Wed 130522 首都圏はチョー蒸し暑い 津田沼で講演会 可禮亜のビビ焼きイシンバ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 130522 首都圏はチョー蒸し暑い 津田沼で講演会 可禮亜のビビ焼きイシンバ

 太平洋側に北東の冷たい風が吹き付ける「ヤマセ」は、普通なら小学校で習い、中学入試の定番である。ボクは田舎の子供だから、中学入試の経験は皆無であって、初めてマトモな「テスト」を受けたのは、中学1年の定期テスト。東北地方の地理は、確か1学期の期末テストだったが、モノの見事に「山背」が出題されたものだった。
 今年の首都圏は、山背のせいなのか気温がちっとも上がらない。暑がりの今井君にはありがたいけれども、農家の人たちはかなり心配なんじゃないかね。ついでに水不足も心配。雨が毎日降り続いても、こんなに細々と「降ったりやんだり」じゃ、どうせ来週あたり、マスメディアがこぞって「東京の水瓶がカラッポだ」と騒ぎはじめるに決まってる。
津田沼1
(6月14日、津田沼で講演会。「全体が写るように」とお願いするのを忘れたので、今日の写真はクマ蔵のアップばかりになってしまった)

 何しろ今井君は789歳の超高齢だから、読者諸君の知らない東京の渇水をハッキリと記憶している。1994年の夏、福岡から首都圏までの太平洋岸で大渇水が発生。群馬県のずっと奥のほうのダムがみんな「貯水量20%を割り込みました」という事態になった。
 民放各社のケーハクなリポーターが現地に向かい、ケーハクなニュースショーの多くが不気味なBGMに乗せて
「ダムの底に沈んでいた旧町役場の建物が姿を現しています!!」
「水の涸れたダムの底では、土が無惨にヒビ割れしています!!」
「貯水率80%のラインは、あんなに上のほうなんですよ!!」
「ええっ、あんなに上のほうなんですかぁ!!」
「群馬のダムはあきらめて、渡良瀬遊水池の水を上水道に使用しています!!」
と、ビックリマークだらけのレポートを連日繰り返した。
津田沼2
(語るサトイモ)

 まず、もともと臭くて飲めなかった東京の飲料水が、言語道断にカビ臭くなった。ゴハンを炊くと、炊きたてのゴハンからプーンとカビと泥の混じったニオイが立ちのぼった。お風呂だってカビ臭くて、もちろん渇水の最中にそんなに贅沢は言えないけれども、長時間入っているとアタマが痛くなるほどだった。
 おそらく、今の東京の水道水が「ミネラルウォーターに匹敵する旨さ」をアピールできるようになったキッカケは、あの渇水の年の苦い経験のおかげなのである。金町浄水場のお水のマズさは有名だったから、「こりゃいけませんな!!」と、きっとそっちのほうでもビックリマークに力が入ったのである。
津田沼3
(かわいいサトイモ君 1)

 と、ここまで書いたのが昨日6月14日の午後。午後4時にオウチを出て、千葉県津田沼に向かった。その直後あたりから首都圏の天候が一変して、ついさっきまで「今年の東京は冷夏になるかも」「関西や名古屋は猛暑でタイヘンだな」とか、余裕をコケるだけコキまくっていたサトイモ君は、「余裕をコクとどんなシッペ返しを食らうか」をイヤと言うほど思い知らされることになる。
 津田沼には午後5時10分に到着。講演会の開始は7時だから、これまた余裕しゃくしゃくの到着である。さすがベテランの味であって、時間ギリギリに息を切らして駆け込んできて「はあ、よかった、間に合った」と安堵の胸を撫で下ろしたりするのは、まだまだ修行が足りないのだ。
 年齢789歳、修行の味もすっかり骨の髄まで染み込んだ煮え煮えサトイモは、講演開始2時間近く前に津田沼校に到着して、「明日の吉祥寺での授業収録に備え、予習の締めくくりでもしておきますかね」と、余裕の上にも余裕の表情でベテランの味を見せつけた。
津田沼4
(かわいいサトイモ君 2)

 事態が急変するのは、この後である。あんなに涼しかった首都圏を、ニワカに湿度の異様に高い気流が包み込みはじめた。さっきまでサラサラしていたデスクの上の印刷物が、ホントに急激にシットリしたかと思うと、シットリに濁点がついてジットリに変じ、「ジットリ」という文字にさえ無数の結露ができて、紙の表面から汗の滴がタラタラこぼれそうなほどになった。
 どうだい諸君、今井君は「急激に蒸し暑くなった」の一言で済むことを、こんなにシツコイ言葉で、しつこくしつこくジトジトっと表現することで、表現と文体からも空気のジトジトした感覚を体感してもらおうと努力しているわけだ。うにゃにゃ、英語の講師なのに、なんと素晴らしい努力なのだろう。
 これでまず、予習が困難になった。水性ボールペンのインクが紙に滲んで、文字もマトモに書けないのである。次に、19時からの講演会が心配になってきた。このレベルの蒸し暑さでは、空調の機械だって機能の低下は免れない。50人も入れば満員の狭い教室に、約90人の受講生が来るんだから、「無料サウナ」の状況を覚悟しなければならない。
よれよれ
(終了後の総武線グリーン車内で自分撮り。ワイシャツがヨレヨレなのは、講演会中に大量の汗をかいたからである)

 津田沼での講演会、19時開始、20時半終了。この90分間、今井君は強烈な無料サウナを満喫することになった。もちろん、生徒たちは「90分サウナ」とは思わなかったかもしれない。スタッフの機転で空調を最大限に利かせてくれたし、何しろ椅子に座ってじっとクマ蔵の話に耳を傾けていればいいのだ。
 ところが、常に150%のエネルギーで完全燃焼を目指す模範講師♡クマ蔵としては、燃焼というよりも「ゆであがった」「熱い蒸気で蒸し上げられた」→「沸騰サトイモ」みたいな、ゆでゆで&ムシムシな出来上がりになった。
 もちろん講演会の出来には問題は一切ないし、90分間の全体を通じて「30秒に1回の爆笑」という今井スタンダードは確保したけれども、ダラダラ流れつづけた汗の総量もハンパではない。もし「スーツを着たままシャワーを浴びてきました」と、講演会直後の今井君が発言すれば、その発言を疑う人はあまり多くはなかったと思う。
ミノ
(初台の焼き肉屋「可禮亜」のミノとギアラ)

 こんなにビショビショになったのは、ホントに久しぶりである。津田沼から帰る総武線の中で、ワイシャツがビショビショであるばかりか、ネクタイの先までビショビショになっていることに気づいた。
 どのぐらいビショビショだったかと言えば、「あんまりビショビショでネクタイをホドけない」という事態に立ち至っていたのである。諸君、ホントにホドけない。総武線快速が船橋を過ぎ、市川を過ぎ、錦糸町を過ぎて、下車駅の馬喰町まできても、びっしょり濡れたネクタイの結び目は固く締まったまま、ホドける気配は全くない。
 こりゃ困った。この後22時から、渋谷区初台の焼き肉屋「可禮亜」で会合がある。それなのに、
「すみませんね、講演会でかいた汗のせいでネクタイがホドけないんです」
「すみませんね、講演会で超大量の汗をかいて、ワイシャツもグショグショ。ほら、透き通って見えるでしょ?」
なのだ。ホントにワイシャツは透き通ってしまっている。
ジンロ
(韓国の「真露」が旨い)

 ま、「仕事のあとのビールの旨さを満喫」ということなら、むしろベストのシチュエーションと言っていい。「可禮亜」は、安倍首相も昔お気に入りだったという焼き肉屋。ホルモン系の旨さには定評があって、ギアラとミノのコリコリ感は「焼き肉のプロ」みたいな人や、「意地でも文句をつけてやる」タイプのチョー意地悪な御仁でも、おそらくホンキで文句を言うのは難しい。
 店のオバサマの優しさもたまらない。どんな注文にも優しい笑顔で応えてくれる。確かに「特上ホルモン」は脂が多すぎて何度でも火柱が上がり、十数回の火柱に耐えて「そろそろ焼き上がったかな?」という頃には、すっかり縮んでしまって跡形もないぐらいの小粒ホルモンに成り果てていたが、それでもオバサマにニッコリされてしまうと、もう文句のつけようがないのである。
ホルモン
(焼くと火柱の上がる特上ホルモン)

 〆の「石焼ビビンバ」も、オバサマがよく混ぜて下さった。「この石釜でここをヤケドするんですよ」とニッコリされると、「分かりました。ボクが自分でやります」とアタマを下げずにはいられない。
 今井君はオヤジだから、「石焼ビビンバ」を素直に発音できない。オヤジにとっては、石焼ビビンバはどうしても「ビビ焼きイシンバ」なのであり、「ビール」と言わずに「ルービー」、「ハワイ」と言わずに「ワイハー」、この間の寿司屋では「ホヤ」と言わずに「ヤーホー」と言って注文している人だっていた。
ビビ焼きイシンバ
(ビビ焼きイシンバ)

 そこで今井君も「〆にビビ焼きイシンバ、お願いします」とオズオズ告げてみた。若いヒトなら「ちー」とか「つー」とか「てっ!!」と失笑しそうなところ、可禮亜のオバサマはちっともイヤな顔なんか見せない。たった10分後、ビビ焼きイシンバはチャンと今井君の目の前で、ジュージュー旨そうな音を立てていた。

1E(Cd) George Benson:LOVE REMEMBERS
2E(Cd) George Benson:STANDING TOGETHER
3E(Cd) Chicago:CHICAGO
4E(Cd) Take 6:BEAUTIFUL WORLD
5E(Cd) Kazuhiko Komatu & Saint Petersburg:貴志康一/SYMPHONY ”BUDDHA”
total m115 y1030 d11225