Thu 121101 明日朝からの講演会に備えて札幌入り ラーメンを食べるためだけに旭川へ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 121101 明日朝からの講演会に備えて札幌入り ラーメンを食べるためだけに旭川へ

 11月24日、世の中は3連休の中日であるが、サトイモ男爵はいま羽田空港のラウンジでこれを書きはじめた。明朝10時からの講演会に備え、今日中に札幌に移動しておかなければならない。
 天気予報によれば、今日も明日も札幌は雪である。朝のNHKニュースを見ていたら、旭川は大雪ですでに積雪18cm。札幌と旭川では状況が違うだろうが、特急電車で1時間半足らずの距離である。札幌だって相当な雪に違いない。
大雪の図
(11月24日、北海道・美唄市付近で)

 北海道のヒトビトは、たった18cmの雪を大雪とは呼ばない。秋田出身の今井君から見ても、18 cmという数字は「たった18cm」であって、本格的な積雪からはホド遠い。しかしまだ11月、京都や東京ではまだ「紅葉が見頃」の頃の18cmは、同じ18cmでも心理的な圧迫感が違う。
 では、こんな雪の中、しかも午前10時からサトイモ講演会に400人以上(予定では午前の部300人、午後の部130人)もの人が足を運んでくれるのか。うにゃにゃ、今井君はチョイと心配ではあるのだが、とにかく今日中にチャンと移動だけはしておかなければならない。
夕暮れ
(11月24日、北海道・深川市付近で)

 靴も、大雪用の靴を履いてきた。20cmだろうが30cmだろうが、この靴なら大丈夫。ただし、逆に東京都内での移動には十分に恥ずかしい。「オマエ、何でそんなゴツい靴を履いてんの?」と道ゆく人々が呆気にとられているような気がする。
 飛行機は1時間半で新千歳空港に到着。12時に羽田にいて、13時半はもう北海道に降り立っているわけだから、こりゃ便利でござる。まあ呆気ないと言うか、旅情が決定的に不足すると言うか。
自分撮り
(美唄市付近でクマ蔵どんの自分撮り)

 大学2年の夏、友人たちと出掛けた北海道は、常磐線回りの夜行急行で14時間、青函連絡船で4時間半、函館から札幌まで急行列車で5時間だったか6時間だったか、今なら十分に地球を一周できるぐらいの時間がかかった。
 そこで、旅情が大好きなサトイモ大将は、新千歳から一気に旭川まで北上する。「なになに? 明日朝から札幌で講演会が2本あるのに、旭川だって?」と、ムズかしいKM君たちがムズかしい顔をさらにムズかしくして、ムズかしいことを言い出しそうが、誰が何と言おうと、どうしても今井君は旭川までラーメンを食べにいきたいのである。
 そもそも、せっかく北海道まで来て、仕事だけしてさっさと帰るようなムズかしい発想だから、仕事それ自体でも大したことができないのだ。北海道に来たらラーメン、ヒツジのお肉、またはカニ。そういうものを詰め込めるだけ詰め込まないと、北海道の人にも失礼じゃないか。
旭川
(旭川に到着)

 という訳で、初冬のクマ将軍は札幌を素通り。すでに大雪の降り積もった岩見沢→美唄→砂川・滝川・深川と石狩川沿いに北上する。札幌までの車窓からはほとんど雪は見えなかったが、岩見沢あたりから風景が一転、一面の雪景色になった。
 雪が積もると、列車がレールの継ぎ目を踏んでいく音が変わる。鉄と鉄がぶつかりあう硬質の響きが、雪片と雪片の間の空気に吸収されて、深くやわらかく優しい音質に変化するのだ。
 サトイモ閣下は、東京の電車で睡魔に襲われることは全くないが、信越や北東北や北海道を列車で旅していると、深い大きな睡魔に全身を委ねたくなる。おそらくその原因はレールの優しい音なのだ。事情は、外国旅行中でも同じ。3年前の12月、ウィーンからブダペストの列車でもそうだった。
暖簾
(目指す「すがわら」正面図)

 11月24日、3連休の真ん中の土曜日で、北海道内の列車は言語道断に混雑している。まず新千歳空港駅「みどりの窓口」で「札幌から旭川まで、指定席は満員です」「自由席で行っていただくしかありません」とニコヤカな表情で宣言された。
 今井君は別に「指定席じゃなきゃイヤだ」と駄々を捏ねているのではない。自由席だって、慣れたものである。しかし普通に「自由席で」というのと「指定席が満席なので自由席で」というのでは、状況が全く違う。指定席が満席なら、自由席はまず確実に大混雑である。「旭川まで延々と立ったまま」という事態だって覚悟しなければならない。
カウンター
(すがわら、カウンター風景)

 しかも諸君、サトイモ男爵はビジネスがあってヤムを得ず旭川に向かうのではない。「遊びで」「お忍びで」「ラーメンを食べるためだけに」旭川に行く。ヤムを得ない旅ならば、立ったままでも構わない。しかし物見遊山や「ラーメンだけ」を目当てに、そのために2時間タチンボで行くのはミジメ。哀れさえ誘うレベルである。
 北海道って、何でこんなに混んでんの? 25年昔なら、「いよいよスキーの季節がやってきた!!」だった。「私をスキーに連れてって」であって、11月23日に秩父宮でラグビーを観戦した早稲田の学生も慶応の学生も、翌日にはニセコや富良野を目指して北海道に飛んだ。いやはや、スキーブーム、ラグビーブーム、みんなバブルの時代だった。
白い息
(旭川で。「こんなに息が白くなる」と示す自分撮りを試みる)

 しかし、今の北海道が何でこんなに混雑しているのか、よく分からない。可能性1→北海道日本ハムファイターズの優勝パレード。可能性2→旭川での「嵐」のコンサート。ただし、可能性2については来週のことであって、今日の混雑とは何の関係もない。
マイナス2℃
(午後4時37分、マイナス2度。すでにお空は真っ暗だ)

 16時、バブルの生き残り=サトイモ大将は旭川駅に降り立った。懐かしや、今年7月に300名規模の大講演会があって、ついでに入った「すがわら」の醤油ラーメンの余りの旨さに、ビックリ仰天したのである。
 断っておくが、今井君は決して「グルメ」とか「ラーメンのプロ」とか、そんなことを言うつもりはない。ごく普通の一般人として、素朴な懐かしい醤油ラーメンにゾッコン惚れ込んじゃった、ただそれだけのことである。
醤油らーめん
(すがわら、醤油ラーメン)

 調べてみると「すがわら」は有名店、澄み切ったスープの塩ラーメンが特に有名。しかし、うーん、どうしてもクマ蔵は醤油ラーメンが好きなのだ。世の中のグルメちゃんたちみたいに、ヤセ我慢して「塩が有名だから、どうしても塩」みたいなことはしたくない。
 こうして、新千歳から2時間半かけてたどりついた旭川「すがわら」で、1杯のラーメンを10分もかけずにすすり込み、ビッショリ汗をかいて外に出た。外はもう真っ暗。雪が積もった路面はツルツル、鼻から吐く息も真っ白になる氷点下2度の旭川で、汗はたちまち冷えていった。凍りつきそうな寒さである。
からっぽ
(醤油ラーメンは、10分でカラッポに)

 札幌までの帰りは、網走から来た気動車特急「オホーツク」に乗る。ホントは、グリーン車に乗りたかった。贅沢だろうが何だろうがグリーン車に乗って、車内でブログ記事を1本書き上げる予定だった。
 だって諸君、もうクマどんは半年もずっと「毎日1本アップする」の理想を実現してきている。この半年、怠けたことは1度もない。うひゃ、勤勉だ♡努力家だ。受験生のお手本とは、まさにクマどんのことだ。ところが、旭川ラーメンに夢中になっているうちに、ブログ継続が危機に陥ったのである。
雪の街路
(街路も完全に雪景色である)

 ところが、みどりの窓口のスタッフは「グリーン車は、満席です」というスゲナイお答え。はるばる網走から吹雪の石北峠を走り抜けてきてくれた「オホーツク」なのに、今井君のためのグリーン車は残っていないのだ。
 うにゃにゃ、こりゃ厳しいが、さすが受験生の手本=サトイモ大将。普通車の狭い座席でも、やっぱりチャンと我が友Mac君を開き、あっという間に昨日の記事を書き終えた。あとは、宿泊する京王プラザホテルのWiFiでアップするだけである。
オホーツク
(特急「オホーツク」で札幌に戻る)

 「オホーツク」から降りる寸前、車内アナウンス前後のオルゴールに感激する。おお、これはあまりに懐かしい。クマ蔵が小学生から中学生のころ、国鉄の全ての列車の車内アナウンスにはこのオルゴールが流れた。
 21世紀、気動車特急だけにこのオルゴールが残っているのか、それとも東京駅駅舎みたいな復活復元が行われたのか。「それって、どんなオルゴールですか?」という諸君、ぜひ北海道に旅して、特急「オホーツク」に乗ってみてくれたまえ。
 ラーメンを食べるためだけに旭川へ旅する。オルゴールを聞くためだけに「オホーツク」に乗る。ほぼ同等のバカバカしさであり、ほぼ同等に人生を豊かにしてくれる贅沢な旅である。

1E(Cd) Incognito:100°AND RISING
2E(Cd) Incognito:LIFE, STRANGER THAN FICTION
3E(Cd) Incognito:FUTURE REMIXED
4E(Cd) Incognito:ADVENTURES IN BLACK SUNSHINE
5E(Cd) Incognito:WHO NEEDS LOVE
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