Wed 130109 意見は言ってみるものだ 和歌山で講演会 吉祥寺スタジオで本年初収録 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 130109 意見は言ってみるものだ 和歌山で講演会 吉祥寺スタジオで本年初収録

 1月30日、和歌山県和歌山市で講演会。2連泊した大阪都梅田の「ホテル阪急インターナショナル」を12時にチェックアウトして、和歌山に向かうことにした。
 昨年秋にこのホテルに宿泊したとき、チェックインの段階で「当ホテルでは『前金制度』を導入しております」と女性フロントクラークに言われてビックリした。つまり「泊まりたいなら、先にカネを払え」ということである。
和歌山1
(1月30日、和歌山県和歌山市で講演会 1)

 日々世界中を旅して、芭蕉なみに「旅を住処とする」今井バセオ君としては、あそこでどうしても黙っているワケにはいかなかった。到着した旅人を迎えたとき、ホテルマンなら「お疲れになったでしょう」「今夜はゆっくりお休みになってください」と暖かく迎えるのが世界の常識。「部屋に入る前に、まずカネを払え」とは言わないものである。
 そこで昨年秋のサトイモ君は、仕方がないからクレジットカードを出して前払いを済ませながら、ごく穏やかに疑問を述べてみた。だって、繰り返すが、このホテルの名前は「ホテル阪急インターナショナル」。全室スイートが自慢の高級ホテルなのである。
「うーん、でも『前金制度』って、どういうものでしょうかね。旅人をねぎらう立場のホテルマンが『先にカネを払わないと部屋には入れないよ』って、通せんぼでもしてるみたいですよ。外国のお客さんなら、その無礼さに腰を抜かしますよ。それじゃ『インターナショナル』の名前が泣くんじゃありませんかね?」 
吉祥寺スタジオ1
(2月1日、吉祥寺スタジオで本年初収録)

 あのときカウンターに立っていた2人のフロントクラークは、「意見を言う日本人」にちょっと面喰らいながらも、たいへん素直に聞いてくれた。おそらく自分たちも、上司なり経営陣から命じられた「前金制度」に戸惑い、しかしやっぱり上司がコワくて疑問を述べることが出来なかったのだ。
 あれはもう3ヶ月も前のこと。今井君は穏やかに「上司の方に、私の意見を伝えてください」とお願いした。2人のうちの1人は熱心に頷いてくれて、「ご意見、ごもっともでございます」「必ず上司に伝えます」と言ってくれた。丁寧な対応がとても気持ちよかった。
 しかし、今井君としては全く期待していなかったのである。フロントなんかでいくら熱意をこめて意見を言ったって、「うるさいクレーマーがきた」「チョー、ムカつく」「おかしいんじゃね?」と陰口を叩かれるのが関の山。「日本という国は再生不可能なほど劣化した」と感じる瞬間である。客としては、「あんなホテル、2度と泊まってやらない」と冷ややかで捨て鉢な対応をとるしかない。
和歌山の街
(春の陽気の和歌山市。ビルの向こうに和歌山城が見える)

 ところが諸君、2013年1月に再び宿泊してみると、「前金制度」はキレイさっぱりヤメてくれている。前金制度の「ま」の字も、痕跡さえ残っていない。それどころか、フロントクラークも、ベルボーイも、「何か困ったことがございましたら、遠慮なくお知らせください」と優しい声をかけてくれた。
 「その場で意見を言わないで、あとから意地悪な陰口をたたく」というのが、一番イケナイのである。聞く耳をもつヒトにチャンと意見を言えば、ホテルでも飲食店でもキチンと対応して努力してくれる。意見を言わないで見放すだけじゃ、世の中はちっとも改善しないじゃないか。
和歌山2
(和歌山での講演会 2)

 さて1月30日の関西地方は、突如として春を思わせる陽光に包まれた。暖かい風に乗って、中国からはマコトに迷惑な大気汚染物質が大量に飛来していたのであるが、あの日の今井君はそれを知る由もない。
 「突然、春が来たな」と実感しながら、大阪環状線で梅田から天王寺へ。天王寺でJR阪和線特急「くろしお」に乗り換えて、和歌山に向かう。天王寺には河合塾の大きな校舎があって、「お、今井だ」「あ、今井先生だ」「モクゲーキ!! ツイッターに目撃情報のせちゃお!!」という受験生たちの視線が痛い。
 「くろしお」が天王寺を出ると、まもなく右の車窓にシャープ大阪本社が姿を現す。11月中旬から一気に好景気と円安&株高になって、とりあえず経営危機からは脱出しつつあるらしい。「頑張ってくださいませ」。無力なボクチンは、とりあえずそういう無責任な声援をおくるばかりである。
 しかし、「無力なボクチン」と謙遜はするものの、さすがに789歳の古老だけのことはある。何だか分からないが本能的に世の中のことがよく分かるのである。「たかが予備校講師だろ」とか、いたずらにこのクマを蔑視していないで、古老の意見はよく聞いてみる価値がある。
和歌山3
(和歌山での講演会 3)

 例えば、ベルギーから帰国した翌日のブログで「2週間分の朝日新聞を一気読み」と書いた。旅行中の留守宅にたまってしまった新聞を一気に読むのが、帰ってきた今井君の習慣であるが、あの日のブログに「1月17日、どうも朝日新聞の論調が大きく変わったようだ」と記している(Wed 130102「新聞2週間分」を参照)。
 何の根拠も論拠なく、感じたことを書いただけだったが、後から判明したところでは、1月16日をもって朝日新聞主筆・若宮啓文というヒトが退社していたらしいのだ。この若宮氏、朝日の中でも『筋金入りの反自民』で有名だった人物である。
 「反自民は朝日の社是」と発言したとかしないとか、ネットではそんなことまで取りざたされている。頑固一徹なオジサマは今井君も大好きだが、とにかくこのガンコな人物の退社が潮流の変化につながったらしい。その潮目を、本能的に見事に発見した今井君♨。要するに自慢したいだけである。うにゃにゃ、ニャゴニャゴ、でござるね。
和歌山4
(和歌山での講演会 4)

 まあ、そういうクダランことを思いながら、天王寺の駅で買った「神戸ステーキ弁当」をムシャムシャやっているうちに、「くろしお」はたった40分で和歌山に着いた。「くろしお」は、このあとさらに紀勢本線をひたすら南下。熊野古道を新宮の街まで3時間走りつづける。いやはや、マコトにご苦労なことである。
 和歌山での講演会は18時半からであるから、まずはホテルグランヴィアにチェックインして、ゆっくりこの日のブログを更新する。「サトイモ君って、何でこんなに勤勉なんだろう♡」と嬉しくなる時間帯でござるね。
 さっきまでいた梅田の「ホテル阪急インターナショナル」のチョー豪華なお部屋が1泊18000円。グランヴィア和歌山のごく平凡な狭いお部屋が1泊20000円。和歌山には他にホテルがあまりないからこうなるが、寡占や独占の弊害を中学生に理解させるには、これはちょうどいい素材になりそうだ。
トンカツ
(伊丹空港「かつくら」のヒレカツ御膳)

 和歌山での講演会は、「和歌山ビッグ愛」の大ホールにて。18時半開始、20時終了、出席者160名。岸和田や堺東の校舎と同じ加盟校さんで、今井君もこの塾長先生にはもう8年前からすっかりお世話になっている。講演前にも、講演後のお寿司屋での祝勝会でも、いろいろなお話を聞かせてもらって、大いに楽しい夜になった。
 160名の中に、「初めて東進に来ました」という新規の高校生が80名も含まれている。塾長先生やスタッフの皆さんの奮闘のおかげであって、感謝&感謝、大感謝。こうなれば今井君も90分間200%の力を出し切って、大奮闘で応えるしかない。
 結果としては、「20分に1回の大爆笑」という今井スタンダードの上級編を達成。あんまり大満足だったから、「お寿司屋での祝勝会でカキ鍋を注文する」という魔法の変化球を繰り出して、この夜の感激を心に留めることにした。
トンカツ拡大図
(ヒレカツ、拡大図)

 翌日もやっぱり春の陽気。やっぱり中国からの大気汚染物質が飛来して、日本の空は赤茶色く霞んでいた。朝9時にホテルをチェックアウト、「くろしお」で昨日のルートを逆に北上、新大阪駅から伊丹空港までタクシーを利用した。伊丹空港で何となく空腹を感じ、空港内「かつくら」で160グラムの高級ヒレカツで満腹してから、羽田行きの飛行機に乗った。
 上空から見ても、空はやっぱり赤茶色。これは日本政府として、中国に対策を強く申し入れるべきなんじゃないか。もし「北京1日滞在がタバコ21本分に相当」なら、北京の人々のためにも、隣人として黙視するわけにはいかない。
吉祥寺スタジオ2
(スタジオで あいも変わらぬ 自分撮り 作:今井バセオ)

 2月1日、吉祥寺スタジオで2013年最初の授業収録があった。
①特別招待講習「特別編」90分
②受験生への激励2分間
以上2本である。
 ①は何しろ「特別」の2乗だから、ものすごく特別かつプレミアムであって、この90分を1本受講したら、きっと5000円のユンケル2本一気飲みしたビジネスマンみたいに、縦横無尽に世界を駆け回ることだろう。
 受験生諸君はまだ世界を駆け回るには早いから、とにかく早く受験勉強の世界を縦横無尽に駆け回りたまえ。今回の「特別編」は、おそらくどんな受験生をも一気にその気にさせる大傑作である。扱っているのはセンターレベルの整序英作文であるが、全国の受験生諸君、どうかこぞってお誘い合わせの上、受講していただきたい。

1E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE②
2E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE①
3E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE②
6D(Pl) Opéra National de Paris:DON QUICHOTTE:Opéra Bastille
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