Sun 130224 京都に向かう セカンドチャンス 日本語から「あ」と「い」が消えつつある | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 130224 京都に向かう セカンドチャンス 日本語から「あ」と「い」が消えつつある

 3月19日、夕方から京都で講演会があり、午前11時のヒコーキで大阪・伊丹に向かった。おやおや。またまた「新幹線じゃなくてヒコーキ」であるが、昨日のWBCの結果サトイモ君を襲った意気消沈&悄然をここで一気に巻き返すには、「ヒコーキでビューン」が一番の妙薬と判断したのだ。Kuso-Majimeな常識的判断からの批判や非難はヤメにしてくれたまえ。
 羽田は、何故かガラガラである。春休みも始まったし、春の修学旅行シーズンも続いている。2日アキでも一応は飛石連休でもあるのだから、Trapicsのオジサンたちやクラブツーリズムのオバサンたちも大挙して空港に押し掛けているはず。そう予想して覚悟していたのに、拍子抜けするホドの閑散ぶりである。
京都
(3月19日、京都で講演会)

 おなじみ、ANAダイアモンドメンバー限定のスイートラウンジを今日も利用する。朝10時、温かいスープでホッと一息つくのは、なかなかいいものである。前回はクリームコーンスープだったが、今日はミネストローネ。毎回スープの種類が変わるなら、なおスバラシイ。今井君はますますヒコーキが好きになっていく。
 詳しく観察して、一般ラウンジとスイートラウンジの違いをさらにもう一つ発見する。用意されたビールが「プレミアムモルツ」と「エビス」なのだ。うにゃにゃ、講演会前ではせっかくのビールやワインも楽しむわけにいかないけれども、普通のラウンジは「スーパードライ」と「一番搾り」。ホンのちょっと差で高級感を演出しようというのは、なかなかズルくていいじゃないか。
スープ
(羽田スイートラウンジのミネストローネ)

 大阪伊丹着12時05分。今日の日本上空は麗らかな春の霞におおわれて、ヒコーキの窓からの眺めもすっかり滲んでしまっていた。大阪空港は気温22℃。サトイモ君は今日から冬のコートをヤメて、スーツ1枚で大阪に来たけれども、それでもまだ暑いぐらいである。
 昼食は、前回に続いて空港内「かつくら」。前回は「三元豚ヒレカツ御膳」を注文したのに「三元豚ロースカツ御膳」が運ばれてきて、アブラに弱いサトイモ君はちょっと胃腸の調子を害したほどであったが、クマ蔵は何を隠そう「セカンド・チャンスのハード・ビリーバー」だ。
 2nd ChanceのHard Believer? 何だそりゃ? →もちろん「誰かが失敗したとしても、失敗者が立ち直って再チャレンジするとき、彼または彼女を徹頭徹尾あたたかく応援してあげよう」というタイプの人間のことである。このあいだ見ていたアメリカの人気ドラマの中で、準主人公の男子が自分で自分のことをそう言っていた。
かつくら
(かつくら。今度こそヒレカツ御膳)

 そこで、2nd ChanceのHard Believerであるサトイモは、こんどこそ運ばれてきた三元豚ヒレカツ御膳を心ゆくまで堪能した。ホントはお酒が欲しいところだが、京都講演会開始まで残り6時間。うーん、この状況では、やっぱりお酒は御法度である。
 店員さんたちの動きもたいへん素晴らしい。お昼時だから、ほぼ満席の大混雑の中、「御飯オカワリ自由」「味噌汁オカワリ自由」「キャベツもオカワリ自由」の3本だて。注文を聞いて運ぶだけでもたいへんなのに、オカワリ自由3本だてへの対応はさぞかし大変だろう。2nd ChanceのHard Believerとしては、この間のアブラぎとぎと御膳のことをすっかり忘れてしまうぐらいに嬉しかった。
桂川
(春の桂川。京都ゆき空港バスから)

 しかし諸君、この店の店員さんに限らず、21世紀の若者たちの日本語は恐るべき変化を遂げているのである。日本語の母音から「a」の段と「i」の段がほぼ消滅しつつあるように、サトイモはいま感じ、恐れている。
 少なくともボクチンの耳には「い」は「う」にしか聞こえないし、「あ」は「お」にしか聞こえない。アラビア語の母音は「あ」「い」「う」の3つだけであって、「え」も「お」もないが、21世紀日本語からは「あ」「い」が欠けて「う」「え」「お」の3音だけになりつつあるように感じる。例えば、
1「ありがとうございました」
  →「おるごとうごぞうもすと」
2「みそしる、おかわりじゆうです」
  →「むそする、おこうぉるずゆうどす」
3「あいているせきにどうぞ」
  →「おうてうるせくぬどうぞ」
4「ひれかつごぜん、おもちしました」
  →「ふれこつごぜん、おもつすますた」
冗談でも大袈裟でもなく、冷静に聞き取ると以上のようにしか聞こえない。
オークラ
(京都ホテルの豪華ロビー)

 今井君は別に「日本語の乱れを嘆く」というタイプではないから、それはそれとして時代の流れとして認める覚悟はある。味噌汁がムソスルでも、オカワリがオコウォルでも、ありがとうがオルゴトウでも、21世紀の若者たちがその発音をカワイイと感じ、出来るかぎり口を開かないコミュニケーションを求めるなら、それはそれでしかたない。
 というか、スコトノウ。諸君、「仕方ない」→「スコトノウ」という今井君の感じ方がもし大袈裟だと思うなら、今すぐ街に出てみたまえ。春うらら、桜の花もどんどん開いて、東京ではきっとこの週末が桜の見頃だ。
 そして満開の桜の花の下、キミを取り囲む日本語の響きに身を委ねてみたまえ。「あ」と「い」の消滅が、キミが予想していた以上に急速に進んでいることに愕然とするに違いない。
 「桜の花が満開だ」とハッキリ発音する若者はすでに少数派である。「ソクロノホノゴモンコウド」。どうしてそんなに口を小さくスボめちゃうの? それって、アニメ文化とアキハのメイド文化の影響なの? ボクらオジサンやオバサンたちに今できることは何なの?
折り鶴1
(京都ホテル、今日は2031号室。京都市役所ビューだった)

 もちろん、彼ら彼女らの返答は「お前らにできることなんか、何にもねーよ」であり、21世紀の日本語では「オモエロヌデクルコトノンコ、ノンヌモネーヨ」である。いやはや、若い日本人は、いつの間にかみんなが山瀬まみになっちゃったのであった。
 13時まで「かつくら」でそういう感慨に浸っていて、13時05分の空港バスで京都駅八条口に向かう。伊丹から京都間まで、所要時間は50分ほど。「ほら見ろ、だから新幹線のほうが早いって、言っただろ!!」。若者ならば「ほろむろ、どころすんこんせんのほうごほようって、うっとどろ!!」であるが、サトイモ君からヒトコト言わせてもらえば、「どうして早いほうがいいの?」。
 羽田でミネストローネを3杯もオカワリ(オコウォル)して、伊丹で旨いヒレカツ御膳も満喫して、ヒコーキから春の霞の日本の風景を堪能。ついでに日本語の激しい変化を感じ、伊丹から京都までのバスからは、万博広場の「未来の塔」や、春の京都の桂川の景色まで眺められた。退屈な新幹線より、春の1日の満喫の仕方として、はるかに上質だったように思う。
折り鶴2
(このアングルだと、空をゆく鶴さんたちがカッコよく見えた)

 今日の宿泊は、大好きな京都ホテル・オークラ。ホントに好きなのは「京都ホテル」であって「オークラ」ではないが、その辺の気難しさを封印しないと、どんなことでも100%満喫することはできない。幸福には妥協が必須要件なのだ。
 ホントなら、ここからいよいよ3月19日の京都講演会の話に入っていかなければならない。しかし諸君、今日はすでに長く書きすぎた。感動&感激の京都講演会については、また明日の記事で詳細をキチンと述べたいと思う。

1E(Cd) Elgar & London:ELGAR/SYMPHONY No.2
2E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE DREAM OF GERONTIUS 1/2
3E(Cd) Barbirolli & Hallé:THE DREAM OF GERONTIUS 2/2
4E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 1/4
5E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 2/4
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