。そういうプランがアタマの中にどんどん膨らんでいった。
 しかしホントにギリギリのところで思いとどまったのは、「どうせホテルの部屋はとれない」「レストランだってテーブルが空いてるはずはない」というマコトに常識的な判断であった。そんな煩雑な事務的な問題で、この素敵な街に悪印象をいだきたくない。
 ストラスブールはあくまで「見残し」にして、大事にとっておこう。クリスマスにまた来ることだって十分に可能なはずだ。来年でもいい、再来年でもいい、しっかり予約して、悔いのないようにして再訪したいじゃないか。
 その程度の常識的判断ができるぐらいだったから、あの夜のサト助は要するに「酔いが足りない」「飲みが足りねえんだよ」という状況だったのである。帰りのTGVの中でビュッフェに入り、もう1本ワインを飲んでみたが、それでもまだ足りない。うにゃにゃ、「酒に強い」というのも、それなりに困りものなのである。

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