Mon 130304 下北沢駅が消えた 連続して「今井先生ですか?」 向ヶ丘遊園の祝勝会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 130304 下北沢駅が消えた 連続して「今井先生ですか?」 向ヶ丘遊園の祝勝会

 諸君。こうして、2013年春の講演会ラッシュは無事に幕を閉じた。1月下旬から始まって、合計約30回。軽い風邪を引いたり、足のツメが割れたり、連夜の祝勝会で飲み過ぎるうちに何となく日本酒がキライになったり、いろいろあったけれども、誠実なスタッフの皆さんに支えられて、何とか乗り切ることができた。
花束
(向ケ丘遊園でもらった花束。オシャレなカワイイ花束だった)

 3月23日、向ケ丘遊園での講演を終えたサトイモ君は、新宿行の小田急線急行を下北沢で降りて、プライベートな祝勝会の会場に急いだ。下北沢はこの日から地下に完成した新しい駅の運用を開始。昭和日本を彩った懐かしい下北沢駅は、前夜を限りに取り壊しが始まった。
 地下3階の新しい下北沢駅が不便なのは、どうにも致し方ないことである。地上2階を走る京王井の頭線との乗り換えは、昨夜までは2分もあればよかったが、今日からは10分近く見込まなければならない。ただ単に地上に出るだけで、エスカレーターを2回だか3回だか乗り換えなければならないのだ。
 これは東横線の渋谷駅と同じことで、今さらブーブー文句を言っても始まらない。半年もすれば若いヒトビトはみんなが慣れて、「昔に比べて乗り換えが不便になった」などといつまでもしつこく嘆いてみせるのは、サトイモ君みたいな長老組だけになってしまうだろう。
旧下北沢1
(閉鎖された小田急線下北沢の下りホーム 1)

 しかし我々長老組の心の中では、東横線渋谷駅の記憶も、小田急線下北沢駅の記憶も、いつまでもいつまでも消滅することないだろう。むしろ現実の駅が消えてしまったからこそ、ますます鮮やかに生き続けるはずである。
 ホームのどの位置でどんな口ゲンカをしたか、改札の前でどんなバイバイをしたか。渋谷も下北沢も20歳代や30歳代でウロウロする街であるから、1つ1つの記憶の強烈さもまた格別なのだ。
 たくさんの記憶のカケラが様々に絡みあっていれば、「埼玉とつながった」「中華街や元町に行きやすくなった」の類いのちょっとした利便性と引き換えに、大事な思い出の数々をポイ捨てできるヒトは少ない。第一、中華街にも元町にもこの5~6年はご無沙汰だし、埼玉の川越や所沢には、講演会の仕事以外で特別な用事があるはずもないのである。
旧下北沢2
(閉鎖された小田急線下北沢の下りホーム 2)

 閉鎖されて1日、もはや電車が通ることのなくなった下北沢の懐かしいホームを写真に収めていると、矢継ぎ早に「今井先生ですか?」の声がかかった。1人目は、「いま法政大学の2年生です」という男子。「センター模試80点だったのが、C組→B組と受講したらコンスタントに8割とれるようになりました」とおっしゃる。
 彼と握手して記念の写真を撮っていると、その後ろからまたまたニコヤカなモト生徒が出現。今度は「慶応義塾大学SFCに合格しました」「偏差値が20ほど急上昇しました」というオカタ。C組から始めて、B組→A組と受講をつづけ、慶応・環境情報学部に合格したのだという。
旧下北沢3
(すっかり寂しくなった下北沢駅の階段)

 うにゃにゃ、要するについさっきまで高校生だったヒト。「こんな時間に下北沢なんかで遊んでていいの?」ではあるが、とにかく今井講座で慶応SFC合格なら、それはたいへんおめでたい。あんな英語の超長文を読みこなし、あんな難問を8割以上も正解しただなんて、マコトに驚くべきことである。基礎徹底の今井講座の威力は、掛け値なしにスゴイんであるね。
 受講していたのは、すぐ駅の反対側の下北沢校。4月からは母校・下北沢校でアルバイトとして働いてくれるのだそうだ。我々の強みも実はここにあって、ついさっきまで生徒だった諸君が、助手のアルバイトとして自分の経験を後輩たちに熱く語ってくれる。こういうのは、似たような業態で急速展開している他の予備校には、なかなかマネできるものではない。
旧下北沢4
(閉鎖された小田急線下北沢の下りホーム 3)

 祝勝会の会場は、太子堂の寿司屋「すし ひふみ」。下北沢から茶沢通りをタクシーで三軒茶屋方向に向かい、代沢十字路を越えてもう15秒ほど走ったあたりである。大将は、青森県八戸出身。上京したての頃は、埼玉県春日部の『福助』で修業してました」と苦笑いする。この大将としみじみ雑談しながら、日付が変わる頃まで穏やかに寿司を楽しんだ。
 開店して間もないお寿司屋さんだが、すでにこの高級住宅地で一定の客層をつかんでいる様子。初めて来てみたのは1ヶ月ほど前のことだが、噺家・林家木久扇の親子がもう「いかにも常連」という感じで和んでいたし、明日は昼から9席のカウンターが貸し切りだという。
 ケレン味のない正統派の寿司は旨いし、いかにも青森県のヒトらしい大将の誠実な人柄もいい。ついこのあいだ金沢でノドグロを食べてきたばかりだが、この店のノドグロも東金沢に決してヒケをとらない。コッソリ山盛りにしてくれたウニのお寿司や、シンプルな茶碗蒸しもいい。いろいろ入れて具だくさんにしない分、大好きな銀杏の味をしっかり楽しませてもらえた。
グラスビア
(中ジョッキ(右端)の中身が少なくなったので、グラスビール(中)を注文すると、ベビービール(左端)が冗談で出てくる。なかなか粋なジョークである)

 ただ、この店の地下にライブ演奏がウリの飲み屋があって、大将はその騒音に苦労していらっしゃる様子。確かに、中高年のヒトビトがしっとり穏やかに寿司をつまんでいる足許で、ロックやラテン音楽が床をブルブル震わせるほどの音量で響きつづけるのには、さすがに辟易する。
 「もう昼過ぎからずっとこうなんですよ」と、大将は苦笑いを隠せない。何とかしてあげたいが、うーん、地下のテナントさんもこのあたりですっかりおなじみの古株とのこと。今のところ、寿司屋のほうで我慢して、何とか共存共栄していくしかないようである。

1E(Cd) Fischer & Budapest:MENDELSSOHN/A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM
2E(Cd) Fischer & Budapest:MENDELSSOHN/A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM
3E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM①
4E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM②
5E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/EIN DEUTSCHES REQUIEM①
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