Sun 120909 汽笛一声、戸塚で講演会 なぜT行で笑うのか キウィ男爵の超絶技巧 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 120909 汽笛一声、戸塚で講演会 なぜT行で笑うのか キウィ男爵の超絶技巧

 10月1日、復元完成した美しい東京駅に感激しながら、「汽笛一声、新橋を」を心で高唱しつつ、今井君が東海道線グリーン車で向かった先は、横浜市の戸塚である。
 あらま、せっかく「汽笛一声」の鉄道唱歌まで持ち出したのに、行き先があまりに近い、近すぎる。新橋、品川、川崎、横浜、戸塚。たった5駅でもう目的地だ。出来れば神戸か京都か、せめて浜松か静岡、それがダメでも熱海あたりまでは行きたかった。
 しかし諸君、今日の今井君は物見遊山の旅をしているのではない。駅弁にお茶、ビールにおつまみ、日本酒4合瓶、冷凍ミカン、そういう人生のご褒美みたいなのは全てオアズケである。
 今日のキウィ閣下は、ムズかしい謹厳実直なお顔をして、戸塚で下り東海道線にサヨナラを告げなければならない。アウフ・ヴィーダーゼーエンであり、アスタ・ルエゴであり、オー・ルヴォワールでござる。
 横浜市戸塚での講演会、19時開始、20時半終了、出席者260名。「初めて東進に来てみました」という高校生も40名ほど、保護者の方の参加も多数あって、サトイモ大将はいつもと同じように暴発ギリギリのラインまで盛り上がった。
戸塚1
(横浜市戸塚で講演会 1)

 会場は、戸塚駅から徒歩5分の「男女共同参画センター」。うーん、「男女共同参画」とは、ずいぶん時代がかったお役所言葉であるが、さすがお役所だけあって、そのあまりに見事な杓子定規に圧倒される。
 「控え室は5時50分からです」ということになると、5時45分に到着しても絶対に「5時50分から!!」であって、その5分で誰ひとり損も迷惑もしないのに、意地でも部屋への闖入を許さない。
 今井君は、自分自身が国鉄職員の息子であるから、杓子定規が大好き、愛してさえいる。軟弱な臨機応変なんか大キライ。そうだそうだ、そうやって無意味に意地を張らなきゃ、お役所の名前が泣くじゃないか。
 同じように、「会場からの撤収は21時に完了」ということなら、5分だろうと3分だろうと、遅れは激しい叱責の対象になる。意地でも21時には「何事もなかったようなモヌケのカラ」の状態に戻さないと、まるで極悪人のように叱られる。
 だから、「盛り上がったんで、ついつい延長しちゃいました」とか、イタリア人やスペイン人みたいな、スギちゃん的「南欧の血が燃えるゼェ」タイプの行動は許されない。おお、素晴らしいじゃないか。杓子定規じゃなきゃ、「官」でも、お役人でもない。
 こうなると、今井君は思わず「杓子定規対抗戦」を挑むことになる。1分だろうと1秒だろうと、1cmだろうと1mmだろうと、一分のスキもなく杓子定規をやってみせる。こっちだって国鉄職員の息子だ。時間ピッタリで始め、時間ピッタリでケリをつけて、スタッフの皆さんが絶対に叱られたりしないように全力を尽くすのみだ。
戸塚2
(横浜市戸塚で講演会 2)

 集まった260名は、冒頭から完全に呆気にとられてしまう。「ノッケからハイテンション!!」の類いの入り方はしないが、「日本の若者はなぜT行で笑うのか?」という問題提起が余りにも意外なので、一気にのめり込んでしまう。だって諸君、「ちー」とか「つー」とか、T行で冷たく笑うのは、21世紀日本の若者に限定された異様な現象である。
 実際に講演会場に足を運ばなければ、この話の面白さは分からないだろうが、「ちー」「つー」の他に、最近は「たっ!!」「てっ!!」という冷笑・嘲笑・失笑も目立つ。なぜ「テルマエ・ロマエ」ほどに楽しい映画を見ながら、日本の若者は「ちー」と冷笑し、「てっ」と失笑するのか。それは理解の拒絶であり、コミュニケーションの拒否であり、カタクナさの象徴ではないか。
戸塚3
(今井君のアングルから)

 カタクナに理解を拒絶し、コミュニケーションを拒否する人々にとって、英語の学習が何を意味するのか。日本語に「頑迷」というコトバがあるが、もっとH行で明るく笑わなければ、大きな口を開けて豪快に笑わなければ、コミュニケーションの上達は困難になるのではないか。
 そういう話が冒頭5分ほど炸裂し、この5分ですでに「30秒に1回の大爆笑」という今井スタンダードが実現しはじめる。爆笑は決して「ちー」「つー」「たっ!!」「てっ!!」という冷笑ではない。例えば今日の戸塚では、260人中約250名が「ガハハハハァ」「どひゃひゃひゃひゃぁ」「うががががぁ」に類する豪快な笑いの渦に加わったのである。
戸塚4
(横浜市戸塚で講演会 3)

 もちろん、残りの約10名はカタクナに笑いを拒絶する。「勉強はもっとマジメにやるもんだ」「そんな話は英語にカンケーネー」「雑談はキキタクネー」のたぐいの頑迷な拒絶と拒否である。
 まあ当たり前だ。「ちー」という拒絶の笑いの冷たさについて初めて指摘され、すぐに事の重大さを認識できないオカタが260人中10名ぐらい存在することは、さすが超ベテラン=キウィ大将はとっくに織り込み済みである。
 しかしそういうカタクナな生徒諸君の抵抗も、30分と続くことはない。だって、キウィ大将の操る機関銃はマコトに変幻自在かつ強烈であって、どんなに頑丈でカタクナな耳も、コジ開けるだけの圧倒的パワーをもっている。
 昔はどんな予備校でも、「オレは○○先生のファン。今井の話なんか聞く耳もたねえ」という男女が少なくなかった。講師がアイドルだった時代の、懐かしい生徒諸君である。○○先生ファンと●●先生のファンとは、まるでカタキどうしのように睨み合い、罵りあい、聞こえよがしの悪口雑言が廊下を飛び交ったりした。あれもまた大いに懐かしい、闘志みなぎるスンバラシイ世界であった。
戸塚5
(横浜市戸塚で講演会 4)

 しかし、21世紀の東進に集まる生徒諸君には、その種のカタクナさはほとんど見られない。非常に高い確率で「話を聞く耳はタップリもってます」という余裕の表情がズラリと並ぶ。だから、例えば260名中10名が最初キウィ大将の話を拒絶していたとしても、30分経過の時点で10名は5名に、5名は3名にしぼられてしまう。映画「12人の怒れる男」と、酷似したストーリーなのだ。
 開始15分、会場内のカタクナ君が3名程度まで減少した時点を見計らって、今井君は
「では、どうしてみんな長文読解が苦手なのか」
「どうして模試で時間が足りなくなっちゃうのか」
「読解のスピードを上げるためにはどうすればいいのか」
という本題に入る。ここで、3名は1名、あるいはゼロに至る。マコトに見事な手腕であって、名人の至芸、達人の美技、超絶技巧、そういう呼び方こそ相応しい♡
 では諸君、ホントに「どうして長文読解のスピードが上がらないのか」「模試で時間が足りなくなるのは何故か」「速読って、必要なのか?」でござるが、その答えはもちろんここに書くわけにはいかない。ぜひ自ら今井の講演会場に足を運んで、260名なら260名全員が納得したキウィ演説に耳を傾けてもらいたい。右の講演会一覧表は、そのために掲載している。
戸塚6
(最後に花束をもらう)

 終了後、「男女共同参画センター」を出たところで、デマチの生徒諸君7名ほどと出会う。彼ら彼女らは神奈川県立横須賀高校の高2生。みんなで記念撮影をした。元気な、明るい諸君であって、今日の話もよく心に染み込んだ様子。こういう出会いもまた楽しいものである。
 21時から、戸塚駅ビルの居酒屋で祝勝会。お肉大好きサトイモ閣下は、勇んでジンギスカンを注文してみたが、野菜の上にちょっぴりヒツジさんが乗っかっているだけのジンギスカンに、思わずションボリ。しかしとにかく大成功の直後だから、会話も大いに楽しく弾んで、サンマ、餃子、焼き鳥と次々にワシワシやりながら、赤ワイン2本があっという間にカラッポになった。
 22時50分、解散。今井君は湘南新宿ライン→新宿から小田急線とマジメに乗り継いで、午前1時チョイ前に代々木上原にたどり着いた。台風一過の、ホントに素晴らしい1日であった。

1E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 3/5
2E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 4/5
3E(Cd) COMPLETE MOZART/THEATRE & BALLET MUSIC 5/5
4E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 1/11
5E(Cd) COMPLETE MOZART/DIVERTIMENTI・SERENADES 2/11
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