Mon 131104 京都紅葉めぐり 総本家松葉のにしんそば(第1978回 カウントダウン22) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 131104 京都紅葉めぐり 総本家松葉のにしんそば(第1978回 カウントダウン22)

 11月21日、大阪から京都を訪れたサト助は、とにかくまず真如堂へ。真如堂から緩やかな坂道をずっと徒歩で下って、野村美術館あたりのお屋敷町を抜け、30分あまりの散策を満喫して、やがて南禅寺に着いた。
 修学旅行のコドモたちとは出来るだけ無縁の道を歩いてきたが、さすがに南禅寺ということになると話は別である。そこいら中が修学旅行生で埋め尽くされ、ちょっとでも油断すれば「あ、今井先生だ」の襲来を覚悟しなければならない。
 中でも、石川五右衛門「絶景かな♨絶景かな」で有名な「三門」となると、とても暢気に紅葉なんか楽しんでいる場合ではない。オジーチャンもオバーチャンもみんなカメラを構え、紅葉そっちのけで写真撮影に夢中である。
 大混雑をかきわけ&かきわけ進むうちに、サト助は何だか疲れてしまった。実はこのあと京都の街を北上して鷹ガ峯に向かい、光悦寺→源光庵→常照寺と紅葉を満喫するつもりでいたのだが、こう疲れてしまっては、夕方からの仕事にも影響が出かねない。
 鷹ガ峯は、昨年11月に訪ねたばかりだ。ま、丸い窓からの紅葉が印象的な源光庵だけはどうしても見たかったけれども、またすぐにチャンスがあるだろう。ここは何と言ってもお仕事が優先。とりあえず時間も時間だったし、お昼ゴハンを食べて、梅田に帰ることにした。
鰊蕎麦
(総本家・松葉のにしんそば)

 蹴上のウェスティンホテルでちょっと一休みして、バスで祇園四条に向かった。祇園まではいろいろなバスが利用できるが、この日の今井君が利用したバスは、とっておきの裏ワザである。滅多なヒトのマネできる裏ワザではないから、ここは秘密にしておくことにする。
 今日の昼ゴハンは、京都南座からすぐ近く、「総本家・松葉」のニシンそばに決めていた。南座に隣接した「松葉・本店」はオバーチャンやオジーチャンで大混雑になるから、四条通りを挟んで祇園北側の「松葉・北店」を訪ねてみた。
 ニシンそばについては、
「魚くさいだけじゃん」
「あの甘いニシンはどうもね」
と、いろいろ文句を言うヒトが多いけれども、サト助は若い頃からニシンそばが大好き。早稲田大学大隈通りの「浅野屋」で、授業をサボって連日のようにニシンそばをすすったものである。
 もちろんニシンそばは京都のものであって、早稲田・浅野屋のニシンそばなんてのは、通のヒトから見たら明らかに邪道だろう。というか、「鼻も引っ掛けてもらえない」というレベルなのかもしれないが、当時たった420円でニシンそばをすすり、それで学部生活のストレスを一掃できれば、別に「ホンモノかどうか」と目クジラを立てるほどのことではない。
南禅寺
(南禅寺三門。紅葉の盛りまでは「もう一息」という所だった)

 さてと、京都「総本家・松葉」ということになれば、誰がどう見てもコイツはホンモノのニシンそばである。かつて「鰊」という文字を「イワシ」と思い、「何だろう、イワシそばって?」とホンキで首を傾げた人物をサト助は知っているが、うわ、さすがにこの鰊はデカい。
 マコトに関西らしく、キレイに透き通った出汁。もちろん今井君は「浅野屋」の黒い醤油色の出汁も大好きだったけれども、京都に来たらやっぱりこういう出汁で蕎麦をすすりたい。いくらだったか記憶にないが、ニシンをワシワシ、おそばをズルズルすすっていたら、あっという間に完食。3分もかからなかった。
 こうなると、完食したからと言ってすぐに店を出てしまうのは惜しい。職人気質らしく無口なオジサマもカッコいいし、優しい従業員のオバサマの控えめな笑顔も素晴らしい。もうちょっとここに座っていたくなった。
棒煮
(総本家松葉、鰊の棒煮)

 これでもしも夕方からのお仕事がなかったら、遠慮せずに
「お酒ください」
「お酒は、お燗してください」
「熱燗でもなく、ぬる燗でもなく、ちょうどいいぐらいのお燗でください」
とどんどんワガママをエスカレートさせて行くところだが、いかんせん夕方からのお仕事の予定はビクとも動かない。というか、「遊びに来ているのではないはずだ」と神やホトケや聖人君子に一喝されそうである。
 そこで、蕎麦屋の今井君の選択肢はグッと狭まってしまう。
選択肢①:ニシンそばをもう1杯すする。
選択肢②:天ぷらそばとか天せいろとか、別の蕎麦をすすってみる。メニューには「すき焼きそば」なんてのもある。
選択肢③:酒はなくとも、旨そうなツマミを注文する。
選択肢④:貪欲な邪念を捨て、「吾、足るを知る」「足るを知る者は富む」と言い捨てて、崇高な笑顔で大阪に帰る。
宝塚ナポレオン
(阪急梅田駅は、宝塚の巨大広告でいっぱいだ 1)

 以上、センター試験なんかよりずっと困難な難問に、お昼のクマ蔵は挑むことになった。お店は、空いている。お昼時なのに、クマ蔵以外のお客は3組ほど。お、ちょうどそこへやってきたオジサマ2人組は「おでんそば」を注文した。
 そのとき今井君は矢も楯もたまらず、優しそうな従業員のオバサマに声をかけて、「鰊棒煮」を1つ注文することにした。さっきのニシンそばに入っていた旨いニシンが、今度は蕎麦ナシのニシンだけ単独でお皿にのっかってくる。
 刻みショウガを載せ、山椒をパラパラふりかけて食するのであるが、諸君、こりゃ絶品だ。万が一「ちょうどいいお燗」の日本酒が傍らにくっついていたりしたら、それほどの幸せはなかなか考えられない。
風とともに
(阪急梅田駅は、宝塚の巨大広告でいっぱいだ 2)

 これはどうも、また近いうちにここに来なきゃダメであるね。仕事のない夕暮れ、京都のお寺巡りや紅葉めぐりにも疲れ、帰りの新幹線は21時過ぎのに変更して、2時間か3時間ぐらい、ここでじっくり鰊を満喫しなきゃいけない。
 ま、そういうことを空想し、旨かった鰊と優しかったオバサマの笑顔の思い出を噛みしめながら、14時、河原町から阪急の特急電車で梅田に帰った。今夜のお仕事のスタッフとの待ち合わせは、18時、阪急豊中駅前。それまでホテルでゆっくりしようと考える。お風呂にのんびりつかるのも、悪くないね。

1E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS 7/18
2E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS 8/18
3E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS 9/18
6D(DMv) DREAM GIRLS
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