Fri 130628 バスで河口湖へ ホントにスミマセン 土用イブと土用イブイブ 全体開講式 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 130628 バスで河口湖へ ホントにスミマセン 土用イブと土用イブイブ 全体開講式

 7月21日、朝8時半に自宅を出て、タクシーで新宿駅に向かった。本来のスケジュールでは、ここからJRの特急「かいじ」で大月まで行き、大月からは富士急の特急「フジサン号」で河口湖を目指すことになっている。

 しかし諸君、いちいち大月で乗り換えなんかしなくても、新宿西口バスターミナルから高速バスに乗れば、2時間弱で一気に河口湖まで行ける。クマ蔵は、このバスの方が好きだ。

 そもそもJR在来線の特急は、グリーン車が狭すぎる。1両の車両を2つに区切って、片方は普通車、もう片方はグリーン車。これじゃ例えば狭い6畳間に偉そうなオジサマたちが6人詰め込まれ、難しい顔でおんなじ方角を向いて並んでいるみたいだ。何だか滑稽で、そんな滑稽なオジサマ集団の一員になるのはイヤである。
鰻重
(河口湖畔「こなみ」で「土用うなぎイブ」を楽しむ)

 九州新幹線のグリーン車もそうだ。「新幹線のグリーン車」というのは、ある意味で人生の晴れ舞台である。それなのに、やっぱり6畳間に6人のオジサマが並んだ狭苦しさがあって、暑苦しい&息苦しいことこの上ない。

 混雑もヒドい。1両を半分にブッタ切って作ったグリーン車だから、座席数が不足する。いつ見ても満員に近い濃密な人口密度であって、わざわざグリーン料金を払ったカイがない。普通車指定席のほうがグッと開放感があり、しかも座席は横に2席+2席で、1人あたりのスペースはグリーン車と変わらない。
富士山
(河口湖からの富士山 7月21日正午)

 ほらほら、またまた話がそれていく。とにかく今井君は河口湖に行くとき、狭苦しい電車を避けて、新宿西口バスターミナルからバスを利用することにしている。今日は9時10分発。河口湖には10時50分頃の到着予定である。

 ただし、バスもやっぱり満員だ。夏休みの初日、ちょうど日曜日に重なって、ヒトビトはこぞって富士急ハイランドに遊びに行くのである。日帰りヨシ、1泊ぐらいするもヨシ。片道100分、往復しても200分。高校生や大学生の夏休みのチョイ遊びには、このぐらいのバス旅行がちょうどいいだろう。

 というわけで、超満員のバス車内は、高校生と大学生でいっぱい。ちょうど「あ、今井だ!!」「お、今井先生だ!!」の歓声をあげる世代のヒトばかりだから、今井君は用心のためにサングラスを持参。だって諸君、こんな狭い空間で「サインしてください」などということになったら、他のヒトがジロジロ見るじゃないか。
美富士
(合宿会場「ホテル美富士園」の風景)

 一昨日も千葉に行く途中で、「もしかして今井サンですか?」というヒトに出会った。都営地下鉄新宿線を馬喰横山の駅で降りる寸前だったが、「むかし授業を受けてました。いま就活の真っただ中です」と言う。諸君、車両の全乗客が「なんだなんだ?」という好奇心を丸出しにして、逃げるように電車を降りる里芋サト次郎を見送っていた。

 渋谷東急プラザにウナギランチを食べに言ったときもそうだった。渋谷駅西口に出て、佃煮にしたくなるほどバスがたくさん止まっている西口広場を横切ろうとすると、高校生らしき男子ニッコリ笑って「今井先生ですか?」と話しかけてきた。

 確かに間違いなくボクチンは「今井先生」であり、今井先生以外のものである余地はほとんど残っていない。あえて「今井先生以外のもの」である可能性を留保しているのが、「サトイモ」「里芋サト助」「クマ蔵」「キウィ人間」などであり、昔は「カニ蔵」というのもあったが、いつの間にかSMAPにとられてしまった。
開講式1
(生徒たちは12時には全員が到着。大広間で開講式を待った)

 そしてもちろんブログ読者以外にとっては、それらの呼称は何の意味ももたない。渋谷駅前で話しかけてきた高校生がブログ読者であるかどうか、一瞬で見抜くほどの眼力はないから、「いいえ、クマ蔵にすぎません」「いや、私は里芋サト助と申します」などと応えるわけにもいかない。

 そこで「はい、今井です」とマコトに素直に返答を返すと、彼はますます爽やかな笑顔になって、「ボク、今井先生の授業受けてます。昨日C組を受講し終わったばかりです」と言う。

 こういう時、クマ蔵はこの上なく内気な生き物に変わる。古文の超有名講師、Mr. VVIP(Very Very Important Person)なんかだと、
「おぉそうか。がんばれよ。今がんばれないヤツは、一生がんばれない」
「おぉそうか。やれ。オマエはやらないからダメなんだ」
とか、例え渋谷の路上であっても、いくらでも名言がどんどん口をついてキラキラ溢れ出すんだろうけれども、何しろボクチンはVUS(Very Unimportant Satoimo)に過ぎない。

 こういう場面でも
「そうですか、そうですか。スミマセンね」
「声かけてくれて、ありがとう。ホント、スミマセン」
と、ひたすら平身低頭するのである。
開講式2
(開講式が始まる)

 「何でそんなに謝るの?」であるが、そりゃ正式には「授業を受けてました」なのに、実際には「授業でウケてました」になってしまうほど、大爆笑の連続の授業だからである。
「何度も息が止まりそうになったでしょう」
「笑いすぎてお腹が痛かったでしょう」
「笑いすぎて小ジワが増えちゃったかもしれませんね」
「ついでに成績が伸びすぎて、ビックリしたでしょう」
という意味で、「スミマセン」を連呼せずにはいられないのだ。

 バスの中でそういう場面になっては困るから、サングラスをかけて変装し、ずっと下を向いてヘッドフォンで音楽を聞き続けた。努力のかいあって、騒ぎは起こらなかった。富士急ハイランドでほとんどの乗客が降り、河口湖駅前まで乗っていた客は、サト助を入れて数人に過ぎなかった。
河口湖
(河口湖の風景)

 さてと、これでいよいよ河口湖合宿が始まる。今井君にとって17回目の合宿である。ひと夏で2回の合宿があるから、8年で16回。9年目の今年は17回目と18回目という計算になる。覚悟を決めて、10日間の長丁場に入ることにした。

 会場の「ホテル美富士園」まで、タクシーで10分弱。まもなく河口湖畔が見えてくると、「いよいよだな」の感がますます深まってくる。「河口湖の水位が異常なほど下がった」「富士山噴火の前兆ではないか?」と雑誌なんかで大騒ぎしているが、目の前の実際の河口湖は、例年と全く同じ姿。水位もいつもの年と変わらない。

 10日間を過ごすお部屋から、夏の富士山を眺めて安堵の溜め息をつく。「ふるさとの山を眺めて言ふことなし」「ふるさとの山はありがたきかな」みたいな感覚だ。8年×10日=80日。東進移籍以来、すでに80日も河口湖の美富士園で過ごしたのだ。ふるさと感覚が生まれても、何のフシギもないのである。
こなみ
(レストラン「こなみ」。美富士園のお隣のお隣だ)

 すると諸君、窓の外に「こなみ」の看板が見える。漢字で「湖波」。その横にひらがなで「うなぎ」の文字も見える。「おお、まず昼飯を食ってくるかな」というダラしない欲望が、クマの胸の奥底から激しく沸き上がった。

 時計を見ると、まだ11時半。他の先生方が指定された通りの電車に乗ってここに向かっているなら、到着は13時近くになる。クマは1時間以上早くここに到着したのだから、昼飯ぐらい食べに行ったっていいじゃないか。

 早速サンダルをつっかけて、初めての「こなみ」に入ると、客の大半はのんびり富士五湖観光中のオジサマ&オバサマである。今井君は湖が見える4人がけテーブルを1人で占拠。メニューを広げて「うなぎ定食」を発見。「天然ウナギをつかっています!!」とビックリマークが2つもついている。
定食
(土用うなぎイブ。うなぎ定食でスタミナをつける)

 今日は、土用の丑の日イブ。ならば、土用のうなぎイブをやったっていいはずだ。昨日の渋谷松川が「土用うなぎイブイブ」。今日は河口湖で「土用うなぎイブ」。それが天然モノなら、明日ホンモノの土用うなぎが食べられなくても何の文句もない。

 店のヒトにも「一日早い土用うなぎですね?」と声をかけられつつ、旨いうな重を15分で一気に平らげた。「10日間の合宿に向け、これでしっかりスタミナがつきました」と、言い訳がましいことも言えるわけである。

 ホテルに帰って、13時10分に全体開講式が始まった。例年にも増して元気のいい諸君が集まったようだ。では、土用イブと土用イブイブのウナギ君たちに恥をかかせないように、サト助も元気いっぱいの授業にかかろうと思う。

1E(Cd) The Doobie Brothers:MINUTE BY MINUTE
2E(Cd) Grover Washington Jr.:WINELIGHT
3E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
4E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
5E(Cd) Joe Sample:RAINBOW SEEKER
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