Sat 130601 悪い子のハチの巣退治 乗っ取りにきたスズメバチ 広島大学 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 130601 悪い子のハチの巣退治 乗っ取りにきたスズメバチ 広島大学

 6月24日の今井君は、2階の屋根のひさしにハチの巣を発見。とても手の届かない高い所にあるが、最近の殺虫剤はマコトに強烈に出来ていて、ジェット噴射された薬剤は5~6メートル先にも軽々と届く。
 相手がハチだからそれなりに危険だけれども、見たところ凶暴なスズメバチというわけでもなさそうだ。早いうちに退治して、近所の迷惑にならないようにしなきゃいけない。
「よし、ではゴキブリ用の殺虫剤で一気に粉砕しますかね」
こうしてサトイモ軍曹は、なかなか果断な行動に出る。左手には「ゴキジェット」。2階の窓から半身を乗り出し、ひさしのハチの巣を慎重に狙った。
 諸君、良い子は絶対にマネしてはいけない。いい子はチャンと役所のヒトの応援を頼みたまえ。お役所のヒトが必ず駆けつけてくれる。危険を冒してゴキジェットなんかでハチの巣攻撃を敢行することは、絶対にヤメたまえ。
繭玉
(繭玉くん)

 しかし今井君は、悪い子である。生まれてこのかたずっと悪い子。高校までさかのぼっても、中学までさかのぼっても、まだまださかのぼり方が中途半端なのであって、小学校を卒業する頃も、入学直後も、幼稚園児のころも、とにかく今井君はずーっとずうーっと「スゴく悪い子」を続けてきた。
 「やるなと言われたことしかしない」。これが若い今井君のポリシー。そのうち三島由紀夫並みにサトイモ仮面が告白して、「私は生まれた10分後、産湯につかっている頃にすでに悪い子だと認識した」と語りだすことになるかもしれない。
 だからハチの巣ゴキジェット攻撃なんか、朝飯前でも晩飯前でも、小指の先ほどにも躊躇なんかしない。あえてサトイモ軍曹の心の中に躊躇に似たものを探し出すとすれば、ハチの巣の中のハチさんたちにホンの少し申し訳ない気持ちがあった。
よーい
(プールに飛び込むポーズをしてみる)

 つまり、「殺虫剤で一気に殲滅」という作戦は素晴らしいとしても、ハチさんにはハチさんのプライドがチャンとあるのであって、何しろハチさんは昆虫界きっての潔い戦士たちなのである。
「殺すなら殺せ。しかし、戦士には戦士にふさわしい死に方があるはずだ」
「At least give me a clean death. A soldier’s death」
と、潔く首を差し出している歴戦の戦士を、ちょっと想像してみたまえ。ツワモノというか、モノノフというか。それなのに、いまクマ蔵が手にしているのは「ゴキジェット」。うーん、いま奪おうとしている命の雄々しさと、「ゴキ」の響きの卑しさとは、マコトにミスマッチなのである。
威嚇
(威嚇してみる)

 しかし諸君、サトイモ軍曹が「戦士とゴキのミスマッチ」に思わず慈悲心を誘われ、「この上は潔く、ハチ殿と組み打ちいたさんず」と、一の谷の戦いの熊谷直実みたいになりかけていたところ、なんと平敦盛なみに潔いかと見えたハチ軍団は、いきなり徒党を組み、数を頼んで逆襲を仕掛けてきた。
 この期に及んで、慈悲心は無用である。おのれ。数を頼み、こちらの慈悲心を無に帰すような裏切りを働くヤツバラどもに、何の慈悲が必要であろうか。クマ蔵は遠慮なくゴキジェットでハチの巣を狙い、狙いは過たず、強烈な毒の霧がハチの住処を急襲して、ハチ軍団の戦線はもろくも崩れ去った。
 しかし気がついてみると、この夕暮れのハチ殲滅作戦は、このクマ蔵にとっても少なからず危険な戦いだったのである。まず、飛び去ったハチの戦士たちが意外なほど大きな奴らだったということ。また、飛び去るときの勢いから考えても、あのスピードで急襲されたなら、大きなクマといえども無傷では済みそうになかった。
蛇口
(ニャゴロワは、蛇口から水を飲むのが大好きだ)

 翌朝9時、「ハチ君たちは全滅したかな」と暢気にハチの巣を見上げたクマ蔵は、信じがたい光景を目撃する。昨日の夕暮れに飛び去ったハチ軍団をはるかに上回る、巨大で黒々としたハチが1匹、問題のハチの巣にぶら下がって、巣の状況を確かめている様子なのである。
 サトイモ男爵の親指ぐらいの大きさ、その獰猛な面構えと、面構えに負けないほど凶暴な羽音。むしろ人間をあざ笑うかのような、王者の貫禄がある。これはどうやらスズメバチどんである。全滅したハチの巣を乗っ取ろうと、偵察に現れたのかもしれない。
 ここは再びゴキジェット君の登場だ。繰り返すが、良い子の皆さんは絶対にマネしないように。絶対に、絶対に、どんなに誘惑にかられても、危険なものは危険であって、危険以外の何者でもない。
シャイ
(今日もナデシコは丸くなる)

 しかし、何しろボクはサトイモ男爵だ、悪い子中の悪い子、「してはいけません」と言われれば言われるほど、何が何でもしたくなる。この世で一番の愚か者だ。
 むかしテレビ朝日「欽ちゃんのどこまでやるの」の中に「良い子・悪い子・フツーの子」というコーナーがあって、良い子やフツーの子の反応と「悪い子」の反応を対比して笑いをとるコントが延々と演じられたが、今井君から見れば「そんな悪い子、全然悪くないじゃん」「もっと悪い子、いくらでもいるじゃん」なのであった。
 ま、大きさから見ても、凶暴そうな行動から見ても、あれは防御が手薄になったハチの巣を乗っ取りにきた偵察スズメバチ君である。手薄も何も、昨夕のクマの攻撃で全滅の状態。カラッポの巣にスズメバチの集団が移り住んだんじゃ、そりゃたまらない。「よき敵、ござんなれ」な感じである。
発見
(怪しい虫を発見する)

 ここは直ちに、こちらの強烈な戦闘能力を敵に思い知らせる必要がある。まして敵が偵察部隊であるなら、本隊に帰着次第、以下のような報告をさせたいではないか。
「狙う巣は空き家、防衛部隊は存在しません。しかし、巣の周囲に恐るべきクマが出現。容赦なく毒液を噴霧して我々を粉砕にかかってきます。いやはや、ゴキブリ扱いでございますよ。イヤな目に遭いました。やめときましょう、あんな巣を乗っ取るなんて。他に条件のいい場所はいくらでもございますよ」
 偵察部隊にそう報告させておいて、敵の目が他の場所に向いているうちに、空き家となった巣を処分する。サトイモ男爵の戦略、かくのごとし。まさに歴戦の勇者。スズメバチ1匹に我が庭先を蹂躙されて、沈黙している男爵ではないわ。かっかっかっかっか。
 そこでクマ蔵は網戸をごく薄く開け、黒い巨大なスズメバチ君にゴキジェット大量噴射した。すると、うぉ、さすがハチ界の王者だけあって、毒液にむせながらもクマに威嚇の姿勢を見せた。殺虫剤の濃霧の中、力強い背をしならせながら、網戸に向かって突進してきたのである。
 目近で眺めたスズメバチ君の大きさと獰猛なお姿に、クマもホンの一瞬たじろいだ。もちろん彼(または彼女)は突進の途中で力つき、攻撃をあきらめてフラフラ😲と遠くに飛び去った。偵察部隊を撃退して、悪源太サトイモもまずは安堵の胸を撫で下ろしたのである。
新聞
(今日も新聞を占領する)

 こうして6月25日、すっかり勝ち誇った今井君は、午後から吉祥寺スタジオに授業収録に出かけた。午前中は何とか晴れ間も出ていたが、お昼頃から急激に空が暗くなって、「おやおや、集中豪雨が来ますね」という怪しい空模様になった。
 やがて雷が鳴って、強烈なスコールがやってきた。2階のひさしから屋根にかかった殺虫剤を、スコールがキレイに洗い流してくれる。こういうところも、クマ蔵はホントにホントにツイている。
 吉祥寺で収録したのは、2013年広島大学の過去問演習講座。「ちょっと難しすぎるかな」という要約問題と、「こりゃ採点するヒトが可哀そう」という自由英作文問題が特徴の大学である。解説するヒト(=サトイモ君)だって十分に可哀そうだ。
「もしあなたがドキュメンタリー映画を制作するとしたら、何をテーマにしますか。理由と重要性を含め、100語程度の英文を書きなさい」
うにゃにゃ、こりゃたいへんだ。

1E(Cd) Tomomi Nishimoto:TCHAIKOVSKY/THE NUTCRACKER(2)
2E(Cd) Pešek & Czech:SCRIABIN/LE POÈME DE L’EXTASE + PIANO CONCERTO
3E(Cd) Ashkenazy(p) Maazel & London:SCRIABIN/PROMETHEUS + PIANO CONCERTO
4E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 1/3
5E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 2/3
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