Thu 121004 大阪のホテルの前金制度について 今井君は大爛熟期だ 静岡で授業2本 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 121004 大阪のホテルの前金制度について 今井君は大爛熟期だ 静岡で授業2本

 10月27日、朝9時に大阪のホテルをチェックアウトして、伊丹空港に向かう。いったん羽田に戻り、羽田から静岡に向かって、今日は静岡で講演会である。
 大阪で宿泊したホテルは「ホテル阪急インターナショナル」。梅田の駅前から徒歩でも10分ぐらいの高級ホテルであって、部屋の内装も調度も備品もみんな、クマなんかが冬眠前に1泊するのにはあまりに豪華、豪華すぎるほどである。
 ただし、どういうわけだか分からないが、「前金制度を導入いたしました」という何ともツマラナイ制度変更があって、こりゃいくら何でも高級ホテルに似合わない。世界中どこへ行ったって、チェックイン時に宿泊代を支払うなどというのは、チープなエコノミーホテルぐらいのものである。
大阪の朝1
(大阪梅田、ホテルからの眺望。この朝は霧が深かった)

 ほとんどの宿泊客は、長い旅程の果てに疲れ果ててホテルに到着する。「ホテルに着き次第、すぐにベッドに倒れ込んで旅の疲れを癒したい」。それが宿泊客のホンネであって、ホテルの第一の使命は、そのホンネを優しくかなえてあげることである。ところが「ホテル阪急インターナショナル」では、早速フロントで「オカネ、払ってください」と来る。
 その気持ちは、理解できないこともない。おそらく最近数年間に、「オカネを払う/払わない」で多くのトラブルがあったのだ。ホテルなんだから、怪しい宿泊客だっているだろう。ウソの住所とウソの電話番号を書いて、宿泊しておきながら翌朝ドロンされれば、ホテルは丸損である。
 そういう御仁を宿泊させれば、ホテル内の治安の問題にも関わってくる。「ドロン&丸損」系の問題だけではないのだ。しかし世界中どこへいっても、そういうリスクを別の方式で補って、歯を食いしばって暖かい経営を続けている。疲れ果てて到着したお客に「まず最初にカネ払え」とは言わないのである。
大阪の朝2
(ホテル阪急インターナショナル28階から、淀川方面を望む)

 ホンネを前面に押し立てたんじゃ、サービス業は成り立たない。大阪・梅田は、東京で言えば銀座と新宿を2つくっつけちゃったぐらいの、激烈な百貨店戦争の真っただ中。あの伊勢丹でさえ、今は苦戦を強いられている。ホンネを無理やり押さえつけても、笑顔でサービスを優先すべきスポットなのである。
 梅田のホテル戦争は、百貨店戦争よりもうワンランク激烈である。リッツカールトン/ヒルトン/ウェスティンが梅田駅から半径1kmの同心円内に並び、空室率も高く、ダンピングまがいの値引きだって目につく。
 ならばますます、「部屋に入るより先に、まずオカネを払ってください」→「カネや、カネや、カネや。万事、カネ優先や。文句は、カネを払ってから言いなハレ!!」というエゲツナイ態度は控えるべきである。
静岡1
(静岡での講演会 1)

 大阪から静岡への移動なら、新幹線「ひかり」を使ったほうが便利であるが、いろいろな事情があって、まず飛行機で羽田へ。羽田から京急で品川へ、品川から下りの「ひかり」で静岡へ。そういう面倒なルートをとることにした。
 10月上旬から、どうしても日本赤十字病院に立ち寄らなければならない事情が発生した。今井君自身は健康でピンピンしているが、講演先から講演先への移動にも、そういう回り道が多くなって何だかヘトヘトである。
 静岡到着13時チョイ。静岡での仕事は2つあって、
① 浪人生のための激励授業90分
② 高1生と高2生を対象にした公開授業90分
である。①は16時半から18時。②は19時から20時40分。到着後たっぷり時間があったから、講師控え室でブログ記事を書いたり、明日の予習をしたりして過ごした。
スタッフミーティング
(静岡のスタッフ・ミーティング。今井君もチョコッと参加した)

 「明日の予習」って? 明日は午後1時から吉祥寺のスタジオに出かけて、特別招待講習「今井のC組・特別編」3コマ分の収録をする。明日が3コマ、明後日が2コマ、合計5コマの特別招待講習を2日に分けて収録するわけだ。
 2012年に今井君が収録したのは、過去問演習講座12講座の他は、この類いの「特別編」ばかりである。過去問は、国公立が2012年の名古屋大/岡山大/広島大/熊本大/三重大。私立は早稲田大の政経/法/国際教養/文学部の2012年と、明治大文学部の過去3年分。それ以外は、「特別編」3本だけである。
 ただし、その「特別編」3本の出来がスコブル好調である。3本が3本とも、超スコブル付きの絶好調で、こりゃ誰が見たって、クマ蔵どん絶好調、サトイモ閣下絶好調、キウィ男爵はいよいよ爛熟期。まるで江戸の文化文政時代→化政文化みたいな、激しい爛熟期に今井君はさしかかっている。
吉祥寺1
(10月28日、吉祥寺スタジオのサトイモ男爵 1)

 そこで当然、静岡の①も②も、自分でビックリするぐらいの出来になる。特に無理やり張り切る必要もない。普通にやれば、それだけで強烈な盛り上がりが確保される。
 予備校講師の中には、「講演とか授業の前には徹底的に集中して自己を高めていきます!!」というタイプが多い。そういうタイプの先生は、授業の直前にもう目は血走るは、ヒタイに青筋が浮き出るは、「寄らば斬るぞ」の大迫力である。
 しかし、そこまでの大迫力で迫られては、生徒は恐怖心でいっぱいになる。「寄らば斬るぞ」と興奮でヒクヒクしているオサムライは、自分のことに集中するあまり、相手とのコミュニケーションを一切拒絶する精神状態なのだが、そりゃ教師や講師としてはさすがにマズいだろう。張り切り方にも、やっぱり限度があるのだ。
吉祥寺2
(10月28日、吉祥寺スタジオのサトイモ男爵 2)

 16時30分から、静岡の浪人生たちのために特別授業を開始。今井君がこれほどの疲労の中で大阪から駆けつけているのに「体調不良のため欠席」などという言語道断な生徒もいるが、ま、その程度のことで怒り心頭に発していては、予備校講師なんか出来ない。
 体調不良は体調不良であって、それを「首根っこをつかまえてでも出席させろ!!」と怒鳴ったりするようでは、「キミ、キミ、今井君。キミはまだまだ子供ですね」という恐るべき自己嫌悪が待ちうけることになる。
 結局90分、あまりの楽しさに「このまま静岡に滞在したい」と叫びたくなるほどの楽しい授業が実現。勢いをそのままに、サイン会も実施。サイン会終了後、直ちに現役の高1生&高2生対象の講演会に突入した。
静岡2
(静岡での講演会 2)

 静岡での講演会、19時10分開始、20時50分終了、出席者120名。もちろん、昨日の大阪都梅田駅前と同レベルの大成功であって、100分にわたって大爆笑の途切れることは一度もなかった。今日は生徒たちも机のない椅子だけの会場だから、1時間を経過したあたりから、生徒たちは疲労の極に達していた。笑わせすぎて、マコトに申し訳ない。
 終了直後、今井君は逃げるように校舎を去り、静岡駅に向かった。どうしても静岡発21時37分の新幹線「ひかり」で帰京したい。だって、明日は吉祥寺で3コマの収録がある。
 静岡で生徒たちにつかまって、また大サイン会なんか始まろうものなら、今日中の帰京だって危うくなってしまう。どうしても収録を大成功に終わらせたいので、そのために静岡から東京に逃げ帰り、収録前に十分な睡眠を確保しようというわけである。
静岡3
(静岡での講演会 3)

 静岡駅到着21時10分。おお、よかった、間に合った。ひかり号の出発まで30分近くあったので、静岡駅構内「そじ坊」で一杯飲んでいくことにした。
 いつもの静岡駅では「銀座ライオン」に入るのだが、この日の銀座ライオンは、おそらく結婚式帰りの若い男女十数名のグループが占拠。時代遅れで暴力的な「イッキ&イッキ、イッキ&イッキ」の大合唱が湧き上がっていた。
 君子、危うきに近寄らず。今井君は君子というよりクマ子であるが、やっぱり危うきに近寄るのは大キライなのである。その点、「そじ坊」は成田空港ですっかりお馴染みだ。外国旅行に出かける前、あるいは無事に海外から帰ってきた直後、クマ蔵はいつも成田空港の「そじ坊」でホッと一息をつく。
静岡4
(静岡での講演会 4)

 ところが諸君。最近の今井君はなかなか「ホッと一息」なんかつけないのである。注文を取りにきた女子アルバイト店員が、余裕の表情で「今井先生ですよね」ときた。うにゃにゃ、サトイモ閣下としても、「はい、今井先生です」と応答。だって、疲れ果ててネロネロな状態で蕎麦屋に転がり込んだのに、これ以上気取っていられないじゃないか。
 「ひかり」にも無事に乗れて、東京駅に到着22時40分。東京駅からタクシーに乗って、代々木上原には23時20分に帰還。すぐにベッドに入らなくちゃ明日の収録に差し支えるのに、それでも2時間ほど頑張って映画をみて、就寝は午前2時になった。おお、何とも激しい移動だらけの1日であった。

1E(Cd) Lima:CHOPIN FAVORITE PIANO PIECES
2E(Cd) Muti & Berlin:VERDI/FOUR SACRED PIECES
3E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM 1/2
4E(Cd) Reiner & Wien:VERDI/REQUIEM 2/2
5E(Cd) Mravinsky & Leningrad:SHOSTAKOVICH/SYMPHONY No.5
total m21 y1768 d9662