Tue 131001 グースカ&プンスカ 御茶の水→日赤病院 医者が他山の石 大宮で大熱演 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 131001 グースカ&プンスカ 御茶の水→日赤病院 医者が他山の石 大宮で大熱演

 10月20日、この日は朝から忙しい。スケジュールがタップリ入って、ノンキにブログなんかアップしている余裕は全くない。何しろ、朝9時半から御茶の水で授業なのである。
 今井君の日常は、午前3時に就寝→8時起床が習慣。「午前9時半から授業」ということになると、少なくとも朝7時には起きなきゃいけないから、前の晩も早くベッドに入ったり、そのせいで眠れなくて深夜までモゾモゾしたり、いろいろとペースが狂うことになる。
 もちろんそんなのは全部このサト助が悪いので、「朝3時まで起きている」だの「8時までグースカ眠ってる」だの、マジメな受験生が聞いたらプンスカ腹を立てるに決まっている。
 何しろ受験の世界では、「早寝早起き朝ゴハン」でなければいけないことになっている。それなのに、本来なら率先垂範すべき予備校講師が、遅寝&遅起き→朝風呂みたいなことをやっていれば、「言語道断なクマオヤジ」として指弾と糾弾の対象になるのはやむを得ない。
大宮1
(10月23日、埼玉県大宮での大熱演 1)

 というわけで、今日は朝6時に起きて、まずコーヒーを2杯飲んだ。7時からは1時間お風呂に入って、タップリ汗を流した。それでもやっぱりボンヤリして、頭がスッキリしてくれない。うにゃにゃ、今日もまた100人超の浪人生が御茶の水で待っていてくれるから、そろそろシャンとしなきゃダメである。
 それなのにMac君は「浪人生が待っている」と「浪人生が舞っている」の区別をつけてくれない。「浪人生が待っている教室」ならすぐにでも駆けつけたいが、「浪人生が舞っている教室」などというおぞましいものを設定して、臆病な今井君をビビらせてばっかりだ。
 今井君がビビったせいか、電話で呼んだタクシー君もなかなか来てくれない。「10分で参ります」ということだったのに、20分待っても、30分待っても、一向に姿を現さない。万が一それが「20分舞っても30分舞っても」ということになれば、舞を舞う足がツッてしまうところである。
 足がツリそうになったところでタクシー会社に電話してみたら、「ドライバーに連絡がつきません」「誤って別のお客さまを乗せてしまったようです」とのこと。どこのタクシー会社かは秘密にしておくが、諸君、そりゃいくら何でもあまりに無責任である。
大宮2
(10月23日、埼玉県大宮での大熱演 2)

 御茶の水の授業まであと40分。教室では100名を超える浪人生たちが舞っている。そりゃたいへんだ。舞って舞って舞い続けて、教室にはホコリも舞い上がり、舞い上がったホコリの舞もますます熱烈にクライマックスに向かえば、もはや事態に収拾はつかない。
 まず今井君がタクシー会社にお願いしたのは、何よりもまず代わりのクルマの手配。次に、責任の所在の追及。予約したタクシーが、予約先にたどり着く前に別のお客を拾ってしまうというダラしなさは、東京オリンピックももうすぐなわけだし、何とか改善してもらわなきゃならない。
 御茶の水に到着したのは、授業開始5分前である。校舎責任者が、エントランスまで出てきて心配そうに出迎えてくれた。こんなにぎりぎりでセーフなのは久しぶり。1999年9月の土曜日、代ゼミの単科ゼミに「2分前」で間に合った経験はある(事情はヒミツ)が、おそらくあれ以来の危機一髪であった。
 それにしても諸君、生授業は楽しいね。朝6時に起きて、あんなに眠くてブツブツ文句を言ってたのがウソのように、時間の経過とともに今井君はどんどん盛り上がっていく。60分経過した段階では「もう誰にも止められません」という恐るべきクマ蔵。いつもいつも収録授業ばっかりじゃ、講師だってやっぱり欲求不満に陥るのかもしれない。
大宮3
(10月23日、埼玉県大宮での大熱演 3)

 11時すぎに校舎を出て、今度は広尾の日赤医療センターに向かう。おお、八面六臂の大活躍である。とはいっても、もちろんサト助は医者でもブラックジャックでもないから、日赤医療センターに駆けつけても、別に外科手術に辣腕を振るうというわけではない。病人の付き添い、ただそれだけのことである。
 しかし病人に付き添って診察室に入ってみると、ホントにいろいろなことに気づかされる。今日の気づきは「ダメな医者って、やっぱりいるんだな」であった。どのぐらいダメかというに、予約したタクシーが別の客を乗せてしまうというミスを遥かに上回る、ホントにホントにダメな医者なのだ。
 あの後タクシー会社からは、マコトに丁寧な謝罪があった。そればかりではない。今後の業務をどう改善していくか、具体的な改善策までサト助相手にしっかり説明してくれた。しかるに大病院は、まるで患者をモノであるかのように小突き回して、そのことに何の反省もないのである。
 85歳の高齢者に、「○○というクスリは飲んでないんですか?」と不機嫌に早口で尋ねても、分かるわけないじゃないか。「もうこれ以上は、もう痛みは改善しません。それよりもっとチャンと目標を設定して、規則的に歩く努力をしてください」と怒鳴ったって、その直前に患者は「患部が痺れて、歩くと恐怖を感じます」と訴えたばかりじゃないか。
 医師を目指す青年たちに、ここはしっかりと読んでいただきたいのであるが、医師とは、職人である前に接客業者でもあるのだ。接客業の要素を軽視すれば、患者の心は折れ、萎えた心の患者には、どんな治療行為も役立たない。
大宮4
(10月23日、埼玉県大宮での大熱演 4)

 職人なら、目の前の人間の肉体の故障を巧みに修理することだけを仕事と心得ればいいだろうけれども、人間には「心」というもっとデリケートな部分があって、その心を痛めつければ、いくら治療行為をほどこしても無に帰してしまう。逆に、心さえ温めてあげれば、瀕死の患者が息を吹き返すこともある。
 いやはや、ひどい医者だった。診察室に入るなり、不機嫌を隠そうともしない。「怒鳴る」まではいかないが、
「私は忙しいんです」
「あなたみたいな平凡な患者はメンドーなんです」
「私の言うことを理解できない患者は愚かです」
という苛立ちのオーラを全身からムンムン漂わせる。「まだ相談があるんです」と粘ってみる患者に「はいはい、では次回は4月22日に来てください」と言い放ち、こちらの都合も一切聞かずに、アポを確定させてしまった。
 ボクチンとしては、今この場で「どこの診療科の、何という名前の医師か」を明記してもいいぐらい腹を立てている。「2度と行かない」とか、そういうレベルではない。もちろんこのブログはそういう個人攻撃の場ではないから、まあ我慢して差し控えておくが、医学部を目指す諸君、こういう医師には絶対にならないよう、医療に携わる者の倫理を今から確実に高めておきたまえ。
ハロウィン
(大宮で、ハロウィーンのカボチャケーキを出してくれた)

 もっとも、これはマコトにありがたい「他山の石」なのかもしれない。我々予備校講師だって、下手をすれば生徒たちにああいう対応をしているかも知れないのだ。患者にも、生徒にも、同じような切実な悩みと訴えがあり、それなのに我々講師が
「結局、オマエの努力次第だ」
「オレは忙しいんだ。一人一人の世話なんか、してらんねーよ」
「言っただろ、チャンとやっておけって」
みたいな、自らの責任を全く顧みない軽薄で乱暴な発言をしていないか。
 こういう反省のもとに、10月23日の埼玉県大宮の公開授業に向かった。校舎責任者は、京都出身のヒト。この間の台風の豪雨でたいへんな被害のあった嵐山、松尾大社付近が故郷のヒトである。思わず「洪水は大丈夫でしたか?」と尋ねてしまった。
 ハロウィーンが近いので、校舎のほうで気を使って、カボチャのケーキも準備してくれた。こうなれば、サト助はもう夢中である。120名も集めてくれた校舎の努力に大感謝しながら、90分の予定を100分に延長して、ウルトラ大熱演を繰り広げた。心の底から、感謝♡感謝♡感謝なのである。

1E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 2/4
2E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 3/4
3E(Cd) Krivine & Lyon:DEBUSSY/IMAGES
4E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 1/2
5E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 2/2
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