Wed 130508 今日も身辺雑記 アジサイ 「毛虫大発生」に怯える Tシャツ3枚を断捨離 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 130508 今日も身辺雑記 アジサイ 「毛虫大発生」に怯える Tシャツ3枚を断捨離

 どう考えても、今年は天候が不順だと思う。5月下旬に「東京で梅雨入り」は許せないし、5月31日のニュースで「鎌倉のアジサイが見頃」となると、もっと許せない。
 そんなに「許せない」「許せない」と言ったって、
①「いったい誰を許せないんだ?」
②「オマエなんかに許してもらえなくたって、誰も困らねーぜ」
③「許せない場合、いったいどういう行動に出るんだ?」
など、ネット社会独特の反応もすでに予測できるので、あんまり「許せない」を連発すると、かえって自分のためにならないかもしれない。
 しかし諸君、毎年サトイモ君が鎌倉にアジサイを見にいくのは、6月中旬から下旬のことである。横須賀線を北鎌倉で降りると、必ずと言っていいほど、梅雨の生ぬるい雨が降りしきっている。
 この雨を思わず「こぬか雨」と呼びたくなるが、こぬか雨は春の季語のようで、梅雨の雨を不用意にこぬか雨と呼んだりすると、そこいら中の人に「そんなことも知らねえの?」と激しく叱責されそうだ。
断捨離1
(10年着た黒ネコTシャツの断捨離を決意)

 まあ、難しいことはいいじゃないか。ボクチンの世代にとって「こぬか雨」とは、常に大阪御堂筋で降るものであって、「コーヌカ、雨降る、ミィードウォーシュージー」以外の小糠雨なんか、この世に存在するとは思えない。
 この場合、おそらく「小糠」は「来ぬか」であって、なかなか来てくれない彼氏(または彼女)を待ちわびて、不幸な女(または男)が「あのヒトは来ないかなあ」「いったいいつ来てくれるのかなぁ」という、苦く深く苦しいあきらめの嘆息をイメージさせるわけである。
 Mac君は意地悪して「あきらめの短足」などと変換して喜んでいるが、つまり「あのヒトは来ぬか」とたくさんの男女が頬ヅエをつくような、寂しい夜の小糠雨が御堂筋をしっとりと濡らしているわけだ。
断捨離2
(この紺Tシャツも本日をもって断捨離。15年付き合ってくれた)

 そこから先の詳しい分析は、ここでは遠慮しておく。何しろ年頃の受験生の読者が多いブログである。いったい御堂筋とは何を暗示しているか、男女の行く末はどうなるのか、そんな面倒な話は、とりあえず大学に合格してから考えればいい。
 いや、ホントのことを言えば、小糠雨のことなんか一生知らずに通した方がラクチンだ。脇目もふらず勉強に励んで、ハーバードの端正な静謐やら、MITの金属的な静寂やらを目指したまえ。妙に湿気の高い日本の梅雨とか、陰影とか小糠雨とか、男女の感情の機微とか、そういうものに関心を持つのは、とりあえず10年先にした方が身のためだ。
 谷崎潤一郎や川端康成にはマコトに申し訳ないが、その証拠にMac君は「感情の機微」を変換するのに「勘定の機微」としてくれた。うにゃにゃ、押したり引いたり、甘えたりダマしたりダマされたフリをしたり、どうも毎日お風呂で長時間「アンナ・カレーニナ」ばかり読んでいるので、そういうのが面倒で、冷たいビールでスカッとしたくなってたまらない。
断捨離3
(このグレーも断捨離。何年付き合ってくれたか、これについては記憶がない)

 あれれ、ボクチンは何の話をしていたんだっけ? おお、そうだ&そうだ。「横須賀線を北鎌倉で降りると、必ず生温い梅雨の雨が降りしきっている」んだった。
 北鎌倉でアジサイ、または江ノ島でアジサイ。爽やかなアジサイの色に酔って、あとは鎌倉の生シラスやヒモノやお刺身に舌鼓を打ちながら、冷えた旨い日本酒に酔う。しかしそういうのは、毎年6月中旬から下旬にかけてのことである。
 混雑した鎌倉を避けて、あえて三浦海岸の城ヶ島を目指したこともある。もちろん城ヶ島まで行ってしまうとアジサイを満喫するわけにはいかなくて、目の前にあるのは断崖絶壁と解体されたばかりのマグロ。話はグッとワイルドになる。しかしまあワタクシは、山の中のクマと同じようなワイルドな存在だから、それはそれでかまわない。
断捨離4
(さすがにこれじゃ、断捨離も致し方ないだろう)

 それなのに、6月1日の段階でもうとっくに梅雨入りしていて、「鎌倉でアジサイが見頃」などということになったら、里芋サト助はすっかり慌ててしまうじゃないか。「今年はアジサイが楽しめないのかな?」と、せっかくの週末なのに意気消沈して過ごすことになる。
 そこへまた今井君がガッカリするような知らせが入ってくる。「大阪と奈良で毛虫が大発生」というのである。ボクは毛虫がキライ。トカゲや蛇よりずっとキライ。毛虫君のパパやママ、つまり蛾も大キライだが、毛虫君と酢とマヨネーズは、幼い頃から今井君の天敵である。
断捨離5
(断捨離を決意した黒ネコシャツ全体図)

 ボクの父・今井三千雄は、毛虫より蛇よりトカゲがキライ。あるとき風邪で寝ていたら、暢気なカナヘビ君(知らないヒトのために言うが、日本で一番平凡な、体長20cmほどのトカゲちゃんである)が寝床に挨拶にきた。「おやおやミチオさん、そんなトラか鬼のお面みたいなオッカナイ顔をして、風邪なんか引いたんですか?」というわけである。
 ところが諸君、三千雄どんの反応は、想像を絶するものであった。「カナヘビだ!!」「カナヘビだ!!」「カナヘビだ!!」とまさに絶叫しながら、部屋から部屋へ、部屋から縁側へ、縁側からお庭へ、三千雄君の激しいダッシュは、三段跳びか棒高跳びで金メダルをとってもおかしくない、言語道断に激烈なものであった。
 その息子・宏クンは何よりもまず毛虫君がキライ。別に三段跳びや棒高跳びはしないけれども、と言うか、正確には三段跳びも棒高跳びも出来ないけれども、1匹の毛虫君を間近で見るぐらいなら、お酒を3日ガマンしてもかまわない。
断捨離6
(Tシャツ黒ネコ、アップ)

 いつだったか、四国の徳島か高知の川縁で、毛虫がいっぱいにタカった樹を目撃してしまったことがある。その直後、自動販売機の下に毛深い巨大ムカデが這いずり込んで行くのも目撃したが、今井君は巨大ムカデの姿よりも、樹に大量の毛虫のたかった光景の方を嫌悪する。しかも諸君。あの時の毛虫どんたちは、そろって「頭が真っ赤、胴体が黒」という、見るからに凶悪なヤツらであった。
 「大阪と奈良で毛虫が大発生」と写真入りのニュースが流れ、「樹からボタボタ毛虫が降ってきます」というコメントを読んだ時、今井君の絶望は頂点に達した。だって諸君、「ボタボタ毛虫が降ってくる」なんて、そりゃ最悪の地獄絵図。Mac君は「じごくえず」で「事後食えず」と変換してくれたが、まさにその通り。そんなニュースを見た後は、事後食えずもいいところである。
 実はクマ蔵は「今年は6月中旬に京都でアジサイを満喫しよう」と、秘かにホクソ笑んでいたのである。それなのに、万が一京都でも「毛虫がボタボタ」という事態に陥れば、その計画も全て水の泡。せっかくの京料理も、「事後食えず」の餌食になってしまう。
にゃご
(今日もニャゴは態度が大きい)

 大いにムカついて、6月1日のサトイモ君はTシャツ3枚の断捨離を決意。すでに写真で示した通り、1枚は2004年8月に買った黒ネコTシャツ。ボスを名乗る黒ネコが、どこかニャゴロワと態度が似ているような気がして、ずっと愛用の1枚だった。何度も断捨離の候補に上がったが、そのたびに「せめてもう1回」「最後にもう1回だけ」と、クマ蔵の未練タップリのせいで生き残ってきた。
 コイツと一緒に出かけた国を列挙すれば、ポルトガル、スペイン、イタリア、ギリシャ、トルコ、フランス、ベルギー、イングランド、アイルランド、スコットランド、オーストリア、チェコ、ハンガリー、ドイツ、スイス、モナコ、アルゼンチン、ウルグアイ、アメリカ。コイツと一緒に旅した外国の街も、おそらく50や60では収まらない。
 そのことは、他の2枚も全く同じである。紺のヤツもグレーのヤツも、クマ蔵との付き合いは約10年。波瀾万丈の10年を、よく頑張って付き合ってくれた。今井君の性格を知っている人なら、Tシャツ3枚断捨離にあたってボクが流す涙がどれほど熱いか、冷酷な「キモイ」の一言なしに分かってくれるだろうと信じる。

1E(Rc) Amadeus String Quartet:SCHUBERT/DEATH AND THE MAIDEN
2E(Rc) Solti & Chicago:BRUCKNER/SYMPHONY No.6
3E(Rc) Muti & Philadelphia:PROKOFIEV/ROMEO AND JULIET
4E(Cd) Midori & Mcdonald:ELGAR & FRANCK VIOLIN SONATAS
5E(Rc) Walter & Columbia:HAYDN/SYMPHONY No.88 & 100
total m48 y963 d11158