Sun 130630 クラス開講式 今井君の訓示 今井クラスでは絶叫タイプの音読はしない | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 130630 クラス開講式 今井君の訓示 今井クラスでは絶叫タイプの音読はしない

 7月21日午後14時半、合宿のクラス開講式が始まった。クラスを担当する6名のスタッフが黒板の前に並び、それぞれ3分ぐらいずつ自分の指導方針を熱く語り、注意事項を述べる。20歳代の諸君ばかりだから、メッセージはマコトに熱く、その熱さはあっという間に生徒たちに伝染→浸透する。

 開講式の最後に、クラス担当講師の今井君が挨拶に立つのだが、たいへん内気な性格の今井君としては、正直言ってこの瞬間が最も苦手である。スタッフはチョー熱く、生徒たちもウルトラホットになっている。
スタッフ
(スタッフがズラリと並んで、クラス開講式が始まる)

 この状況で、トボケた味わいが持ち味のサトイモ君は、そのホットさについていけず、モジモジ&ボソボソ話し始める。

 むしろ「ゴワゴワ」と形容した方がピッタリくるような話し方である。話すことは毎年同じで、
① 授業の始めと終わりは、全員で拍手をしようではないか
② すべてのページを30回以上音読しようではないか
③ 最終目標は「見ないで音読」。「活字に頼ってやっと音読できる」というレベルでは、決して「ハイレベルクラス」とは言えない。活字を見ないで、それでも活字を見ている時と同じスピードで音読できることをこの合宿の目標とする。
クラス開講式
(クラス開講式の情景)

 諸君、今井君の担当は毎年「H1クラス」。ベイシックの「Bクラス」、スタンダードの「Sクラス」、ハイレベルの「Hクラス」、一番優秀な「HHクラス」の4レベルがあり、それぞれのレベルがまたたくさんのクラスにクラス分けされる。Hレベルだと、優秀なほうからH1→H2→H3→H4…と並ぶわけである。

 だから、今井君の目の前に並んだ86名の生徒諸君は、ハイレベルに割り当てられた生徒たちのうち、最も優秀な諸君である。「活字を見ないで、テキストも閉じたまま、スピーディーに音読するのが目標」と言われても、別にオドロキの表情は見せない。
「そんなの、当たり前じゃん」
「ほほお、面白い。チャレンジしますかね」
「そりゃいいや。やろう、やろう、早くやろう」
と、グッと膝を乗り出してくる感覚がある。
絶景
(美富士園の外は、こんな絶景である)

 この辺が、今の東進生の迫力である。サトイモ男爵の経験では、河合塾でも駿台でも代ゼミでも、「音読しましょう」と言っただけで、よほど音読がイヤだったのか、以下のようなおかしな質問が殺到したものである。

「音読って、いったいどんな効果があるんですか?」
「試験の現場では、声を出せないじゃないですか。声を出して勉強していたんじゃ、試験の現場で困るんじゃないですか?」
「むかし通っていた塾の先生に『音読していると黙読ができなくなるぞ』って言われたことがあるんですが、大丈夫でしょうか」
「音読だと、発音とかイントネーションとか、そういう余計なことに気を取られて、肝腎の文脈を追うことに集中できなくなるんじゃないですか?」
などなど、頭を抱えるような質問ばかりだった。

 諸君、「発音とかイントネーションとか、そういう余計なこと」という発言を見てみたまえ。うにゃにゃ、発音やイントネーションを「余計なこと」と考えるような状況で、果たしてマトモに英語の勉強ができるもんですかね? イントネーションにこそ、大切な文脈が最も如実に現れてくるんじゃないですか?
掲示物
(教室内掲示物。東進の先輩・税所君の記事が掲示されていた)

 それにひきかえ、我がH1クラスは「よーし、やってみようじゃないか」と早速みんな心にコブシを固めている様子である。おお、頼もしい。まさに将来の日本を背負って立つ若者たちにふさわしい迫力だ。

 しかも、これからの5日でこなす分量はタダゴトではない。ワンセンテンスの例文275。25行程度の読解問題を11題。単純計算すると600行近い英文で、「見ないで音読」を目指そうということである。さすが、ハイレベルの中のハイレベルクラスじゃないか。

 ただし、今井クラスでは「絶叫タイプの音読」はいったん禁止する。もしも英語の学力が伸び悩んでいるクラスなら、すべての英文を絶叫するように音読させて、「ボリュームで生徒たちを奮い立たせる」という作戦もOK。実際、「センター模試で60点もとれない」という生徒が集まったクラスだと、応援団なみの絶叫で英語を音読することが、大きな効果をもたらすことが多い。
音読1
(いよいよ音読が始まる 1)

 しかし、ここはハイレベルクラスの中でも抜群と言っていい成績のH1である。もらった資料によると、6月の記述模試でクラス平均160点に近い得点をとっている。とても応援団風の絶叫音読が必要とは思えない。

 この8年、東進生はホントに優秀になった。ホンの4~5年前までは、同じH1クラスでも、成績は「センター模試で平均140点ぐらい」だった。それが今や「記述模試で平均160点」とくる。記述模試で160点なら、センターなら9割を超えているはずだ。

 だから、4~5年前と同じレベルの教材で、同じレベルの授業をしたり、同じレベルのギャグを言ったりしていると、それこそ生徒の失笑&冷笑を浴びることになる。ギャグや授業のレベルをぐんぐんアップさせるとともに、「絶叫タイプの音読」をいったん禁止するのも、この状況では不可欠である。
黒板
(ポータブル黒板を3つ、ビールケースにくくりつけて使用する)

 まず音読の素材になるのは、授業で扱った文法問題の例文。お腹の底から声を張り上げて絶叫音読すると、誰が聞いても滑稽に聞こえるタイプの英文がほとんどだ。

「彼は脱獄を試みたが、失敗に終わった!!!」
「この街にこんな静かな場所があるとは夢にも思わなかった!!!」
「バスがなかったので、タクシーを利用するしかなかった!!!」
この類いの英文を、応援団ふうに絶叫しているのは、客観的に見てマコトにシュールな光景である。

 ましてそれをクラス86人で声をそろえて絶叫することになれば、それはもう英語でも何でもない。「フシギ&不可思議、ここに極まれり」であって、ハイレベルの生徒ならその不可思議とシュールさにすぐに気づき、音読ということそのものに疑問を居抱きかねない。
音読2
(いよいよ音読が始まる 2)

 だから、今井担当クラスの諸君に限っては、限度をわきまえて常識的な音量での音読を心がける。もちろん、クラスのムードが沈滞して「何のために合宿に来たんだろう?」みたいな顔をする生徒が目立つようになれば、絶叫音読もやむを得ないが、そういう危機が訪れない限り、普通に話すときの音量を遵守することにする。

 以上のような注意事項を述べ、15時、いよいよ第1講に入る。第1講のテーマは「動詞」。午後9時すぎからの第2講は「助動詞」。ともにウォーミングアップという色彩が強いが、第2日からの本番に備えて、ウォーミングアップはタップリやっておくべきである。

1E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
2E(Cd) Michael Davis:MIDNIGHT CROSSING
3E(Cd) Michael Franks:THE ART OF TEA
4E(Cd) Michael Franks:DRAGONFLY SUMMER
5E(Cd) Michael Franks:1988-INDISPENSABLE
total m142 y1197 d11392