Wed 131030 北海道旭川へ 濃霧を予感 ラーメン専門すがわら 独酌三四郎で前夜祭 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 131030 北海道旭川へ 濃霧を予感 ラーメン専門すがわら 独酌三四郎で前夜祭

 11月16日10時、雨も上がって快晴の東京を、タクシーで羽田に向かった。正午過ぎのヒコーキで北海道旭川に飛ぶのである。ただし、目的地は旭川だが、ヒコーキは新千歳行き。新千歳空港からはJR北海道の特急「スーパーカムイ」に乗って、2時間かけて旭川を目指す。
 こういうことをすると、やっぱり世の中には難しいヒトがたくさんいて、
「旭川への直行便だってあるじゃないか」
「なぜ旭川まで一気にビューンと行かないの?」
「何か魂胆があるんじゃないか?」
と、まあマコトにメンドクサイ詮索をするのであるが、諸君、これは今井君の直感である。何となくこの日の旭川空港に、大雪とか強風とかの予感を感じた。ボクチンはボクチンの直感を信じ、新千歳からノロノロ地を這って北に走ることに決めた。
濃霧
(旭川は濃霧の中だった)

 新千歳着15時すぎ。JR北海道の電車は特急でも指定席が少ないせいか、いつでもメッタヤタラに混雑する。混雑は指定席ばかりではない。札幌までの自由席の混雑は、土曜日曜の昼間でも平日朝の山手線並みである。
 ヒトの移動が多いのか、車両の数が少な過ぎるのか。サト助としては、「千歳・札幌・旭川・小樽あたりを走る電車の車両をもっと増やすべきなんじゃないか」と考えるのである。指定席を2倍か3倍に、自由席ももう2~3両増やしてくれれば、道内の移動はもっとずっと楽しくなる。
 旭川に到着する頃には、晩秋の日はもうトップリと暮れて、気温もグンと下がってきた。何しろつい2~3日前に大雪が降ったばかり。駅前の温度計は、すでに3℃を示している。雪はほとんど融けているが、さすがに北海道のど真ん中である。
 もう1つ「あれれ!?」というオドロキがあって、それは旭川の町を覆った濃霧である。摩周湖の眺めを思わせるような幻想的な濃霧が街を覆って、駅前から乗ったタクシーの運転手さんも、旭川グランドホテルのフロントクラークも、「こんな濃霧は旭川では珍しいんですよ」と口を揃えた。
 今井君の直感は、見事に当たっていたのである。濃霧のせいで、この日の旭川空港はほとんど閉鎖状態。羽田からの旭川へのヒコーキは、旭川に着陸することができず、羽田に引き返したり、新千歳に着陸したりしていたのだ。いやはや、助かった。クマ蔵の動物的直感、まさに恐るべしである。
すがわら
(旭川ラーメン・すがわら)

 さて、ホテルにチェックインを済ませたあとは、クマ蔵はさっそく部屋を出て、ラーメン専門「すがわら」を目指した。
 脂コッテリ派や、とんこつトローリ派のヒトビトは「どこがええんやろ?」と首を傾げるかもしれないが、今井君は旭川ラーメンの大ファン。透き通った醤油ラーメン、ドンブリの底までハッキリ見える透明な塩ラーメン。そういうものを考えただけで、ヨダレが口から長い糸を垂らしそうになる。
 その中でも特に「すがわら」の素っ気なさはカンペキに近い。看板には「ラーメン専門」と明記され、だからホントにラーメン専門なので、ふと間違って「餃子もください」と口にすると、即座に「ウチは餃子はやってません」の答えが素っ気なくかえってくる。
 ラーメン専門だから→→餃子はありません。おお、マコトに論理的な結論であって、餃子なんか置いていたら「ラーメン専門」の看板がウソになる。素晴らしい。全く素晴らしい。
 もっとも、ラーメン専門だから餃子はないが、カレーならチャンとあるし、ビールも出してくれる。サト助はカレーと一緒にラーメンをすする趣味は持ち合わせていないから、「醤油ラーメン。ビールもください」という注文にした。今日はこの後のお仕事がないから、ビール1本ぐらい全く問題ないのである。
看板
(ラーメン専門だ)

 お外は、ヒコーキも着陸できないほどの幻想的な濃霧の夕暮れ。ラーメン屋の薄暗い灯りが霧に滲んで、温かいスープの香りがドアの隙間からホンノリ流れ出している。その香りさえスッキリと澄んで、敏感なクマの鼻には「ははあ、この店のスープはきっとスッキリ透明なんだろうな」と分かるぐらいである。
 そのスープを底まで嘗めるように飲み干し、味わいの深さに快哉を叫ぶ。旭川訪問のたびに、意地でもこの店に来るが、もちろん1年か2年に1回しかやってこない客を、店の人たちが記憶しているはずもない。
 忘れられないエピソードでも残していけば別であるが、クマ蔵は黙って何も語らず、店のヒトに何か尋ねられることもなく、お互いに丸っきり素っ気ないまま、ホンの十数分でお別れになる。ラーメン屋はそういうのがいいので、いちいちネットリした人情話が入り込むようなのは、メンドクサクてキライである。
 「すがわら」を出て、濃霧の中をいったんホテルの部屋に戻り、19時にホテルロビーでスタッフと待ちあわせ。旭川でのお仕事は明日の午前10時半からだが、これから旭川のスタッフの皆さんと「前夜祭」の約束があるのだった。
醤油らーめん
(醤油ラーメン)

 予約してくれたお店は「独酌 三四郎」。「ミシュラン北海道版」にも掲載された名店である。1階はいかにも今井君好みの古いカウンター席。2階が宴会用の座敷であって、我々の席はもう準備万端整えられてクマ蔵の来訪を待っていた。
 今井君を含めて4~5人のオトナを除けば、今日のメンバーは、21歳から24歳ぐらいの若者が中心。旭川医科大学の医学部生が3~4人、北海道教育大学の3年生と4年生がやっぱり3~4人。若者たち全員が「将来は医者」「将来は教師」であって、ウンザリするようなシューカツと無関係の、マコトに幸せな若者たちなのであった。
 この日の今井君を感激させたのは、何よりも「乾杯!!」の激しさである。外は相変わらずの濃霧。19時を過ぎて、おそらく気温は氷点下まで下がっただろう。しかし座敷の中はストーブの火が燃えている。
 暖かく静まり返った座敷で、「乾杯!!」の叫びとともにビールのジョッキを打ち合わせる。15名ほどのスタッフの喉を、冷たいビールが通っていく。「グビグビ♡グビグビ」「ゴクゴク♨ゴクゴク」。15名のグビグビ音が座敷に大きく反響し、ほとんどマンガのワンシーンのようである。
三四郎
(名店・独酌三四郎)

 その後、何とも言えず旨い料理とともに、どんどん座は乱れていった。今井君はどうやら温かい日本酒を一升ほど飲み干したらしいが、長野から旭川医大に来た男子も、松山から旭川医大に進んだ女子も、クラリネットが趣味の北海道教育大生も、みんな陽気で積極的なヒトビトである。
 元気な若者たちを、オジサマたちが楽しそうに温かく見守っている様子もまた嬉しい。これはどうやら、間違いなく素晴らしい職場であって、こういう予備校で勉強できる旭川の生徒たちもまた、この上なく幸せに違いない。ついでに、こういう前夜祭に同席できたサトちゃんも、やっぱり大した幸せ者なのである。

1E(Cd) Anita Baker:THE SONGSTRESS
2E(Cd) Anita Baker:RHYTHM OF LOVE
3E(Cd) THE BEST OF ERIC CLAPTON
4E(Cd) Michael McDonald:SWEET FREEDOM
5E(Cd) THE BEST OF JAMES INGRAM
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