Wed 121003 日赤医療センター 夕方から大阪で講演会 にゃるほどゼミナールとニャゴ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 121003 日赤医療センター 夕方から大阪で講演会 にゃるほどゼミナールとニャゴ

 10月26日、所用があって昼前から東京・広尾の日本赤十字病院に出かける。正式には日赤医療センターである。お向かいは東京女学館(Mac君、いくら何でも「当共助が区間」はないんじゃないの?)、お隣は聖心女子大学、ちょっと歩けばチェコ大使館。マコトにマコトにオシャレな、東京でも選りすぐりの超一等地である。
 病院がまたまたオシャレである。何度も繰り返すようだが、こんなキレイな病院なら、どんな病気もあっという間に治ってしまいそうだ。受付もスマート、病棟もスマート。院内にコンビニや旨そうなレストランもあり、タリーズ・カフェまで揃っている。
 今井君は15年ほど前に東京慈恵会医大病院に10日、2年前には日本医科大学病院に1週間、それぞれ鼻と目の手術ために入院した経験があるが、少なくとも建物とその周辺環境のオシャレさにおいては、そのどちらと比較しても羨ましい限りである。
大阪1
(10月26日、大阪都・梅田駅前で講演会)

 入院病棟に入ってみると、恵比寿方面が一望できる。こりゃ夜景だってキレイだろう。入院者用の個室はほとんどホテル並み、サービスもまたホテル並み。ただし、もちろん個室料金もまた高級ホテル並みである。
 ナース・ステーションとは言わず、「スタッフ・ステーション」と呼び方もまた新しい。お医者様もスタッフの皆様も、みんな対応がたいへんソフトである。患者さん一人一人の心の中までチャンと配慮して、キツいコトバは使わないし、キツい態度を決してとらないように注意深く行動していらっしゃる。
 医学部志望の諸君、あるいはすでに医学部に進学した諸君は、是非一度この病院を見学に行きたまえ。勉強への意欲がぐんぐん高まるだろうし、病気のヒトビトにどう対したらいいか、考えるキッカケになるだろう。
大阪2
(梅田での講演会、開始直後のクマ左衛門)

 現代の日本には、患者の目も顔も見ることなくひたすらPC画面を眺め、患者の心情を察することなく傲慢な態度で接する医師やスタッフが少なくない。彼ら彼女らは、患者を治療するようでいて、実は患者の心情を深く残酷にエグるに等しい行動をとっているのかもしれない。
 入院者用の個室からは「日本赤十字看護大学」の清潔なキャンパスが見える。おそらくこの病院のスタッフは、あの大学で学んだヒトビトが多いのである。看護学部を志望する諸君、どうだい、広尾に通ってみないかい。建物で判断するのも妙なものだが、「一事が万事」というのもまた真実。キャンパスが美しく清潔なら、きっと中身も素晴らしいはずだ。
大阪3
(梅田でも、大いに盛り上がる)

 午後から大阪に移動。20時から大阪で講演会がある。機内のアナウンスでは「関西もようやく秋めいてまいりました」と、CAの声もちょっと疲れ気味。それほどこの夏の関西は暑かったのだ。第一、「あと5日で11月」というところまできて、「ようやく秋めいてきた」というセリフが出るとは、こりゃ異常事態でござるね。
花束をもらう
(花束をもらう  at 梅田)

 大阪での講演会、20時開始、21時半終了。数えたわけではないが、手許の資料によれば出席者120名。部活の関係で遅刻せざるを得ない生徒が多数いるとのことで、19時半開始の予定を30分繰り下げた。
 いやはや、盛り上がったのなんの。120名が200名にも250名にも感じられた。よく知らないヒトなら「大阪人はノリがいいだろう」と考えるだろうが、実は大阪には内気な生徒が多い。むしろ、笑いの本質を熟知しているだけに、中途半端な笑いには極めて厳しいのである。しかし10月26日の梅田駅前は、今井史上に十分残るほどの最高の盛り上がりになった。
案内用看板
(会場案内用の大看板)

 何しろ大阪は国公立大学天国である。京都大♡大阪大♡神戸大だけではない、大阪市立大も大阪府立大もある。神戸市立外語大だってある。この日の梅田駅前校も、そういう国公立大学を志望する優秀な生徒がたくさん集まった。ノーベル賞・山中教授の後輩にあたる大阪教育大天王寺高の生徒たちや、橋下市長の後輩・北野高校の生徒もいる。
 その優秀な彼ら彼女らが、「ちー」「つー」とか「たっ!!」「てっ!!」とかいう失笑の類いではなくて、昨日の下北沢ザ・スズナリの中高年に負けないほどの大爆笑で応えてくれた。会場は梅田駅前高層ビル内の大会議室。スズナリとは比較にならない超キレイな会場が、大爆笑の連続に揺れに揺れた。爆笑の声が階下のフロアでも聞こえたと言うんだから、そりゃたいへんな盛り上がりだったのだ。
ウィンドブレーカー
(東進・梅田のウィンドブレーカー)

 スタッフの若い皆さんにも大感謝。巨大オフィスビル内の分かりにくい会場だったから、生徒の誘導には苦労したと思う。東進梅田駅前校の揃いのウィンドブレーカーを着込んで大きな看板をかかげ、1時間以上も外に立ったまま、生徒の誘導に励んでくれた。
 会場には、保護者の姿もあった。中でも2名のママは、前から4列目の中央に席を占め、最初から最後まで爆笑の先頭に立ってくださった。今井君とほぼ同世代であるから、笑いのツボだって同じなのだ。「こんな楽しい時間は久しぶり」という風情が嬉しかった。
 終了後、ママのうちの一人に呼び止められた。この今井ブログの愛読者で、獣医をなさっている。新聞に連載記事も書かれている方で、我がニャゴロワの腎臓病に心を痛めていらっしゃったという。腎臓病ネコ用のゴハンのパックを5つもいただいた。
ニャゴごはん
(いただいた腎臓病ネコ用のゴハン各種)

 22時、大阪・福島駅近くのイタリア料理屋で祝勝会。「どのワインでも2000円です」という棚から、好きなワインをとってどんどん開けてもらう。いかにも大阪らしくていいじゃないか。そもそもワインなどというものは、20数万円もする高級ワインをウゴウゴ呻きながらありがたくチビチビやるものではない。世界中どこでも、豪快にグビグビ、みんなでガハガハ笑いながら、楽しく飲むものである。
CUMA
(祝勝会場で発見、アルゼンチンワインCUMA。発音も「クマ」だ)

 ホテルに帰って、獣医さんママからいただいたニャゴのゴハンをテーブルに広げながら、新聞に掲載された記事を読んだ。2007年5月26日朝日新聞「Do!ペット」欄。獣医師・石井万寿美さんの署名記事「ますみ先生のにゃるほどジャーナル」、サブタイトル「吾輩は腎不全であーる」である。
 夏目漱石のネコも、「獣医として漱石の記述を読めば、明らかに腎不全なのである」とある。漱石「永日小品」の中の「猫の墓」からの引用もあった。
「猫がだんだん痩せてきた。一向に子供と遊ぶ気色がない。日が当たる縁側に寝ている。前足を揃えた上に、四角なアゴを載せて、じっと庭の植え込みを眺めたまま、いつまでも動く様子がみえない」
「しばらくしてから、今度は三度のものを時々吐くようになった。咽喉の所に大きな波を打たして、クシャミともシャックリともつかない苦しそうな音をさせる」
記事
(にゃるほどジャーナル)

 現代の読者の便宜を考え、漱石先生の漢字と仮名遣いを今井君が若干書き直させてもらったが、これはまさに2010年12月初頭のニャゴロワの症状と一致する。ちょうどその1ヶ月前にサトイモ閣下も網膜剥離の緊急手術があって、ニャゴの症状をマジメに考えてやる余裕がなかったのだが、いまになってみればニャゴが可哀想でたまらない。
 病院で測ってもらったクレアチニンの値は9.6。獣医師に「致死的な数値」「生きられても100日」と指摘された。すでに尿毒症になりかけて、うずくまったまま気持ち悪くて動けないという状況だった。
花束
(梅田の花束、拡大図)

 以来、2日に1回の点滴に耐えて、まもなくあれから2年が経過する。今もなお部屋を元気に駆け回り、階段を雪崩のように走り降りてくる白い姿をみると、クマ蔵どんは嬉しくてたまらない。
 しかし、今夜いただいた腎不全ネコ用のエサ数種類を広げているうちに、深夜のホテルでクマ蔵どんの目に不覚の涙がにじみ、涙はあふれて止まらない。あの時は、すぐに気づいてやれなくてホントに済まなかった。

1E(Cd) Stan Getz & Joao Gilberto:GETZ/GILBERTO
2E(Cd) Sonny Clark:COOL STRUTTIN’
3E(Cd) José James:BLACKMAGIC
4E(Cd) Keith Jarrett & Charlie Haden:JASMINE
5E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
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