Fri 130913 横浜で講演会 相互乗り入れの愚 恵比寿で「きりたんぽ鍋を食べる会」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 130913 横浜で講演会 相互乗り入れの愚 恵比寿で「きりたんぽ鍋を食べる会」

 10月6日、午後3時から横浜で保護者対象の講演会。代々木上原発午後1時の千代田線に乗って、久しぶりの横浜を目指した。
 「久しぶり」ということになると、横浜までのルートも昔とは様変わりしている。代ゼミ講師の8年間は毎週水曜日が横浜出講だったが、あの頃はまだ下北沢に住んでいたから、バスで渋谷に出て、渋谷から東横線で横浜に向かった。
 当時の代ゼミ横浜校は、予備校講師としては一応晴れ舞台だが、代々木なら1日5コマの全部がサテラインだったりしたから、それと比較するとホンの少しリラックスした気分。渋谷始発の東横線の急行で、のんびり文庫本を読みながら横浜に向かった。まだ東横線に特急がなかった時代である。
 やがて、代ゼミのお祭りみたいな雰囲気に少なからず疲れてしまったクマ蔵どんは、「横浜にはグリーン車」という方針に転換した。下北沢から東京駅までタクシーで向かい、東京駅始発の東海道線グリーン車で30分、ゆっくり座って横浜に着いた。
 しかし2013年、ネットで「代々木上原→横浜」の移動経路を検索すると、今の主流は、地下鉄副都心線→東急東横線のルートに変わったようである。代々木上原から明治神宮前まで千代田線で4分、ここで副都心線に乗り換えれば、東横線にそのまま乗り入れて、横浜まで30分もかからない。
横浜
(横浜で保護者対象の教育講演会)

 長いものには巻かれたほうが早そうなので、昨日の今井君は素直に長いものに巻かれちゃうことに決め、はるばる川越方面からやってきた「東横特急」に、明治神宮前で乗り換えた。
 最近の鉄道は、「何が何でも埼玉県と神奈川県を結んじゃおう」という熱意に燃えているようである。東横線は、意地でも川越や所沢と直結。中目黒から日比谷線に乗っても、東急田園都市線を利用しても、これまた南栗橋とか久喜とか、埼玉県北東部に直結。南北線を利用しても「浦和美園」という聞き覚えのない街までまっすぐ北上する。
 縁もユカリも全くない街どうしを直結させて、いったい何のプラスがあるのか理解できないし、誰か喜んでいるヒトがいるのかどうかわからないが、まあ、いったん結んじゃったものを後から切り離すのは不可能だ。
 こうして、神奈川のど真ん中を走る電車の中に「浦和自動車教習所」だの「春日部みくに病院」だのの広告がベタベタ貼り出されることになる。もちろん逆もまた真なので、埼玉の田園風景の中を走る電車に、神奈川の塾のポスターが掲示されることにもなる。
 費用対効果というか、コスパというか、マコトに心細い限りであるが、「つなげられるものは、何でもかんでもつないじゃおう」というポリシーで経営を進めている以上、イチ利用者としてゴチャゴチャ苦情を言っても、経営側は聞く耳をもたない。
比内鶏
(夕方からは「比内地鶏の店」できりたんぽ鍋を囲む予定)

 ホンの1年前まで、東横線の住民には「今日は疲れたから、渋谷から始発電車で座って帰ろう」という選択が可能だった。しかしもうそんな甘えは許されない。渋谷の駅に到着する電車は、池袋方面から乗ってきた乗客でとっくに満員だ。どんなに疲れていても、まさか「どいてください」と絶叫するわけにはいかない。
 昨日の今井君は、渋谷の1つ手前の明治神宮前から乗ったから、幸いなことに横浜までゆっくり座っていくことができた。しかし、うーん、電車の中の会話をよく聞いていると、埼玉県と直結したことを喜んでいる内容のものはほとんど皆無である。
 全く同じことは、埼玉県民のほうにもあるはずだ。埼玉県民だって「今日は疲れたから、池袋始発の電車で座っていきたい」という選択肢が奪われ、中吊りで女子高生モデルがニッコリ微笑む塾のポスターが、自分たちとは全く関係のない神奈川の塾のものであることに、そろそろウンザリしている頃である。
ジャコバン
(きりたんぽ鍋をつつきながら、今夜は赤ワインを選択)

 もう、こんな不毛なことはヤメたほうがいいんじゃないか。メリットの少ない、思いつきだけの不毛な相互乗り入れを解消したら、どれほど多くのヒトが快哉を叫ぶだろう。
 「始発で座って通勤できる」ということをマイホーム選びの基準にしたヒトだって、決して少なくないはずだ。経営側のパズル遊びのせいで、たくさんのヒトが「座って通勤」という人生のささやかな夢を奪われたことは間違いない事実である。
 ま、そういうことを考えながら、14時前に横浜に到着。講演会まで1時間の余裕があったから、講師控え室でロシア語を聞きながら1時間を過ごした。諸君、来年か再来年の春夏に、サト助はモスクワとサンクトペテルブルグの旅を企画中なのだ。
 とうとう南米まで足を伸ばしはじめたサト助にとって、ロシアは地球上で最後に残った観光資源の宝庫。キエフもあればタシケントもあり、オデッサもあればオビ河やエニセイ河の雄大な風景もある。そろそろロシア語をかじっておく価値は十分にあるのだ。
蕎麦之実
(蕎麦の実をタップリ使った揚げ物が旨かった)

 横浜での講演会、15時開始、17時終了。出席者約70名。高1と高2の保護者に限定した講演会だから、70名でも校舎スタッフの健闘は十分に賞賛に値する。
 中身は、あくまで企業秘密。40歳代から50歳代の保護者の皆さんを90分間クギヅケにするのは、シライの4回ヒネリに勝るとも劣らない至難の大ワザである。しかし2013年の超ベテラン・サト助は、表情1つ変えないでカンペキな演技をやってのける。
 これがどれほど難度の高い大ワザか、諸君にも理解してもらいたい。半沢直樹なるものが一世を風靡していて、あまちゃんの「じぇじぇじぇ」か、半沢の「倍返し」か。流行語大賞を2大勢力で競う勢いらしいが、いま今井君の目の前にズラリと居並んだパパたちは、その半沢直樹の2レベル上の上司にあたる人たちなのである。
 その彼らが、今井君の講演に背中をのけぞらせて大爆笑を繰り返す。4度とか5度とかではない。90分のうちに40度でも50度でも、「こんなに楽しいことは初めてだ」というぐらい、半沢の2レベル上のヒトビトが机を殴りつけながら爆笑する。しかも、話題はすべて教育論なのである。
 うにゃにゃ、17時、今井君はすっかり満足して講演を終えた。待ち受けていた高3生諸君10名ほどに「宇宙征服」のサインを書きながら、「今日もまた大成功だったな」と汗を拭いた。高3生諸君は、早慶大や横浜国大を志望する優秀な生徒ばかり。ちょうど今、サト助の英作文の授業を受講中であるらしかった。
きりたんぽ鍋
(恵比寿今井屋のきりたんぽ鍋。きりたんぽを5回も追加した)

 終了後、東京・恵比寿で「きりたんぽ鍋を囲む会」。つい数日前に「サンマを食べる会」をやったばかりだが、秋田市出身のクマ蔵としては、いよいよ目前に迫る冬眠の時期に向かって、きりたんぽ鍋はどうしても欠かせない。
 店は、比内地鶏の店「恵比寿今井屋総本店」。当初は「個室は団体さんで満員なんで」と、一般テーブル席を指定されていたが、マコトにラッキーなことに団体はキャンセルが入ったらしく、キレイな大きい個室に通してもらえた。
 まず、比内地鶏のモモ肉、稀少部位:背肝とソリレス、そういう定番を焼き鳥スタイルで満喫。蕎麦の実で鶏肉を包んだ揚げ物などで中休みをした後、いよいよ目指すきりたんぽ鍋に取りかかった。
 諸君、秋田出身のクマ蔵は、きりたんぽ鍋の味にはマコトにうるさくて、滅多なことではOKを出さない。秋田の名店「杉乃家」のきりたんぽ鍋だって、今井君から100%のOKをもらうことは難しい。
 ほぼカンペキなきりたんぽ鍋が出てきても、秋田県人ならまず間違いなく、仕上げにサカズキ1杯の日本酒を鍋に注ぎ込む。しかも、その日本酒は、「高清水」か「太平山」の2級酒じゃなきゃダメだ。気ムズかしいことこの上ないのが、天下の美食県民=秋田人である。
 しかし、この日の恵比寿今井屋きりたんぽ鍋には、サト助でさえ全く文句がなかった。「秋田県人でもないのに、よくこの味が出せたものだ」である。もちろん、コクにもダシの濃さにも、物足りない点はいろいろあったけれども、この努力だけは評価したいのである。
 ついでに、今井君たちの個室を担当してくれた店員の優しいオネーサンにも感謝。優しくて明るくて豪快な笑顔のおかげで、最後に注文したハタハタ寿司に至るまで、ホントに全てが抜群に旨かった。こういう店が増えると、東京はますますいい街になりますな。

1E(Cd) Jochum & Bavarian RSO:MOZART/THE CORONATION MASS
2E(Cd) Jochum & Bavarian RSO:MOZART/THE CORONATION MASS
3E(Cd) Jochum & Bavarian RSO:MOZART/THE CORONATION MASS
13G(α) 塩野七生:ローマ人の物語30 終わりの始まり(中):新潮文庫
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