Sun 130728 渋谷区笹塚のファミレスでステーキをワシワシやる ますます秋を感じる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 130728 渋谷区笹塚のファミレスでステーキをワシワシやる ますます秋を感じる

 風の音やセミの声で「秋きぬとおどろかれぬる」ぐらいの敏感な日本人だから、8月21日の朝から夕にかけては、ほとんど「我も我も」という勢いで「おどろかれぬる」をやってたんじゃないだろうか。
 東京では、とうとう熱帯夜の果てしない連続が終わった。さすがにコオロギが鳴き始めるほどではないが、朝方には24℃まで気温が下がって、「さあ、コオロギさん。そろそろ出番ですよ」という涼しい風が吹いていた。
 そのあたりの事情をクマ蔵が知っているということは、「うーん、怪しい。また明け方まで映画でも観てたんですか?」であるが、まさにその推理はあたっている。急激に夏の衰えが見えてきたのが寂しくて、サト助は何故か1981年の映画「BODY HEAT」を午前4時半までかかって観たのである。
ステーキ
(渋谷区笹塚「ケネディ」を訪ねた。130グラムのステーキが2枚の「260グラムステーキ」をワシワシやってきた)

 フロリダのある暑すぎる夏、資産家の中年男が殺害される。殺害を仕組んだのは資産家の妻。彼女の魅力にイカれてしまった弁護士が殺人の実行犯であるが、邦題は「白いドレスの女」。むかしむかし池袋や高田馬場や飯田橋の名画座で、繰り返し繰り返し眺めた懐かしい作品である。
 冒頭、遠い夜火事をホテルの窓から眺めるシーンから2時間、ほぼ全ての場面で俳優たちは汗ぐっしょり。弁護士も警察官も資産家も、シャツにジットリ滲んだ汗がいかにも暑苦しい。「ステラの店」のシーンなんか、あんまり暑いので、朦々たる湯気にカメラまで曇っている。
 そういう映画を4時半まで観て、ふとまだ暗い外の景色を眺めれば、「おお、こりゃもうクーラーは必要ないな」と気づくのである。近くではスズメの声、遠くからカラスの声。夏の盛りにはこの時間帯から盛んに鳴きはじめていたセミたちは、もう今朝は少し鳴りを潜めているようであった。
看板
(ケネディの看板。うーん、確かにケネディだ)

 夕暮れの雰囲気が迫る午後4時、東京都渋谷区の空はいきなり真っ暗になった。ホントに「一天、ニワカにかき曇り」だったのであって、「あれれ、やたら暗くなったな」と思う間もなく、低い空に雷鳴が轟いた。
 稲妻と雷鳴の間隔はどんどん縮まって、稲妻が走るのとほとんど同時に、激しい雷鳴が窓をふるわせた。晩夏の夕立である。夕立は1時間ほどで遠くに去り、激しいあめのせいで気温は一気に下がって「もうすぐ秋」を実感させてくれた。
 せっかくの夕立を何でもかんでもゲリラ豪雨に分類して難しい顔をしてみせるのは、民放テレビ局のニュースキャスターに任せておけばいい。8月21日の東京の雨は、マコトに爽やかな夏の夕立だったのである。
 こうなると諸君、サトイモ閣下は猛烈に空腹を感じ始める。
「お腹がカラッポだ」
「ガッチリお肉を詰め込みたい」
「軟弱な炭水化物じゃダメだ」
「肉だ肉だ、意地でも肉だ」
すでにクマどんの肉体の中では、「食欲の秋」というか「天高く馬肥ゆる秋」が始まっている。
 うんにゃ、正確には「馬肥ゆる」ではなくて「クマ肥ゆる」でなくてはならない。山のクマさんたちにもタップリ食べものがありますように。クマさんたちの食料がなくて、仕方なくて山から里に降りてきて、里でウッカリ人間たちと遭遇して殺害されることがないように、心から祈っている。
ワイン
(今日もまたアルゼンチンワインを1本カラッポにする)

 というわけで、「肉♡」「肉♡♡」「ひたすら肉♨」というトラ♡モードに入ってしまったクマ蔵は、渋谷区笹塚のファミレスにステーキを求めて出かけることにした。
 店の名前は「ケネディ」。ホントにホントに「ケネディ」だ。「カーター」でも「クリントン」でも、「ニクソン」でも「ブッシュ」でもなくて、意地でもケネディ。ま、肉を損することはなさそうであって、考えてみればスンバラシイネーミングじゃないか。
 ポケットに忍ばせたのは、「ステーキ45%OFF券」。ファミレスだろうと何だろうと、「45%OFF」は大きいでござる。今井クマ蔵がいったん肉を食べはじめ、その肉が今井君のツボにはまったら、勢いを止めるのは難しい。そういうとき、「45%OFF」は嬉しいじゃないか。
 注文したのは、フィレステーキ260グラム。店には「1枚で260グラム」という贅沢な巨大ステーキはないから、130グラムのステーキを2枚鉄板に載っけて運んでくるというのである。がほ、そりゃいいや。サト助はそれをミディアムで注文し、ついでにアルゼンチンの赤ワインを1本お願いした。
 で、食べてみると、こりゃ完全に今井君のツボ。大当たり。アブラが少なくて、いくらでも食べられる。あっという間に130グラム1枚が消えて、残ったもう1枚の130グラムもどんどん残り少なくなっていく。
 笹塚界隈では「硬い肉の店」というあんまり芳しくない評判があるらしいが、それは日本のヒトがアブラだらけのデロデロ肉に慣らされてしまったせいだ。正しい肉とは、こういうガッチリした赤身の肉質のことを言う。
呼び鈴
(このブザーで店員さんを呼ぶ)

 さすがにファミレスだけあって、お客はみんなファミリーである。2家族7人で大きなテーブルを占領しているヒトたちもいれば、30歳代のママと幼稚園児の息子2人というテーブルもある。
 こういう店でありがちなのが、「ママの叱責の声にウンザリする」という状況。そんなに叱っちゃダメだ。そんなに叱ってばかりなら、何でわざわざコドモたちを店に連れてきたんだ? 叱りさえしなければ、息子たちはもっとチャンと言うことを聞くに違いないのだ。
 一緒のパパたちも、ママがあんまり叱ってばかりなので、もうすっかりウンザリした様子。小学校低学年のお姉ちゃんたちも、もうすっかりママの口調をマスターしていて、ママの代理で弟やパパを厳しく叱りつける。「大人しく待つことも大事なのよ」と、10歳にも満たないお姉ちゃんに言われたんじゃ、5歳の弟も、40歳のパパも、全く打つ手なしだ。
 面倒くさくなったので、今井君は店員さんを呼んで「130グラムのフィレステーキをもう1枚ください」と追加注文してみた。ワインもまだ半分近く残っていたし、お腹のほうにもタップリ余裕があって、もう130グラムはおろか、もう260グラムでも収容できるスペースがタップリ残っていたのである。
45%OFF
(45%OFF券。うぉ、すげー安くなったでござる)

 130グラムで我慢したのは、合計400グラムを平らげるヒトビトが周囲にいなかったせいである。隣のテーブルのパパたちも、通路の向こうのカップルも、120グラムのハンバーグとライス1皿をいつまでもつつき回している。
 デカいステーキ400グラムもワシワシやって、それだけで十分に注目されているのに、260グラム×2=520グラムという世界は、アルゼンチンやブラジルやアメリカなら珍しくなくとも、渋谷区笹塚のファミレスでは、どうしたって目につきすぎる。
 というわけで、初めてのケネディ体験は約400グラムで止めておくことにした。ステーキとワインと、こんなにたくさんワシワシ&グビグビやっておいて、最後の最後に「これ、使えますか?」と45%OFF券を提示する。おお、これこそまさにまさに至福の瞬間であるね。

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 1/6
2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 2/6
3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 3/6
6D(DMv) GLADIATOR
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