Thu 121115 「ブログ」というもの全体の衰退が心配 岐阜で講演会 「乾杯」とペロン | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 121115 「ブログ」というもの全体の衰退が心配 岐阜で講演会 「乾杯」とペロン

 アメーバ内でのアクセス順位が驚くほど上位にきて、今井君はちょっと困惑している。こんなにたくさん超人気タレントさんたちのブログが集中しているアメーバで、一般人に過ぎない今井君ブログが1400位台まで上昇しているのである。
 一昨年だったか、誰かのイタズラで1日だけ300位台まで上昇したことがあった。それは明らかにイタズラだったので、ある特定の1時間に2万件近いアクセスがあったのだから、ネットやPCに詳しくないクマ蔵だって「こりゃおかしいな」と一瞬で分かった。
 あの時を除けば、今井君ブログの一日平均アクセス数は5000から6000。多くとも8000アクセス。予備校講師としてはこのぐらいが幸せの限度なので、万が一1日で2万とか3万とかいう数字になれば、おそらく何かイタズラが絡んでいる。アクセス数が多いからといって、単純に喜んでばかりもいられないのだ。
 しかし、例えば昨日は約5500アクセス。6000アクセスまですら行っていないのに、順位が1500位以上に上昇するようなことは、この4年半で初めてである。普通なら6000アクセスで1700位台、5000なら1900位以下に後退することもあった。
岐阜1
(12月9日、岐阜で講演会)

 それなのに、昨日は5500アクセスで1400位台。これは心配だ。「ブログ」というもの全体の読者が、ツイッターなり何なりに押されてグングン数を減らしているんじゃないか。そういえばアメーバどんだって、最近どうもブログ以外の分野に関心が向いているような気配がある。
 確かに、2~3行の文章しか書かないツイッターのほうが、21世紀のヒトビトには「簡易」なのかもしれない。他人の話を最後まで聞かないで、自分の意見だけパッパと言い放つほうが気楽。長文を書かなければならず、読者もその長文に付き合わなければならないのは面倒だ。ブログが廃れるのは時間の問題なのかもしれない。
夜景
(名古屋マリオットホテル、40階からの夜景)

 しかしサトイモ君みたいな時代遅れのクマから見ると、キチンとした意見を言うのには最低でもセンテンスが4つ必要なのだ。
① 第1文で主張を述べる。
② 第2文で具体例を示しながら主張の根拠を述べる。
③ 第3文で「予想される反論」に対する暖かい理解を示す。
④ 第4文で「予想される反論」への論駁を示して、自らの主張を確認する。
 以上の手順を踏んで初めて、「意見」の名に値する説得力ある主張を示すことができる。いわゆる「パラグラフ・ライティング」でござる。
朝景
(名古屋マリオット、40階からの朝の景色)

 すると誰でも分かることだが、読者とのコミュニケーションに気を配りながら書くには、4センテンス→最低限で約200字が必要。どれほど簡潔な文章を書ける人でも、相手を説得しようと思えば、出来れば400字ぐらいは欲しい。
 それ以下だと、単なる自分の印象を吐露したり、相手の事情や感情や意見を一切無視して、自分の言いたいことだけを言い放つことになりがち。要するに相手のことを思いやりながら慎重に話を進める余裕がなくなるのだ。
 もちろん、今井君なんかとは別格の優れた文章力をもつヒトが世の中の大半を占めていると言うなら、こんな心配は杞憂なのだ。「140字以内で、相手の事情をおもんぱかりながらしっかりとした意見を述べられる」、そういうヒトが圧倒的多数を占めるなら、ツイッター全盛→ブログ衰退でも、全然かまわない。
飛騨
(名古屋から岐阜は特急「ワイドビューひだ」に乗る)

 しかし諸君、「たった5500アクセスで1400位台」、これはやっぱりどうしても心配だ。プロの物書きではない今井君みたいなシロートが、慎重にものを考え、世の中に向かって慎重にものを言おうとするなら、ブログ形式こそベストだと信じるのである。
 直観的なツイッターも確かにスバラシイんだろうが、諸君、もっと積極的に長いブログを書き、かつ読もうじゃないか。いろんな発信ツールを与えられた幸福な世代のヒトビトが、「自分の直観を言い放つだけ」「書いてやったぜ」「言ってやったぜ」で満足してるんじゃ、「ツールをチャンと使いこなしている」とは言えないと思うのだ。
富山行き
(特急「ひだ」は大雪の高山本線をゆく)

 12月9日、岐阜県岐阜市で講演会。午前11時開始、12時終了。対象は中3生とその保護者、出席者約250人。「岐阜県に大雪警報」「多いところで積雪70cm」という恐ろしい予報の中、ホントにたくさんのヒトが集まって、会場は完全に超満員になった。
 開始時間が早かったから、今井君は前日から名古屋に入って講演会に備えた。午前11時開始ということになると、9時には開場入りしたい。9時に岐阜にいるには、東京駅を朝6時に出なければならない。代々木上原発5時半でも遅いぐらいだ。ならば、前日から名古屋に入って準備万端整えたほうがいい。
岐阜ツリー
(岐阜都ホテルも、クリスマスムード全開である)

 クリスマスモード全開の名古屋マリオットに宿泊して、名古屋8時40分発の高山本線経由富山行き特急「ワイドビューひだ」グリーン車で岐阜に向かう。「ひだ」は岐阜まで後ろ向きで走る。高山本線に入ると進行方向が変わるので、名古屋-岐阜間は全ての乗客が後ろ向きで我慢することになっている。
 会場は「岐阜都ホテル」。ここではもう毎年のように講演会を行なっているから、今井君もスミズミまで熟知している。ただし、講演時間は55分。普段90分の講演に慣れているサトイモどんにとって、それを約2/3に縮小しなければならない。その短縮作業がなかなか難しい。
岐阜2
(岐阜での講演会 2)

 しかしまあ、相手は「高校入試まで残すところ100日」という中3生と保護者だから、黙っていてもホントによく聴いてくれる。
 よく講演会冒頭で「静かにしろ!!」「よく聞け!!」と怒鳴ってしまうエラいサンを見かけるが、怒鳴らなければ話を聞いてもらえないご自分が悪いのだ。話がキチンと面白いものならば、聞く側だって自然に黙って聞くのである。ましてや、出席者がみんな切羽詰まった状況なら、講演者の努力は半分で済む。今日の今井君ほど楽な立場はないのである。
岐阜3
(花束をもらって、まだ喋るクマ)

 ただ今日は、お日柄もヨロシイ日曜日。岐阜都ホテルはそこいら中が御目出度い結婚式ラッシュ、ホントにマコトに御目出度い。講演の最中、お隣りの大広間から披露宴の歌声が響いてくる。
 新婦のお友達がそろってファルセットで歌うお祝いの歌。新郎の友人たちが歌う長渕剛「乾杯」。ツラい受験の話とはかけ離れた、明るくおめでたい世界が壁の向こうでは展開している。乗りに乗った今井君は(Mac君は「海苔に乗った今井君」。おやおや、海苔巻クマ蔵でござるね)、ついついマイクに向かって「乾杯」冒頭を熱唱。会場からは拍手が湧き上がった。
花束
(岐阜でもらった花束)

 すると、何と驚くじゃないか、会場に貼り出された「今井宏先生講演会」の横断幕の半分が、ものの見事にペロンと剥がれ、ペロンと剥がれた半分は、ものの見事に重力の法則に従って、ペロンと床に落ちてきた。諸君、受験生とその保護者の目の前で「見事に落ちた」のである。
 こりゃいいや。これを今井君がネタにしないわけがない。代ゼミ時代、オマモリとしてお掃除用スポンジ「激落ち君」を推奨したほどのサトイモである。「激落ち君」に悪運をすべて吸い取ってもらえばいい。同じように、たったいま剥げ落ちた横断幕にイヤな運をぜんぶ吸い取ってもらえばいい。偶然の出来事を、悪いほうへ悪いほうへ考える必要は皆無である。
岐阜4
(ペロンちゃんの後も、クマ蔵は奮闘する)

 以上、お隣りの長渕剛と、横断幕ペロンちゃんにも助けられて、今日の講演会もまた大成功。秋冬シリーズもいよいよ最終盤を迎え、ラストスパートにますます力が入ってきた。
 岐阜からの帰りも、名古屋まではまたまた「ワイドビューひだ」。だからまたまた後ろ向き。岐阜入りするのも後ろ向き、岐阜から出るのも後ろ向き。長渕剛に横断幕ペロン。はなはだシュールな世界だが、だからこそ世の中は面白い。ケラケラ笑ったまま、17時半に東京駅に帰ってきた。
帰りのチケット
(帰りのチケット)


1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES①
2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES②
3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES③
4E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES④
5E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES⑤
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