Mon 120903 熊本講演会 修学旅行の生徒が挨拶にきてくれた 運転手さんと話が弾む | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 120903 熊本講演会 修学旅行の生徒が挨拶にきてくれた 運転手さんと話が弾む

 9月25日、熊本で講演会。今回は「校舎で開催」という小規模なもので、先週の神戸600人や金沢1100人の激しい高揚感はないけれども、at homeというのもまたホノボノとして決して悪くはない。校舎を生徒やスタッフのhomeと考えるなら、校舎開催はまさにコトバ通りのat homeなワケである。
 講演は19時半開始であるが、午前中の飛行機で熊本に飛び、熊本のホテルでいろいろ用事をこなすことにした。6時起床、8時半には代々木上原を出て、10時前にはもう羽田に着いた。講演まではまだ9時間もある。何とも気の早いキウィ閣下であるね。
熊本1
(熊本で講演会 1)

 大好きなANAラウンジで1時間ほどゆっくり過ごし、11時の飛行機に乗る。搭乗口にたくさんの高校生がいて、どうやら「修学旅行のお客様」であるらしい。アナウンスでも、「修学旅行のお客様を先に機内にご案内いたします」と言っている。
 こういうのはキウィ男爵にとってまさに「Alert!!」のサインであって、誰がどこでこっちを観察しているか分からない。油断してスポーツ紙をめくったり背中を掻いたりすれば、あっという間にツイッターにその情報が溢れる。
「今井センセー発見。スポーツ新聞読んでました」
「げ、羽田に今井センセーがいる。いま背中をかいてます」
「羽田なう。サトイモ君を発見。ラーメン食ってます」
 この類いのことを書き込んで何が面白いのかサッパリわからないが、何しろ祝勝会の飲み会の席での今井君情報を、まさにその祝勝会のテーブルからツイッターに書き込む人がいる世の中だ。油断もスキもないのである。
熊本2
(熊本で講演会 2)

 こういうシチュエーションに備えて、今井君はカバンの中に「見るからに難しそうな本」を2冊入れている。洋書なら文句ナシだが、それじゃあんまりワザとらしいから、難しそうな図表やグラフがタップリ入った歴史書をセカセカ取り出して、読みふけるフリでもしておけば、いくらかツイッター情報は改善される。
「羽田に今井さんがいます。難しい本を読むフリをしています」
ぐらいにはなるだろう。ま、ボクチン程度でこれなんだから、ホントの有名人はさぞかしツライだろう。一挙手一投足、全てがAlertサイン対象であるわけだ。
バッジ
(熊本・味噌天神校作成 クマ蔵バッジ)

 この種のAlertサインが激しく点滅する中、キチンと挨拶にきてくれる高校生がいるのは嬉しいことである。この日の羽田では、「もしかして今井センセーですか?」と近づいてきた女子高校生がいた。
「浦和校で、C組とB組を受けてます」
「授業がとっても楽しいです」
「音楽系の高校なのでちょっと特殊なのですが、とにかく英語が好きになりました」
など、短時間のうちにいろいろ話してくれた。これから修学旅行で熊本→長崎→福岡と回るのだそうだ。気をつけて、元気に行ってきてくれたまえ。
阿蘇
(熊本。ホテルの部屋から阿蘇がよく見えた)

 熊本着、12時過ぎ。すぐタクシーに乗って、13時にはホテル日航についた。熊本はキレイに晴れわたり、最高気温は29℃まで上がってまだまだ夏の雰囲気。しかし空気は澄みきっているらしく、ホテル13階の部屋から阿蘇がよく見えた。
 「ホテルで5時間もあるから、さぞかし用事がはかどるだろう」と勢い込んで、何から何までいろいろ持ち込んでしまうのが、今井君のまだ未熟なところである。旅先で読書、旅先で勉強、旅先でデスクワーク、そういうのは、家を出る時に期待した半分も進まないものである。
熊本3
(生徒代表の挨拶)

 今井の場合、半分どころか1/5がいいところ。結局は全く手をつけず「進捗ゼロ」のことが多い。だから、ホントにホントのことを言ってしまえば、潔く何も期待せず何も持たず、ほぼ手ぶらで出かけるほうがいいのだ。熊本なら、また熊本城を訪れるとか、夏目漱石の散歩道を歩いてみるとか、過ごし方はいくらでもあるじゃないか。
 実際、一昨年あたりまでのキウィ男爵は、講演で全国を回るたびにプチ観光を楽しんでいた。しかし諸君、そういうプチ観光もまたツイッター情報の対象になる。「熊本城でクマ発見」「京都の祇園祭で口をアングリ開けて山鉾みてました。画面で見るよりもっとキウィっぽかったです」ということになると、やっぱり引っ込み思案になってしまう。
熊本4
(講演終了後、花束をもらう)

 こうして、クマどんはまるで冬眠中のクマどんみたいに、ホテル日航1334号室で丸くなって過ごすだけである。おかげで予習だけはシッカリはかどった。10月上旬の今井センセーは、明治大学文学部2010年~2012年の3年分を収録する予定。チャンと予習しないと、ただ答え合わせをするだけになりかねない。
 たった60分の試験時間で、こんなにたくさんの問題にどう対処すべきなのか。それを「明治が第一志望」という諸君にしっかり理解してもらえる解説となると、予習時間がいくらあっても足りないぐらいである。
地獄温泉
(祝勝会場は「地獄温泉」の隣。熊本料理屋で馬刺を食す)

 熊本での公開授業は、熊本・味噌天神校の3階の大教室で19時半に開始。21時終了。今日の冒頭に書いた通りまさにat home。マイクも必要ないぐらいだったが、600名や1100名超の大講演でも、100名ほどのat home公開授業でも、今井講演での爆笑レベルは全く同じことである。
 終了してすぐ、控え室にも戻らず、まるで逃げるように祝勝会場に向かった。今回は高1高2限定だったので、出席できなかった高3の生徒たちがサインをもらおうと外で待ち構えていたのに、何だか可哀想なことをした。
ワイン
(2012年度、祝勝会の今井はワインをいただくことにしている)

 翌日、空港に向かうタクシーの中で運転手さんと話が弾んだ。昭和15年生まれのオジーチャンであるが、昭和初期に東京に集団就職した経験を話してくれた。虎ノ門と新橋の間あたりに下宿して、人の多さにビックリしながら6年働いた、東京タワーや首都高速の建設を目のあたりにして、東京オリンピック直前に熊本に帰ってきたという。
 これはまさに生きた昭和史である。今井君自身、強烈な記憶力を武器に、次第に生きた昭和史になりつつあるが、さすがに昭和30年代の日本を自分の目で見たわけではない。
「いや、映画をよく見ました。ユージロー、アラン・ドロン、三船敏郎、萬屋錦之介、ガード下の映画館で、電車の音を我慢しながらたくさん見ました」
そう言って懐かしそうに笑う彼は、キチンと制帽をかぶった、マコトに礼儀正しいオジーチャン運転手さんである。空港について、「気をつけてお帰りになってください」という一言が嬉しかった。

1E(Cd) Jochum & Bavarian Radio:MOZART/THE CORONATION MASS
2E(Cd) Kremer:MOZART/VIOLINKONZERTE Nos. 2 & 3
3E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.1
4E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.2
5E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.3
total m15 y1440 d9335