Mon 130916 凱旋門に挨拶 キエフの大門 ドーヴィルへ(第2次ンラゼマ地球一周記38) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 130916 凱旋門に挨拶 キエフの大門 ドーヴィルへ(第2次ンラゼマ地球一周記38)

 9月9日、ブラジルのサンパウロから、満員のエコノミークラスに乗って12時間。たいへんな距離を移動してきたばかりというのに、パリのサトイモ君は10歳代20歳代の若者のように元気いっぱいだ。「ホテルでゆっくり疲れをとろう」などという怠惰なクマはここにはいない。
 夕暮れからラーメン屋に並び、長蛇の列を20分も辛抱して、とうとう味噌ラーメンと餃子にありついた顛末は昨日の記事に書いた通りだが、では、ラーメン屋を出てすぐ素直にホテルに帰ったかと言えば、もちろんそんなことは絶対にしない。
 思い立ったのは、「せめてエッフェル塔か凱旋門に挨拶ぐらいすべきなんじゃないか?」ということである。ブラジル航空TAMで一緒に大西洋を横断した、たくさんのブラジル・ジーチャンやブラジル・バーチャンだって、きっとまだ元気に起きていて、エッフェル塔の足許あたりで歓声をあげているに違いない。
凱旋門1
(夜のシャンゼリゼと凱旋門)

 日本の有名女優や女子アナがたくさんパリに移住して、
「アタシはパリのセレブでございます」
「日本人の知らない裏町も熟知しております」
「マレ地区の雑貨屋さんめぐりがステキです」
「いいえ、今はパッシーがトレンドでございます」
みたいな、オシャレなエッセイ集を競うように出している。パリというのはそういう街であって、クマ蔵だってちょっとぐらいセレブ顔で歩いたほうがいい。
 そこでサト助はオペラ座の足許から地下鉄に乗って、ちょいとシャンゼリゼまで、凱旋門に挨拶に行くことにした。ラーメンなんかすすってダラしなくホテルに帰ったんじゃ、世界中のセレブを冒涜することになりかねない。
 8号線でオペラ→マドレーヌ→コンコルド。1号線に乗り換えて、コンコルド→シャンゼリゼ・クレマンソー→フランクラン・ルーズベルト→ジョルジュ・サンク。そのぐらいの地下鉄路線なら、もうとっくに頭に入っている。
ジョルジュサンク
(パリ地下鉄1号線、ジョルジュ・サンク駅)

 何しろ昨年12月、クリスマスから年末にかけての8日間、パリでオペラ三昧をやったばかりだ。ジョルジュ・サンクの駅から徒歩3分のホテルに滞在して、シャンゼリゼを連日連夜のしあるいた。実は2013年の年末も同じことをやる予定。おお、何だかセレブなクマであり、イヤにセレブなサトイモ君でござる。
 ただし、「凱旋門に挨拶にきた」というのは、ハッキリ言って大ウソである。どんなに大きくて有名な門であろうと、門は門であって、門なんかに頭を下げて「ボンジュール」とか「ボンソワール」とか挨拶していれば、それはカンペキな変人か唐変木か表六玉であって、遠巻きのまま放置するに越したことはない。
 そもそも、パリの凱旋門が「門」の名に値するのか。その辺りから問題にしたほうがいいんじゃないだろうか。門なら門らしく、重々しい両開きの扉がついているとか、その扉には頑丈なカンヌキをかけることができるとか、いざとなったら敵の侵入を決して許さないとか、「門」であるために必須の道具立てがいろいろ必要なはずだ。
凱旋門2
(凱旋門、拡大図)

 サト助が「門」として模範的だと思うのは、ムソルグスキー「展覧会の絵」で有名な「キエフの大門」である。諸君、今すぐググってくれたまえ。この複雑な構造の建築物をタメツスガメツした上で、CDを持っていればCD、持っていなければYouTubeで、名曲「キエフの大門」を5度でも6度でもじっくり聞いてみたまえ。
 うぉ。こうして今井サト助君は、「ロシアに行きたいな」という気持ちをますます強くするのである。モスクワもいいし、是非ペテルブルクにも行きたい。しかし諸君、何と言ってもオデッサであり、何と言ってもキエフである。この大門を見るまでは、意地でもまだまだ世界中を歩き回り続けたいのである。
 うにゃにゃ、そこでロシア語の本を買ってみたけれども、こりゃ余りに敷居が高い。大昔、学部生から20歳代を通じて、朝食を食べながらNHKラジオのいろんな語学講座を聞き続けたが、ロシア語はどうしても完全に鬼門である。あの独特の文字を読みこなすヒトビトの頭の構造が、サト助にはどうしても理解できない。
 東京外国語大学学長のロシア文学者・亀山郁夫教授には4度お目にかかったし、新刊書にサインまでしていただいた。しかし「この人、あのロシア語が自由自在なんだな」と思っただけで、サト助の脳味噌に鳥肌がたち、目の前が赤く染まるほど。緊張&興奮を抑えることができない。
エスカルゴ
(ドーヴィルのエスカルゴ)

 ジョルジュ・サンクから夜の凱旋門を眺めつつ、クマ蔵の頭を以上のような思いが駆け抜けた。そして「どうしてもキエフに行きたい」「キエフの大門が見たい」と繰り返しつつ、とりあえず今は、エスカルゴを食べることにした。さすがにラーメンと餃子だけじゃ、パリにいるんだか新橋をほっつき歩いているのか、判然としないじゃないか。
 入った店は、馴染みの「ドーヴィル」。昨年12月に連日連夜入り浸った懐かしい店である。早速セーラー服のウェイターをつかまえて、生ビールとエスカルゴを注文した。諸君、間違えないでくれたまえ。「セーラー服のウェイター」じゃ、響きは確かに怪しすぎるけれども、本来sailor服は海軍水兵の軍服である。
 1850年代からイギリス・フランス・アメリカ海軍が採用。日本海軍も1870年代からこれを採用した。「ドーヴィル」のウェイターは、これをデザインした制服で、言語道断に混雑した店内を戦場に見立て、海軍兵の心意気で戦い続けているのだ。
カフェドラペ
(ホテルLE GRAND1階の「カフェドラペ」。明日はここでコキヤージュをむさぼる予定)

 もちろん、エスカルゴと生ビールじゃ、30分もかからない。パリのど真ん中で飲む生ビール「1642」は旨いが、さすがにそろそろポンポンもタプタプだ。夜10時、近くのスーパー「MONOPRIXシャンゼリゼ店」で、ミネラルウォーターとウィスキー1本を買ってホテルに帰った。
 ウィスキーはJAMESONの大瓶。紅茶に入れるウィスキーがサンパウロでカラッポになっちゃったので、ここで補充したわけである。ただし、今回のパリ滞在はたった3日。こんな大瓶なんか、買う必要は全くなかったでござるね。

1E(Cd) Jochum & Bavarian RSO:MOZART/THE CORONATION MASS
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