Mon 130701 弘前高と大分上野丘高 サンチャゴ・デ・コンポステラ 合宿2日目 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 130701 弘前高と大分上野丘高 サンチャゴ・デ・コンポステラ 合宿2日目

 高校野球の地方大会が、いよいよクライマックスに近づいている。活躍している選手たちは、今井君の目の前にいる合宿中の高校生と、全く同年代の諸君である。中でも青森県の弘前高校と、大分県の大分上野丘高校の活躍が嬉しい。
 ともに「文武両道」の伝統校。大分上野丘高校は、今井君も大分で何度か大熱演を演じているから、特に馴染み深い高校である。勉強がたいへん厳しくて、連日7時間目まであるとか、朝の自主学習があるとか、なかなか予備校に通える時間が空かないらしいが、それでも頑張って今井君の授業を受けてくれる。
 そのぐらい「文」の厳しい高校が、「武」のほうでも頑張って大分県大会の決勝までコマを進める。明豊とか柳ケ浦とか、甲子園ベスト8の常連校がズラリと並ぶ中での快挙。9回表に一挙13点を奪われて大敗を喫したけれども、在校生はもとより、日本中で活躍する卒業生がこぞって母校の活躍に喝采を送ったことだろう。
土偶1
(土偶Tシャツのサトイモどん 1)

 青森の弘前高校は、旧制弘前高校の流れを引く名門。今井君の学部時代の友人、菊池君の母校でもある。菊池君はもう四半世紀も前に不運にも夭逝してしまったが、弘前高校の大活躍にきっと今ごろ嬉しそうに笑っていると思う。
 青森の高校野球と言えば、この13年だったか14年だったか、ずっと私立の天下。光星学院と青森山田、そのどちらかが交互に出て、公立校の出る幕は全くナシ。選手も大阪や沖縄の出身者ばっかりで、「これじゃ岩木山が泣いてるんじゃないか」という状況だったから、県内屈指の名門校がここまで健闘したことに県民も沸いていることだろう。
 スコアは、4-3。最終盤まで競り合って、どちらが勝ってもフシギではないという展開。最後の最後に涙をのんだ。一挙に13点取られて大敗すれば、まだスッキリあきらめもつくだろうが、4-3のスコアでは、OBもファンも、先輩も後輩も、しばらくは悔し涙が止まらないだろう。
 それはそれでいいのだ。悔し涙とともにこの活躍が伝説になって、リベンジを果たす時は遠くない。熊本の済々黌もベスト4まで行って惜敗したが、ぜひまた来年、新メンバーでリベンジを果たしてくれたまえ。
富士山
(7月22日、朝の富士山の勇姿)

 ここまで書いてきた7月25日午後、スペイン高速鉄道の脱線事故のニュースが飛び込んできた。サンチャゴ・デ・コンポステラ付近である。60名もの死者が出る悲惨な事故だったようである。
 サンチャゴ・デ・コンポステラは、全ヨーロッパ人あこがれの巡礼地。今井も2011年12月、大聖堂で揺れるボタフメイロの勇姿を見るために、クリスマスのサンチャゴを訪れた。事故現場を夜行列車で通過した経験もあるから、この事故は決して他人事とは思えない。
夕方の富士山
(夕方の富士山)

 サンチャゴの様子は、当時のブログにきわめて詳細に記録してある。「ウワバミ文庫」から「サンチャゴ巡礼予行記」をクリックしてくれたまえ。現地の様子を少しでも分かってもらえると思う。あこがれの巡礼地で発生した事故だけに、ヨーロッパのヒトビトのショックはいっそう大きいはずだ。
 「冥福を祈る」という表現がヨーロッパの人たちに当てはまるかどうかハッキリ分からないが、死亡者リストに入ってしまった60人の人々が、間違いなく天国に導かれるように祈るばかりである。
 ケガ人も多数出ている。これ以上死者の数が増えないこともお祈り申し上げる。おそらく夏休みを利用して「一生に一度でいいから」と巡礼地サンチャゴを目ざした人が多いはず。「大聖堂で揺れるボタフメイロを眺めよう」とワクワクしていた善男善女たちを巻き込んだ事故だけに、いっそう悔しさがつのる。
土偶2
(土偶Tシャツのサトイモどん 2)

 7月22日、合宿2日目に入る。初日はとにかく「場に慣れる」のが第1目標だったが、2日目からは授業も音読も完全に本格化する。
 今日の授業は、以下の通り。
① 午前9時から11時まで、不定詞20問と読解1問
② 午後2時から4時まで、動名詞20問と読解1問
③ 夜9時から11時まで、会話体の読解問題3題
 もちろん授業も大切だが、今井君としては、「授業は生徒に音読の素材を与えるためのもの」ぐらいの認識である。文構造を100%理解した上での音読でなければ意味がないから、音読を効果的なものにするためにも、クマどんの授業に熱が入る。
河口湖
(朝の河口湖)

 もっとも、今年の第1期の生徒たちは例年以上に優秀。あまりにも当たり前のことを丁寧に丁寧に板書していると、かえって時間のムダになりそうなほどである。
 生徒諸君の表情や様子を見ながら、「むしろ簡潔な説明にとどめて授業延長をなくし、そのぶん音読の時間を増やしてあげたほうがよさそうだ」という結論に達した。おお、さすがに超ベテラン。臨機応変に授業スタイルをかえられる。
 上記の授業時間以外、生徒諸君はほぼすべての時間を音読に費やす。何しろ最終的には「文字を見ないで音読」「テキストを閉じて音読」「手を後ろに組んで音読」が目標なのだ。昨日も書いた通り、例文だけでも250に達するから、ハイレベルクラスの諸君の意気込みはたいへんなものである。
高得点者
(確認テスト高得点者表が、教室の壁にはりだされていく)

 授業の2時間後に「確認テスト」がある。授業で扱ったコトを中心に、読解問題まで含めて50点満点の小テストを行い、小テストは直ちに採点されて、スタッフがクラス平均を計算。9割以上の得点だった生徒の名前を壁に張り出す。
 初日の確認テスト2回分は、クラス平均44点台。9割近いクラス平均なら十分に褒めてあげていいところだが、若いスタッフはきわめて辛口に生徒を叱咤激励する。「クラス平均9割以下では何の意味もないじゃないか」というのである。
 この辛口の語りかけに、生徒たちがまた素晴らしい反応を見せる。86人のクラスは6つの班に分かれ、それぞれにスタッフが1人ずつつくが、各班の生徒の中から1人リーダーを選んで、リーダーの指揮の下「まず班ごとの平均点を9割以上にしよう」というのである。
食事会場
(夕食の場でも、生徒はひたすら音読を続ける)

 すべての班の平均点が9割を超えれば、クラス全体の平均点も当然9割を超える。だから全体の9割を目指すために、班のリーダーが中心になって「どうしたらこの班の平均点が9割を超えるか」を考え、作戦を立てる。
 すでに満点をとっている生徒が、うまく得点のとれていない仲間にアドバイスして、
「音読はこんなふうにしたらいい」
「書いて書いて書きまくって復習すればいい」
「文字を見ない音読へのプロセスはこれこれだ」
という具合である。1人1人が孤立してむなしく足掻くタイプの勉強とは、完全に別格なのである。
お茶
(音読で喉が渇いた生徒のために、旨いお茶が用意されている)

 しかも諸君、さすがハイレベルクラスの中のトップのクラスだけあって、86人のほぼ全員が強烈なリーダーシップの持ち主。部活のキャプテンだった者、生徒会長だった者、学外でのボランティア活動に励んできた者など、多彩なキャラクターで溢れている。
 いやはや、頼もしい限りである。男子も女子もこんなに頼もしいと、今井君の出る幕なんか、ほとんどなくて構わない。サトイモのトボケた味を前面に出して、ボケ役に徹したっていいぐらいだ。スタッフも生徒もカッカしているときには、講師はむしろそういう役を買って出て、若い諸君をオヤジの笑いでホグしてあげるほうがいいのだ。

1E(Cd) Marvin Gaye:WHAT’S GOING ON
2E(Cd) Santana:EVOLUTION
3E(Cd) Sheila E. & The E-Train:HEAVEN
4E(Cd) Tower of Power:TOWER OF TOWER
5E(Cd) Tower of Power:URBAN RENEWAL
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