Mon 130617 新百合ケ丘で超熱演 寿司屋でお稲荷さん ここでも「今井先生ですか?」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 130617 新百合ケ丘で超熱演 寿司屋でお稲荷さん ここでも「今井先生ですか?」

 7月10日、夕方から小田急線の新百合ケ丘に向かう。代々木上原から小田急線の快速急行に乗れば、途中の停車駅は下北沢だけ。20分かかるかかからないかで、あっという間に新百合ケ丘だ。
 何年前だったか、小田急線に初めてこの快速急行というものが登場したとき、今井君は「これって、誰が喜ぶの?」「世田谷あたりの住民から嵐のような苦情が沸きあがるんじゃないの?」と、ずいぶん心配したものだ。
 急行停車駅のうち、快速急行が止まらないのは、経堂、成城学園前、登戸、向ケ丘遊園。どれもこれも古くからの伝統があり、住民のプライドも社会的ステータスも高い。「何で我々の町を通過する電車が導入されるんだ?」と、パパもママも、オジーチャンもオバーチャンも、みんな激怒しそうである。
 当時の新聞報道では、「小田急が快速急行の導入を決意したのは、JRの湘南新宿ラインが大増発されるのに対抗するため」ということになっていた。そんなことのために、世田谷のヒトビトが犠牲になるんじゃ、何だか本末転倒じゃないか。
新百合ケ丘1
(新百合ケ丘での熱演が始まる)

 例えば成城学園前の高級住宅地に住むヒトビトの目の前を、「こんな町に止まる必要はありません」というツンとした顔で電車が通過していく。乗る方も細心の注意が必要。以前はとにかく来た電車に駆け込めばよかったのに、間違って快速急行に乗り込んじゃうと、成城学園よりはるか遠くの新百合ケ丘まで車内に缶詰になんなきゃいけない。
 こうなると、何だか沿線住民無視というか、遠くのヒトたちばかり優遇されて、近くの住民は軽視され、「都心に近いんだから、我慢してください」と冷たく言い放たれるような感覚である。ま、こういうのはどこの鉄道会社でも同じみたいだし、もうすっかり定着したようだから、今さら何とも致し方がない。
 クーラーが弱めに設定された電車の中で、滝のように汗を流しながら、クマ蔵どんは以上のようなことを考えていた。新百合ケ丘到着、18時。乗り換え客の多い、おそらく小田急線でも最も混雑する駅の一つである。
熱演1
(このサトイモはいったい何をしゃべってるんだ? 1)

 新百合ケ丘の校舎長は、この沿線の責任者も兼ねている。8年前、今井君が代ゼミから東進に移籍してきた年に、初めて参加した河口湖合宿で、彼は今井君のクラスの担当者だった。その後、茨城県つくばの校舎長などを経て、新百合ケ丘にやってきた。
 新百合ケ丘の駅前は、「おいおい、何だか塾だらけじゃないか」と、こういう光景になれているサトイモでさえ、思わず声に出して呻いてしまうほどの塾ラッシュ。駅前のテナントビルを占領した塾の看板が、猛暑の中でますますムンムン湯気をあげている。
熱演2
(このサトイモはいったい何をしゃべってるんだ? 2)

 今日のお仕事は19時から。何しろムンムン塾ラッシュの真っただ中でのお仕事だから、絶対に失敗は許されない。もちろん、超ベテラン今井君に失敗はまず考えられない。
 この8年、「ハッキリ失敗したな」という経験はたった1回だけである。800回のうちの1回だから、失敗確率はほぼゼロと言っていい。もしこれが野球の打率だったら、野球というものがこの世に存在するかぎり、永久に語り伝えられるであろう大記録と言っていい。
熱演3
(このサトイモはいったい何をしゃべってるんだ? 3)

 ムンムン塾ラッシュの駅前に集まった受講生たちは、約100名。50人入ればいっぱいの教室から机をすべて撤去して、生徒は画板みたいな板の上で懸命にノートをとる。ノートをとりながらの爆笑の連続はキツいだろうが、やっぱり20秒に1度の爆笑頻度を確保できた。
 こうして、本日もまた1時間半の超熱演。ワイシャツもネクタイも汗でグショグショになり、「これ以上頑張ったら、今井は熱中症、生徒は酸欠」という危険を感じたところで、20時40分、今日の話を締めくくった。
新百合ケ丘2
(新百合ケ丘での熱演、全体図)

 いつも言っている通り、首都圏の校舎では「スタッフと一緒の祝勝会」は実施されないから、今夜は寂しく「単独祝勝会」ということにした。帰りの小田急線を下北沢で降り、三軒茶屋方面にタクシーを走らせれば、4回ほどの訪問で何となく「お馴染みさん」になりかけているお寿司屋さんに到着する。
 まだ「馴染み」であって「常連」ではないから、青森県八戸出身の店主とも、チャンと敬語で語り合う。サトイモ軍曹は、お店のヒトとあんまりベタベタするのは好きじゃないし、他のお客の存在を無視して傍若無人に振る舞うのは苦手だから、今がちょうどいい距離感である。
 開店してまもなく1年になるぐらいだが、そろそろ常連さんっぽいお客さんも多くなって、前回はホンの少し居心地が悪かった。カウンターの真ん中で常連さんグループが5人も盛り上がっていたんじゃ、それも仕方ないだろう。
 今夜は、すばらしくイイ感じである。今井君より前から店にいた3組のお客さんは、みんな物静か。穏やかな声でしっとりと語り、何かの弾みでお互いの会話が絡み合っても、上品に視線を合わせ、軽く会釈して微笑みあうだけである。帰る際にも、店主にお礼を述べ、他のお客さんに挨拶するのを忘れない。
新百合ケ丘3
(最後に、生徒代表が挨拶する)

 カウンターの向こうの男女が「〆に」と注文したお稲荷さんがあんまり美味しそうだったので、サトイモ男爵もオズオズお願いすることにした。彼らは「〆にお稲荷さん」だからいいが、クマ蔵は「最初にお稲荷さん」。非常識の極みである。
 しかし「お寿司屋のカウンターでお稲荷さんを頬張る」なんてのは、至福中の至福と言っていい。ここは遠慮せず、忘れないうちにお願いするに限る。満面の笑みで店主が作ってくれたのは、濃い味のお稲荷さんと、薄味のお稲荷さんの2種。「どっちが旨いですか?」と尋ねられても、選択に窮する旨さである。
 もちろん、ブログで寿司屋を紹介すれば、店の名前と所在を明らかにするのが常識だろう。でも、今日のクマ蔵はまだこのお店を他のヒトに紹介したくない。万が一いろんなヒトが店を訪れ、みんなマネをして「お稲荷さんください」とお願いしたりすれば、店主にも他のお客さんにも迷惑がかかる。
 うに、えび、中トロ、あなご、今夜もみんな旨かった。大好きなコハダはなかったけれども、茶碗蒸し、トウモロコシのお豆腐、すべて絶品と言ってよかった。そして今夜もまた予期せぬ出会いがあった。
眠りネコ1
(真剣に眠る眠りネコ)

 あとからカウンターにやってきた男女2人が、盛んに今井君に向かってチラチラ視線を投げてくる。2人とも30代と思われる。「お、くるな」と思っていると、女子の方が秋田県の出身らしくて、「きりたんぽ」の話が盛り上がり始めた。思わず「私も秋田出身なんですが」とこちらから声をかけると、
「っていうか、代ゼミの今井先生ですよね。パラグラフリーディングですよね」
と、男子の方が意を決したように口を開いた。
 おお、パラグラフリーディング。なつかしや&なつかしや。今は封印しているが、代ゼミ時代は「パラグラフリーディングの今井」だったのであって、代ゼミ津田沼校出身の男子も、代ゼミ仙台校出身の女子も、「今井と言えばパラグラフリーディング」と、15年以上経過してもまだ記憶していらっしゃる。
 問題は、「なぜ封印しちゃったの?」であるが、カンタンに言えば「今は基礎基本に徹したい」「余計な波風をたてたくない」ということである。受験の世界にちょっと特別な読み方を導入すれば、賛否両論が巻き起こって、受験生たちが勉強そのものに集中できなくなってしまう。
眠りネコ2
(眠りネコ、拡大図)

 21世紀の今井は、LINEのスタンプでもテレビCMでも、「基礎を徹底的に鍛える」「基礎、基本」と連呼し、基礎と基本をパンパンに充実させることに集中している。
 東大でも京大でも、基礎基本の徹底で合格を目指す方が、21世紀の今となっては早道である。団塊ジュニアの受験生が溢れかえって大学入試が異様に狭き門になっていた20世紀末とは、時代と状況が全く違うのだ。
 いろいろな昔話で、日付が変わる頃まで盛り上がった。店主もビックリして「そんな有名なカタだったとは知りませんでした。お寿司が大好きな、普通の男性と思ってました」と笑った。
 「もちろん、普通のお寿司好きの男性ですよ」と、サトイモ君は苦笑いするしかない。だって、別に「有名なカタ」なんかではない。その辺にいくらでも転がっているサトイモの親方に過ぎないじゃないか。
 帰り際、ちょっと酔っぱらった今井君は、みんなに強烈な秋田弁を披露。「重要無形文化財・秋田弁」に指定されていいほど、見事でカンペキな秋田弁の使い手であることが、今のサト助の最大の誇りなのである。

1E(Cd) CHAD Music from Tibesti
2E(Cd) AZERBAIJAN Traditional Music
3E(Cd) Ibn Baya:MUSICA ANDALUSI
4E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 1/3
5E(Cd) T.Beecham:BERLIOZ/LES TROYENS 2/3
total m77 y1132 d11327