Tue 130115 自称・社会党応援団 ブリュッセルでのほぼムダな1日(ベルギー冬物語17) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 130115 自称・社会党応援団 ブリュッセルでのほぼムダな1日(ベルギー冬物語17)

 2月7日夜は下北沢で飲み会があって、午後9時過ぎ、混雑する南口の商店街をかきわけ、坂を降りきったあたりの脇道にある「博多とりを」を目指した。2013年に入ってからグングン景気が良くなって、夜の繁華街にも何となく笑顔が増えたように感じる。
 外貨預金で儲かったヒト、株に短期投資してガッポリ儲けたヒト、プラチナや金の高騰でシコタマ儲かっちゃったヒト、みんなみんなマコトにおめでたい。しかし何よりもおめでたいのは、みんなの給料が上がることである。
ねこさん
(ブリュッセルの雑貨屋で発見。このネコどんはなかなか可愛い)

 「ローソンで若手社員の給与を増額することが決定」というニュースなんかは、おお、スバラシイことこの上ない。今井君なんかは愚かなサトイモだから、ローソンに拍手喝采をおくりたい気持ちが高じて、「よおし、今日からコンビニはローソンを優先して利用しよう」と決意したほどである。
 そこで、下北沢の飲み会から帰った今井君は、超深夜にも関わらず決意をさっそく実行に移した。兼好法師の言うとおり「歳月はヒトを待つものかは?」であって、思い立ったらすぐ実行が大事。ローソンのために、1枚16000円もする東京文化会館のバレエのチケットを、ローソンチケットを利用して2回分(3月上旬/3月中旬)購入したのである。
 2月8日、ローソン経営陣の決断を政府首脳も「素晴らしい動き」と高評価。甘利大臣も、4年前マスメディアに蛇蝎のごとき扱いを受けていた麻生副総理も、すっかり表情を緩めて「マコトにスバラシイことだ」と声を揃えた。マコトにスバラシイことである。
サンミシェル1
(ブリュッセル、サン・ミシェル大聖堂)

 今井君なんかは、ホントにホントに単純なクマさんだから、冬眠中にも関わらず穴から踊りだしたくなるぐらい、この好景気がうれしい。違和感があるとすれば
「あれれ、社民党は何をやってんの?」
「ホントなら2月の日本は『春闘』の真っ最中。労働組合の賃上げ交渉や、待遇改善の団体交渉に、社民党幹部がテレビ出ずっぱりの大活躍をしてなきゃイケナイ季節。それなのに、党首の福島サンはどこに消えちゃったんだ?」
である。
 そこで「社民党は何やってんだ?」であるが、おそらく何もやっていないか、「社民党本部ビルの改修工事に、震災復興費を流用」という報道を受け、マスコミの攻撃を恐れて、どこかに身をひそめて嵐の過ぎるのをひたすら待っているのである。
社民党
(社民党のスキャンダルを伝える朝日新聞。2月2日、38面)

 諸君、デフレ脱却&景気回復が20年ぶりに始まった今こそ、社民党の出番なのである。いや、正確には「社民党の出番」ではなくて「日本社会党、いよいよ復活の時」が来たのである。これほどの大チャンスに、頭を抱えて逼塞しているとは、マコトに情けない。
 だって、「震災復興費を流用」などというのは、社民党自身があんなにオッカナイ顔をして追及していた大スキャンダルだ。それなのに、「自分がやっちゃった」と明らかになった瞬間、「よくわかりません」とどっかに隠れちゃうんじゃ、20世紀を彩った2大政党の名が泣くじゃないか。
 それよりミジメな感じが拭えないのは、かつて「日本社会党の機関紙」とさえ揶揄された朝日新聞でさえ、このスキャンダルについて滑稽味を混じえた報道に徹していることである。
 第1報は、2月2日朝刊の社会面。38面での「トピックス」扱いである。第2報は、その日の夕刊の「素粒子」。「貧すれば鈍する」の一言が掲載され、そのあとはカンペキに黙殺の姿勢を通している。
サンミシェル2
(サン・ミシェル大聖堂、近景)

 うにゃにゃ、今井君は、悔しいのである。明日か明後日のブログ記事で詳細に述べるが、今井君の父親は、40歳代から50歳代にかけて、国鉄労働組合に対する対策を命じられた中間管理職。「日本社会党」と聞いただけで、ヒタイに青筋を浮かべ、鬼のような表情を浮かべていた男である。
 その息子の今井君も、小学3年でアンチ社会党。中学→高校→大学学部時代、「社会党、許しがたし」一本槍で過ごしていた不思議な青年であった。1980年代、経済学部ではまだマルクス主義経済学がマジメに論じられ、青年たちの多くがまだマルキシストだった時代に、サトイモ君は特異なコドモだったに違いない。
マリアさま
(サン・ミシェル大聖堂で 1)

 なのに、大スキャンダルを引き起こしてさえ、世論もマスメディアも黙殺。やっぱり一番ひどいのは朝日新聞で「貧すれば鈍する」。かつての盟友を、そんなふうに残酷に切り捨てて、恥ずかしくはないのか。
 酔っぱらった今井君は、今や「社会党再生委員会」「社会党大応援団」を立ち上げようと意気込むほどの勢い。下北沢で深夜までカッカ&カッカ、カッカ&カッカッカしていた。その暴論については、明日か明後日のブログで書きまくる。
ステンドグラス1
(サン・ミシェル大聖堂で 2)

 社会党応援団を自称するにあたって、「もちろんこれは無知な古老の暴論にすぎない」と断っておく。だって諸君、ベルリンの壁が崩壊して20年以上が経過。マルクスもエンゲルスも150年前の亡霊か、何かの間違いを1000か2000積み重ねた「誤解のミルフィーユ」みたいになっちゃった。
 カビだらけになって、やがて立派な苔が成長し、サザレ石にまさにコケがムスほど、コケコケしてコケきっている社会党を、たったひとりで応援しようと言うのだ。今の社会党を「日本経済再生の決め手」とまで絶賛するには、789歳の古老・今井君の手腕がどうしても必要なのである。
ステンドグラス2
(サン・ミシェル大聖堂で 3)

 そこで本日のブログはマコトに感心なことに、1月18日、丸一日をムダに過ごしたブリュッセルの阿呆グマの足跡を、丹念にたどるだけに留めよう。
 本来、「自分の失敗は隠蔽しよう」という性質の人間なら、「ブリュッセルで丸1日怠けてました」「完全に1日ムダにしました」とか、「他人の予算流用は追及しながら、自分は抜け目なくチャンと流用してました」などという正直な告白は避けるものである。
 しかし、やっぱり告白しなければならない。ベルギー滞在8日目の1月18日、今井君は完全に丸1日をムダにすごした。朝8時に起床したのはいいが、お風呂にゆっくりつかって、ビールを飲みながらブログを書くうちに、「もう1本」「もう1本」と禁断の朝ビールに手を出した。前夜、コンビニ「カルフールEXPRESS」でたくさん買い込んでいたのだ。
サンミシェル3
(サン・ミシェル大聖堂で 4)

 そもそも、ベルギーという国がイケナイのだ。同じ味のビールなら、どんなに「キレ」や「のどごし」を宣伝しても、グラス3~4杯で飽きがくるもの。しかしベルギービールなら、レフブロンドに飽きたらレフブラン、ブリュージュトリプルに飽きたらシメイブルー、デュベルに飽きたらベルビュークリーク、いくらでも目先が変えられる。朝の風呂上がりに5杯でも6杯でも、どこまでものめり込んでいけるのだ。
 こうなると、もはや今井君は「ちょーちょ&ちょーちょ、ナノハにとまれ、ナノハに飽いたらサクラにとまれ」のアリ地獄にハマったも同然。気がつくと「もう1回暖かいベッドに入るのもいいな」であって、最終的な起床は11時半を過ぎていた。
ケルデルク
(この日の昼食は「ブラバン公爵の館」の地下「ケルデルク」を選択)

 本当はこの日は、ブリュッセルから電車で1時間、「北方のヴェネツィア」と呼ばれる美しいブリュージュの街を訪ねる予定でいた。でも、でござるが、朝のビールの飲み過ぎで、チョイと頭が痛い。「たかがビールで、酔っぱらったの?」と奇異に感じるヒトは、アルコール度8~9であることを忘れてもらっては困る。
 すっかり仲良くなったハウスキーピングのオバサマに呆れられながら、ようやくサトイモ閣下がホテルを出たのは13時頃。もうとても「ブリュージュを訪ねて来よう」などという融通のきく時間帯ではない。仕方がないので「今日はブリュッセルで丸1日、まだ見ていない裏町までしっかり歩き回ろう」と決意。まず、サン・ミシェル大聖堂を目指した。
自分撮り1
(ケルデルク前で)

 サン・ミシェル大聖堂は、1516年、カール5世がここで戴冠式を行ったことで有名。13世紀に建設開始、300年かけて、ようやく15世紀に完成した。マコトに由緒正しき教会で、1999年にはロイヤルウェディングもあり、朝ビールで泥酔しちゃったダラしないサトイモなんかが、酒臭いゲップをしながら訪れるだけでも、畏れ多い場所でござる。
 あんまり畏れ多いので、「腹、へった」など不謹慎な欲望をアラワにするのも控えなければならないが、せっかくなのでグランプラスに引き返し、「腹、へった」という困った状況への直接的解決策に打って出ることに決めた。
自分撮り2
(ケルデルクでも自分撮りに励む)

 デフレなら、お札をバンバン印刷して公共事業。儲かったら、肩を組んでコブシを振りあげて給与ベースアップを求め、皆でもっとたくさん税金を払って、赤字財政からの脱却を図る。「腹、へった」なら、旨そうなレストランにドヤドヤ押し掛け、肉をムサボリ、酒をあおり、対ムール貝大戦争を仕掛けて、とにかく「腹、ハチ切れそうだぜ」「助けてくんろ」と絶叫する。
 そういう乱暴な行動をドカンドカン遠慮なく続けるのがクマやサトイモの好みなので、臆病な学者センセーが「いや、危険です」「いや、リスクがあります」と難しい顔で御説を開陳されると、「まあセンセー、一緒にムシャムシャやりましょうや。難しいお顔は、身体に毒ですよ」とニタニタしたくなる。おお、さすが早稲田卒である。
殻入れ
(まず、ワインと殻入れが運ばれてくる)

 選んだ店は、グランプラスで初めて入る洞窟レストラン「ケルデルク」。ブラバン公爵の館の半地下の店である。7~8段の階段を降りていくと、薄暗闇の中に長テーブルがあり、カウンター席があり、さらに小テーブルが3つだか4つだか、キチンと並んでいる。30人も入れば満員の小さな店である。
 真ん中の席に案内され、チェリービール「MORT SUBITE」と、白ワインのデキャンタを注文。大好きなレフ・ブロンドも飲み干して、そこでキチンと座りなおして姿勢を正し、いよいよ対ムール第7戦に突入。昨日のアントワープの「トリプル・ビール蒸し」が苦すぎたので、今日は定番の白ワイン蒸しに戻って、着実な勝利を狙う。
 「はたき込み」や「けたぐり」や「うっちゃり」の奇襲で勝利を収めた横綱が、親方衆やマスメディアの批判にさらされ、一般市民のインタビューでも「横綱の品格を汚すような気はしますけどね」と生意気なことを言われて、「仕方ない。しばらく『寄り切り』一辺倒のツマラン相撲に徹しよう」と決意するようなものである。
本日のムール
(対ムール7連勝。店内が暗すぎて何が何だか分からない)

 なお、ここで訂正を申し上げる。昨日の記事のアントワープ第2日、「対ムール第6戦」で「白ワイン蒸し」とあるのは「トリプル・ビール蒸し」の誤りであった。「蒸し方なんか、蒸し。おっと、無視しちゃってもいいんじゃね?」とも考えたが、さすがに臆病なクマどんは、蒸しを無視する大胆さを持ち合わせていない。
 あらら、「ムダな1日」を丸1日描写するつもりが、まだ半日しか経過しないうちにA4版4枚目が埋まろうとしている。世の中の「うっちゃり&はたきこみ批判」もコワいが、「長過ぎて、読む気がしねえ批判」も、サトイモどんの品格に関わりそうでコワい。クワバラ&クワバラ。本日はムダな1日の半分を描写するだけに留めておこう。

1E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE②
2E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE①
3E(Cd) Perlea & Bamberg:RIMSKY-KORSAKOV/SCHEHERAZADE
4E(Cd) Perlea & Bamberg:RIMSKY-KORSAKOV/SCHEHERAZADE
5E(Cd) Perlea & Bamberg:RIMSKY-KORSAKOV/SCHEHERAZADE
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