Tue 130709 クラス全員が満点をとるといふこと 見ないで音読へのスモールステップ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 130709 クラス全員が満点をとるといふこと 見ないで音読へのスモールステップ

 この7~8年で今井君はすっかり生まれ変わり、今や「基礎徹底」「基礎基本を徹底的に鍛える」のヒトである。

 盛んに自分をサトイモに例えるのも、確かに外見が異様なほどサトイモっぽいからでもあるが、「サトイモみたいに地中でタップリ栄養分を吸収すれば、あんなにツヤヤカな輝かしい葉っぱを茂らせることが出来るのだ」という人間の理想を示したいからでもある。

 だって諸君、外見からだけなら、今井君はむしろキウィフルーツに近い。サトイモは逆三角形だが、キウィはほぼカンペキな楕円形である。この3~4日の自分撮り写真を見てみたまえ。

 モスグリーンのBAD TOROでも、REDなVERY BAD TOROでも、鳥羽僧正のウサギさんTシャツでも、あらら、マコトにカンペキな楕円形。数学好きな人なら、この楕円をxy平面上に描いてその焦点を求めたり、xyz3次元空間で積分して体積を求めたくなったりするはずだ。ホントにコイツは、サトイモじゃなくてキウィの化身なのである。
表1
(小テスト9割取得者の一覧表が壁を飾る)

 しかし、キウィじゃ「基礎を徹底的に鍛える。基礎!! 基本!!」と連呼するのに、どうしても不都合である。樹の枝にぶらさがって、風に吹かれて揺れている暢気で甘いフルーツじゃ、基礎の大切さを訴える見本や手本にならないじゃないか。

 キウィって、マタタビ科の植物なんだとさ。それどころか、キウィの元になったのは中国産の「オニマタタビ」なんだとさ。あんれえ、ビックリすんでねえけ。

 マタタビにしては、ニャゴロワもナデシコも何の反応もしないけれども、そのまた親玉みたいな今井君(別名:チョー・オニマタタビ)と暮らしているんじゃ、いちいちキウィなんかにニャゴニャゴじゃれてもいられないのかもしれない。
表2
(ズラリと100点が並ぶ)

 さて、どこまでも話がズレていくけれども、以上のようなワケでサトイモ軍曹は河口湖の合宿でも「基礎徹底!!」を叫び続ける。担当するのはハイレベルクラスであり、記述模試でクラス平均8割を超えているのだから、場合によっては「もう基礎なんかどうでもいい」というナマイキな生徒も紛れ込んでいる。

 しかし今井君が「基礎徹底」というとき、それは「基本例文なら文字を見ずに高速で音読できる」というレベルを指している。「文字に頼ってやっと音読できる」「テキストを閉じた瞬間に立ち往生する」などというのは、まだまだ初中級者にすぎない。
表3
(班ごとに平均点を競う。これは50点満点の回。10人全員が満点をとった班もある)

 文法問題なんかでも、「20秒も30秒も考えてやっと正解を導きだす」なんてのは言語道断。ほとんど反射的に一瞬で答えが出て、しかももし説明を求められれば理由もチャンと述べることができ、それが4者択一の問題なら、ダメと判断した3つの選択肢が何故ダメかも明確に述べられる。基礎徹底とは、そのようなことである。

 だから、授業後に行われる小テストの全てにおいて、理想はクラス100人全員が満点をとること。ケアレスミスなんかしているようじゃ、「徹底」の名にはホド遠い。満点と99点の間には、「次元が違う」と言っていいぐらいの大きな隔たりがある。
確認テスト1
(確認テストの一例:表)

 例えば医師になろうとしている者が「ケアレスミスぐらい、仕方ないじゃないか」という精神構造では、そりゃたいへん困ったお医者さまにしかなれない。少なくともサトイモ男爵は、ケアレスミスの多い医者にはかかりたくない。

 そんなのは弁護士でも政治家でも同じことで、1年に1回ずつ大きな失言や舌禍事件を繰り返し、手ぐすね引いて待っていたマスメディアのヒトビトを欣喜雀躍させるようでは、どうしても信頼を寄せるわけにはいかないのである。
確認テスト2
(確認テストの一例:裏)

 合宿3日目の小テストあたりから、サト助のその辺の考え方がクラス全員に深く深く浸透するので、小テストのクラス平均は限りなく100点満点に近づいてくる。100人中56人が満点。99点が40人。そういう驚くべき数字も達成する。

 いや、それでもまだサト助は首を縦にフラない。平均99点と全員満点との間には、深く暗いクレバスが存在していて、このクレバスを越えるには、青い空をまだまだ高く飛翔する必要があるのだ。

「それって、小テストがカンタンすぎるんじゃないの?」と思うキミのために、試験問題の一例をチョイと写真で示しておくから「カンタンすきる」かどうかは、そこから判断してくれたまえ。

 A4の裏表にギッシリ問題が印刷され、読解問題や整序英作文までタップリ詰まったこのメニューを「カンタンすぎる」とせせら笑えるような受験生は、日本にはほとんど存在しないと確信する。毎回ディクテーションだってある。この充実した解答用紙を見てくれたまえ。うぉ、難関国立大の解答用紙みたいじゃないか。
解答用紙
(解答用紙の一例)

 また、だからこそ記述模試の平均8割を超えるチョー優秀な高校生諸君100人は、ますますカッカしながら「全員100点とるぞ!!」と、子供っぽいシュプレヒコールを繰り返すようになる。純粋な子供に戻って、だからこそカンペキを目指す。スンバラスイじゃないか。

「文字を見ないで、高速で音読できるレベル」「両手を後ろに組んで、250の例文を高速で言える理想」。今井君の語るホンモノの上級者像が、こうして100人を熱狂させていく。3日目の朝からは積極的にテキストを閉じ、貪欲に両手を後ろに組んで音読に取り組む姿が目立つようになる。
テキスト1
(音読用テキストの一例:α)

 もちろんいきなりそこまで飛翔できるはずはないから、テキストを閉じた瞬間から音読の声量は少々小さくなるが、ここであきらめたり、出来ないことを恥ずかしがったりしてはならない。今井君が設定したスモールステップに従えば、必ず着実に理想に近づいていくことができる。

 スモールステップの1歩目は、英文の1カ所が(   )内に入ったテキストである(写真β)。例文の中で一番のキーになる単語が空欄になっているから、一瞬で(   )内の単語を判断してナチュラルスピードで音読する。
テキスト2
(音読用テキストの一例:β)

 それが出来るようになったら、英文の数カ所が空欄になっている英文を見ながらの音読に移る(写真γ)。10語程度のセンテンスから、4~5語の割合で空欄になっているものをナチュラルスピードで音読するとすれば、「見ないで音読」にかなり接近してきている。

 富士登山に例えるなら、写真αが3合目、写真βが5合目、写真γが7合目。続いて写真δを見てくれたまえ。おお、無慈悲なことに、もうそこには何のヒントもない。日本語が1行、クールに並んでいるだけ。生徒はこの日本語に一瞬チラリと目をやって、余裕の表情で英文を口にする。
テキスト3
(音読用テキストの一例:γ)

 ここが9合目。頂上はもう目の前だ。もちろん、そこへ「高名の木登り」みたいな難しいヒトがやってきて、「あやまちすな。心してのぼれ」と一言ツブヤクかもしれない。

 しかし諸君、英語学習の場合には、ここであんまり慎重にならない方が楽しいのだ。「いけいけ、どんどん」で、怖がらず、恐れずに一気に山頂を目指したまえ。「かばかりになりては、とびおりるともおりなん」と、ピョンととんで降りちゃえばいいのだ。

 日本の外国語教育で一番イケナイのは「落とし穴に気をつけろ」とか「日本人の陥りやすいワナ」とか、なんでもかんでもオッカナビックリで、お互いのミスを指摘してせせら笑ってばかりいること。ワナも、落とし穴も、後から修正すればいい。大切なのは、とにかく頂上にのぼってみることである。
テキスト4
(音読用テキストの一例:δ)

 この素晴らしい教材を作成してくれたのは、教務課の職員のカタである。本来、これらの空欄には手で文字を書き込むことが求められているのだが、今井君のクラスでは「口で」「ナチュラルスピードで」を要求する。「あれこれ考えて、やっと文字を書き込める」のと、「反射的に口をついて英語が出る」のとでは、まるっきり次元が違うのである。

 読者諸君も、手持ちの単語集でやってみたらどうかね。まず、普通に10回音読(α)。次に焦点になっている単語を塗りつぶすして音読(β)。4~5語を塗りつぶして音読(γ)。最後に、日本語だけを見て音読(δ)。単語集1冊で、読解力もリスニング力も、大幅にアップすることは確実である。

1E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 2/2
2E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 1/2
3E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 2/2
4E(Cd) Holliger:BACH/3 OBOENKONZERTE
5E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER 1/4
total m40 y1237 d11432