Thu 130606 大阪府八尾で講演会 今の梅田はどえらいで 大阪の一般人が好き | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 130606 大阪府八尾で講演会 今の梅田はどえらいで 大阪の一般人が好き

 6月28日、19時半から大阪府八尾で講演会がある。17時半に梅田のインターコンチネンタルホテルを出て、JRの電車で八尾に向かうことにした。
 いやはや、この数年の梅田の発展ぶりは凄まじいものがある。つい数年前までの大阪駅は、立ちこめる昭和のカホリのせいで、冬でもムンムン暑苦しかった。それが今や、昭和のカホリを徹底的に除去することを目標にしたかのように、キレイに清潔に建て替えられたのである。
 今や大阪駅は、日本で最も昭和のカホリのしない、宇宙ステーション的な近未来型の駅に生まれ変わった。一方、その駅を利用する大阪のヒトビトのほうは、今もなお日本でいちばん昭和的な熱気を堅持しているのである。
 建物は近未来、ヒトビトは昭和の渦。ミスマッチではあるが、そのミスマッチがますます大阪駅周辺の活気を高めている。大阪駅北側には「グランフロント」という名の大型商業施設が完成。今井君が宿泊しているインターコンチネンタルホテルも、実はそのグランフロントの中にある。
八尾1
(大阪府八尾で講演会 1)

 グランフロントのどの店舗も、まだまだオープンしたての熱気に包まれている。何と言っても大阪的なのが、長い長ーい行列だ。
「カフェ、45分待ちです」
「お持ち帰りの列はこちらです。ただいま40分待ちです」
という看板の前に長蛇の列ができ、列に並んだ老若男女の顔つきは真剣そのものである。
 「1時間近く待ってカフェに入る」という行動に、せっかちな今井君なんかは絶対に我慢できないが、せっかちなはずの大阪のヒトビトは悠然と列を作って待っている。実は「せっかち」というより「新しいものは意地でも経験しておきたい」という新しモノ好きなのである。
 ごく公平に見て、今や梅田は、単一の繁華街としては日本で一番の街になったと実感する。新宿も六本木も、2013年の段階ではとても梅田の活気にはかなわない。もちろん東京・丸の内のような重厚さは感じられないが、そりゃ、そこんところはさすがに無理だけれども、重厚ささえ論じなければ、完全に他を引き離して「抜群」というレベルに達している。
 今年の3月、兵庫県加古川で講演会を開催したとき、担任助手の大学生女子が「あこがれの街は、梅田。今の梅田に比べたら、神戸の元町とか三宮なんか、ショボくしか見えない」と漏らしていたのが妙に記憶に残っているが、うにゃにゃ、元町や三宮がショボいかどうかは別として、今やサトイモ男爵も、梅田の強烈なエネルギーだけは認めざるをえない。
八尾2
(大阪府八尾で講演会 2)

 大阪駅から八尾までは、まず大阪環状線をグルリと半周しなければならない。関西に住んでいるヒト以外にはナジミがないと思うが、大阪にも山手線と同じようにグルグル円を描いて走る電車があって、昔の中央線快速電車とほぼ同形のオレンジ色の電車が、時計回りと反時計回りに果てしなく走り続けている。
 その同じ円形の線路を、奈良方面に直通の「大和路快速」、和歌山方面に直通の「紀州路快速」が走るのだから、大阪のJRはたいへんややこしい。ただ、ややこしいからと言って右往左往したり、混乱して立ち止まったりすれば、あっという間に大阪のヒトたちに「田舎者や」と笑われる。
八尾3
(大阪府八尾で講演会 3)

 今井君は東京都渋谷区の住人だから、日本で一番の都会人のうちの一人であるが💦、何せモトはと言えば秋田県人。0歳から18歳まで、例のスンバラスイ秋田弁を話して育った生粋の秋田人である。大阪のヒトのキメ台詞「東京いうても、田舎もんの集まりやろ」の典型のようなクマさんだ。
 秋田人には、8世紀から9世紀にかけて、大和の国から攻め込んできた大艦隊やら騎馬軍団やらに蹂躙され、ついには膝を屈して征服された苦々しい記憶がある。
 今井君の遠い祖先たちは、関西の人たちの支配を受け入れ、「税金、払いますから、どうか許してください」と頼み込んで、租・庸・調に徭役、みんな受け入れてやっと「そんならしゃあない。田舎もんもこのぐらいで許してあげまひょか?」ということになった。
 だから、遠い遠い祖先たちの恐怖心が、今もクマ蔵の血液となって流れている。大阪にくるといつでも「田舎もんやで」のヒトコトがコワい。「紀州路快速」をmac君が「奇襲時快速」と変換しても、全然フシギな感じがしない。
楽屋
(柏原市民文化会館、楽屋の様子)

 大阪駅から里芋サト助が乗ったのは、環状線を西向きに半周した後、天王寺から関西本線に入る直通電車。「久宝寺」という駅で各駅停車に乗り換え、「あれれ、これって30年前の山手線じゃん」と、思わず懐かしさに涙がこぼれそうになるウグイス色の電車に乗って、目的地・柏原の駅に着いた。
 ポツポツ雨が降り始めたのが気がかりだが、とりあえず講演会場の柏原市民文化会館に移動。出席予定は240名。しかし雨がこれ以上強くなると、8ガケとか7ガケも覚悟しなければならない。
 講演開始までタップリ時間があったので、サインを100枚ほど高速で書きまくった。マジメな先生方と違って、サトイモ軍曹のサインは「宇宙制服。」の一点張りだから、100枚書いても15分もかからない。
 「100人のっても、ダイジョーブー!!」という「イナバの物置」というシロモノがむかし流行したが、今井君のサインは「100枚書いても、ダイジョーブー♡」であって、もし時間に余裕さえあれば、200枚でも250枚でもダイジョーブーである。
八尾4
(講演の最後に、花束をもらう)

 大阪府八尾での講演会は、19時半開始、21時終了。出席者は予定通りの240名。一時は「こりゃ300名超えもあるかも」という勢いだったそうだが、さすがに雨模様になっては、「予定通り」で御の字つき。高校の先生方や保護者の皆さんの出席もあって、今井君の一番好きな雰囲気になった。
 何しろ、「部活を7月まで目一杯やって、受験勉強は高3の夏から」という、昔ながらの文武両道なタイプの高校生が多い地域。今井君が最も得意とするターゲットでござるね。またまた「ワイシャツはおろか、ネクタイまでビショビショ」の熱演になって、爆笑の頻度は20秒に1回。これで文句があるわけがない。
花束
(もらった花束)

 終了後、近鉄・河内国分駅前の「膳所」にて祝勝会。「膳所」と言えば滋賀県の名門高校を連想するが、なぜか河内のど真ん中で「膳所」。この店で深夜までビアと焼酎とワインを満喫し、和食店なのに、フィレステーキやロースステーキを心行くまで頬張って、河内の夜は賑やかに更けていった。
 諸君、間違ってはいけない。「河内のど真ん中」からイメージするのは例のド迫力の河内弁であるが、ここは応神天皇陵をはじめ、キレイな形の前方後円墳が目白押しの「ヤマトのまほろば」。時間さえあればタップリ古墳巡りをしたくなる、ヤマト民族のふるさとなのだ。
 若いスタッフ諸君が元気なのもスンバラスイ。上手に司会をつとめてくれた男子も、今井君にワイシャツを褒められて「これは青山で買いました」と苦笑した彼も、「昨年まで今井先生の授業を受けていました」と言う彼女も(彼女は未成年なので、当然ずっとウーロン茶だったけれども)、昨年その彼女の担任だったという男子も、ホントに楽しそうに祝勝会を盛り上げてくれた。
祝勝会
(河内国分駅前、「膳所」での祝勝会)

 日付が変わる頃、今井君はタクシーを呼んでもらって梅田に帰った。外はあいかわらず雨模様だったし、これだけ「今井先生ですか?」と声をかけられる大阪で、酔っぱらったサトイモを電車に乗せるわけにはいかないという、スタッフの優しい判断に従ったのである。
 いやはや、梅田まで30分あまり、近鉄タクシーの運転手さんと、滅多にないほど会話が弾んだ。何を話したかほとんど記憶がないのだが、今井君の冗談に運転手さんが爆笑し、今井君がまたそれに応え、また運転手さんが爆笑し、そのサイクルが果てしなく続いたのである。
七福神
(祝勝会の思ひ出、「膳所」の七福神)

 ボクチンは、大阪のヒトが大好きだ。こんなに上手に冗談に絡んでくれるヒトビト、こんなに巧みに突っ込んだりイジったりできるヒトビト、会話の間のとりかたの絶妙なヒトビトは、世界中探してもきっと一般の大阪人だけである。芸人さんたちよりずっと、大阪の一般人が好き。世界文化遺産に指定してもらうほどの価値がここにあると感じるのは、果たしてサトイモだけなのだろうか。

1E(Cd) George Duke:COOL
2E(Cd) Joe Sample:RAINBOW SEEKER
3E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
4E(Cd) Marc Antoine:MADRID
5E(Cd) Ornette Coleman:NEW YORK IS NOW!
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