Mon 130225 京都・キャンパスプラザ講演会の詳細 中3生に京都大の過去問を解説する | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 130225 京都・キャンパスプラザ講演会の詳細 中3生に京都大の過去問を解説する

 京都での講演会場は駅前の「キャンパスプラザ」。大学の大教室と同じ構造で、上下にスライドする大型の黒板があり、講師としても使い心地満点である。この5年で3度もここで講演を実施し、「他の会場もみんなこんなふうであってくれたら」と、いつもウットリしてしまう。
 今日ここに集まったのは、たったいま高校入試を終えたばかりの中3生と、その保護者。洛南高、洛星高、堀川高など、21世紀の京都を代表するトップ校に合格した、高揚感あふれるホヤホヤの新高1生諸君。パパやママは今井君とほとんど同世代のヒトビト。息子や娘の成功に大いに気持ちを昂らせていらっしゃる様子だ。
 講演は18時からの第1部と、19時半からの第2部で構成する。第1部は「大学入試報告会」。京都大学に合格したばかりの高3生6名が登壇して、自らの輝かしい合格体験を語る。他に、合格者のお母さんが1人、お父さんが1人。聴く側の保護者にもいっそう気合いが入る。
京都1
(京都サトイモの図 1)

 合格したのは、医学部/工学部/理学部/法学部/医学部看護学科などさまざまだが、6名が6名とも実にオトナっぽいしっかりした態度で後輩たちに語りかける。さすが京大合格者、精神年齢的にはサトイモ君なんか及びもつかない「超・オトナ」ばかりである。
 今井君の出番は19時半からの「第2部」であるが、会場の後ろに立って第1部の様子も全て眺めていた。医学部に合格した高橋君のあまりに老成した話しぶりに感心し、サッカー部でトップ下のレギュラーを続けながら工学部に合格した三増君のカッコよさに感動した。いやはや、京大医学部を卒業したお医者さんよりも、むしろ高橋君のほうがずっとオトナである。
 「京大合格者の父親」として登壇した男性は、自身が京都大学医学部出身のお医者さま。こういう会場での講演もたくさんなさっているのだろう、マコトに慣れたご様子である。ニコヤカに聴衆に語りかけると、会場を埋め尽くしたパパもママも中3生たちも、一斉に詳しくメモを取る。聴く側のヒトビトも、講演を聞く態度が実にビシッとキマッているのである。
京都2
(京都サトイモの図 2)

 第1部の開始段階では50席ほど残っていた空席も、第2部が始まるまでに全て埋まってしまった。第1部が終わってロビーに出てみると、今井君の話を聞きに集まった中3生がさらに50名ほどロビーで待ち受けていて、サトイモの出現にどっと歓声があがった。あらら、これじゃとても会場に入りきれないや。立ち見がたくさん出てしまいそうだ。
 なんで中3生たちがどっと歓声をあげたかというに、昨年10月、すでに一度彼ら彼女らを相手に講演会を実施して、今日のタネを蒔いてあったのである。昨年は京都駅前の龍谷大学・響都ホール。90分間延々と大爆笑を続けた中3生たちは、高校入試が終わっても今井ファン。サトイモの勇姿を忘れていなかったわけだ。
遠景
(サトイモ君、遠景)

 第2部開始、19時45分。終了21時。出席者170名。会場キャパにピッタリの超満員になった。第1部が15分延長になったぶん、サトイモ男爵の講演時間が15分短縮になってしまったが、やむを得ないものはやむを得ない。即座に15分短縮バージョンを頭の中で構築してステージに上がった。
 素晴らしい会場だが、公的機関なので融通が利かない。「21時終了」なら意地でも21時に終わらなきゃダメ。以前、あるセンセイが延長しようとしたところ、係員のオジサマが有無を言わさず会場に入って「直ちに終了してください」と厳命が下ったのだそうだ。クワバラ&くわばら。そんなハメになるぐらいなら、自己規制して15分短縮バージョンに代えるほうがいい。
 集まった新高1生のほぼ全員が昨年秋の今井講演にも出席しているから、まさか同じ話をするわけにもいかない。主催の成基学園サンからも「京都大学の入試問題を解説してください」という依頼があったので、今日のクマ蔵はチャンと京大の過去問を準備してきた。「名高い」というか「悪名高い」というか、例の京都大学の難解な英文和訳問題である。
会場案内
(若いスタッフ諸君が会場の外で案内にあたってくれた)

 目の前に並ぶのは、新高1生とは言っても、実質は中3生。中3生140人と保護者30人を相手に、京都大学の和訳問題を解説するなどというのは、予備校講師としてほとんど自殺行為である。「むずかしすぎる」「わかりにくい」「ぜんぜん理解できなかった」「極めて不満」の類いのリアクションしか考えられない。
 しかし、主催する塾側の要望とあれば、サトイモ君は自分でも驚くほど勇敢にその要望に対処する。何しろ出席した新高1生たちは
「高校入試の段階で、センター試験レベルの英文法は修了済」
「センター試験の問題で平均140点」
というツワモノぞろい。京都や滋賀の中学受験で圧倒的な実績を誇る成基学園サン。その中でも選りすぐりのエリート集団が、今サトイモの目の前に並んでいるのである。
花束1
(花束をもらったクマ蔵の勇姿 1)

 ついでに言えば、保護者の中にも「大学受験のころは京都駿台に通っていました」というヒトビトが多い。つまり、京都駿台の誇る表三郎師の講義を経験し、例の激烈な語り口で「東京の伊藤和夫師の『構文主義』がどれほどダメなシロモノか」を毎日のように聞かされながら受験生時代を過ごした方々である。
 ボクチン自身は伊藤和夫師や彼の構文主義も大好きだったが、とにかくあの表センセイに鍛えられたヒトビトなら、遠慮は無用。というわけで、今井君が用意した教材は「和訳しても難解」というヤツ。いやはや、スタッフの皆さんの感想によれば、「日本語訳しても、そもそもその日本語さえ分かりませんね」というほど難解なのであった。
 75分のうち、前半40分ほどを大爆笑の連続に費やし、
「第1部は『どうすれば合格できるか』の体験談でした。第2部前半は『どうすれば合格できないか』、つまり東大に合格できなかった我がサトイモ男爵の失敗の原因をお話しします」
「成功談よりも、失敗談からのほうが学ぶところが大きいかもしれません」
「前半40分で『成功のためにやってはいけないこと』をしっかり確認し、後半35分で実際の京都大の過去問を1問、一気にスピーディーに解説します」
と、今日のstoryを最初に示してから、いよいよ講演に入った。
花束2
(花束をもらったクマ蔵の勇姿 2)

 しかしもちろん「3年後=たった150週間後のキミたちは、このレベルの問題を解かなきゃイケナイんだ」といくら力説されても、1行に3つも4つも知らない単語が出てくる英文を理解するのは至難のワザである。
 約20行の英文だから、知らない単語が60個ほどもゴロゴロ存在することになる。新高1生たちは、さすがにちょっとツラそうな様子。というか、プライドがチョイと傷ついた感じ。しかしそこがまさにコチラの思うツボなのであって、
「ほーら見なさい、天狗になってちゃイケナイよ」
「ほーら見なさい、今日からすぐに始めなさい」
「ほーら見なさい、高1春のうちに単語と文法をガンガン鍛えなきゃ」
という話にもっていく。マコトにありふれた展開だが、クマ蔵は彼ら彼女らに最初にその展開を断っておくから、ちっともイヤらしいニオイはしないのである。
 この日の新高1生が立派だったのは、あきらめずに懸命に最後までノートをとりながら、集中して聞きつづけたことである。超ベテラン・サトイモ閣下が肌で感じたところだと、彼ら彼女らの理解度は相当なハイレベル。普通の予備校の高卒生クラスをいくらか凌駕するぐらいには達していたはずだ。
お酒
(おみやげに旨い大吟醸酒をもらった。この後の祝勝会については明日の記事で書きます)

 そしてもちろんクマ蔵は、たった35分でこのレベルの難問を解説しきって、まさに爽快きわまりない気分。なるほど最初5分ほどは、解説している英文のレベルと目の前の受講生たちのあどけない顔のギャップに戸惑ったが、どんどん吸収してくれる生徒たちの表情に励まされて、すぐにすっかり調子を取り戻した。
 何のことはない、20年前の駿台御茶ノ水・東大スーパーコースの生徒たちと比較して、そのシャープな理解力にはほとんど差がないように感じられた。彼ら彼女らのこれからの健闘を心から祈っている。

1E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 3/4
2E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 4/4
3E(Cd) Krivine & Lyon:DEBUSSY/IMAGES
4E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 1/2
5E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 2/2
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