Mon 130715 早大の過去問解説 何でこんなに解説がウマいんだ 爆笑が止まらない | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 130715 早大の過去問解説 何でこんなに解説がウマいんだ 爆笑が止まらない

 こうして無事に沖縄ツアーが終わった。夕暮れの浦添での大熱演、那覇の夜の大祝勝会、天国の島♡久高島の大冒険。たった1日の出張とは思えないほど沖縄を満喫して、サトイモ軍曹はついに東京に帰還することになった。
 しかし、東京に帰還すれば、「明日から授業収録3連発」という悲しくツラい現実が待っている。それも、国公立大学のゆっくりした過去問解説ならまだいいが、早稲田や慶応上智の問題となると、さすがの大長老サト助どんにとってもプレッシャーは十分に大きいのである。
リーディング
(早稲田大国際教養学部のリーディング問題)

 まず、出題者の教授の皆さんが相当なムリをしているのが分かる。早稲田の場合、国際教養学部ならまだいいが、法学部と政経学部については、こりゃハッキリ見栄の張り過ぎだ。
 ふだん教室で顔を合わせる学生たちが、どのぐらいの語学力の持ち主か。それを痛感していたら、こんなに長大かつ難解な英文を出題し、複雑微妙な選択肢をこんなにたくさん並べて、悦に入っているワケにはいかないんじゃないか。
「ウチは、こんなに難しい問題を出題してます」
「こんなに大量の超長文を短時間で読みこなす能力がないと、ウチの大学には合格できません」
その類いの大見得を切りたいだけのような気がする。
リスニング1
(リスニング問題その1。文字にすると、こんな分量になる)

 しかし、いったん吉祥寺のスタジオに入ってしまうと、さっきまで暑苦しさに辟易していたサトイモ君の表情がガラリと一変する。スタジオでは、こんな膨大な量の難問を、大問1問につき50分で解説しなければならない。「それが出来ないと『その程度の先生』ということになっちゃいます」なのだ。
 諸君、駿台時代の今井君は、いま考えてみればホントに未熟だった。1990年代の駿台は「構文主義」の全盛期。懇切丁寧に微に入り細を穿って解説するのはスバラシイが、その結果「50分かけて、たった10行しか進まない」という講師がほとんどだった。
リスニング2
(リスニング問題その2。文字にすると、こんな分量になる)

 あれから15年が経過して、2013年の発展系サトイモは、すでに余裕タップリである。同じ50分で、70行の長文読解に設問8つをサラリとこなし、しかも爆笑できる面白いお話も、タップリと挿入してみせる。
 「爆笑できる」というのは、ごく控えめに言っているだけであって、実際には「爆笑せずにはいられない」「笑いをこらえるのは、普通のヒトにはまず不可能」というレベル。歌もあれば踊りもある。こんな面倒な過去問解説授業で、歌ったり踊ったり、切羽詰まった受験生もどうしても爆笑しちゃうなんてのは、ほとんど神ワザに近い。
スタジオ
(吉祥寺のスタジオにいます)

 実際、スタジオの外からはディレクターの笑い声が頻繁に聞こえてくる。変幻自在と言うか何というか、どんなに膨大な英文が目の前にあり、難問がズラリと並んでいても、年齢789歳を数えるクマ蔵にとっては、小指の先1つで片付けられる朝飯前の相手に過ぎないのだ。
 いやはや、早稲田政経の過去問解説も、終わってみれば
「うぉー、楽しかったぜ」
「なんでこんなに絶好調なの?」
「またやりたいな。でも2014年の入試が終わるまで、半年以上も待たなきゃいけないんだな」
という爽快感でいっぱい。踊るような足取りでスタジオをあとにした。
ジンギスカン
(恵比寿ガーデンプレイスのジンギスカン)

 こんなに楽しい収録の後だから、別に「大熱演」をしたわけじゃないが、やっぱり祝勝会は不可欠だ。場所は「恵比寿ガーデンプレイス」に設定。猛暑の1日がようやく暮れた午後8時、「ヱビスのビアホールで、大ジョッキをガブガブやりながら、熱々のジンギスカン」という最高の祝勝会を思いついた。
 札幌のジンギスカンほどの美味は期待できなくても、恵比寿の上品なジンギスカンだってそんなに捨てたもんじゃない。ヒツジ、ヒツジ、またヒツジ。ビール、ビール、またビール。猛暑の1日の締めくくりに、これ以上のものは考えられない。
 「猛暑」「猛暑」「猛暑」とつぶやいていたら、思わず口をついて出てきたのが、以下のような歌である。ロート製薬の長寿CMソングを思い出しながら、諸君も口ずさんでみてくれたまえ。
「もうしょ、猛暑モウショ。もうしょ、猛暑モウショ。猛暑セイーヤークー♨」
いやはや、今井君はビアで酔っぱらって、もはやすっかりご機嫌のクマどんでござるね。
大ジョッキ
(まず、大ジョッキを1分で飲み干す)

 しかし、やっぱりこんなに膨大な英文の出題の状況は、改善の必要があるんじゃないだろうか。
 むかしむかし、慶応義塾大学SFCが発足したばかりのころ、その入学試験の超長文問題を一瞥した駿台・伊藤和夫師が
「こんな膨大な英文をカンタンに読みこなし、これほどの難問をスラスラ8割も正解して入学してくる優秀な学生諸君を、チャンと教えられる能力のある教官が、果たして慶応義塾大学に存在するのだろうか?」
と発言したのは、予備校の世界の溜飲の下がるような伝説になっている。
 しかし今では、早稲田政経・早稲田法・早稲田国際の3学部もまた「超長文問題」の代名詞になってしまっている。2000語に近い超長文が2問も3問も出題されたんじゃ、田舎で暢気に部活なんかに励んでいる高校生にとって、現役合格を狙うのはちょっと厳しいんじゃないか。
中ジョッキ
(大を飲み干すまえに、先に中ジョッキを追加注文しておく。大と中ではこんなに違う)

 地方の優秀な学生諸君が早慶を目指さなくなったのは、おそらくこの暑苦しい英語の出題のせいである。こんなのにチャレンジするぐらいなら、数学大キライの超文系人間だって、むしろチョイト我慢して数学の基本問題に取り組み、センターでしっかり点数を稼いで、地元の旧帝国大学を目指すほうがずっといい。
 「ウチはこんなに難しいんですよ」と見栄を張りすぎて、地方の受験生に嫌われる。早稲田大学がもしもマスコミの言う通りの地盤沈下を起こしたとすれば、英語の問題をこんな異様に難しくしたことが原因だったんじゃないのか。
 1990年代前半、超長文の代名詞だったのは、慶応義塾大学文学部である。いま当時の慶大文の問題を眺めてみると、うぉ、こりゃ暢気もいいところだ。
 1600語程度の文章がたった一問。それもジョー・レムキとレスリーの感動の物語が、短いセンテンスをリズミカルに連ねた平易な文章で語られ、設問も7問だけ。20年昔の超長文は、今や「基本的で平易な出題」に分類されかねない。
塩焼きそば
(ついでに「塩焼きそば」も注文。これはちょっと余計だった)

 今や、たった1500語レベルでは「超」の字なんかつけてもらえない。2013年の早稲田政経では、それを上回る文章が3つも出題され、それぞれに難解な設問が8問ずつくっついている。
第1問:フェアトレードに関するさまざまな誤解と、これから直面するであろう課題について。
第2問:破綻した2国間関係の修復において、スポーツ交流が果たす役割について
第3問:21世紀のファッション業界における、いわゆるknockoffsの役割について。The Piracy Paradoxについて
出典は、欧米の大学のHPだったり、雑誌論文だったりする。
 これら大問1問について、時間は20分前後しかかけられない。それぞれ小問が8問ずつあるから、小問1つを1.5分で解くとして、長文読解にあてられる時間は、20分-8問×1.5分=8分だ。
 「70行ある長文を8分で読め」ということは、おやおや、「1分で9行読みなさい」であって、「10秒で1.5行読みなさい」「その集中力を試験時間中ずっと持続しなさい」という、恐るべき要求を突きつけてくるのである。
 じゃあ小問がカンタンかというに、本文中の1パラグラフを構成する4つのセンテンスをバラバラにして、それを並べ替えて再構成させる難問が、各大問に1つずつ、合計で3つも入っている。うひゃ、今井君が「暑苦しいじゃないか」という意味がハッキリ分かってもらえそうだ。
 
1E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.7
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4E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.10
5E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.11
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