Thu 130808 乗り継ぎ地そのものを楽しむ トウモロコシビル(第2次ンラゼマ地球一周記4) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 130808 乗り継ぎ地そのものを楽しむ トウモロコシビル(第2次ンラゼマ地球一周記4)

 今回のシカゴは、旅の目的地ではない。最終目的地はあくまでブラジルのサンパウロであるが、サンパウロでもリオデジャネイロでも、日本からの直行便は今のところありえないから、どうしてもアメリカ国内で乗り換えることになる。
 昨年のブエノスアイレスの旅の時、ホンの試しにJALのほうも検索してみたら、南米へは「シドニー経由」という裏技もあるようだ。東京→シドニー(またはメルボルン)→サンパウロ。そういうルートである。
 確かに常識的には「まず東へ、そこから南へ」と考えるけれども、地球は丸いわけだから「先に南に行っといて、あとは南半球どうしで決着をつける」というルートだって、全く問題ないわけだ。
 しかし現在の今井君のステータスとしては、スターアライアンスならゴールドメンバー、JALの入っているワンワールドのほうでは「完全に普通のヒト」であって、空港ラウンジも使えないし、優先チェックインその他の各種特典も一切つかない。その段階でシドニー経由はカンタンに見送りになった。
トウモロコシ1
(シカゴ名物、トウモロコシビル 1)

 そういうわけで、シカゴに着いた。サンパウロ便への乗り継ぎのためだけにシカゴに降りたわけであるが、諸君、それだけじゃ、もったいないじゃないか。せっかくシカゴに降りたんだから、ここに3日ほど滞在して、3日で楽しめるだけシカゴを楽しんで、それからサンパウロを目指すことにする。
 「せっかくだから乗り継ぎ地も楽しんじゃう」という旅のやり方は、もちろんビジネスでは使えないだろうが、ただの観光で世界を飛び回るなら、読者諸君にも是非オススメしておきたい。
 そもそも「荷物がなくなっちゃう」などという不安がなくていい。バゲージが消えちゃうのは、ほとんどの場合、乗り継ぎ空港でのミスが原因。乗り継ぎ空港で荷物もいったん受け取ってしまえば、ロストバッゲージなんかが発生する心配はなくなるのである。
 サト助の大事な忠犬ネイビーちゃん(昨日の記事参照)をゴロゴロ引きずって、乗り継ぎ地のホテルにいったんチェックイン。一息ついて、それからシカゴならシカゴ、フランクフルトならフランクフルトの街をたっぷり楽しむという寸法である。
トウモロコシ2
(シカゴ名物、トウモロコシビル 2)

 こうして、乗り継ぎ地がどんどん馴染みになっていく。ロンドン、パリ、ニューヨークの3都市、さらにミュンヘンやフランクフルトなどは、こんな乗り継ぎ観光を繰り返すだけでも、いつの間にか超オナジミさんになってしまう。
 サト助が世界中を飛び回るのは、効率優先のビジネスとはかけ離れた物見遊山ばかりだから、「ハブ空港」という忙しい発想はあんまり好きになれない。
 乗り継ぎ地を、乗り継ぎのための街としてしか考えず、その街自身の魅力なんかどうでもよくて、ただ単に乗り継ぎが便利ならそれでよしとする。それじゃ何だか、その街に失礼じゃないか。
 例えばビジネスでマドリードに行く。ならば乗り継ぎのフランクフルトにチョコっと滞在して、ライン川の舟下りを楽しんでも1日しかかからない。リューデスハイムも近いから、ツグミ横丁で白ワインを1本空けながらビジネスの夢を膨らませるのもいい。
教会1
(シカゴ、フォースプレス教会 1)

 乗り継ぎ地それ自体の魅力を大切に考えるのは、おそらく今井君がもう20年も予備校講師を続けているせいである。高校から大学へ、その乗り継ぎ地としてまるまる1年も過ごす予備校に、ただ効率だけを求めたんじゃつまらない。
 ホンの10年昔までは、日本に「予備校文化」というものが存在した。河合塾の「講師マニュアル」には、「授業中の雑談や脱線も、おおいに結構です。どんどんやってください」という意味の記載があって、予備校が予備校文化を育てようという気概があった。
「乗り継ぎ地であることは認めるけれども、だからと言ってこの街の魅力を無視してもらっては困る。我々は街としての魅力でも、目的地以上のものをもっている」
そういう気概があってこそ、街も予備校も一流であり続けられる。ボクらの世代には、駿台の授業に感激し感動して、大学を出て10年20年経過してもまだ「ボクの母校は駿台です」と言い続けるヒトもいたぐらいだ。やたらに「ハブ空港だ」「ハブ空港だ」とそればかり訴えていれば、やがて必ず衰退の時が訪れる。
教会2
(シカゴ、フォースプレス教会 2)

 さてと、いつも以上に話がズレた。今回シカゴに滞在するのは、3日だけ。サッサと本題に戻った方がよさそうだ。スーツケースをフロントに預けて、睡眠不足のクマ蔵は早速シカゴの街に足を踏み出すことにした。
 蒸し暑いのだが、ときおりミシガン湖の方向から冷たい風が流れてきて、夏の名残の澱んだ空気をかき混ぜる。上空が濃霧に覆われているのはおそらくそのせいであって、「摩天楼」発祥の地・シカゴの高層ビルは残らず上半分近くが濃霧に覆われている。
 ミシガン湖は、五大湖の1つ。諸君、つまりサト助はついに五大湖の沿岸まで来てしまったわけである。スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖、オンタリオ湖。中学1年の地理の授業で、「西から東に『スミヒエオ』と記憶すれば忘れないぞ」と教えてもらった。
 記憶力抜群の今井君は「別にそんなことしなくたって、カンタンに覚えられるじゃないか」と口を尖らしたものだが、あれから幾星霜、とうとう「すみひえお」の一角に足を運ぶことになった。うむ。感激♨であり、感動♡である。
クルーズ船の出るあたり
(シカゴ河、クルーズ船の出航するあたり)

 しかしとにかく、チェックインが可能になる時間まで4時間ほど、何とか時間をつぶさなきゃいけない。ブラブラ町歩きをするといったって、大事なパスポートや現金をポケットに入れたままでは、なかなか暢気に「見知らぬ街をブラブラ」という気分にはなれないから、「とりあえずシカゴ河を船で散策するかね」ということにした。
 シカゴは建築の街であって、繁華街の面積からはちょっと考えられないほどの密度で、高層ビルが林立している。建築が趣味のヒトには、その1つ1つがたまらなく興味深いらしいのだが、いまのサト助に大切なのは、ひたすら無事にチェックインまでの時間をつぶすことである。
 お船の上なら、ひとまず安心だろう。11時半に出航するクルーズ船のチケットを購入して、アメリカ中のジーチャン&バーチャンを満載した船の中に紛れ込めば、これでまあスリやドロボーに狙われることはない。クルーズ時間は75分。何とか午後1時近くまでの安全は確保できたわけだ。
 で、旅に出る前から楽しみにしていたトウモロコシビルが、まず最初に視界に飛び込んできた。今日の1枚目と2枚目の写真がそれであるが、クルーズの詳しい状況については、また後日詳述することにしたい。

1E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES⑩
2E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES⑪
3E(Cd) Harnoncourt:BEETHOVEN/OVERTURES
4E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES①
5E(Cd) Patricia Barber:NIGHTCLUB
total m54 y1414 d11609